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今月のワンポイントアドバイス



 インターネットや様々な記録メディアは必要な情報の収集やコミュニケーション、データのやり取りなどに欠かせない存在です。しかし、そこには様々な脅威が溢れており、あなたのパソコンを狙っています。コンピュータウイルスはもちろん、インターネットを介した不正アクセス、或は大切な情報もろともパソコンを紛失してしまうこともあり得ます。しかし、怯えてばかりいても事故は防げません。危険を見極め、しっかりとした対策を行ないましょう。今月は、パソコンやスマートフォンのセキュリティ対策について解説しました。
セキュリティ

セキュリティー
【1】セキュリティの必要性とその対策
【2】IDとパスワードの安全管理
【3】無線LANの安全な使い方
【4】スマートフォンとそのセキュリティ対策


【1】セキュリティの必要性とその対策

 インターネットや様々な記録メディアは必要な情報の収集やコミュニケーション、データのやり取りなどに欠かせない存在です。しかし、そこには様々な脅威が溢れており、あなたのパソコンを狙っています。コンピュータウイルスはもちろん、インターネットを介した不正アクセス、或は大切な情報もろともパソコンを紛失してしまうこともあり得ます。しかし、怯えてばかりいても事故は防げません。危険を見極め、しっかりとした対策を行ないましょう。本節では、パソコンのセキュリティ対策につき以下で取り上げ解説しました。
あなたのパソコンを襲う様々な脅威

 パソコンはマルウェアや不正アクセス、フィッシング詐欺、紛失&盗難といった様々な脅威に晒されています。特に最近は複数の機能を有した脅威も存在しています。以下それぞれの脅威の特徴について簡単に説明します。


マルウェア
 マルウェア(malware)とはmalicious software(悪意のあるソフトウェア)を略した造語で、悪意のこもったソフトウェアの意味。遠隔地のコンピュータに侵入して感染活動や破壊活動を行なうものや情報を外部に漏洩させるものなどマルウェアには様々な種類がある。

コンピュータウイルス
 第三者のプログラムやシステムに対して意図的に何らかの被害を与える目的で作成されたプログラム。他のプログラムやシステムに自らをコピーすることで、他のシステムに感染する機能や、特定の時間や一定期間、処理回数などの条件が満たされるまで潜伏する機能、また、プログラムやデータの破壊やパソコンを異常動作させる機能などを有している。〔感染→潜伏→発症〕という自然界のウイルスに似たサイクルを持ち、自己増殖することが名前の由来。

ワーム
 コンピュータウイルスの一種。コンピュータウイルスは自己増殖のために実行プログラムなど寄生するものが必要であるのに対し、ワームは寄生するものを必要としないことが特徴。このため、コンピュータウイルスは感染した実行プログラムを起動することで「発症」するのに対し、ワームは一度感染するとパソコンが動いている間、常に活動するという特徴がある。

トロイの木馬
 コンピュータウイルスのように他のプログラムにコピーして感染するのではなく、自己増殖機能がない独立したプログラムで、あたかも有益なプログラムであるかのように振舞うことが特徴。実行されると、被害者に気づかれぬようにネット接続やファイアウォール設定などを変更して外部方の接続を可能にするバックドア(裏口)を作り、被害者のパソコンを乗っ取ったり、破壊活動を行なったりする。ギリシャ神話に登場するトロイアの木馬が名前の由来で、利用者のキー入力を監視&記録して内容を外部に送信するキーロガーや、Webブラウザの機能を乗っ取り、利用者の同意や承諾を得ることなくホームページや検索ページの設定を変更したり、履歴を送信したりするブラウザハイジャッカーもトロイの木馬の一種。

スパイウェア
 トロイの木馬の一種で、利用者の意図に反して勝手にインストールされ、個人情報を収集し第三者に送信する不正なプログラム。名前の通り情報を収集することが目的のプログラムで、トロイの木馬と異なり破壊活動は行なわない。

ボット
 感染したコンピュータをインターネットを通じて外部から操ることを目的としたコンピュータウイルスの一種で、ボットという名称は、その動作がロボットに似ているところに由来している。ボットに感染すると、外部からの指示に従ってボットに設定されている処理を実行する。ボットを操作する悪意のある人間の意志が存在する点、感染したパソコンをどう悪用するかという点が脅威のポイントになる。

不正アクセス
 OSやプログラム、ハードウェアに存在するセキュリティホールを利用して第三者が勝手に他人のパソコンに侵入する行為のこと。パソコンへの不正アクセスにより、パソコンの操作を行なったり、他人のIDやパスワードを無断利用して本人になりすまし、本来受けることのできないサービスを受けたり、第三者へIDやパスワードを渡すなどの被害が発生する。

フィッシング詐欺
 フィッシングとは、銀行やクレジットカード会社などの金融機関を装ったEメールを送ったり偽装したホームページを作成したりして、住所や市名、銀行口座番号、クレジットカード番号などの個人情報を搾取する行為。

盗難&紛失
 悪意のあるプログラムや不正アクセスなどの脅威だけでなく、紛失や盗難といった物理的な要因もパソコンへの脅威となる。 数年前のデータながら、情報漏洩の原因として紛失や盗難によるものが4割近くを占めているという。

ファイル交換ソフト
 WinnyやShareなどといったファイル交換ソフト自体はパソコンへの脅威となるものではないものの、その使い方や扱いを間違えると、あっという間に情報漏洩の原因になる。また、ファイル交換ソフトを利用するコンピュータウイルスやトロイの木馬も存在する。

コンピュータウィルスやトロイの木馬・ボット対策

 インターネットからダウンロードしたファイルやメールの添付ファイル、CDやUSBフラッシュメモリなどの記録媒体に保存されているファイルの実行による感染、ウイルスの埋め込まれたホームページを閲覧したことによる感染、メールやホームページに記載された不正なURLのホームページへアクセスすることによる感染などコンピュータウイルスやトロイの木馬、ボットの侵入手段は様々です。パソコンを守るために下記の対策をしっかりと行ない、侵入を防ぎましょう。
セキュリティ対策ソフトを導入する

 まず必須と言えるのがウイルス対策ソフトの導入です。ウイルス対策ソフトを導入することでパソコンへの感染を未然に防ぐことができます。しかし、コンピュータウイルスは日々新種や亜種が登場しているそのため、コンピュータウイルスを定義しているデータベース(ウイルス定義ファイル)を常に更新し、新しいコンピュータウイルスに対応できる状態に保つことが重要となります。ウイルス対策ソフトには自動的にウイルス定義ファイルを更新する機能が付いているので、その機能を利用してパソコンを必ず最新の状態にしておきましょう。
Windows UpdateでWindowsを常に最新の状態にする
〜Windows Updateで自動更新するように設定しておこう!〜

 コンピュータウイルスの中には、OSやプログラムのセキュリティホールを狙って侵入して来るタイプがあります。パソコンにセキュリティホールが残っていると、インターネットに繋いだだけ、またはメールをプレビューしただけでコンピュータウイルスに感染してしまう可能性があるのです。そのため、Windowsを始めとするマイクロソフト製品のセキュリティホールを修正するWindows Updateを定期的に実行するか自動更新する設定にしておき、セキュリティパッチを必ず適用し、常に最新の状態になるようにしておくことが重要です。
ファイルの拡張子に注意する
〜フォルダオプションの設定で「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外しておこう!〜

 メールに添付されていたファイルを開いたらコンピュータウイルスに感染したという話をよく聞きます。仕事やプライベートに欠かせないメールは、コンピュータウイルスの侵入ルートとしてもよく利用されています。知らない相手から届いた添付ファイルは無闇に開かないように注意しましょう。また、知り合いや取引先からのメールでも添付ファイルがあった場合には、まず疑ってかかり、安易に開かないようにすることが重要です。特にexeやcom、bat、scr、pifなどの拡張子が付いたファイルがメールの添付ファイルで送られてきた場合には注意する必要があります。また、コンピュータウイルスの中には拡張子やアイコンを偽装しているものもあります。たとえば「○○.exe」というプログラムにWordの文書ファイルアイコンを貼り付けて偽装しているもや、「○○.doc■■■■■.exe」などのように、ファイル名を長くし、拡張子を二重に指定して偽装している場合もあります。そこで、拡張子が表示されていない場合は、エクスプローラのメニューバーから〔ツール→フォルダオプション〕をクリックし、表示タブで「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外しておきましょう。
万が一に備えバックアップを取っておく

 コンピュータウイルスに感染して壊れたファイルはウイルス対策ソフトでも修復できません。従って、ファイルが壊れてしまった場合でも、日頃から重要なファイルをバックアップしておくことで元に戻すことが可能になります。
HOSTSファイルを確認〜この部分に不正な設定が記述されていた場合には削除しよう!〜

 ボットの場合は、ウイルス対策ソフトが最新のウイルス定義ファイルに更新するのを妨げたり、ウイルス対策ソフト自体の動作を止めてしまったりするものもあります。そのため、上記の対策以外にHOSTSファイルの内容を確認してみましょう。 HOSTSファイルは「C:\WINDOWS\SYSTEM32\DRIVERS\ETC」にあり、メモ帳で開くことができます。HOSTSファイルはネットワークの接続先を指定するファイルで、ボットなどにより不正に設定されたり、あるサイトへアクセスしようとした時に、別のサイトに接続させられてしまうことがあります。たとえばウイルス対策ソフトがウイルス定義ファイルを更新しようと配布しているサイトにアクセスしようとした時に、HOSTSファイルの不正な書き換えにより別のサイトにアクセスさせたり、アクセス自体をさせないようにしてしまったりといった問題が発生するわけです。このファイルに手を加えていない場合には「127.0.0.1 localhost」という定義しか登録されていませんが、もしもウイルス対策ソフトの会社やマイクロソフトのサイトなどが登録されていた場合にはそれらの定義を削除する必要があります。
スパイウェア対策
セキュリティ
 Web サイトを訪問している時に面白そうな広告やリンクを見つけてクリックしたら、画面にポップアップウィンドウが次々に表示されたり、ブラウザに突然たくさんの不快なサイトが表示されたりして収拾がつかなくなった経験はないでしょうか。或は無償のゲームやソフトウェアをインストールした後コンピュータの動作が遅くになったことはありませんか。これはあなたのオンライン操作が知らないうちに追跡されているからです。

 スパイウェアは、利用者によって誤ってインストールされたり、知らないうちにインストールされたりすることでパソコンに侵入します。フリーウェアやシェアウェアなどをインストールする際に、同時にスパイウェアがこっそりとインストールされる場合や、ダウンロードしたファイル自体がスパイウェアという場合があります。こういったファイルを利用する際には、利用許諾をよく読み、不要なものをインストールしないようにしましょう。
 何れにせよ、スパイウェアやアドウェアはユーザーを当惑させる様々な現象を引き起こします。これらのプログラムは単に不快なだけではなく、インターネットに常時接続しているユーザーにとってはセキュリティ面でも極めて危険なものなのです。従って、スパイウェア対策は、コンピュータウイルス対策と同様に、複数の対策を講じておくことが重要です。
スパイウェア/アドウェアとは?

