1stサービスヤマト生活情報館
ヤマト生活情報館 インデックスページに戻る
こちらもチェック 水のトラブル プロが教える自分で出来る修理法
Presented by Yamato Group
今月のワンポイントアドバイス


 冬の食べ物の定番と言えば鍋ですが、鍋料理の特徴は何と言っても身体が温まることにつきます。わいわいガヤガヤとみんなでつつく鍋料理は身体ばかりでなく心も温めてくれます。外食に変わって内食がブームの昨今、健康にもよいことから、通常の鍋料理に加えて様々な変わり鍋が人気を呼んでいます。今月は冬の定番料理として鍋を取り上げました。
鍋料理


健康!鍋料理
【1】鍋の歴史とその種類
【2】鍋とその健康効果
【3】鍋料理の健康レシピ


【1】鍋の歴史とその種類

 日本人に好みの鍋料理ですが、本節では鍋ものの歴史とその種類を取り上げ、簡単に解説しました。
人なぜ鍋を好むのか?

 核家族化が進み、食事も家族バラバラと言われる中、景気の悪化も伴って、ここ数年、外食に対して家で食べる内食が見直されています。そんな中で、そのよさが見直され、むしろ家庭内における鍋の人気が高まっています。その証拠に、ここ数年の間に鍋を食べる回数が増えたという人が多くなっていると言います。その人気の秘密について、多くの人が鍋料理のよいところとして、野菜を多く食べられるなど健康面にも気を使ったヘルシーな料理であることを意識しているようです。健康な食生活のためには「1日30品目」が厚労省からも提案されていますが、そうは言っても、日常生活の中でそれを実現するのはかなり難しいものがあります。特に冬場は野菜の摂取が不足しやすいものです。そんな時こそ、一度に多くの種類の食品を食べられる鍋は理想の料理と言えるかも知れません。そして、やはり家族や気心の知れた仲間たちと囲む鍋は何よりも温かい食べ物だと言ってよいでしょう。荒みがちな現代社会を救ってくれるのは鍋料理なのかも知れません。
鍋料理の歴史



 鍋料理は一体いつの頃からあるものなのでしょううか? 
 家族で同じ鍋をつつきあう風景は、如何にも昔から日本にあるもののようですが、実は鍋の誕生はそれほどに旧いことではありません。かつて日本にもまだ身分制度があった時代、夫婦&親子の間でも、食べる場所や食べる物が違うことがむしろ当り前でした。要するに鍋とは、そうした身分社会を乗り越えた民主主義的な料理でもあったのです。
文明開化の象徴・牛鍋
古代〜調理用具・鍋の誕生〜

 調理用具としての鍋そのものの歴史は古く、古代遺跡からも土鍋が出土しています。鍋の語源は「菜(な)を煮(へ)る」と言われ、おかずを煮る時のことを指していました。日本最初の漢和辞典『和名抄』では、金属性のものを「鍋」、土製のものを「堝」と書き分けており、その後、鉄製の鍋の普及に伴い、土製の鍋については、わざわざ「土鍋」と言うようになったそうです。
室町から戦国時代〜汁が鍋の起源〜

 この時代の人々は、ご飯と汁ものでお腹を満たしてから吸い物をつまみにお酒を呑んでいたそうです。従って、この時代には汁はおかずだったのです。そして、動物や魚介類を汁に仕立てた料理から鍋物が発展してきました。冬に猟をする狸や兎が狸汁や兎汁となり、当然それらの獣汁は熱いまま食べるので、煮ながら食べるという習慣が生まれました。ちなみに当時、松尾芭蕉が句に詠んだふぐ汁とは今で言うふぐ鍋のことです。
江戸中期以降〜「小鍋立て」で流行に〜
小鍋立て
 汁ではなく鍋という料理になったキッカケは小鍋立てという料理方法が普及したためです。これは七輪や火鉢などに鍋をかけ、煮ながら食べるいわゆる鍋料理で、まずは湯豆腐やどじょう鍋などから始まったと言います。なお、鍋料理が本格化したのは蘭学を修めた医師たちの指導による養生のための「薬喰い」と言われた獣肉料理の専門店が増え始めてからで、桜鍋(馬肉)や紅葉鍋(鹿肉)、ぼたん鍋(猪肉)が流行しました。しかし、当時はまだ肉食を嫌う風習が強く、余り上品でないお客か、緒方洪庵の家塾生しか通っていなかったと言います。緒方洪庵の弟子であった福沢諭吉も安政4(1857)年頃に牛肉を食べたものの、余りよい印象は受けなかったようです。
明治時代〜牛鍋がブームに〜

 鍋料理が本格的に庶民の生活に入ってきたのは明治以降のことです。明治2(1869)年、江戸に牛鍋屋が相次いで開店しました。いわゆるすき焼き屋である。明治5(1872)年には明治天皇自らが肉食の禁を破り、大ブレイクとなりました。それは「牛肉を食べて体力を増強しよう!」という文明開化&富国強兵のシンボルであり、また、一種の食の規制緩和でもあったのです。牛鍋を食べることは庶民にとって一番身近な文明開化だったのです。
縄文時代から伝わる調理法

 古代における火の発見は料理の起源となったと言えます。これに加え、坩堝が出来たことで、火と水による煮炊きが始まりました。もっとも器を火にかけるようになったのはもっと後のことで、一番初めは焼いた石を水を張った鍋に次々と入れて水を沸騰させるといったものだろうと考えられています。こうした煮る・茹でる過程によって食べ物が水と熱で軟らかくなり、食べやすくなりました。また、煮汁も飲むことで食材に含まれる微量元素を余すところなく吸収できるようになります。

 日本の歴史で一番古いのは縄文時代といってもよいのですが、この縄文時代の調理技術で見逃すことができないのは灰汁抜きの技術です。縄文時代に食料として大切であった木の実のうち、クリは茹でる・焼くだけで食べられ、シイの実は炒るだけで食べられます。しかし、ドングリの実は乾燥し、皮を剥き、製粉してから水に晒して灰汁抜きをしなければ食用にならず、蕨や葛の根は根をつき砕き、溜め水で洗い、沈殿した澱粉を水に晒してアク抜きをして食べたと考えられます。現在でも郷土料理に使われるトチの実は、渋みの成分のタンニンの他にサポニンなど非水溶性のアルカロイド成分などが含まれ、これを除かなければ食べられません。これらの成分を取り除くには、採取したトチの実を一晩水に漬けてから乾燥して保存し、食べる時に水に漬けてふやかしてから皮を剥き、煮沸し、灰合わせをしなければなりませんが、この工程は灰汁で茹でるか、灰を撒き、沸騰した湯をかけて冷まします。この技術は今でもホウレン草や筍の灰汁抜きに使われています。また、冬の料理では欠かせない鍋料理ですが、この時によく使われる土鍋の底には縄文の土器の名残が見られます。火の当たるところだけが素焼で土肌を見せているのは熱効率がよいからです。土鍋の形も時代により変化が見られますが、底から伝わる熱は鍋料理やご飯をより美味しく仕上げてくれています。
 さらに縄文時代、そして弥生時代から連綿と続く食品加工技術には素干しや茹で干し、ゆたい、煮塩、ししびしお、塩押しなどがあります。素干しは春に磯で採取した海藻を天日で自然乾燥したもので、ワカメやヒジキ、アマノリなどに利用された方法と考えられています。茹で干しはいったん沸騰した湯で茹で、身を締めてから干す方法で、沸騰した湯で茹でてあるので、素干しに比べて日持ちがよく、味のよいことから魚介類への利用が多かったようです。ゆたいは鰯や牡蠣の身を濃い塩水で洗って干物にしたもので、現在の鰯の目刺しに似たものと考えられています。煮塩は塩茹でして干したもので、今日のシラスの釜茹でのようなものと考えられています。また、ししびしおは本来は獣肉に麹麹を入れて作った塩辛のようなものと考えられています。アミノ酸の旨味のある漬物のようですが、万葉の頃から本格的に発展したようです。そして、最後の塩押しはアユやサバなどに多めの塩をして桶に詰めた保存食で、後に熟れ鮨に発展したものと考えられます。なお、塩は最初は海水を使ったものと考えられますが、奈良時代になって万葉集の中に藻塩という表現があることから、海藻についた海水を乾燥させて塩をとって使ったのではないかと考えられています。
鍋料理の歴史と分類〜意外!鍋の歴史は200年〜

 通常私たちが鍋物と呼ぶのは、卓上で鍋を火にかけ、調理しながら食べる料理のことで、如何にも煮物料理の原点といった料理です。
 なお、世界には中国の火鍋(フォクオ)や砂鍋(シャークオ)を使った様々な鍋料理、また、韓国のチゲ鍋、スイスのフォンデュ、フランスのブイヤベースなど鍋物と呼ばれるものがありますが、直箸でつつきながら食べる国は余りないようです。このように言うと、鍋物は如何にも古くからあった伝統料理のようですが、実は鍋ものが料理として確立されてから僅か200年余しか経っていないのです。その証拠に、上でも説明したように、おでんやすき焼き、ちり鍋などが広く普及し始めるのは江戸時代も末期にさしかかる頃のことなのです。


食卓に鍋を出すのはタブー
 1643年刊の『料理物語』には「鍋焼き」という料理が記されています。これは魚や野菜をみそで煮て(ただし食卓の上ではなく炊事場で)鍋ごと食卓に出すというものです。当時の世でこれを正式な料理として発表するのは実に画期的なことでした。それというのも、鍋は最も基本的な炊事具であり、古来神聖なものとされて来ていたからです。日本に鍋の原形である鼎(かなえ)を伝えた中国では、鼎を王室の礼器として使っていたほどで、そのため、鍋を直箸で汚すなど以ての外だったのです。加えて、日本の正式な料理は、ひとつひとつ皿に分けられ、身分や地位によって、また、家庭でも主人と他の者とでは皿数や盛り方が異なり、食事の場や時間さえ別でした。しかしながら、出来立てを熱いうちに食べるという魅力が、制度や習慣を超え、広まり始めるのに、そう時間はかかりませんでした。その証拠に、1700年代後半〜1800年代前半にかけての料理書には湯豆腐うあ鶏鍋、軍鶏鍋といった鍋物が次々と登場して来ます。やがてしっぽく料理が南蛮より伝わり、人々の間に大勢でひとつの鍋を囲む楽しみが浸透したことから、鍋ものは大ブームを呼んだと言われています。

鍋ブームの土台は囲炉裏文化
囲炉裏 実は日本には、鍋料理というこの食事形式を受け入れる大きな土壌がありました。それは、古くから農村で行なわれていた囲炉裏での食事です。囲炉裏は竪穴式住居の跡にも見られるほど古い歴史を持つものです。そして、囲炉裏のない町屋で、鍋を神聖なものとして崇めていた時代にも、農村ではずっと囲炉裏を囲む食事が続けられてきていたのです。卓上で調理する、直箸でつつくといった定義からは外れているものの、鍋物の最も大きな特徴である「皆で囲む」食事形式は、まさに囲炉裏での食事そのものと言ってよいでしょう。そんな訳で、鍋物の本当の原点はこの囲炉裏での食事にあるのかも知れません。やがて江戸の鍋物の流行と農村の囲炉裏での食習慣とが交差して、日本は鍋物大国になってゆくのです。地方で季節毎に手に入る有り合わせの材料を使って作っていたごった煮は、町で始まった鍋物の流行により郷土料理と呼ばれるお国自慢の料理になってゆきました。ちなみに現在、小鍋だてと言えば小人数で囲む小さな鍋のことを指しますが、当時は囲炉裏にかける大鍋に対し、食卓に持ち出すものをこう呼んでいました。
 「まだ生煮えだというのにあちこちから箸がのびて鍋は空」――これは、江戸の町に鍋もの屋が流行り始めた頃のこの一句ですが、鍋物が美味しさだけでなく、和やかで楽しい雰囲気作りに一役買っていることを物語っています。もちろん今もそれは同じで、家族団欒の機会が減った現代ではなおさら鍋物は家族の絆を深めてくれる温かい料理なのです。普段は玉子ひとつ焼かないお父さんが、すっかり鍋奉行と化し、あれを食え、これを食え、これは煮えた、これは未だだと大はしゃぎするのも、或は昔からの風習なのかも知れません。

鍋料理の分類

 鍋料理は多種多様で、それぞれの性格を明らかにして分類することは難しいことですが、しかしながら、その系譜を知らないと、それぞれの本当の美味しさを本当には理解することができません。本節では、汁の特徴によって分類する方法で鍋料理を分類してみました。


水鍋(水煮)
 ダシを用いず、真水で炊く鍋料理。水炊きなど具材から出る美味しいダシでいただくこのタイプの鍋料理は、各人が薬味や調味料で好みの味にして食べるので、料理初心者でも比較的失敗なく作ることができる。
煮汁鍋(汁物)
 味付けしたダシ汁で作る鍋で、人気の高いおでんや寄せ鍋など多くの鍋料理。
すき鍋
 鉄鍋を用い、濃い味に作った割り下や味噌ダレで煮る鍋物。

様々な鍋料理の由来

 鍋ものの種類は汁の状態によって大きく3タイプに分けられます。


■タイプ1:水煮タイプ
  〜水またはダシで煮て、取り分けてから味をつけるもの〜
湯豆腐
 豆腐は様々な鍋物につきものですが、湯豆腐は純粋、豆腐そのものの美味しさを満喫するためのものです。鍋ものと言えばワイワイと楽しむことが多いものですが、湯豆腐だけはしっとり落ち着いた雰囲気の中で静かに味わいたいという人が多いのではないでしょうか。ちなみに、湯豆腐の料理として歴史はかなり古く、『日葡辞書』(1603〜1604年)に「Yudofu(ユダウフ)。ソースをつけて食べる、薄く切った豆腐料理のひとつ」という訳が記されています。また、江戸時代の豆腐料理の『豆腐百珍』(1782年)では湯豆腐を「京都では湯とうふ、おほさか浪華では湯やっこと呼ぶ」と紹介しており、『守貞謾稿』(1838〜1853年)には「京都南禅寺前の湯豆腐も名物也」との一節があって、京都地方の伝統料理であることが伺えます。その「はんなりと、上品な京料理」のイメージが現在まで残されているようです。
ちり鍋
 冬の俳句の季語にもなっているちり鍋は新鮮な白身魚が決め手です。新しい魚の切り身は煮るとチリチリと縮まることからこの名がついたとされます。魚を豆腐や野菜と共に水煮する料理は古来から中国・四国地方で行なわれてきましたが、鍋物として東京で流行したのはやはり江戸末期からのことだと言われます。鱈ちり、鯛ちり、河豚ちりと、用いる魚の名をつけて呼ばれますが、河豚ちりは「当れば死ぬ」という洒落を込めて、「鉄砲ちり」が転じて「てっちり」などとも呼ばれます。また、魚だけでなく、豚ちり(毎晩食べても飽きないことから「常夜鍋」とも呼ばれます)や鶏ちりなども広まっています。なお、現在では具に関わらず、水煮タイプのものを「ちり」と呼ぶようになってきていますが、この「ちり」タイプの鍋物は、何と言っても各人がお皿の上で自由に味付けを加減できることが魅力でしょう。
水炊き
 石狩鍋(北海道)やきりたんぽ(秋田)、牡蠣の土手鍋(広島)と、鍋ものには地方の産物を活かした郷土料理となっているものが多くあります。鶏をダシで煮た水炊きはすっかり全国的な料理になっていますが、元々は別名・博多煮とも言われる福岡の郷土料理です。明治時代、九州横断鉄道の開通に伴って鹿児島や宮崎産の薩摩鶏などの地鶏が博多に集められ、それに中国風の調理技術を加えたものが始まりだとも言われます。正式な食べ方は、まずスープに塩味をつけて味わい、次に煮こんだ鶏肉をつけ汁で食べ、その後、野菜や餅、豆腐を煮ながら食べ、残ったスープで雑炊を作って締めくくる、というもので、博多の郷土料理店などではこの食べ方の名残が今も残っています。