 スパイウェアは通常ユーザーに気づかれることなくコンピュータに侵入してきます。もちろんユーザーの許可を得ることもありません。このプログラムは通常ユーザーには分からないところで動作し、情報の収集やユーザーの操作の監視を行ないます。スパイウェアの多くはコンピュータ自体に関する情報とユーザーの使用傾向に関する情報を収集します。たとえばユーザーのWebアクセスのパターンが監視されたりします。また、最近はより巧妙なスパイウェアの存在も認められています。これらのスパイウェアは個人情報の詐取を目的としており、Webサイトのパスワードやユーザー名、さらにはクレジットカード番号やインスタントメッセージの内容など機密性の高い個人情報を手に入れて外に送信します。
 なお、一方のアドウェアはスパイウェアとは少し異なります。アドウェアは基本的にはユーザーのコンピュータに広告を表示することを目的としています。アドウェアプログラムは多くの場合ポップアップウィンドウという形で画面に現われ、このウィンドウに広告や他の Webサイトへのリンクを点滅させながら表示します。これらの広告の多くは一般の製品の売り込みを目的にしています。そして、アドウェアの中にはユーザーのWebアクセスの傾向を監視し、その情報に基づいてターゲットを絞った広告内容を送信するものもあります。これを気にしない人もいますが、プライバシーの侵害と受け取る人もいます。何れにせよ大切なことは、このようなプログラムがコンピュータに常駐することを望んでいるかどうかということです。プライバシーを侵し、セキュリティを低下させるもの、或は少なくとも不快なものと思うのであれば歓迎できないソフトウェアのカテゴリにぴったり当てはまります。そうであれば対策を学ぶ必要があります。
スパイウェアやアドウェアの駆除方法

 スパイウェアやアドウェアがセキュリティリスクを生み出したり性能を低下させたりするのであれば、これらが単に迷惑なだけではないことは明らかです。たとえばスパイウェアやアドウェアはユーザーに気づかれない場所で休むことなく動作し、コンピュータリソースを占有し、場合によってはシステム全体を停止させます。マシンの速度低下は誰にとっても不快ですが、ホームオフィスのユーザーにとっては事態はもっと深刻です。これらのプログラムは、殆どの場合ユーザーがロードした別のプログラムと一緒にインストールされます。ソフトウェアの使用許諾契約に何らかの説明があったかも知れませんが、しかし、このような使用許諾契約は延々と続くことが多く、全部を読み通すユーザーは稀です。典型的な例では、スパイウェアやアドウェアはインターネットからダウンロードするフリーウェアにバンドルされていたりしますが、中にはこれを公正な交換取引と考える人もいます。つまり、「無償のソフトウェアを提供するのだから、メーカーがユーザーの傾向を監視するぐらいは構わない」と考えることもできるわけです。しかし、その一方で、これは詐欺だとか権利の侵害だと考える人もいます。

 また、ユーザーが Web サイトにアクセスしている間に歓迎されないソフトウェアがコンピュータに侵入して来ることもあります。多くの場合これらのプログラムは、ポップアップウィンドウや偽のダイアログボックスをユーザーにクリックさせることでダウンロードを開始させます。一部のポップアップウィンドウには、「緊急」という語句や、或はクリックしたくなるようなメッセージが書かれています。たとえば無償でギフトを提供するとか、Webページを閲覧するためにソフトウェアをダウンロードする必要があるなどと説明されています。ウィンドウには多くの場合「はい」「いいえ」を選択するためのボタンなどが表示されますが、実際には、ウィンドウをクリックするとスパイウェアやアドウェアがコンピュータにダウンロードされます。ですから、これを避けるためには何も操作しないでウィンドウを閉じる意外ありません。
スパイウェアやアドウェアの侵入防止

 歓迎されないソフトウェアがいつの間にか多数コンピュータにインストールされているのであれば、その原因の一部はあなたがすべきでないことをしたことにあります。また、逆にすべきことをしなかったことが原因になっている場合もあります。不要なスパイウェアやアドウェアを避けるには次のガイドラインに従って下さい。


必要なものだけをダウンロードする
 ダウンロードを開始する前に本当に必要なプログラムなのかどうかを検討しましょう。当該のソフトウェアメーカーの名前を初めて聞く場合は、メーカーのWebサイトにアクセスして内容を詳しく調べ、テクノロジーだけではなく、テクノロジーの背景にどんな人たちがいるのかを見抜くように努めて下さい。ユーザーの同意も得ずにスパイウェアをこっそりとインストールするための手段としてActiveXがよく用いられますが、このActiveXについてはくれぐれも注意して下さい。ブラウザの設定を変更すればActiveXを無効にすることができます(※信頼済みサイトでActiveXが要求される場合はいつでも有効に戻すことができます)。

使用許諾契約をよく読む
 このような契約は中々読む気が起こらないかも知れませんが、安全を優先するようにしましょう。フリーウェアのインストールの際に使用許諾契約を読まないで下までスクロールし、「同意する」ボタンをクリックするユーザーも多く見られますが、そのような操作は決してしないようにしましょう。そして、各契約を注意深く読み、情報収集活動に関する説明がないか確認して下さい。そのような説明はフリーウェアと一緒にスパイウェアやアドウェアがインストールされることを意味している可能性があるからです。

スパイウェア対策ツールをよく調べる
 Webにはスパイウェア対策ツールと称するツールが溢れていますが、これらはスパイウェア防止に余り役立たないか、全く役立ちません。中には状況をさらに悪くするものもあります。多くの場合これらのツールの提供元は無償のスキャンを用意しており、殆どの場合コンピュータ上で多数のスパイウェアプログラムを検出します。そして、その無償スキャンが終わると、必ずその役に立たない製品の購入を勧めてきます。

怪しいサイトや不審なメールに注意する
 スパイウェアが仕掛けられているホームページを閲覧したり、スパムメールのURLをクリックして同様なホームページにアクセスしたりした場合にスパイウェアに侵入される可能性があります。不審なホームページへのアクセスや怪しいURLの場のクリックは極力避けるようにして下さい。

クリックできる広告に注意する
 クリックできる広告が点滅するプログラムは (特にフリーウェアの場合) 避けるようにしましょう。何らかの罠がある場合が多いからです。そのような広告をクリックした場合、あなたの反応が監視されている可能性があります。

パソコンやインターネットブラウザを常に最新の状態に保つ
 コンピュータウイルス対策同様、Windows UpdateでWindowsを常に最新の状態にしておきましょう。スパイウェアやアドウェアのダウンロードにはブラウザのセキュリティホールがよく利用されます。このため、使用しているブラウザ用のセキュリティパッチが利用できるようになった時点で、直ちに全て適用するようにして下さい。ブラウザのメーカーのWebサイトにアクセスして最新の更新版を入手しましょう。

スパイウェア対策ソフトを導入する
 スパイウェアは利用者に気づかれないように動作するため、これを発見するのはとても大変です。そのため、スパイウェア対策ソフトを導入し、スパイウェアの侵入や実行を防ぐ必要があります。スパイウェア対策ソフトも、ウイルス対策ソフト同様に新種のスパイウェアに対応するための定義ファイルが日々更新&配布されているので、常に最新の状態で利用するようにして下さい。

頻繁にスキャンする
 コンピュータに必ず正規のスパイウェア対策プログラムをインストールし、そのプログラムが頻繁にコンピュータをスキャンして、不要なスパイウェアやアドウェアを駆除できるように設定して下さい。スパイウェアやアドウェアが近い将来消滅すればよいのですが、そのようなことには今後ともならないでしょう。ただし、インストールするソフトウェアとインストールしないソフトウェア、コンピュータにそのまま残すソフトウェアをユーザーがきちんと決めることができていれば制御は可能です。

参考:キーロガーの追跡から逃れるために

 現在パソコンは写真の共有からショッピングの料金支払いまで何にでも利用されています。インターネットのオークションで簡単にアンティーク商品を購入したり、簡単に住宅ローン申込書を送信したりできます。でも、くれぐれも用心して下さい。クレジットカードの番号やパスワードなどコンピュータに入力するキー操作の全てをサイバーストーカーがキーロガープログラムを使って追跡しているかも分からないからです。もっともキーロガーはスパイウェアの一種で、親が子どものオンラインでの行動を監視するためにこれを合法的に使用することも可能です。けれども、近年キーロガーは違法な目的に使用されることが多くなってきています。ストーカーがインストールしたり、またはウイルスやワーム、トロイの木馬によって自動的にコンピュータにインストールされます。入力した口座番号やパスワードを盗み、利用者の銀行口座から全額を引き出したり、その人の名義でクレジットカードを作成したりできる情報を犯罪者に渡すのです。
 キーロガーは幾つかの方法でコンピュータに侵入します。手動でインストールされることもありますが、ウイルスやワーム、トロイの木馬という形でやって来ることの方が多いようです。この種のマルウェア (悪意のあるソフトウェア) は全て電子メールや音楽ダウンロードサイトのようなファイル共有システムを介してコンピュータを攻撃します。安全性の低いWebサイトにアクセスしたり正当に思えるソフトウェアをダウンロードしたりすることも、コンピュータを危険に晒すことがあります。いったんキーロガープログラムがコンピュータに組み込まれると、その存在を認識するのは困難です。それも当然で、発見されずにデータを盗むことが目的なだけに、キーロガーは検出するのが困難なのです。残念ながらキーロガーに侵入されているかどうかを知る方法はありません。キーロガーに感染しているコンピュータは時折り動作が不安定になりますが、通常はそれが起きる頃にはもう手遅れの状態なのです。ただし、幸いなことにキーロガーを探し出して破壊したり水際でくい止める防御策があります。これらのステップを実践することで、相手と同じ手段で対抗すること、すなわち、キーロガーをコンピュータにインストールして情報を盗もうとする犯罪者の攻撃をテクノロジーによって交わすことが可能になるのです。