■タイプ2:薄味で煮るタイプ
  〜薄味で煮て、煮汁も一緒に楽しむもの〜
おでん
 好きなタネを取り合うのも、熱燗でのんびりひとりつまむのも楽しいおでんは、今でこそ冬の定番の人気鍋ですが、元祖は豆腐やコンニャク、芋を串に刺し、味噌をつけて焼いた田楽です。これは室町時代からあった料理のようで、田植えの時、1本の竹馬に両足を乗せてピョンピョン跳ねながら踊った田楽舞と串刺しの様子が似ていることからその名が付けられ、やがてお田(おでん)と呼ばれるようになりました(ただし、コンニャクだけは串に刺さないで、茹でて味噌をつけたものもお田でした)。要するに、これが現在の味噌おでんで、それがいつ頃今のスタイルになったのか定かではありませんが、明治初年に上演された河竹黙阿弥の芝居に「煮込みおでん」が登場することなどから察して、やはり江戸末期頃と思われます。当時、江戸の町で醤油が大量生産され始めたことに関係しているのかもしれません。一方、大阪に始めて煮込みおでんの店が誕生したのも、やはり江戸末期のことでした。こちらは味噌おでんと区別して「関東だき煮屋」の名で繁盛したと言います。その名残か、関西地方では今もおでんを「関東炊き」と呼んでいます。
ちゃんこ鍋
 相撲界でちゃんこといえば食事のことを言います。部屋ごとに伝統色の濃い料理として知られていましたが、近年は、引退する力士が経営する店を筆頭にちゃんこ料理屋が増え始めました。太る食べ物と思われがちですが、実際は野菜たっぷりでヘルシーです。そのちゃんこ鍋の始まりはやはり江戸時代で、名前の由来は、長崎に巡業した力士が中華鍋のチャンクォ(ちなみにクォは鍋の意)の料理法を取り入れたことからだとする説が有力です。他方では、父(チャン)と子(コ)で食べる料理だからとする説、或は相撲部屋の料理人を「ちゃん」と呼んだことからとも言われています。なお、本来のちゃんこ鍋は、主役の魚介または鶏肉に野菜などを取り合わせたもので、調理法は水炊きしたものに酢醤油を添える水炊きや、或はダシ汁に味をつけ、汁ごと食べるソップ炊きの2種類があります。なお、ソップとは鶏ガラのスープのことで、スープをどこかで聞き間違えたことから生まれた言葉のようです。今では味付けや具の決まりはなくなり、相撲部屋ではちゃんこ番と呼ばれる下位の力士が様々に工夫して味のバリエーションを増やしています。家庭でよりヘルシーに楽しむには、ボリュームのありすぎる魚や肉の変わりに練り製品やつくねなどを入れて楽しむのもよいものです。

■タイプ3:濃い味で煮るタイプ
  〜汁気を少なくし、濃い味で煮るもの〜
すき焼き
 かつて日本では、獣肉は汚れ多きものとして、屋内で、しかも日常使っている鍋で料理することを禁じられていました。しかし、やはり美味いものは食べたいのが人情です。そこで江戸時代、農耕用の鋤を鍋代わりにして肉を焼いたのがすき焼きの始まりだと言われています。ただし、それも肉は薬になるからなどと言い訳をつけて食べており、余り大っぴらに出来るものではなかったようです。それが江戸幕府の崩壊と共に一気に解禁され、次から次へと「牛鍋屋」が立ち並び始めました。表面上は1200年余りも肉食を絶っていた日本人にとって、それはまさに「文明開化の味」だったのでしょう。そのためもあってか、スキヤキは今では最早立派な国際料理になっていますが、それでも、比較的経済的な他の鍋物に比べて日本人にとっては今でも特別のご馳走になっています。そのため、牛肉それも極上のものを奮発して、そのまろやかな舌触りを楽しむことが多いようです。なお、すき焼きは割下で煮る関東風、肉を炙りながら調味する関西風と東西で調理法が異なるのも特長です。関東地方では鍋ものとして流行した明治の牛鍋を、関西では鋤で焼いていた原形の鋤焼を引き継いでいます。


[ ページトップ ] [アドバイス トップ]


【2】鍋とその健康効果

 昨今、鍋料理が人気ですが、その理由のひとつは鍋料理の健康に与える効果です。
 本節では鍋料理がどれだけ健康によいか、その健康効果について取り上げ解説しました。
鍋料理のどこがよいのか?

 冬の食べ物と言えば、やはり鍋でしょう。その鍋料理の特徴は、何と言っても身体が温まることです。そして、人間にとって温かい食べ物は、身体にも心にもとても重要です。その証拠に、医食同源が当り前の香港では、日本より気温が高いにも関わらず、デザートさえも温かく、冷たいものは余口にしません。このように、内側から身体を冷やさない温かさそのものにも、私たちにとってよい医の効果があるのです。


身体が温まる
 鍋は冬を乗り切る最強の料理方法です。野菜は煮込むことによって食物繊維が柔らかくなり、生よりも多く食べることができます。それら栄養素がスープに溶け出し、混ざり合い吸収しやすくなっているので、是非スープを味わいたいものです。このようにスープも味わえる鍋料理はまさに栄養の宝庫だと言ってよいでしょう。また、野菜に含まれるペクチンは胃の調子を整える働きがあるので、胃腸薬を一緒に飲んでいるも同然なのです。さらに魚はアラ、肉は骨つきで煮込むと、普段は摂取しにくいそれらに含まれる良質のゼラチン質やコラーゲンが摂れ、美肌効果もあり、しかも身体が温まるといった効果も期待できます。このように、温かい鍋料理はよいことづくめです。

心が温まる
 鍋はどちらかと言えば、一人で食べる料理ではなく、ワイワイガヤガヤと2人以上で食べる料理です。しかも、鍋を囲む時は大概会話も弾みがちです。鍋はみんなで調理しながら食べるものだから、それも当然かも知れません。色々と話が続き、余程厳しい鍋奉行でもいない限り、時には笑いも起こります。「笑いは内側からのジョギング」と言われるほどで、笑いは身体を健康にし、ストレスを解消してくれる。ワイワイ言いながら食事のできる鍋は、だから最高のヒーリング・フードと言えるでしょう。このように、鍋料理は身体だけでなく心も温める食べ物なのです。

身体によい鍋料理

 正月も開けて、でも何だか体調が整わないといった時に効く鍋を紹介しましょう。冬野菜ばかりではないけれど、以下のような症状がある時にはこんな鍋料理でそれを解消するのも一法です。


冷え性にはキムチ鍋:
 キムチは汁ごと。スライスしたニンニクを入れるとアリシン成分の働きで、さらに血行がよくなる。
風邪気味の時はほうとう鍋:
 カボチャの豊富なカロチンにより喉や胃の粘膜を守り、風邪を予防する。また、里芋などの根菜類は身体の中で温かさが持続する。薬味に唐辛子を入れれば、さらに温かさがアップする。
貧血・疲れ眼には柳川鍋:
 ドジョウの鉄分はほうれん草より多い。まるごと食べ、カルシウムも摂ろう。コレステロール値の調整のため、繊維の豊富なゴボウを入れるとよい。
高血圧には海鮮鍋:
 エビやカニ、ホタテ、タコ、イカなどに含まれるタウリンがコレステロール値を下げ、血圧を一定に保つ。ただし食べ過ぎには注意が必要。

鍋の具とその効用


海藻類〜海の野菜も捨てがたい〜
 海藻類にはカルシウムやビタミン、鉄分、リン、ヨードなどが含まれています。海の野菜途も言われる海藻は、陸の野菜に劣らず、或はそれ以上に栄養が豊富で、しかも低カロリーです。また、海藻のヌルヌルはアルギン酸によるもので、整腸作用の他、コレステロール・脂肪の蓄積を防ぐ効果があります。

ネギ〜緑の葉は捨てるな〜
 ネギの白い部分には硫化アリルが含まれ、消化吸収を助けます。他に殺菌作用や食欲増進、血行をよくする、また、風邪や頭痛、下痢にも効果があるといった万能野菜です。なお、関東では捨ててしまうことの多い緑の葉にも、ビタミンAやC、カルシウムが含まれているので、ちゃんと食べようにしましょう。

大根〜皮を剥いちゃイヤ〜
 大根には消化酵素が含まれ、胃腸を丈夫にしてくれます。また、皮の近くはビタミンCが特に豊富に含まれています。しかし、皮を剥いて水に晒すと、それが大量に壊れてしまうので、皮を剥かずに食べるようにしましょう。皮つきのまま大根おろしにし、薬味や雪鍋として使うのもオススメです

レタス〜フレッシュ! にしてくれる〜
 レタスには若さを保つビタミンEを含め各種ビタミンが豊富に含まれています。ビタミンEはビタミンAの吸収を助け、血液循環をよくし、体内の脂肪が酸化するのを防ぎ、それによって肌のシミを予防する効果があります。ビタミンEは熱に強いので、鍋物にもOKです。味も意外におつで、サラダよりたくさん食べられます。

春菊〜鍋のためにある野菜〜
 春菊にはカロチンが豊富に含まれています。カロチンは体内でビタミンAに変化し、皮膚や喉、消化管などの粘膜を強くする働きがあるのです。さらにビタミンB2やC、鉄分なども含まれており、栄養価でも主役級です。鍋にすれば量もたくさん食べられるのでオススメです。