スパイウェア対策プログラムをインストールする
 ソフトウェアメーカーが、キーロガーやその他のスパイウェアをコンピュータから発見し削除する新しい検出ツールを製作し始めています。このような製品は安いものから高いものまで多岐に渡りますが、優れたスパイウェア対策ソフトは、既知のウイルスやワーム、トロイの木馬の全種類からコンピュータを保護してくれます。

制限ユーザーモードに変更する
 コンピュータのオペレーティングシステムが最新のVistaや7でなく、まだWindows XP だとすれば、コンピュータのデフォルト設定は恐らく「管理者」モードに設定されています。これは殆ど誰でもコンピュータにこっそり何かを送ってインストールできるということを意味しています。そこで、日常の作業では「制限ユーザー」モードに変更することによってコンピュータをキーロガーからかなり保護することができます。もちろんコンピュータにはまだ「管理者」アカウントがあります。何かをインストールする必要があればこちらを用いますが、その他の時は忘れずに「制限」ユーザーに切り替えましょう。これを習慣にすればパソコンはかなり安全になるでしょう。

制限ユーザーモードに変更する
 コンピュータのオペレーティングシステムが最新のVistaや7でなく、まだWindows XP だとすれば、コンピュータのデフォルト設定は恐らく「管理者」モードに設定されています。これは殆ど誰でもコンピュータにこっそり何かを送ってインストールできるということを意味しています。そこで、日常の作業では「制限ユーザー」モードに変更することによってコンピュータをキーロガーからかなり保護することができます。もちろんコンピュータにはまだ「管理者」アカウントがあります。何かをインストールする必要があればこちらを用いますが、その他の時は忘れずに「制限」ユーザーに切り替えましょう。これを習慣にすればパソコンはかなり安全になるでしょう。
◆参考:パソコンを「制限ユーザー」モードに変更する手順
  1. スタートメニューで「コントロールパネル」を選択する
  2. 「ユーザーアカウント」をダブルクリックする
  3. 「新しいアカウントを作成する」を選択する
  4. 新しいアカウントに名前を付け、「次へ」を選択する
  5. アカウントの種類で「制限」を選択して「アカウントの作成」をクリックする

フリーウェアは利用しない
 キーロガーは無償のスクリーンセーバやインターネットアクセラレータなどのインターネットで提供される無償のソフトウェアに容易に組み込めるため、それらをコンピュータにインストールする誘惑を抑えるよう努めて下さい。定評のあるベンダのソフトウェアのみをインストールするのがよいでしょう。

Webブラウザの変更を考慮する
 マイクロソフトのインターネットエクスプローラ(IE)は最も使用されているWebブラウザで、それは今日開発されているマルウェアの殆どがインターネットエクスプローラ を使用しているコンピュータを攻撃するように意図されていることを意味しています。従って、ブラウザを変えることはネットサーフィンを安全にする一つの有効な方法です。現在、Mozilla FoundationのFirefoxやAppleのSafari、AOLのNetscape、また、Opera SoftwareのOperaブラウザなど各種のダウンロード無料のWebブラウザが開発されています。その中でも特にMozillaのFirefoxはより安全面を意識して開発されており、キーロガーを含む既存のマルウェアの多くはFirefoxを情報経路として利用するようには設計されていません。

不正アクセス対策


修正プログラムでWindowsを最新の状態にす
 OSやプログラムにセキュリティホールが残っていると、そこを突いて不正アクセスされ、様々な被害を被ることがあります。このような脅威からパソコンを守るため、Windows Updateを定期的に実行するか、または自動更新するように設定しておきましょう。

ファイアウォールソフトを導入する
〜Windowsファイアウォールでファイアウォール機能を有効にするには「全般」タブで「有効」をチェックする〜
 不正アクセスに対してとても有効なのがファイアウォールソフトです。ファイアウォールソフトを導入することで、インターネットとパソコンの間に入ってデータのやり取りを監視し、インターネットからの攻撃や不正アクセスを防止したり、或はパソコンから外部のインターネットへの個人情報の送信を制限したりといったことが可能になります。ファイアウォールソフトを導入する場合には、ウイルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトが組み合わさった総合セキュリティ対策ソフトがオススメです。また、既にウイルス対策ソフトなどを導入している場合には単体のパーソナルファイアウォールソフトも利用できます。なお、WindowsにはWindowsファイアウォールが標準で搭載されているので、市販ソフトを導入できない場合には、このファイアウォール機能を必ず有効にしておいて下さい。

パスワードを安易に設定しない
 様々な場面で利用されるIDとパスワードは、利用者本人以外には決して知られることのないようにしなければなりません。万が一でもIDとパスワードが盗まれてしまうと、他人によるなりすましが行なわれます。たとえばオンラインバンクから預金を引き出されたり、オンラインショッピングで商品を購入されたり、インターネットオークションで商品を落札されたり、オンラインゲームのキャラクターデータを改竄&削除されたりといった被害が発生します。
 そのため、パスワードは名前や住所、電話番号など推測されやすい安易な文字列ではなく、大文字、小文字と数字、記号を組み合わせ、8文字以上のなるべく長い文字列に設定して下さい。また、パスワードを紙に書いたりパソコンに保存したりしないようにし、定期的にパスワードを変更するとよいでしょう。

ファイル共有設定を無効化する
 ホテルに用意されているLANや空港などで無線LANを利用した際にネットワークに他人のフォルダが表示されることがあります。これはフォルダの共有設定を有効にしたままLANに接続しているからです。これでは自分から「フォルダの中身を覗いて下さい」と言っているようなものです。従って、社内ネットワークやプライベートネットワーク以外ではフォルダの共有設定は無効化しておきましょう。

フィッシング対策

 フィッシング詐欺は、正規のホームページに見せかけて他のホームページに誘導したり、或は有名なホームページと類似したアドレスを取得して、利用者のタイプミスを狙って偽装されたホームページに誘導したりと、巧妙な手口で個人情報を搾取します。


メールの送信者欄に惑わされない
 メールの送信者欄(From)は誰でも簡単に偽装することが可能です。そのため、悪意を持った人によるなりすましメールには注意しましょう。クレジットカード番号や暗証番号の入力を促すメールを金融機関が送信することはないので、そういった怪しいメールが届いたら、まずは速やかに金融機関に問い合わせ、メールが本当にその金融機関から送られたものなのか確認しましょう。

フィッシング対策ソフトを導入する
〜Internet Explorer(IE)にはフィッシング詐欺対策機能が搭載されている〜
 ホームページのリンク先が本当に安全なのかはURLをぱっと見ただけでは分からないことが多いです。そこで、フィッシングの疑いがあるホームページにアクセスした際に警告してくれるフィッシング対策ソフトを導入するとよいでしょう。総合セキュリティ対策ソフトにはフィッシング対策機能を備えたものがありますし、Internet Explorer 7以降IEにはフィッシング詐欺対策機能が搭載され、フィッシング詐欺の疑いのあるホームページを自動的に非表示にします。

鍵マークをチェックする〜鍵マークをクリックすると証明書が表示さる〜
 クレジットカード番号や暗証番号などをホームページ上で入力する場合には、殆どの場合SSLの鍵マークがブラウザに表示されているはずです。これは「入力した情報を送信する際に暗号化して送信するので安全だ」ということを意味しています。しかし、偽装したホームページでは暗号化しないで送信することが殆どなので、鍵マークがブラウザに表示されません。もちろん鍵マークが表示されていても偽装されている可能性がないとは言えません。そこで、鍵マークをクリック(またはダブルクリック)すると証明書が表示され、実際にアクセスしているURLを確認できます。偽装されている場合はアドレス欄のURLと証明書のURLが全く異なっているはずです。さらに証明書自体も信頼の置ける機関が発行しているかどうかをチェックするとよいでしょう。

情報漏洩対策

 近年、個人情報の漏洩事件がちょくちょく世間を騒がせています。情報漏洩は様々な要因で引き起こされるため、セキュリティ対策を何重にも行なうとより効果的です。


紛失や盗難などによる情報漏洩
 情報漏洩の原因として最も多いのが、パソコンやUSBフラッシュメモリをどこかに置き忘れてしまったり、自宅や会社に進入されパソコンを盗まれてしまったりといった紛失や盗難などの要因です。さらに誤って他の情報と一緒に重要なデータを廃棄してしまったり、ハードディスクを完全に消去しないまま廃棄してそこから情報が漏洩してしまったりといった管理ミスや、また、ホームページ上で公開してはならない情報を操作ミスや設定ミスなどで誰でも見えるようにしてしまい、情報を漏洩させてしまうケース、或は複数のメールアドレスに送信する際にBCCで送信すべきところをCCで送信してしまうといった送信ミスなどを合わせると、情報漏洩の原因の4分の3がこれらの要因になります。
 また、紛失については、情報を持ち出さない、どうしても持ち出す場合は暗号化しておく、目の届かないところに放置しないなどといった対策が重要です。次に盗難については、盗難にあった場合に情報漏洩を少しでも抑えるために、パソコンに物理的なセキュリティロックをかけたり、パスワードを厳重にするなどといった対策をしておくとよいでしょう。また、ハードディスクを廃棄する際にはハードディスク消去ソフトや消去サービスなどを利用してから行なうようにしましょう。

コンピュータウイルスやスパイウェアなどの不正なプログラムによる情報漏洩
 コンピュータウイルスの感染やスパイウェアの侵入により、パソコンに保存していた情報が外部に送信され情報が漏洩してしまうといったケースがあります。日頃からウイルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトなどでパソコンを守り、ウィルスを発見した場合には直ぐに駆除するように心懸けて下さい。

不正アクセスによる情報漏洩
 不正アクセスによって情報が漏洩するケースも少なくありません。最近では閉鎖したオンラインショッピングサイトの管理が不充分だったため、残っていた個人情報が不正アクセスによって盗まれてしまったという事件もあります。個人の場合には、ファイアウォールソフトやルータなどを導入して不正アクセスをブロックするように設定しておきましょう。

WinnyやShareなどのファイル交換ソフトを介した情報漏洩
 WinnyやShareといったファイル交換ソフトを通じて個人情報が漏洩してしまうと、その情報は広まる一方で被害は甚大なものになってしまいます。官公庁や企業の情報がファイル交換ソフトで流出したケースでは、ファイル交換ソフトの利用者が会社などから持ち帰ったデータを暴露ウイルスに感染している自宅のパソコンで利用したことが要因でした。つまり、これはファイル交換ソフトの問題ではなく、利用者自身に問題があると言えます。「重要なデータは許可なく持ち出さない」、「持ち出したデータの扱いは厳重にする」、「持ち出したパソコンを不必要にネットワーク接続しない」などといったことを徹底する必要があります。

内部犯罪による情報漏洩
 従業員が不正に情報を持ち出し、これを第三者に譲渡して情報が漏洩するといったケースもあります。これは明らかな犯罪行為です。

風評やブログなどでの情報漏洩
 公言してはいけない情報をブログやホームページに掲載してしまったり匿名掲示板に書き込んでしまったりすることも、危険度方拡大問題に発展する可能性があります。不注意ではすまされない事態に陥る可能性もあるので、日頃から情報の取り扱いには充分に気をつけるように心懸けましょう。

参考1:セキュリティ一般に関する参考書と関連サイト


■参考文献1:セキュリティ関連書
富士通エフ・オー・エム株式会社『よくわかるパソコンセキュリティ入門』FOM出版
富士通エフ・オー・エム株式会社・著
『よくわかるパソコンセキュリティ入門』
FOM出版・2010年11月刊、1,050円

インターネットは便利で楽しいものである反面、様々なトラブルと隣り合わせの部分があります。本書は、インターネットを利用することで発生する、ウイルスや不正アクセスなどのトラブルからパソコンを守るセキュリティ対策について解説したテキストです。また、個人情報の取り扱い、著作権、携帯電話トラブルなど、幅広い分野におけるセキュリティについて総合的に学習することができます。

富士通エフ・オー・エム株式会社『よくわかる事例で学ぶ情報セキュリティ<改訂2版>』
富士通エフ・オー・エム株式会社・著
『よくわかる事例で学ぶ情報セキュリティ<改訂2版>』
FOM出版・2010年04月刊、2,100円
「情報の漏洩」「情報の改ざん」「情報の破壊」などのセキュリティ事故から情報資産を守るには、しっかりとした情報セキュリティ対策を講じる必要があります。本書では、情報セキュリティ対策の必要性や対策例を、利用者や管理者の身近で起こる事例を交えながら、わかりやすく解説しています。
国民のための情報セキュリティサイト
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/index.htm
サイバー対策 情報セキュリティ広場 - 警視庁
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/index.htm
セキュリティ情報 定番リンク集
http://winsec.toranoana.ne.jp/


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【2】IDとパスワードの安全管理

 ネットバンクやネットショップ、ネットオークション、オンラインゲームなどオンラインサービスと切っても切れない関係にあるのがIDとパスワードです。IDとパスワードはあなたの個人情報や財産を守るための大事な鍵です。本節では、大切なIDとパスワードを悪意ある他者に奪われないために、すなわちあなたの個人情報や財産を守るために気をつけなければならないポイントにつき以下で取り上げ解説しました。
IDとパスワードが他人の手に渡ると何が起こる?

 IDとパスワードで認証(本人確認)を行なうオンラインサービスでは、これらが他人の手に渡ると様々な被害に遭う恐れがあります。あなたのIDとパスワードを入手した人は、あなたになりすましてそのサービスにログインし、個人情報を不正に取得し、悪用する恐れがあるのです。
 たとえば店頭で何かの商品をローンでで購入しようとしたところ、あなたが店員から聞かされたのは「ローン審査に通らなかった」という耳を疑うような報告でした。店員から見せられた自分のクレジットレポートに記載されていたのは数え切れないほどの未払い勘定で、たった今まで完璧と思っていた自分の信用がなくなっていました。これはあり得ない話ではありません。個人情報の盗難はどこででも起こる可能性がありますが、オンラインではさらに日常茶飯事になりつつあります。ID盗難の詐欺師たちは、コンピュータに保存されている個人情報を見つけ出そうとネットを覗き見して回ります。そして、あなたが支払いをする時、最新のインターネットバーゲンで買い物をする時、Webサイトに登録する時にオンラインで入力したアカウント情報を彼らは盗み取るのです。
ユーザーIDとメールアドレス

 メールアドレスの中にはユーザーIDがそのまま含まれているものがあります。あなたが普段使っているメールアドレスはどうでしょうか? 会員になると無料でメールアドレスがもらえるサービスが幾つもありますが、その部分にユーザーIDがそのまま使われてはいないでしょうか? このようにユーザーIDがメールアドレスにそのまま含まれている場合は、ユーザーIDかメールアドレスか、そのどちらかを変更しておくことをオススメします。都合でどちらも変えられない場合は、上記で解説した強いパスワードを必ず設定しておくようにして下さい。
IDとパスワードを管理するためのポイント


IDとパスワードを使い回さない
〜IDとパスワードはサイト毎に変更することがオススメ〜
 IDとパスワードを複数のサイトで使い回すことはやめましょう。IDとパスワードをサイト毎に別々のものにしておけば、万が一、サイトAのIDとパスワードが誰かの手に渡ってしまっても、なりすましが為される恐れがあるのはサイトA一か所のみです。しかし、複数のサイトで同じIDとパスワードを使い回していると、その全てのサイトでなりすましの被害に遭う恐れがあります。

パスワードは定期的に変更しよう
 パスワードを定期的に変更する習慣をつけると、他人に知られてしまったIDとパスワードが長期間に渡って悪用され続けることを防ぐことができます。

パスワードは他人に教えない
 「ユーザーアカウントの継続手続きをして下さい」とか「登録情報の更新が必要です」などという内容のメールを受け取ったことはありませんか? これはあなたのIDやパスワードや個人情報を盗みとろうとするフィッシング詐欺を行なう目的で送られているメールです。騙されないよう注意しましょう。また、たとえどんな理があったとしても、あなたの友だちやオンラインサービスの管理人を名乗る人物からパスワードを訊ねられても決して教えないようにしましょう。また、IDやパスワードをメモしてパソコンに貼り付けておいたり、パソコンの近くに放置しておいたりしないようにして下さい。

ID盗難を防止するための方法
クレジットカードとセキュリティ
 あなたの最も重要な機密データがID窃盗犯によって盗まれると、クレジットカード口座の開設や携帯電話の契約、自動車ローンの契約、その他様々なクレジットにその個人情報が利用される可能性があります。あなたの住所や生年月日等の情報を持っている窃盗犯がクレジット申請時にはあなた本人だと思われてしまうのです。だからといって、いま直ぐにコンピュータの電源プラグを抜く必要はありません。次の措置をとると、オンラインでのID盗難のリスクを減らすことができます。


警戒を続ける

 あなたの取引銀行やよく利用するオンラインオークションらしいところから、「口座へのアクセスを復旧する必要があります」とか「クレジットカード番号の有効期限が近づいています」という内容の電子メールを受け取ったことはないでしょうか。このような電子メールの大半は実際はフィッシング詐欺師から送信されています。詐欺メールを銀行や企業からのメールのように見せかけるために彼らはどんなことでもします。実際フィッシング電子メール内のリンクは本物のように見えますが、しかし、このリンクを辿ると実際には偽造Webサイトへと導かれ、あなたは自分の口座情報を入力し、無意識のうちに個人情報を盗まれる結果となってしまうのです。機密情報を明かすことを求める電子メールは削除しましょう。信頼できる企業は口座情報を電子メールで尋ねることは決してありません。もちろんスパイウェアにも注意する必要があります。スパイウェアは、電子メールとポップアップ画面を介してあなたのコンピュータに潜り込むプログラムです。コンピュータに潜り込んだ後、あなたが入力するデータを収集し、パスワードなどの機密情報を悪質なハッカーに送信します。ID窃盗を阻止するためにスパイウェア対策ソフトウェアをダウンロードしてインストールし、コンピュータと個人情報の安全を維持して下さい。
自分の情報を管理する

 次のようなことに注意します。たとえばあなたが利用するオンラインのDVDレンタルサービスが口座の設定用に健康保険証番号などの個人情報を必要とすることはありません。または何らかのチャットルームに入室するためにWebサイトに登録する時、あなたの本当の生年月日や自宅住所、電話番号を明かす必要はないのです。そんな訳で、日頃から自分の口座を監視するようにして下さい。そして、オンラインで個人データを明かすときは慎重になりましょう。必ずサイトのプライバシーポリシーを読んで、あなたのデータが必要な理由、その用途を確認するようにしましょう。
強力なパスワードを設定する

 デジタルパスワードに辞書の単語や自分の生年月日、大学の卒業年度、親しい人の名前などを使用していると、綴りを逆にしておいても、犯罪者は自分で推測するか、または特殊なソフトウェアを使用すれば容易にそれらを突き止められてしまいます。
 コンピュータ上のオンラインアカウント及び機密ファイルには、推測が困難なパスワードを使用して下さい。文字と数字を組み合わせて8文字以上のパスワードを作成します。もちろん好きな歌の歌詞など自分が覚えやすいパスワードを作成してもよいのですが、その綴りでは文字と数字を上手に組み合わせて下さい。また、保険証番号などの機密情報をパソコンにに保存している場合、ファイルをパスワードで保護し、ハードディスクではなくCDに記録しましょう。もちろん最も強力なパスワードでも、誰もが見られる場所に放置してあれば使い物になりません。それでは家の鍵を玄関ドアに差したままと同じなので、パスワードはコンピュータのある場所やその近くには保管しないようにして下さい。
一方的な金銭要求には決して応答しない