キノコ類〜癌予防に〜
 キノコ類は各種ミネラル成分やビタミンDなどを含んでいます。ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨を丈夫にしてくれます。また近年、キノコは癌予防にも効果があると言われています。なお、椎茸のビタミンDは天日に干すと10〜20倍に増えるので、干し椎茸の方がよいのですが、生の椎茸でも、食べた後で日光浴をすると効果があると言われます。


■参考:鍋料理の薬味一覧
わさび:
 鶏ガラ・鰹ダシの鍋に。ワサビの辛味成分であるシニグリンにより胃酸の分泌を調整。食欲増進に効果的。
おろしニンニク:
 ダシ仕立ての鍋に。ニンニク臭成分であるアリシンは殺菌作用があり、風邪に効く。
バター:
 味噌仕立ての鍋に。ビタミンAが豊富で細菌への抵抗力アップの効果がある。
一味・七味:
 ほぼ万能のスパイスで、身体を温め、新陳代謝を活発にすることで食欲増進、タンパク質の消化を促進する効果がある。
煎りゴマ:
 ポン酢仕立てのたれなどに。コレステロールを取り除く不飽和脂肪酸により動脈硬化を防ぐ効果がある。


鍋料理との上手な付き合い方

 いくら鍋が冬ナンバーワンの健康食だからと言って、やはり食べ方には気をつけたいものです。日頃からよりよい鍋との付き合い方を考えましょう。


食べ過ぎてしまう!
 その美味しさ故、ついこんなことも多いはずです。特に最後のうどんや雑炊は正直お腹にキツイこともあります。そんな時は何も無理して食べきることはありません。栄養豊富なスープはそのまま取っておき、うどんも雑炊も翌朝に食べればよいのです。

食べ過ぎてしまった!
 もうたらふく食べてしまったといった場合、まずはゆっくり休んで、できるだけエネルギーを消化に傾けましょう。足裏などにある胃のツボを刺激して消化を促進するのもよいでしょう。

塩分が気になる
 特にすき焼きなどは塩分が多く、高血圧の人には塩分の摂り過ぎが心配です。そこで、鍋料理を食べた時は特にナトリウムの排出に効くカリウムを含む食品も摂るようにしましょう。或は海草サラダなどを摂るのもよいでしょう。できればすき焼きよりは水炊きなどの鍋にするとなおよいでしょう。

買い物はコンビニしか行けない
 コンソメ仕立ての洋風鍋で、肉はウインナーやコンビーフ、魚はシーチキン、野菜はミックスベジタブルでも結構美味しいものです。或はサバ缶などをベースにしたカット野菜でのちゃんこなどもよいかも知れません。

買い物はコンビニしか行けない
 ダイエット中の人にはしゃぶしゃぶタイプの鍋がオススメです。あえて肉を使わず、レタスやワカメ、もやしなどの野菜しゃぶしゃぶもよいでしょう。必要な栄養も摂れ、満腹感も得られるので、スープも一緒に食べましょう。


参考:鍋料理でダイエット
 大分寒い日が続きますが、こんな時期は暖かい部屋でのんびりしているのが一番です。でも、家の中にばかりいて身体を動かさないと、たちまち太ってしまいます。余外出しなくなる寒い時期は、揚げ物や炒め物など油の多い料理ばかり食べていると、あっという間に体重が増加してしまいます。そこでオススメなのが鍋料理です。準備も材料を切るだけなので簡単で手間いらずですし、寒くて余動きたくないという人にはぴったりの料理です。
 鍋料理は油を使用しないため低エネルギーです。また、使用する材料の野菜や豆腐、魚介類などにはビタミンやミネラルがたっぷり含まれています。このため、脂肪の燃焼に必要なビタミンも同時に摂取することができ、効率よく体内で脂肪が燃やされます。特にオススメの材料は白菜や春菊、ほうれん草、キノコ類、シラタキ、豆腐、鱈などです。これらは低エネルギーなので、ダイエットには最適の材料です。また、鍋料理のようにフーフー言いながら食べる熱々の料理は身体を芯から温める効果があります。このため、新陳代謝が活発になり、食べたものがどんどんエネルギーとなって消費されてゆきます。さらにダイエット効果を上げたいなら、ぴりっと辛い唐辛子がたっぷり入ったキムチ鍋がオススメです。唐辛子の辛味成分であるカプサイシンの働きで身体がぐんぐん温まり、新陳代謝をより活発にし、アドレナリンの分泌を促し脂肪の燃焼を促進します。ただし、同じ鍋料理でも、油を使った甘味のあるすき焼きはダイエットに向きません。また、いくら低エネルギーでも、大量に食べてしまったら、ダイエットにはならないので、そこは注意が必要です。また、鍋料理のお供にぴったりなのは日本酒です。地方独特の鍋料理に、その土地の地酒の組み合わせなどはアルコール好きな人には最高です。けれども、日本酒は1合で約200kcal(ご飯約1杯分)ありますし、アルコールには食欲増進作用もあるので、「程々に」を心懸けましょう。

鍋料理はバランス栄養食品
野菜やキノコ類がたっぷり摂れる

 鍋は特別に工夫しなくても、低カロリーで栄養がしっかり摂りやすい優れものです。一人暮らしの人でも、小さな鍋を用意して、この時期は頻繁に一人鍋をすることもできます。
 まずは野菜です。鍋では大根や人参、ネギ、白菜、春菊など、とにかくどんな野菜でも材料に適しています。また、椎茸やエノキなど毎日食卓に上がることが珍しいキノコ類も、鍋料理ならば何の違和感もなく摂り入れることができます。特にキノコ類は、食物繊維が豊富なため、気になる血糖値の上昇を抑える効果があります。もちろんノンカロリーでビタミンやミネラルなどが豊富なのも魅力です。旨味成分のアミノ酸も含んでいるので、鍋を美味しくしてくれる効果も期待できます。
肉や魚介類、蛋白質が免疫力も高める

 鍋に入れる肉類ですが、ひと口で肉と言っても、その種類によって脂肪やエネルギー量が全く違います。たとえば、ササミは高蛋白・低脂肪ということはご存じの方も多いと思いますが、でも、ササミはちょっとパサパサしたりして、いつもササミばかりでは物足りなさを感じる人もいるでしょう。なので、一種類の肉だけ食べ続けるのではなく、豚や牛といった色々と肉の種類を変えて摂ることがオススメです。また、ササミに比べると油っこいイメージがある豚肉は、疲労回復に効果のあるビタミンB1を多く含んでおり、健康のためにも積極的に摂り入れたい食材なので、積極的に鍋の食材に選ぶのがよいでしょう。ただしその場合は、脂質の少ないヒレやモモにするなど部位をしっかり選ぶようにします。また、ヒレ肉の鍋となると、余イメージが浮かばないかも知れませんが、たとえばヒレ肉などの脂質の少ない肉は挽肉にして肉団子鍋にするといったひと工夫をするとよいでしょう。
 次に魚介類ですが、鍋にオススメなのは、イカやタコ、エビ、白身魚、ホタテやアサリなどの貝類ですが、これらは高蛋白質・低脂肪の食材なのです。特に育ち盛りのお子さんなどの場合は、なるべく余計な脂肪分は摂らずに、筋肉や骨、血液などをつくる蛋白質をしっかり摂らなくてはいけません。そのために、こういった食材を積極的に取り入れるようにしましょう。実は蛋白質は免疫力にも関係のある栄養素で、気温が下がり空気の乾燥するこの時期には、しっかり摂って風邪などを予防したいものです。さらにイカやタコにはタウリンといって疲労回復に効果のあるアミノ酸が豊富です。糖尿病を予防、回復のために運動をされている方も多いかと思いますが、疲れたと思ったら、タウリンを多く含む魚介類を摂ることもオススメです。

 なお、健康のためにも、メタボやダイエットが気になるという方もいるでしょう。余計な脂質やカロリーを抑えながら、身体作りや免疫力アップの食事をするという意味でも、こういった肉や魚介類の選び方には気を使いたいものですが、鍋料理はそういった面が比較的簡単にクリアできる、とても有効なメニューなのです。
調味料で味にバリエーション、身体を温める効果も