 言うまでもないことかも知れませんが、オンラインの金融詐欺に騙される人は毎年数千人にのぼります。金融詐欺のケースでは、一方的な電子メールでよく知らないチャリティーへの寄付を求められたり、他の地方の不動産の売買申し込みに巻き込まれる場合があります。このような詐欺全てに共通の要素が1つあります。それは、自分の銀行の口座情報を見ず知らずの人物にオンラインで提供することを求められることです。詐欺師があなたの情報を入手したら、それを使って銀行口座の預金を全額引き出したり、他の詐欺行為を働く可能性があります。そこで安全な対処は、あなたの銀行の口座番号または金銭を要求する電子メールには決して返信しないことです。たとえばよく利用するチャリティーがある場合は、そのチャリティーの安全なWebサイトを使用して直接寄付するようにして下さい
子どもたちを教育する

 子どもたちが電子メールやWebから自宅の住所やその他の個人情報を送信するのを防ぐにはフィルタリングソフトが役立ちます。しかし、技術的な対処のみでなく、必ず子どもたちに対しても、なぜ個人的なデータを渡したりフィッシング電子メールに返信しない方がよいのかを説明して下さい。そして、どうすべきか分からないような場合はいつでも親御さんのところへ相談に来るように子どもたちに指示しておきましょう。また、子どもたちと一緒に安全に関するヒントをネットなどで調べて、オンライン上のプライバシーをより楽しく学ぶのもよいでしょう。
個人情報が盗まれたことが分かったら

 最善の予防措置を講じたにも拘わらずIDなどの個人情報が盗まれた場合は、まず警察に相談し、個人情報の盗難について報告しましょう。ID窃盗犯の逮捕が早ければ早いほど事態の収拾も容易になり、将来に向けてデジタル面の防備を固めることに繋がります。
安全なパスワードとは?

 メールやWindowsの設定をしたり特定のWebサイトを利用する時などに必要となるパスワードは、他人の個人情報や重要情報を手に入れようとする輩から身を守るために必要不可欠なものです。そこで本項では、簡単には破られない強固なパスワードを作る方法について解説しました。
強いパスワードとは?

 他人に簡単に破られないパスワードが一般に「強いパスワード」と呼ばれています。長い文字列や辞書に乗ってないデタラメな文字列が強いパスワードと考えられがちですが、残念ながら長くデタラメな文字列だから安心だとは必ずしも言えません。心に留めておきたいのは、「悪意のあるハッカーに見破られないもの(推測されにくいもの)=強いパスワード」が本質であるということです。従って、長い文字列やデタラメな文字列はあくまでも二次的な評価であることを踏まえておいて下さい。
弱いパスワードの例

 それでは、悪意のハッカーはどのようにして他人のパスワードを推測するのでしょうか?

 一般的には、まず最初に最弱のパスワードを洗い出します。それは当たり前のことですが、パスワードなしの状態です。被害に遭ったユーザを見るとパスワードを設定していなかったケースが意外に多いのです。もしくは一部でパスワードを設定しているけれど、「Windowsを立ち上げる際にいちいち入力するのは面倒、自分以外は誰も利用しないだろうからいいや」といったケースも多いようです。これが危険の始まりで、オンラインを介してパソコンを乗っ取られたり、大切な情報を盗まれることに繋がりかねません。
 次に狙われやすいのがIDとパスワードが同じ場合です。誕生日などの数字のみの場合や、或は辞書に乗っているような名詞や氏名など推測しやすい文字列も危険です。悪意のハッカーは、こうした弱いの設定のユーザを自動で巡回してパスワードを盗むことが多いのです。たとえば「私が飼っている犬の名前なんて誰も知らないだろう」と思っていても、実際には弱いパスワードであることが多々あることに注意して下さい。
悪意のハッカーが駆使するツール類

 辞書に乗っているような言葉に比べればデタラメな文字列を用いる方がもちろん強いと言えますが、この点においても踏まえておいてほしいことがあります。悪意のハッカーは入力フォームに一字ずつ入力してゆくといったようなことはせず、それこそ1秒間に数十万もの文字列を試すことができる自動ツールを利用することが一般的です。さらに、aaaの次はaab、aac・・・といったようにアルファベット順で試してゆくのではなく、人間がつけやすい文字列から効率よく探るツールも駆使しています。たとえば人間がつけやすい一番最初の文字は英語ではaではなくeだそうですが、これは悪意を持つハッカーたちが長い間膨大なデータを積み重ねた統計で、非常に優秀なものなのです。こうしたツールを駆使すれば、どんなデタラメな文字列のパスワードでもいつかは解明されてしまいます。言い換えれば強いパスワードとは、「解明するまでに長い時間を要するもの」と言えるでしょう。
こうすれば最強の設定に


記号を用いること
 ひとつの方法は「記号を用いること」です。たとえば america というパスワードですが、このままだと辞書にも乗っているし、非常に推測されやすいパスワードです。これをたとえば「@meric@」といった具合に「a」を「@」に置き換えただけでも強度が向上します。同じくyamamoto という人名も、[yamamoto]といったようにカッコにくくるだけで推測されにくくなります。Windowsのパスワードの場合は、ひとつ記号を入れるだけで約100倍も強度が違ってくる場合もあるのです。

ショルダーハッキングの注意
 もう一点、デタラメな文字列をパスワードに設定する際の注意があります。たとえば「tyuiop@[」というパスワードはどうでしょうか。一見すると強そうに見えますが、実はこれはキーボードの「t」から一つずつ右にキーを叩いていった文字列です。オンライン攻撃には強いかも知れませんが、この場合はパスワード入力を肩越しに他人に見られてしまう「ショルダーハッキング」の標的になりやすいのです。実際に打ったキーがそこにいる他人から分かりやすいパスワードも避けた方が無難です。


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【3】無線LANの安全な使い方

 ここ数年無線LANがちょっとしたブームです。ケーブルを引かずに設置できるのが大きな魅力で、機器も低価格化し、安価な高速規格も登場、ノートパソコンも無線LAN内蔵がスタンダードになってきました。しかしながらその一方で無線LANのセキュリティ面での脆弱性が問題になっていることも事実です。本節では、無線LANを安全に使うために気をつけるべき事柄につき以下で取り上げ解説しました。
無線LANの危険性(1):不正利用

 無線LANでは、自分のアクセスポイントを第三者に勝手に利用されてしまう不正利用の危険があります。


不正利用の危険
 現在最も普及しているとされるIEEE802.11b規格の無線LANの場合、アクセスポイントからの有効通信距離は最大100m程度とされています。間に壁などの遮蔽物があったとしても40〜50mは届くと言われ、この通信可能範囲に入っていれば基本的に誰でもそのアクセスポイントに、ひいてはそこに構築されているネットワークに接続できてしまうことになります。もしもあなたがこのアクセスポイントを利用していたとすると、見ず知らずの他人が同じネットワーク内にいるということを意味します。従来の有線LANならば、ネットワークに接続するためにはハブやルータに改めてケーブルを挿す必要があり、不正利用の防止はそれほど難しくはありませんでした。しかし、無線LANでは全く見えないところからでも、アクセスポイントつまりネットワークへの接続が可能になってしまうのです。

情報流出に加え、犯罪行為に巻き込まれる恐れも
 通信速度の低下などは軽微な方です。あなたが共有フォルダを設けていたとすると、不正接続して同じネットワーク内にいる第三者からもそのフォルダ内は丸見えになっています。当然そこからプライベートな情報などを盗まれる危険性が出てきます。会社で使う文書などを保存してあれば企業情報の流出といった大事に発展する可能性もあります。さらにそのアクセスポイントを経由して何らかの犯罪行為が行われてしまうと、最初に疑いをかけられるのはそのアクセスポイントの所有者になります。プロバイダの接続記録に残る接続元の情報はそのアクセスポイントのものになるからです。

無線LANの危険性(2):盗聴

 無線LANでは、通信中のデータが収集され解析されることで通信内容が知られてしまう盗聴の危険があります。そこで無線LANのセキュリティ対策は、以下で説明する(1)不正利用対策と(2)盗聴対策の2つを組み合わせてより強固なものとします。


盗聴の危険
 無線を使ってデータをやり取りする無線LANではデータが空中を飛び回っていることになります。ケーブルという物理的な媒体で接続されている通常の有線LANと異なり、無線LANでは傍受という形でそのデータを捕獲することはそれほど難しいことではありません。何の対策もせずに無線LANでデータのやり取りした場合、傍受されたデータは特定のツールを使って簡単に復元することができてしまうのです。

恐ろしい情報流出
 集められたデータから容易に元の内容が割り出されると、閲覧したメールやサイトの内容、メンバーエリアに入るためのパスワードなどがそのまま覗かれてしまうことになります。プライバシー情報、企業情報が筒抜けになっては大変です。

無線LANの不正利用対策
アクセスポイントの設置

 無線LANの設置には次のようなパターンがあります。


単機能のADSLモデムを使用している場合
 ルータ機能を内蔵した無線LANアクセスポイントを設置します。ただし、既にブロードバンドルータを導入している環境ならば単機能の無線LANアクセスポイントにします。

ルータ機能を内蔵したADSLモデムを使用している場合
 単機能の無線LANアクセスポイントを設置します。

アクセスポイント自体の設定

 アクセスポイントを設置したら、次にアクセスポイント自体の設定を行ないます。アクセスポイントは一種のサーバになっており、そこにログインするという形で設定を行なうことになります。


ログイン時のパスワード設定
 アクセスポイントには予め任意のプライベートIPアドレスが指定してあるので、一般的にはブラウザでそのアドレスを指定することで設定画面に入ることができます。この時ログインのための認証ダイアログボックスが表示されますが、多くの場合、初期状態ではパスワードが設定されていません。そのため、そのままOKボタンをクリックするだけでログインすることができるはずですから、設定画面に入ったら、このログイン時のパスワードを忘れずに設定しておきます。パスワードを設定しなければ誰もがアクセスポイントの設定画面に入ることができるようになってしまいます。第三者にアクセスポイントの設定を勝手に変更されたり、セキュリティ機能を不正に操作されたり、最悪の場合アクセスポイントが乗っ取られてしまう危険性もあります。