 鍋の利点は他にもあります。それは、調味料によって簡単に多彩な鍋を楽しむことができることです。
 発酵食品の味噌や醤油味の鍋に摺り下ろした生姜や唐辛子をちょっと加えるだけでも、身体を温める効果もアップしますし、いつもより調味料を減らしても薄味を感じさせない効果も期待することができます。今流行りのキムチ鍋にしても、味だけでなく、唐辛子に含まれるカプサイシンによって脂肪燃焼効果が期待できることが人気の理由であったりもします。また、豆乳鍋も人気鍋のひとつです。豆乳自体、身体作りや免疫力に効果のある蛋白質を多く含みます。
現代人の健康管理と鍋料理
「美味しく食べる」ではなく「美味しく楽しむ」

 1日に3回しかない食事だから、出来る限り毎食美味しく食べたいと思うのは誰しも当たり前の話でしょう。食事を美味しく楽しむためには、まず健康であることが大前提ですが、他にもその人の食の嗜好や食べる相手、食べる環境など様々な要素が関わってきます。
 なお、ここで「美味しく食べる」ではなく「美味しく楽しむ」とあえて書いたのは、食事は満腹感だけが得られればよいものではなく、精神的な満足感もとても大切だからです。現在日本人の健康意識は高まるばかりですが、健康というのは、必要な栄養素を摂ったからそれでよいというわけではなく、トータルなバランスで考えなければならないものなです。そのためにも、まず毎日の食事を「美味しく楽しむ」ことが大切です。日本には折角四季があり、海に囲まれた素晴らしい環境があるのですから、もっと自然に逆わらない食生活をし、食の豊かさを楽しむことです。そして、外食では出せない家族ならではの思いやりの味をプラスすると、自然に心と身体によい食生活になってくるのではないでしょうか。
日本人の食生活が危ない

 日本人の食生活は経済成長と共に急激に豊かになりました。たとえば蛋白質の摂取量は日本人の所得と比例して多くなり、その結果良質の動物性蛋白質の摂取量が伸びてきました。この動物性蛋白質の摂取量の増加に比例して日本人の寿命も次第に延び、今では世界に誇れる長寿国となっています。同様に食事の変化を見ると、脂質の摂取量が1950年と比較すると3倍上になっており、その結果、総エネルギーに対する脂肪からのエネルギー摂取の割合が1997年には26.4%になり、理想とされている20〜25%を超えてしまいました。脂質からのエネルギー摂取の割合が高くなってくると、嵩の割にエネルギーの高い食事になるので、どうしても太りやすくなってしまいます。また、蛋白質や脂肪の摂取量が増えているのに反して、糖質の摂取量は3分の2程度になっています。つまり、この50年ほどで主食を中心に食べていた日本人がおかずを中心に食べるようになったのです。この「おかず食い」の傾向をそろそろ見直さない、癌などの生活習慣病の発病率がどんどん高くなり、長寿国日本に赤信号が点滅し始めます。
 さらにもう一つの不安材料は、日本人の生活が総じて豊かで便利になりすぎてしまったことです。たとえば日本にはない食材を世界中から見つけては輸入し、国内では高く売れるはしりの時期をより早くすべく今まで努力をし続けてきましたが、その結果、珍しい物であるとか季節感、ご馳走といった食生活からの欠かせない刺激が殆ど得られなくなってしまいました。ハウスもので旬のものがいつでも味わえるとなったら、それも当然でしょう。そして、食べることにも飽きてきた結果、簡便さばかりを追求し、家庭での手作りならではの味が失われてゆく傾向にあるのは大変残念なことです。今では小学校のお弁当にコンビニで買った食材を持たせる親も多くなったと言いますが、こうしたことがますます日常化すると、子どもや若い世代に顕著な影響を与え、食べることへの積極性や関心を薄くさせるという結果を招いてしまいます。そして、きちんと決められた時間に食事を摂るという食習慣もなくなり、好きな時間に外食・間食をし、基礎となる家庭での食事では充分な栄養を今や補えなくなっているのです。
鍋料理に期待すること

 このような問題を解決するにはどうしたらよいでしょうか? その解決が鍋料理に期待できそうです。

 まず一つ目の問題である脂肪の摂り過ぎについては、日本型の食生活になるべく戻すように心懸けることです。その点、材料の種類が多く、油を殆ど使わない鍋料理は、大半が低カロリーでヘルシーなメニューです。準備も簡単で、各自好きな具を入れることができ、味付けなど変化もつけやすいので、欧米型に慣れた食嗜好も満足させることができます。また、素材の様々な旨味が絡み合い、独特の美味しさになりますし、寒い時期には身体が芯から温まります。また、食材の種類が多いのでバランスも申し分なく摂ることができます。
 二つめの問題点の解決策としては、家族で食卓を囲むことです。家庭の食生活を豊かにする第一条件ですが、その時にオススメなのが鍋料理なのです。温かくて美味しい鍋をつついていると、誰しも幸せな気持ちになり、同じ鍋をつつくことによって親近感が湧いてくる素敵なお料理です。食べることに関心が薄い子どもや若い世代に食生活に対する関心を持ってもらうには、まずは肝腎の食事に参加させることが重要です。鍋料理ならば、調理の段階から参加することができますし、気になる栄養もバランスよく充分に摂れます。しかも、準備や後片付けが簡単なので、忙しい主婦には強い味方となります。なお、この他にも、高齢化社会やストレス、核家族化などの社会背景は、様々な影響を食生活に与えています。鍋料理は変化がつけやすく、どんな場面にも対応できるのがもう一つの期待する理由です。大鍋でも小鍋でも、具材や味付け、ちょっとした工夫でバリエーションが広がりますし、組み合わせ次第では栄養面でも様々な栄養素が効率よく摂取できるのです。
栄養面から見た鍋料理

 鍋料理が食べたくなるのは寒い時で、そんな時に温かい物が食べたいと答える人が多いでしょう。寒い時には暖房だけでなく身体の中から温めるのが一番です。糖質は消化吸収がよく、体内で速やかにエネルギー源として使えるますが、寒い時に何よりも早く温めるには熱々の物を食べることです。蛋白質やビタミン類、食物繊維などをバランスよく含んでいる鍋料理ですから、ご飯を食べながら、或は最後に雑炊かうどんを入れて糖質を摂れば身体が芯から温まります。また、それ以外の理由で鍋料理を食べたくなるのは大概は家族が揃った時でしょう。これは家庭内の楽しい食卓の復活には心強いものです。確かに材料の種類が多い鍋料理は、ある程度の人数がいた方が材料の無駄がなく、また、たっぷり作った方が美味しくなります。鍋に使う食品数は、少ない場合でも7〜8種類、多い時は14〜15種類にもなります。厚生省が栄養のバランスをとる目安として1日30食品とることを薦めていますが、鍋料理をすればその半分近くは簡単に摂れてしまいます。いくら種類が多くても、刺し身の盛り合わせのように、同じ様な栄養素を含んでいる食品を何種類も食べても栄養のバランスはよくなりません。しかし、鍋料理は旨味を出すために、肉や魚介類、豆腐などの蛋白質源何種類かを使うことが多いのですが、これらは脂肪の少ない白身の魚や貝類、エビ、カニなど高蛋白・低脂肪の食品ばかりなので、エネルギーの摂り過ぎを余り気にしないですむのも鍋料理の魅力です。
組み合わせ次第で簡単に健康鍋メニューに

 鍋料理には欠かせない練り製品も高蛋白質食品ですが、練り製品の特徴は魚貝類の旨味を簡単に得られることです。栄養的には蛋白質を多く含み、イワシなどの青い背の魚を原料にしていれば、DHAやEPAなどの脂肪酸やカルシウムを摂ることができます。急いでつくりたい時、一人の時、お年寄りや子どもにもとても便利な食品です。また、若い世代は魚の調理を嫌がる傾向がありますが、そうした方にも練り製品は重宝です。また、鍋には豆腐や揚げなどの大豆製品もよく使うので、動物性及び植物性の蛋白質をバランスよく摂ることができます。ビタミン類や食物繊維を多く含んでいる野菜類としては、白菜や春菊、キノコ類は必需品ですし、旬の野菜をたっぷりと入れられます。1日300gの野菜を摂ることが一つの目標ですが、鍋料理なら約半量は簡単に摂れてしまいます。1日300gのうち少なくとも100g、出来れば150gは青菜や人参などの緑黄色野菜を摂って欲しいものです。鍋には青菜や人参は欠かせません。野菜類のビタミンは煮過ぎるとどんどん壊れてゆきますので、ビタミンCの多い青菜類などは煮過ぎないようにして無駄な損失を防ぎましょう。こうした様々な栄養素は汁に含まれ、また、旨味が出て美味しくなりますから、具と一緒にいただきましょう。ただ、たくさん飲んでしまうとちょっと塩分が気になるという人もいるでしょうが、やはり塩分は過度に摂りすぎないように注意が必要です。最近の国民栄養調査を見ても、塩分の摂取量が段々多くなってきています。なるべく薄味を心懸け、1日10g以下を目標にすることが必要ですが、カリウムを多く含んでいる食品を摂ると、体外に排泄される時にナトリウムを伴って排泄されるので、減塩の手助けをしてくれます。鍋料理には欠かせない青菜はカリウムが多い食品ですから、コンビネーションは抜群です。カリウムは干した果物や芋類などにも多く含まれますから、献立に組込み食べるように心懸けましょう。また、このように蛋白質やビタミン類、カルシウム、食物繊維など必要な栄養素を一度に摂取することができる鍋料理なので、素材を選んで組み合わせることによって、症状に合わせたメニューを作ることも可能です。

[ ページトップ ] [アドバイス トップ]


【3】鍋料理の健康レシピ

 昨今、伝統的な鍋料理ばかりでなく、様々な変わり鍋が人気になっています。
 本節では、その変わり鍋も含め、様々な鍋料理のレシピと作り方を解説しました。本節で取り上げた鍋で気に入ったものがありましたら、ぜひ作って一家団欒の縁として下さい。
変わり鍋が人気


変わり鍋の種類やレシピ
 定番の鍋に飽きたという人には変わり鍋がオススメです。いつもとひと味違った鍋で大勢で楽しむのもよいでしょうし、1人で作って独り占めするのも楽しいものです。

変わり鍋の人気度 変わり鍋と聞いて何をイメージするでしょうか? 一見ミスマッチのように見える変わり鍋ですが、実際作って食べてみるとイメージが変わること間違いなしです。
 まずはカレー鍋はどうでしょうか。具材はカレーに合うような肉系の具材を入れるとよく、ダシと合います。カレーのルウを溶かすのは普通の水ではなく、寄せ鍋のタレやダシ汁で溶かすというところがポイントです。具材とカレー味がマッチして病みつきになってしまうかも知れません。次に、ラーメン鍋には色々な味付けがありますが、締めにラーメンを入れるのではなく、ラーメンをメインに味わう鍋もあります。お好きな鍋に生ラーメンとゴマ油を入れるのがポイントです。さらに、トマト鍋はチリソースとトマトを混ぜると美味しいです。トマトの甘みとチリソースの辛さが絶妙に効いています。食べているだけでポカポカしてきます。また、チーズ鍋は鍋にバターを入れてコンソメを入れ、塩コショウで味を調えてから、溶けるチーズを入れると美味しいです。まるでチーズフォンデュのような味になります。

変わり鍋の締めの楽しみ方
 変わり鍋の醍醐味の一つは、鍋を食べ終わった後の締めにあると思います。一般的に鍋の締めにはご飯を入れて雑炊として食べることが多いと思いますが、変わり鍋では一風違った楽しみ方があります。たとえばトマト鍋やチーズ鍋や牛乳鍋やブイヤベース鍋には、うどんではなくパスタがよく合います。まるでスープパスタを食べているような美味しさがあります。また、カレー鍋やチーズ鍋や牛乳鍋やブイヤベース鍋にご飯を入れると、リゾットのような味を楽しむこともできるといった具合です。

キムチ鍋の作り方


キムチとは?
 毎日の食卓でお馴染みのキムチですが、今や韓国料理という枠を超え、すっかり日本人にも浸透していますが、日本国内でキムチが焼肉と共にメジャーになったのは戦後のことで、昭和30年頃を境に商品化が始まり、40年代に入って一般的に普及していったと言われています。なお、キムチとは朝鮮語で漬物の意味で、何ともシンプルですが、もちろん他の漬物とキムチには違いがあります。さらにキムチを定義すれば、韓国の漬物の総称で、白菜や大根などを塩漬けにし、さらに魚介の干物や唐辛子、ニンニクなどを混ぜて漬け込んだ発酵食品ということになります。つまり塩漬けした白菜や大根などの原料に、様々な薬味(粉唐辛子やニンニク、ショウガ、ネギなど)を混ぜ合わせ、低温で熟成させた発酵食品がキムチなのです。

キムチ鍋 キムチはビタミンが豊富です。漬け方にもよりますが、特にビタミンB12があることが特徴的です。ビタミンB12はシジミにも豊富にあり、ダメージを受けた肝臓の修復などに役立ちます。また、トウガラシに含まれるカプサイシンには脂肪を燃焼させる効果があると言われています。また、消化液の分泌や発汗効果があります。消化液の分泌には、消化腺を刺激して食欲増進、さらに食物の消化をよくする効果があります。そしてキムチの繊維質は、お通じをよくする効果があるのです。消化器系をよく働かせることは美肌につながります。
 日常の食生活で思うように栄養素が摂れなかった時代、冬場はキムチがカルシウムやカリウム、ナトリウム、マグネシウムなど各種ミネラルの供給源となり、身体にとって必要な栄養分の補給源だったと考えられます。ただしキムチ鍋の場合、美味しいスープは炭水化物と一緒に食べるとGI値が高くなり、脂の摂取量も増えるので、ダイエットしたいのならスープは飲まないようにしましょう。
■キムチの種類
 キムチの作り方は大きく3つに分けられます。
白菜・葉菜漬物型:
 野菜を長期の塩蔵後、塩抜きしたものに漬床の具を加えて作る方法
カットウギ・オイ型:
 塩蔵期を短縮し、塩抜き後漬床の具や薬味を加えて作る方法
トンチミ・ムル型:
 漬け汁を飲むために、漬け汁を多めに作る方法

■キムチの栄養素
乳酸菌:
 キムチ発酵の主役は乳酸菌。キムチに特に多く含まれるというラクトバジルスは代表的な善玉菌で整腸作用があり、腸をきれいにしてくれる。焼肉などは悪玉菌のえさになるので、一緒にキムチを食べることはまさに理に適っている。
豊富なビタミン類:
 加熱せずに作るため、主材料の白菜や大根、キュウリといった淡色野菜に含まれるビタミンCを壊さずに摂ることができる。また、新鮮な野菜の液汁が発酵する過程でビタミンB1やB2、B12、ニコチン酸なども作られることが分かっている。
カプサイシン:
 薬味である粉唐辛子に含まれるカプサイシンという成分には、身体の抵抗力を高め、風邪などから体を守る効果が期待できる。また、代謝を高め、内臓脂肪を燃やしたり血流をよくして体温を高める効果もある。
タウリン:
 アミノ酸の一種で、キムチの材料となる塩辛などの魚介類に多く含まれている。血液中のコレステロールを減少させたり、肝臓の解毒能力を強化したり、視力を回復させたりといった身体を正常にする働きを持っている。
その他:
 その他では、たとえば薬味に欠かせないニンニクには、中性脂肪を減らしたり、動脈硬化予防やスタミナアップの効果があることが分かっている。また、ショウガの香りには脳を活性化させる働きがあることも分かっている。


■キムチ鍋のレシピ&作り方(1)
 キムチの味が染み込んだマロニーがポイントのキムチ鍋。
キムチ鍋の材料(4人前):
  • マロニー
  • 豚肉: 300g
  • キャベツ:1/2個
  • 白ネギ:2本
  • ニラ:1束
  • シメジ:1パック
  • 豆腐:1丁
  • 白菜キムチ:250g
キムチ鍋の作り方:
  1.  生マロニーをさっと水洗いして水気をよくきっておく
  2.  豚肉300gとキャベツ1/2個、白ねぎ2本、ニラ1束、シメジ1パック、豆腐1丁、白菜キムチ250gは適当な大きさに切る
  3.  鍋に市販のキムチ鍋つゆを入れて煮立て、キャベツを加え、しんなりしたところでマロニーと他の材料を入れる

キムチ鍋のレシピ&作り方(2)
 たくさんのきのこがポイントのキムチ鍋。キムチの繊維質のお通じをよくする効果を更に助けてくれそうです。
キムチ鍋の材料(4人前):
  • 牛肉:薄切り200g
  • 酒:大匙1
  • キムチの汁:大匙1
  • ゴマ油:大匙1/2
  • キムチ:300g
  • 木綿豆腐:1丁
  • ニンニクの芽:1束
  • 白ネギ:2本
  • 大根:1/4本
  • ブナシメジ:1袋
  • マイタケ:1パック
  • エノキ茸:1袋
キムチ鍋のスープの材料(4人前):
  • 水:4カップ
  • 鶏ガラスープ:大匙1
  • 酒:1/4カップ
  • 醤油:大匙1
  • 塩:小匙1/4
キムチ鍋の作り方:
  1.  牛肉を食べやすく切り、下味を付ける
  2.  豆腐を食べやすい大きさ(8等分程度が)に切る
  3.  ニンニクの芽を5〜6センチに切り、白ネギを斜め切り、大根を薄い半月切り、ブナシメジを小房に分ける。また、舞茸とエノキはほぐすだけ
  4.  スープを煮立て、牛肉以外の材料とキムチを加え煮る
  5.  最後に牛肉を加えサッと煮る