アカウント名の変更
 パスワードの設定に加えてアカウント名も変更しておくとより安心です。通常はrootやadminといった名前になっていることが多いようですが、これらの名前はネットワークにちょっと詳しければ推測ができるものばかりで、その意味では危険です。パスワードを忘れてしまったり、万が一アクセスポイントが乗っ取られてしまったりしたような時には工場出荷状態に強制的にリセットすることで対応します。

MACアドレスフィルタリングとESS-IDの変更

 不正利用(接続)防止対策としてまずやっておくべきことは、(1)MACアドレスフィルタリングと、(2)ESS-IDの変更です。さらにもう1つ、(3)ESS-IDを隠蔽する機能(ESS-IDステルス機能)を併用すると効果的でしょう。


(1) MACアドレスフィルタリング
 MAC(Media Access Control)アドレスとはLANカードのようなネットワーク機器に記録されている番号のことで、メーカーごとの番号とメーカーが割り当てる番号とからなっており、世界中に同じMACアドレスは存在しないようになっています。この性質を利用してアクセスポイントに予め通信できるMACアドレスを登録しておき、登録されていないMACアドレスを持つ機器からの接続を拒否する機能がMACアドレスフィルタリングです。ただし、MACアドレスは詐称することができるため過度の期待は禁物です。

(2) ESS−IDの変更
 ESS-ID(Extended Service Set-IDentifier)とは無線LANにおけるLANをグループ分けするための識別名を指します(SS-IDと記述される場合もあります)。同じESS-IDが設定されているアクセスポイントとパソコン間でのみ通信を行なうことができます。  
 通常アクセスポイントには初期状態で任意の文字列がESS-IDとして設定されていますが、多くはメーカー名や製品名そのもの、或はそれらが推測できるものになっているので、この際ぜひ変更しておきましょう。このとき新しいESS-IDに会社名や部署名、個人名といった利用者を特定できるような名前を付けることは避けて下さい。なお、ESS-IDは基本的にはセキュリティ機能ではありません。変更しても新しいESS-IDを知ることは簡単です。ESS-IDを変更する意味はアクセスポイントのメーカーや機種を特定されるような情報を極力排除する点にあります。このような余計な情報を第三者に与えないというのはセキュリティ対策の常道であり、また、機種固有の脆弱性を狙ったクラッキング行為を防止する上でも重要なのです。

(3) ESS-ID通知信号の隠蔽
 アクセスポイントは定期的にESS-IDを通知するための信号を発信しています。Windows XP以降はこのESS-IDを受信し表示&接続しようとする機能があるため、この信号を発信させないようにすればWindowsマシンからアクセスポイントが発見されることは基本的になくなります。

無線LANの盗聴対策〜暗号化によって盗聴を防止する〜

 盗聴の防止はデータの暗号化によって行なわれます。現在無線LANには暗号化のための2種類のセキュリティ規格が用意されています。


暗号化のための規格(1):WEP
 WEP(ウェップ:Wired Equivalent Privacy)は最初の無線LANの規格が決められる段階から仕様として盛り込まれていたものです。まずWEPキーと呼ばれる暗号化するための鍵(暗号鍵)を、アクセスポイントと通信したいパソコンの両方にキーワードとして登録しておきます。WEPキーとしては半角英数字5文字(40ビット)のものと13文字(104ビット)のものの2種類が指定可能です。実際には送信側が生成する24ビットのIV(Initialization Vector)と呼ばれる乱数と登録したWEPキーを合わせたものを最終的な暗号鍵として送信データの暗号化が行なわれます。
 なお、暗号解読の難易度は技術的に言うと暗号鍵の長さと暗号化するアルゴリズムの複雑さによって決まってきます。WEPの場合、暗号鍵を構成する一部(WEPキー)が固定であり、毎回生成される乱数部分(IV)の長さが24ビットと短いため解読されてしまう可能性が高い、つまり脆弱であると言われています。しかしながら、WEPがセキュリティ的に全く使いものにならないかと言えばそういうわけではありません。WEPといえども暗号を解読しようとするには少なくとも1〜3週間程度はデータを取得し続けなければならないからです。ホームユースを前提とすれば、これは非現実的な話です。WEPキーとして104ビットのものを使い、WEPキーそのものも定期的に変更すれば、これだけでも一般的な盗聴防止として充分な対策となるでしょう。

暗号化のための規格(2):WPA
 上記のWEPの弱点を克服するために策定されたのがWPAです。WPA(Wi-Fi Protected Access)は無線LAN関連の業界団体Wi-Fi(ワイファイ:Wireless Fidelity)アライアンスが策定した規格です。企業向けと一般向けの2種類の規格があり、パーソナルユースでは一般向けの規格が利用されます。
 WPAではTKIP(ティーキップ:Temporal Key Integrity Protocol)と呼ばれる暗号化処理を行ないます。暗号鍵を生成するためにIV(48ビット)とMACアドレス(48ビット)、ユーザが登録する一時鍵(128ビット)の3つを利用します。この3つを関数を使って混合し、最終的に128ビットの暗号鍵を作り出し、暗号化が行なわれます。なお、WPAではIVを倍の長さにし、ユーザが登録する一時キーの長さも最初から128ビットにするなど技術的にはWEPとは比較にならないほどの強固な暗号化処理が行なわれます。ただし、WPAは新しい規格のため、全ての無線LAN機器で利用できるわけではありません。一部の機器ではファームウェアやドライバのアップデートで対応できる場合もあるようなので、メーカーのサイトなどで調べてみるとよいでしょう。

家庭でのワイヤレスネットワークを安全にするには?

 ワイヤレスネットワーク (WiFi) を使うと、自宅の様々な場所にあるコンピュータを接続して、どの部屋からでも仕事や遊び、研究、電子メールの送受信ができます。しかし、居間でオンラインバンキングを利用する時、またベランダで電子メールを送受信する時に、空中を送信しているデータを誰かが見ているかも知れません。開け放しで安全でないネットワークにはアクセス範囲内の誰もがアクセスできます。しかも通信が安全でない場合は悪意のある何者かが電子メールを傍受したり、プライベートなファイルや記録を閲覧する可能性すらあるのです。予防策を講じておかなければ、隣人や近くを徘徊するハッカーにもオンラインの挙動を逐一観察される可能性があります。
 家庭のWiFiネットワークには様々な弱点があります。本項ではWiFiホームネットワークを強化し、データを他人の手から守る方法を解説しました。もちろんどれほどセキュリティを高めても完全な防御にはなりませんが、以下で述べる基本的な措置はWiFiネットワークを安全にするのに役立ちます。


重複のないIDをネットワークに指定する
 SSID (Service Set Identifier) とは無線接続をするときのワイヤレスネットワークの識別名です。大半の無線ルーターにはlinksysやdefaultなどネットワークのデフォルト名が備わります。SSIDをデフォルト名に設定したままにすると、近くにいる他人も同じデフォルト名を使っているかも知れないという問題があります。このため、使っているネットワークが本当に自分自身のものかどうか分かりません。デフォルト名の問題は、コンピュータが他のコンピュータとファイルを共有するように設定されている場合に特に危険です。間違ったネットワークに参加し、共有しているものがある場合、ネットワーク上の全員にコンピュータを公開しているのです。SSIDを変更するのは簡単なので、ルーターに付属するマニュアルを調べるか、ルーター製造元のWebサイトを訪れて説明を読んで下さい。

データスクランブルをオンにする
 大半の無線ルーターには、送受信するデータを暗号化つまりスクランブルする機能があります。データは空中に伝送される時にエンコードされ、コンピュータとルーターには固有のキーがあるので受信データをロック解除し、デコードされます。暗号化キーを持たずにネットワークを盗聴する者にとって、あなたが送受信するデータは全て意味のないものになっています。そして、異なるルーターでは利用できる暗号化も異なります。今日使われているのは、WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)とWPA(Wi-Fi Protected Access)、WEPの3種類です。安全性が最も高いのはWPA2、最も低いのはWEPです。WEPは今では秒単位で解読でき、また瞬時に解読できる無料ツールも存在します。WPAはWEPよりもかなり手間がかかります。しかし、使えるうちで最も強固なレベルなのはWPA2です。そしてルーターの製造元を調べ、ルーターがサポートする暗号化の種類を突き止めましょう。ルーターを購入する時に箱の記載をチェックして、WEP、WPA、WPA2のサポートをチェックして下さい。

自分のものでないコンピュータを除外する
 データ暗号化をオンにすると、他のコンピュータがネットワークへの参加を許可されるのはそのコンピュータが正しいキーを持つ場合だけになります。MAC(Media Access Control) アドレスフィルタは、ネットワークへの参加が許されている特定コンピュータのリストを作成してセキュリティの層を一段厚くします。参加者限定パーティの警備員のようなものだと考えて下さい。名前がリストにないと、たとえホストの名前を知っていても入場することはできません。また、WiFiネットワークに参加できるどのデバイスにも固有のMACアドレスがあります。許可するデバイスを選択するにはMACアドレスフィルタにホワイトリストを作成します。ホワイトリストには自分のコンピュータ、配偶者のノートパソコン、必要であれば無線プリントサーバーなども記述します。リストにない他のコンピュータがネットワークに参加しようとしてもフィルタに遮断されます。もっともMAC アドレスをオンにするのはそれほど難しくありませんが、ルーターによって動作が異なるので、使用するルーターの製造元に問い合わせて下さい。

別々のログインを使う
 無線トラフィックを安全にしないと、悪意の他人が近くにいて、自分が銀行口座にログインする時に銀行口座番号を盗んだり接続を乗っ取って児童ポルノのダウンロードなど違法なことをしたりする可能性がありますが、その結果、自分や家族が危険な状態に陥ることになります。この違法行為に関連したのも実は自分達の接続なのです。家族でコンピュータを共有している場合、使う人数が少なければ、それぞれが別々にログインするようにしましょう。たとえば子どもには親のコンピュータで管理者でないアカウントを持たせましょう。そうすれば、子どもたちがオンライン接続中に何者かがコンピュータをハックすることがあっても、子どもたちのファイルにしかアクセスできないからです。

参考2:無線LANに関する参考書


■参考文献2:無線LANに関する参考書
ハッカージャパン編集部『無線LANセキュリティの教科書 2012』白夜書房
ハッカージャパン編集部・編
『無線LANセキュリティの教科書 2012』
白夜ムック432、白夜書房・2011年10月刊、2,000円

日本で唯一!無線LANの攻撃・防御手法が実践的な学べる大人気シリーズ第4弾!! 無線LANの攻撃ツールはLinux上で動くものがメインとなっており、コマンドラインで操作するものも多い。慣れてしまえば難しくはないが、初心者にとってはハードルが高いジャンルとなっている。そんな難しい無線LANツールの扱い方を、かつてないほどの分かりやすさで解説をする。以前、無線LANのパスワードの解析にチャレンジしたが上手くいかなかった人も、本書を読めば立派な無線LANハッカーになれる! 附録DVDにはセキュリティに監査に特化されたLinuxディストリビューションBackTrack5を収録。DVDから起動すれば、手持ちのマシンの環境を壊すことなく、無線LANツールを利用することができる。分かりやすいユーザーインターフェイスで初心者にもやさしい無線LAN解析ツールGerixWifiCrackerNG、最強の無線LAN攻撃ツールAircrack‐ngの2本を中心に無線LAN攻撃の奥義を伝授する。



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【4】スマートフォンとそのセキュリティ対策

 様々な機能やサービスを取り入れながら進化を続ける携帯電話ですが、近年はスマートフォンと呼ばれる端末が人気です。火付け役となったアップル社のiPhone(アイフォーン)に加え、最近ははAndroid(アンドロイド)というOS(基本ソフト)を搭載した端末も続々と登場しました。機能の豊富さと、画面をタッチすることで操作できる使いやすさなどが、世代を問わず多くのユーザを惹きつけています。しかしながらその一方で、スマートフォンは従来の携帯電話では無縁だった危険に晒されているのも事実です。
 本節では、特にスマートフォンを利用する上で必要なセキュリティ対策につき以下で取り上げ解説しました。
セキュリティ脅威の新たな標的、携帯電話

 いま携帯電話で急成長を遂げている端末はスマートフォンと呼ばれています。電話として機能するだけでなく、電子メールや写真、アドレス帳など様々な情報を保存できるからです。この無線小型コンピュータは今後5年間でさらに30%成長し、2011年にはこの種の携帯電話の台数は3億400万台に達するだろうと言われています。しかし、携帯電話の普及につれ、データ盗難やスパイウェア、ウイルスなど脅威の種類も増大しています。確かにあなたが政治家やプロスポーツ選手などの知名度の高い人間でなければ、ハッカーの主要な標的になる可能性は低いので多少は安心ですが、そうは言っても携帯電話を盗まれたり紛失した場合データが漏洩する危険は避けられません。個人情報の盗難は増え続けているので、あなたの携帯電話からデータを盗もうと狙っている悪人がいるかも分かりません。

 携帯電話はコンピュータとは違うと思っているかも知れませんが、携帯電話はあなたの個人情報を保管して通信する小型コンピュータなのです。コンピュータと同様に携帯電話の使用にも明らかにセキュリティリスクが存在します。携帯電話を日常的に使用するのであれば幾つかのセキュリティルールを守ることをオススメします。


知らない相手から送られた添付ファイルは絶対に開かない
 現在、携帯電話のメールの送受信は通話と同じくらいの頻度で行なわれています。携帯電話にダウンロードされた電子メールやファイルはコンピュータで受信するものと同じ脅威をもたらします。電子メールの添付ファイルにウイルスが潜んでいたりインターネットからウイルスがダウンロードされると、携帯電話であっても大損害を被ることがあります。よく分からないファイルや添付ファイルは開かないなどユーザーは自分の携帯電話を守るために基本的な対策を取る必要があります。知らない相手から電子メールを受け取った場合は絶対に添付ファイルを開かないようにしましょう。

携帯電話をパスワードでロックする
 携帯電話でメッセージを作成して保管していたり電子メールを保存している場合、その人の行動や他人に対する考えについての膨大な情報が存在することになります。中には携帯電話に預金口座のパスワードやIDまで保存している人もいるそうですが、携帯電話にとってウイルスよりも遙かに危険なのは、携帯電話を盗まれたり紛失したりすることです。泥棒が携帯電話に入っているデータから個人情報を盗んだり覗き見したりすることは珍しくありません。
 携帯電話にキー操作をロックするパスワード保護機能がついているのなら、その機能を使用して下さい。そして、携帯電話のパスワードは容易に推測できないものにしましょう。誕生日や住所、電話番号の数字は使用しないで下さい。携帯電話にパスワード保護機能がついていない場合は、絶対に貴重な情報を保存しないで下さい。

携帯電話の番号を無闇に教えない
 米国では殆どの場合、電話勧誘販売業者が自動ダイヤラーを使用して携帯電話に電話することは法律で禁止されています。日本ではそのような法律はまだ制定されていませんが、何れにせよ携帯電話にウイルスや悪意のあるコードが送信される可能性を低くするには、携帯電話の番号やメールアドレスを信頼できる人にしか教えないようにすることが肝要です。

留守番サービスに暗証番号を使用する
 留守中のメッセージを他の人が聞けないようにするには、留守番サービスに電話する毎にパスワードや暗証番号が必要なようにアカウントを設定するとよいでしょう。そうしておけば、誰かがあなたの携帯電話を拾ったり盗んだりした場合でも自分のプライバシーを保護することができます。

ホットスポットのリスクを理解する
 現在Wi-Fi機能を備えた携帯電話が増えていますが、これはパソコンの高速ワイヤレス接続と同じプロトコルを使用していますが、要するにこれは、これらの携帯電話では、安全ではないホットスポットに接続して電子メールの確認やインターネットサーフィンができるということです。それに、ホットスポットは適正に運営されていない場合があり、ホットスポットを通過する情報は全て誰かに横取りされる可能性があるのです。最善の対策は、Wi-Fi機能を備えた携帯電話で安全かどうか分からないホットスポットに接続しないことです。

捨てる前にデータを消去する
 古い携帯電話を手離す場合は、まず重要なデータを全て消去しましょう。

大きな声で話さない
 小切手の決済について銀行に問い合わせるなど外出先で重要な電話をかける場合は、最も基本的なセキュリティ対策を忘れないで下さい。私たちは携帯電話を使用する時に、いま話している内容が周りの人に聞かれているかも知れないということにもっと注意を払うべきです。たとえば誰かが離婚したとか妊娠したとかいう情報、また、会社の企業秘密などを大勢の人に知られたくなければ、話をする前に自分が今どこにいるのかをよく考えることが大切です。要するに当たり前の話ですが、他人に聞かれたくない用件は大声で話さないということに尽きます。

スマートフォンのセキュリティー
スマートフォンは手のひらに乗るパソコン

 スマートフォンとは情報端末としての機能を備えた携帯電話です。従来の携帯電話も高度な機能を備えていますが、特にスマートフォンはパソコンと同じようにインターネットを活用できるのが特徴です。最近ではアップル社のiOS(アイオーエス)というOSを搭載するiPhoneや、グーグル社のAndroid OSを搭載するAndroid端末が有名です。

スマートフォン用のWiMAX端末 従来の携帯電話のネット閲覧では、いわゆるケータイサイトなどを閲覧できますが、パソコン向けに作られたウェブサイトは表示が乱れたりしてきちんと見られないことがありました。一方スマートフォンはパソコン向けと同等のブラウザを備えているので、殆どのウェブサイトを表示することができます(ただし、動画など内容の一部が表示できない場合があります)。また、様々なアプリ(アプリケーションソフト)があるのもスマートフォンの魅力で、スマートフォン向けのアプリは世界中で企業・個人を問わず作られています。ニュースや地図情報、動画を見られるアプリ、また、Twitterのようなサービスを利用できるものもあり、ユーザは好きなアプリをスマートフォンにインストールして自分好みの使い方ができます。このようにスマートフォンはこれまでの携帯電話の枠を超えて幅広く活用できるため、スマートフォンは「手のひらに乗るパソコン」であるとも言えます。しかしながら、スマートフォンがパソコンに近い存在になるにつれ、残念ながらパソコンと同じような危険に遭遇する可能性が高まってきたのも事実で、その代表が不正サイトへの誘導による被害やウイルスなどの不正プログラムによる被害です。
 これまで日本の多くの携帯電話は、メーカーや通信会社による独自OSで作られていたためウイルスなどが侵入する余地はそれほどありませんでした。しかし、スマートフォンは同じOSを搭載した端末が世界中で販売されるため、悪意ある人からの攻撃対象になりやすく、ウイルスも世界規模で広まりやすくなっているのです。当然ながらウイルスに感染すると、機器の利用に支障を来したり、大切な情報が盗み取られる危険性があります。また、スマートフォンはパソコンと同様にウェブサイトの閲覧が行なえるため、不正プログラムを配布するサイトへ知らないうちに誘導されてしまったり、フィッシング詐欺(金融機関などを装った偽のウェブサイトに誘導し、暗証番号やクレジットカード番号などの個人情報を詐取する詐欺)などに狙われやすいという危険性もあります。さらに小型で携帯性の高いスマートフォンには、盗難・紛失の危険性もあります。そうなると、保存した写真や電話番号、メールなどの大事なデータがなくなってしまうだけでなく、これらの個人情報を他人に見られたり悪用されたりすることがないとも限らないのです。当然ながら、こうした危険からスマートフォンを守り、安心して活用するには、パソコンと同じようなセキュリティ対策が必要になります。