■キムチ鍋のレシピ&作り方(3)
 味付けにコチュジャンを使用したコクのあるキムチ鍋です。コチュジャンのコクがポイントのキムチ鍋です。
キムチ鍋の材料(4人前):
  • キムチ:350g
  • 豚肉:150g
  • 豆腐:100g
  • もやし:100g
  • 白ネギ:1/2本
  • タマネギ:1/4個
  • 刻みニンニク:大匙1
  • 水:コップ4杯
  • トック(韓国餅):コップ1杯
  • サラダ油:大匙2
キムチ鍋の味付けコチュジャンの材料(4人前):
  • コチュジャン:大匙2
  • 刻みニンニク:小匙1
  • 刻みショウガ:小匙1/2
  • 酒:小匙1
キムチ鍋の作り方:
  1.  豚肉を千切りきって(下味をしみ込ませるため)コチュジャンに混ぜ合わせる
  2.  キムチを4cm程度の長さで切る
  3.  トックを水に沈め、柔らかくなってから水を切る
  4.  豆腐を0.5cm程度の食べやすい厚さで切る
  5.  タマネギを千切り、白ネギを一口サイズの大きさに切る
  6.  鍋に油を引いて、キムチと豚肉を入れ炒めた後で水を入れ、その後一気に強火で煮込む
  7.  キムチが軟らかくなったら、モヤシとトック、豆腐、刻みニンニク、タマネギ、ネギを入れる
  8.  蓋をしてタマネギが柔らかくなるまで煮込む

ちゃんこ鍋の作り方


ちゃんこ鍋とは?
 ちゃんこ鍋とは、主に大相撲の力士が食べる鍋料理のことです。また、ちゃんこ鍋だけがちゃんこと思われがちですが、それは誤りです。相撲力士の食事は、相撲を行なうための体格を身に着けるために鍋料理を食べることが多く、それが広く知れ渡ったのがちゃんこ鍋だと言われています。
 なお、ちゃんこ鍋は鶏ガラでダシを取ることが多いのですが、これは人間と同じように二本脚で立つ鶏から縁起を担ぐ意味も込められています。ちゃんこ鍋では縁起を担ぐため牛や豚などの四足動物の肉を使うことは避けていましたが、現在では使われることも珍しくなくなっています。白星を連想させることから、ちゃんこ鍋の具として肉団子を入れることが一般的になっています。


■ちゃんこ鍋のレシピ&作り方(1)〜塩ちゃんこ鍋〜
ちゃんこ鍋の材料(4人前)
  • 鶏ガラスープ:土鍋6分程を目安に
  • 鳥モモ肉:300g〜400g(※ 一口大より少し大きめ)
  • ベーコン:200g
  • ウィンナー:200g
  • 白菜:1玉(※ざく切り)
  • エノキ:1袋(※量はお好み)
  • シイタケ:1袋(※量はお好み)
  • ニラ:1束(※ざく切り)
  • ニンニク:生で2〜3ヶ(※摺り下ろす)
  • 塩:少々(※粒の細かい塩がオススメ)
ちゃんこ鍋の作り方:
  1.  鶏ガラスープを中火にかけ、沸騰する前にニンニクを入れる
  2.  味を見て塩などで味を整える。この時はちょっと薄口でニンニクが強いくらいがちょうどよい
  3.  鶏肉を入れ、フタをして5分ほど煮る
  4.  出てきたアクを取ったら、ウィンナーとベーコンを入れ、全て入れたらフタをして、肉に8分ほど火が通るまで煮る
  5.  続いて野菜をシイタケ→エノキ→白菜の順に入る。そして、ニラは最後に表面にフタをするように載せる
  6.  時間にして大体10〜15分間で出来上がり

■ちゃんこ鍋のレシピ&作り方(2)〜鶏団子ちゃんこ鍋〜
ちゃんこ鍋の材料(4人前)
  • 白菜:1/2個
  • ニラ:5束
  • タマネギ:3個
  • 大根:1/3本
  • ニンジン:2本
  • エノキ茸:5束
  • もやし:3袋
  • 糸コンニャク:2パック
  • 絹ごし豆腐:3丁
  • 油揚げ:5枚
  • 鶏ガラ:3羽
  • ショウガとネギの青い部分:適量
ちゃんこ鍋の団子の材料(4人前):
  • 鶏ミンチ:900g
  • 卵:1個
  • タマネギ(みじん切り):1/2個
  • ゴボウ(みじん切り):1本分(※アク抜きしておく)
  • むきエビ:100g(※叩いて細かく)
  • イカ(みじん切り):100g
  • ショウガのしぼり汁:1/2個分
ちゃんこ鍋の薬味:
  • 刻みネギ、卸ニンニク、すり胡麻、濃口醤油、塩、コショウ、酒
ちゃんこ鍋の作り方:
  1.  大きめの鍋を用意し、少な目に湯を沸かし鶏ガラを入れ、さっと茹でる
  2.  湯を捨て、鶏ガラを水洗いする
  3.  多目に水を入れ、ショウガを適量、ネギを入れ、中火で出汁を取りアク取りをしながら3〜4時間ぐらい沸騰させる
  4.  団子の材料を大きめのバットまたはボールに入れ、軽く塩コショウをして混ぜる
  5.  具材の切る大きさはお好みで。大根とニンジンは下茹でしておいた方がよい。また、糸コンニャクを洗う時は塩もみしてから洗う
  6.  鶏ガラ出汁が取れたら、出汁を一度ザルまたはキッチンペーパーで漉す
  7.  出汁を土鍋などに適量移して沸騰させ、出来上がった団子の材料をスプーンを使い、一口大にして入れる
  8.  団子に火が通ったら、調味料で味付けする
  9.  鍋に入れる具材を煮えにくい順番に入れる。煮えたら出来上がり

豆乳鍋の作り方


豆乳鍋とは?
豆乳鍋 豆乳は、大豆を水に浸してすり潰し、水を加えて煮つめ、漉した飲み物です。牛乳に似た感じですが、これににがりなどの凝固剤を加えて固めた物が実は豆腐です。なお、大豆から豆乳を絞った残りかすはオカラと言います。また、豆乳を煮た時に表面に出来る薄皮を引き上げたものをゆば(湯葉・湯波)と言い、主に吸い物などの具として使われたり、刺身と同様にそのまま食べたりします。なお、そのままの豆乳は飲みづらいので、甘味料や香料、植物油などを加えて飲みやすくした「調製豆乳」が販売されています。また、これを区別するため、普通の豆乳を「無調整豆乳」と表記しているものもあります。最近は大豆の青臭さを抑えられる製法が開発され、健康志向や自然志向も手伝って無調整豆乳の需要が増えています。これが豆乳鍋ブームを押し上げているのでしょう。


■豆乳鍋のレシピ&作り方
豆乳鍋の材料(4人分)
  • 豆乳:600CC
  • 鰹ダシ:600g
  • 塩:小匙1
  • 酒:50CC
  • ショウガ:10g
  • 練りがらし:10g
  • マスカルポーネチーズ:30g
  • 白菜:1/8株
  • 長ネギ:1本
  • 椎茸:8枚
  • エノキ茸:1袋
  • 舞茸:1パック
  • シメジ:1パック
  • 三つ葉:1束
  • ホワイトアスパラ:4本
  • ニラ:1束
  • くず切り:50g
  • 豆腐:1丁
豆乳鍋の肉団子の材料(4人前):
  • 豚挽肉:200g
  • 黄ニラ:30g
  • レンコン:15g
  • レンコン:15g
  • 卵:1/2個
  • 柚コショウ:3g
豆乳鍋のつけダレの材料(4人前):
  • 白ゴマ:大匙5
  • 麺つゆの素:300CC
  • 水:100CC
  • ラー油:小匙1
  • すりゴマ:30g
ちゃんこ鍋の作り方:
  1.  ホワイトアスパラの皮を剥き、縦半分に切り、椎茸に飾り包丁を入れる
  2.  つけダレは、麺つゆの素にすりゴマ、水、練りゴマ、ラー油を合わせて出来上がり
  3.  肉団子はビニール袋に、豚挽肉、レンコン、黄ニラ、酒、塩、柚コショウ、黒コショウ、ショウガ、卵を加え、ビニールの上から揉むようにしてよく混ぜる
  4.  鰹ダシを一煮立ちさせ、塩を入れる
  5.  豚団子を鍋に入れ、火が通ったらいったん鍋から取り出し、鍋に豆乳とショウガ、酒、練りがらしを入れる
  6.  椎茸と生ホワイトアスパラガス、舞茸、エノキ茸、しめじ、白菜、セリ、ニラ、長ネギ、くず切り、豆腐、三つ葉を入れ、ひと煮立ちさせる
  7.  マスカルポーネチーズを加え煮立ったら出来上がり