■参考:従来の携帯電話とスマートフォンの違い
用途 従来型の携帯電話 スマートフォン
ウェブサイトの閲覧  携帯電話向けのウェブサイトを閲覧できるが、パソコン向けのウェブサイトは閲覧できないことが多い。  パソコン向けのウェブサイトをそのまま閲覧できる(※ただし、一部の動画などは表示できない場合がある)。
メールの送受信  ショートメッセージ(SMS)や携帯電話会社が提供するメールアドレスが利用できる。  プロバイダや会社のメールアドレスやウェブメール(Gmailなど)も利用できる。
アプリ  利用できるアプリは企業が提供する公式アプリが中心で数も少な目。また、機種によって利用できるアプリが異なる。  アプリは数十万本と豊富。スマートフォンのOSとバージョンがアプリの動作条件に合っていれば機種に関係なく利用できる。

スマートフォンに必要なセキュリティ対策

 まずウイルスなどの不正プログラムや怪しいウェブサイトへのアクセスからスマートフォンを守るには、パソコンと同様にスマートフォンにセキュリティソフトを導入することが必要です。
 スマートフォンは、フィッシング詐欺やワンクリック詐欺(アダルトや出会い系などのコンテンツでユーザを誘導し、クリックしてサイトにアクセスすると不当な料金請求を行なう詐欺のこと)など思わぬ被害に遭う危険性があります。実際にスマートフォンを狙ったと思われるワンクリック詐欺のサイトも発見されており、注意が必要です。そのため、セキュリティソフトをスマートフォンに導入する際には、不正サイトへのアクセスを遮断する機能がついているかどうかが第一に重要なポイントになります。次にウイルス対策も重要なポイントです。スマートフォンと言うとまず頭の中に思い浮かべるのは、iPhoneとAndroid端末という方も多いことでしょう。iPhoneの場合、アプリはアップル社が管理するApp Store(アップストア)で入手します。厳しい審査を経て登録されているので、ここから入手するアプリは比較的安全性が高いといえます。その一方でAndroid端末の場合、Android Market(アンドロイドマーケット)などで比較的自由にアプリを配布できるため、そのアプリの安全性に関するリスクが高いのです。特にAndroid端末を狙ったウイルスの種類は今年に入って増加しており、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に届出のあったウイルスの検出数も増えています。そこでここでは、Android端末を例にセキュリティ対策を取り上げます。

 怪しいアプリをインストールしないようにすれば大丈夫だと考える方もいるかも知れませんが、しかし、実はAndroid端末では知らずにウイルスに感染する可能性があるため、心掛けだけでは充分とは言えなくなっているのです。これには二つの要因があります。一つは、前述のようにアプリの作成・配布に関する自由度が高いため、悪意ある人がウイルスを仕込んだアプリを流通させやすいということです。こうしたアプリからAndroid端末を守るにはセキュリティソフトで監視する必要があるのです。そして、もう一つの要因は、OSの脆弱性(セキュリティ上の弱点)が放置されやすいことです。脆弱性とはシステムの抜け穴のことで、ここからウイルスの侵入や不正な処理を許してしまうのです。ところが、こうしたOSの脆弱性の解消は素早くはできるものではありません。メーカーが個々の端末の仕様に合わせて脆弱性を修正するプログラム(セキュリティパッチ)や最新版のOSを用意しなければならないからです。その証拠に、たとえば2010年8月に見つかったAndroid OSの2つの脆弱性について10ヶ月たっても解消されない端末すらまだあるそうです。このような脆弱性という抜け穴からウイルスが侵入するのを防ぐためにも、セキュリティソフトが求められているわけです。
 Android端末向けのセキュリティソフトは、パソコン向けと同様に各社から販売されています。不正サイトへのアクセスを遮断する機能がついているソフトを導入すれば、フィッシング詐欺やワンクリック詐欺の被害を防止できる他、アプリをインストールする際などにウイルスを検知できるようになります。なお、前述のようにiPhone向けのアプリは、基本的にアップル社の審査に合格後にApp Storeを通じて配布する仕組みのため、ウイルスに対しては比較的安全性が高いと言えますが、これも過信は禁物です。iPhoneであっても、不正プログラム配布サイトへ知らないうちに誘導されてしまうことを防ぐセキュリティ機能付きブラウザなどを利用しましょう。
スマートフォンの安全対策

 スマートフォンでは携帯電話以上に安全対策をしっかりとる必要があります。便利になればなるほど危険性が高まることを理解し、改めてスマートフォンのセキュリティーを見直して下さい。特に初めての人は注意をしてもらいたいものです。


OSの最新版が提供されたら速やかに導入する
 スマートフォンのOSに脆弱性があると、ウイルスが侵入するなどの危険を回避しにくくなります。従って、脆弱性を解消した最新版のOSが提供されたら速やかに導入して下さい。
 国内で販売されているAndroid端末の場合、一部機種を除きOSの最新版は携帯電話会社から提供されます。ご利用の携帯電話会社のウェブサイトでサポート情報を定期的にチェックしましょう。ただ、OSの導入方法は端末によって異なるので、必ず携帯電話会社の説明書を確認しましょう。手順を誤ると端末を起動できなくなったりデータが消えたりする恐れがあります。特に作業に必要なもの(パソコンが必要な場合もあります)、端末に保存したデータのバックアップ方法、作業にかかる時間をチェックしておきましょう。なお、iPhoneのOS、iOSの最新版はアップル社から提供され、iTunes(アイチューンズ)を通じて端末に導入できます。定期的にパソコンに接続して最新版の有無を確認するようにしましょう。

インストールしたアプリも小まめに更新する
 スマートフォンにインストールしたアプリもできるだけ最新版を使うようにして下さい。OSだけでなくアプリでも脆弱性が見つかることがあり、それを利用した攻撃によって、保存した情報が盗み出されたりする恐れがあるからです。Android端末では、Android Marketからインストールしたアプリはマイアプリの一覧で最新版の有無を確認できます。更新と表示されていたら、「このバージョンでの最近の変更」の欄で更新された内容を念のために確認した上でアップデートしましょう。なお、iPhoneの場合もApp Storeのアプリでアップデートをタップすると更新できるアプリの一覧を確認することができます。

端末に登録したアカウントの管理にも注意する
 スマートフォンはネットサービスを使うための仕組みも備えています。Android端末では、Googleアカウント(Gmailアカウント)を端末に登録すると、Gmail(Webメール)やGoogleカレンダーなども手軽に利用できます。Android Marketからアプリをインストールする場合もGoogleアカウントの登録が必要です。このようにアカウントをスマートフォンに登録して利用する際はIDとパスワードの管理に注意して下さい。不正使用されれば情報漏洩や金銭的な損害を被ることになるからです。Android端末ではパソコン向けのAndroid Marketのウェブサイトからでも端末へアプリのインストールができるため、パスワードが不正使用されるとアプリを勝手にインストールされる恐れもあります。なお、iPhoneでもApp Storeからアプリを導入するのにApple IDというアカウントを取得する必要があります。このApple IDは実際に不正使用によって音楽などの購入代金が請求される被害が相次いだことがあるだけに適切に扱う必要があります。
 何れにせよアカウントの不正利用を防ぐには、パスワードを強固なものにし、アプリなどの購入履歴(利用明細)を定期的にチェックするようにしましょう。フィッシングによるIDやパスワードの詐取にも要注意。さらにアカウントを登録したスマートフォンは、操作をパスワードでロックして万一の盗難・紛失にも備えておいて下さい。

パスワードロックをかける
 紛失・盗難に限らず、盗み読みを防ぐためにも、スマートフォンでは必ずパスワードロックをかけるようにして下さい。たとえばiPhoneの場合、簡単なパスワードとして4桁の数字、通常のパスワードとしてアルファベットや数字を使ったロックがかけられます。スタンバイ状態から復帰する場合にパスワードを入力しないと操作できない仕組みです。個人情報や企業秘密を守るためにも必ずパスワードロックを設定しておくようにしましょう。

位置情報サービスに注意
 内蔵のGPSなどを使って位置情報付きの投稿ができるサービスが一般化しています。たとえばTwitterやFacebookなどのソーシャル系サービスでは、投稿時の位置情報を添付できるのが主流です。それ以外にも、写真投稿や共有サービスでも位置情報を添付することができます。位置情報をオンにしていると、それまでの投稿で自宅の場所などが分かってしまうこともあるので、くれぐれも注意が必要です。ソーシャル系や写真系のサービスでは、できるだけ位置情報をオフに設定しておいて下さい。

端末処分時の注意
 端末を処分したり他の人へ譲る場合は必ずデータとアプリを消去して下さい。重要な個人情報を見られたり、アプリ経由でファイルなどを読み取られたりする可能性もあるからです。なお、使わなくなったスマートフォンを自宅で保管する場合にも注意が必要です。その場合もリセットをかけてデータとアプリは消去しておくことが必要です。

参考3:セキュリティ対策ソフトと関連サイト


■参考:セキュリティ対策ソフト
Android厳選アプリ スマートフォンセキュリティ、ソースネクスト
ソースネクスト・発売
『Android厳選アプリ スマートフォンセキュリティ』
ソースネクスト・2011/9/16発売、1,463円

Bitdefender社のAndroid向けモバイルセキュリティアプリケーション。余計なバッテリーを消費しない省電力設計。紛失・盗難対策も可能。また、webセキュリティで怪しいサイトにはアラート表示する。さらに、セキュリティ上の観点からその他アプリを一括管理もできる。1年間利用可能。


【杜のAndroid研究室】第75回:
スマートフォンを守るセキュリティ対策アプリ8本を徹底比較
http://www.forest.impress.co.jp/docs/serial/androidlab/20111130_490826.html
ウイルスソフト比較&評価?2012年版 - セキュリティソフトの選び方
http://www.bestsecurity.jp/
セキュリティソフトの比較表 2012 - THE比較
http://www.the-hikaku.com/security/hikaku.html
NTTドコモ「ドコモ あんしんスキャン」(無料、McAfee製)
http://www.nttdocomo.co.jp/service/safety/docomo_anshin_scan/
ソフトバンクモバイル「スマートセキュリティ powered by McAfee」
(月額315円、McAfee製)
http://mb.softbank.jp/mb/smartphone/service/smartsecurity/
KDDI「安心セキュリティパック」(月額315円、トレンドマイクロ製)
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/smartphone/app/security_pack/


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