石狩鍋の作り方


石狩鍋とは?
 石狩鍋は鮭を主材料とした北海道の郷土料理です。石狩鍋の名前の由来は鮭が多く獲れた石狩川にちなんだものです。石狩川河口で穫れる獲れ立ての鮭を頭も骨もぶつ切りにし、野菜とともに味噌味で煮込んだのが始まりだと言われています。石狩鍋は、かつて「だいなべ」(大鍋、台鍋などと表記)と呼ばれ、漁師が作業の合間に食べる料理で、それが戦前に石狩で料理として整えられたのだそうです。石狩鍋の原型は、アイヌの人々が鮭と野菜を塩味の汁で煮込んで作った料理であると言われています。その後、日本人によって味付けに味噌が用いられるようになりました。実は石狩鍋はシンプルだったようです。なお、帯広地方では石狩鍋のことを「十勝鍋」とも呼びます。
 なお、石狩鍋の命名は戦後のことで、石狩の鮭地引き網漁を見るために訪れた観光客に「石狩鍋」と名付けて提供したことに始まるとする説もあります。石狩町によるさけまつりキャンペーンで石狩鍋を盛んに宣伝した他、札幌の料理店で北海道名物として取り上げられたこともあり、全国に急速に広まりました。石狩鍋は北海道民によく親しまれた料理で、家庭ごとに具材やダシの取り方に多くのバリエーションがあります。


■石狩鍋のレシピ&作り方(1)
石狩鍋の材料(4人分)
  • 生鮭の切り身:4切れ
  • 生鮭のアラ:1尾分
  • 木綿豆腐:1丁
  • 糸コンニャク:1袋
  • タマネギ:2個
  • 白菜:1/4株
  • 春菊:1わ
  • 昆布:15cm
  • 酒、味噌、好みで粉山椒、七味唐辛子
石狩鍋の作り方:
  1.  鮭1切れを半分に切り、鮭のアラをザルに乗せて熱湯を回しかけ、冷水にさっと晒し、2〜3つに切る
  2.  豆腐をザルに上げ、15分ほど置いて水切りをし、8等分に切る
  3.  糸コンニャクを熱湯でさっと茹でて、生臭みを取る
  4.  タマネギを厚さ5mmの輪切りに、白菜を葉と芯に切り分け、葉はざく切り、芯は長さ3〜4cmのそぎ切りにし、春菊は葉先を摘む
  5.  鍋に鮭のアラと昆布、酒を大さじ2と水5カップを入れて強火にかけ、煮立つ直前に昆布を取り出す
  6.  中火にし、アクを取りながら、10分ほど煮る
  7.  味噌を大さじ5〜6を器に入れ、煮汁で溶き伸ばし、2/3量を鍋に加えて混ぜる(残りは煮汁が少なくなった時に味を見て加える)
  8.  タマネギと白菜の芯、糸コンニャク、鮭、豆腐、白菜の葉、春菊を順に加え、煮えたものからいただきます
  9.  好みで粉山椒、七味唐辛子を

■石狩鍋のレシピ&作り方(2)
石狩鍋の材料(4人分)
  • 生鮭:4切
  • ほたて貝:4個
  • キャベツ:8枚
  • タマネギ:1玉
  • 木綿豆腐:1丁
  • ネギ:2本
  • バター:大2
  • 白玉うどん:2玉
  • イクラ:適宜
石狩鍋の調味料:
  • 昆布:10p
  • 合わせ味噌:60g
  • 酒:大匙3
石狩鍋の作り方:
  1.  キャベツとタマネギをぶつ切りにし、ネギを斜め切りにする
  2.  鍋に水5CCと昆布を加え、煮立ったら鮭とほたてを加えて煮る
  3.  味噌と酒を加え、タマネギとキャベツ、豆腐、ネギを加え、仕上げにバターを溶かしイクラを添える
  4.  白玉うどんは最後に締めで煮ていただきます

参考:鍋料理についての参考書と参考サイト


◆参考図書
ウーウェン+松田美智子+脇雅世『病気にならない鍋 健康レシピ』マガジンハウス
ウーウェン+松田美智子+脇雅世・著
『病気にならない鍋 健康レシピ』
マガジンハウス・2011年1月刊、¥780

病気になってから後悔しても遅い。病気にならない体づくりが健康の基本です。それにはきちんとした食生活がマスト。本書は、体に効き目のある食べ物に注目して、おいしく食べながら健康になるムックシリーズの第4弾です。これまでトマト、玉ねぎ、きのこと、食材別のムックを刊行してきましたが、今回のテーマはずばり「鍋料理」。簡単でおいしくて、後片づけもらくちん。困ったときは鍋、という声をよく聞きますが、鍋の魅力はそれだけではありません。野菜、魚介、肉、きのこに豆腐と、様々な材料を使うから栄養のバランスがいいのはもちろん。

白澤卓二・監修/石原洋子・著『Dr.白澤のおいしい処方箋野菜たっぷり鍋』
ビタクラフトジャパン株式会社・監修
『Dr.白澤のおいしい処方箋野菜たっぷり鍋』
角川SSCムック 毎日が発見ブックス、
角川マーケティング・2009年11月刊、¥980

野菜を主役に、低カロリーで代謝を上げる鍋料理を紹介。野菜の薬効成分による効能別に、「体に効く」鍋がわかる。

ビタクラフトジャパン株式会社・監修『スーパー圧力鍋でつくる健康料理 ビタクラフトで、もっとおいしくもっとかんたんに』アスキー
ビタクラフトジャパン株式会社・監修
『スーパー圧力鍋でつくる健康料理 ビタクラフトで、もっとおいしくもっとかんたんに』
アスキー・2008年3月刊、¥1,890

骨までやわらかい「いわしのおかかまぶし」、ジューシーでとろける「豚の角煮」、ふっくらもちもち「白米、雑穀玄米ご飯」、いっぺんに2〜3品の料理ができる「二段、三段調理」…などなど。「圧力鍋だからできる!」をぎゅっと一冊に凝縮。



■参考サイト
東京 鍋料理 お店・レストラン 【グルメぴあ】
http://g.pia.co.jp/front/contents/pseosearch/AC004/AP13/CL5
鍋ランキング 【食べログ】
http://r.tabelog.com/nabe/
鍋料理店 【ぐるなびレストランカテゴリ】 - 【ぐるなび】
http://cat.gnavi.co.jp/g/2/CATGB090/p/10/1/
20代の本音ランキング 【男性編】食べてみたいはやりの変わり鍋ランキング(COBS ONLINE) - エキサイトニュース
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20110210/Cobs_er_201102_10_1.html
20代の本音ランキング 【女性編】食べてみたいはやりの変わり鍋ランキング(COBS ONLINE) - エキサイトニュース
http://cobs.jp/enquete/realranking/2011/02/10_2.html
【レシピ大百科】味の素KK|みんなでワイワイ!あったか鍋特集
http://www.ajinomoto.co.jp/recipe/special/nabe2/
鍋 レシピ 2,382品 【楽天レシピ】料理・献立・作り方新着順|簡単・料理レシピ検索
http://recipe.rakuten.co.jp/category/1-44/


[ ページトップ ] [アドバイス トップ]


YAMATO GROUP
112-6 Kashiwa-cho Asahi-ku Yokohama-city
1STサービスヤマト管理(有)・(有)ヤマト興業
(有)アメニティー・ワイ・(株)ヤマトプランニング


Copyright (C) 2000 02 01.Yamato Gr.
Dezin By JCM inc.,

お気付きの点、ご意見等がございましたら下記までお寄せください。

yamato@yamato-gr.co.jp