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 様々な種類のあるチョコレート。そのチョコレートは、その健康効果から、元々は古代アメリカ大陸で神様の食べ物と言われ、当時の貴族によって愛飲されていた、カカオを下にした食べ物でした。今回はそのチョコレートの歴史とその健康効果について解説しました。
チョコレート


夏バテ解消法
【1】チョコレートの基礎知識〜チョコレートの分類と種類〜
【2】チョコレートの歴史〜神様の食べ物からお菓子へ〜
【3】チョコレートと健康〜チョコレートとその健康健康効果〜


【1】チョコレートの基礎知識〜チョコレートの分類と種類〜

 チョコレートの種類の多さに驚く人も多いかも知れません。世界には一体どれだけの種類のチョコレートがあるのでしょう? また、チョコレートそのものだけでなく、チョコレートを使ったケーキやお菓子の種類も豊富です。チョコレートの種類にも幾つかのグループ分けがあるようです。
 本節では、まずはそのチョコレートの種類について簡単ながら取り上げ、説明しました。
チョコレートとココア

 健康飲料として一時持て囃されたこともあるココアですが、ココアとチョコレートとは実は兄弟のような関係にあります。どちらもカカオ豆から作られるのですが、どのようにそれが違うかは、チョコレートの歴史の項で詳しく説明します。なお、カカオ豆と言い、ココア豆とも言うのですが、基本的に採れたばかりの豆はカカオ豆と呼んで、これを乾燥させたり焙煎したり発酵させたりして加工を加えたものをココア豆と呼んでいます。また、このココア豆を磨り潰したものをココアマスと言い、その中に含まれる油脂分をココアバターと言います。
チョコレートの分類


■分類(1):材料(基本成分)による分類
 チョコレートの分類としては、まずチョコレートには不可欠な材料の違いとその配分によるものがあります。たとえばミルクが入っているチョコレートと入っていないチョコレートというような分類の仕方です。これにはカカオの含有量もまた大きく関係します。この方法で分類されるチョコレートとしては、ビターチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート、クーベルチュールチョコレートなどが挙げられます。

■分類(2):材料(基本成分以外)による分類
 次に、チョコレートを作るために必要な基本的な材料の他に、違う材料を使った形も色々あるチョコレートです。ヘーゼルナッツやアーモンドなどのナッツ類、生クリームなどを使うことが多いですが、それに加えて、形もゴツゴツした感じのものや細長いもの、丸いもの、四角いものなど多様です。例としてはプラリネやガナッシュ、ロシェなどが挙げられます。これらは高級感溢れるチョコレートで贈り物としても最適です。
ジャンデゥーヤチョコレート
 チョコレートにローストして細かく砕いたヘーゼルナッツを加えたもの。アーモンドやカシューナッツなどを混ぜたものもある。
プラリネ
 砂糖を煮詰めてカラメルを作り、ローストしたアーモンドやヘーゼルナッツを混ぜ合わせ、すり潰したものを、溶かしたチョコレートに混ぜたもの。
ガナッシュ
 溶かしたチョコレートにたっぷりの生クリームを加えるか、または温かい生クリームにチョコレートを溶かして作る。滑らかな口溶けが特徴。
ロシェ
 フランス語で岩を意味するチョコレート。その名の通りアーモンドで作り出されたゴツゴツ感が何とも個性的。
トリュフ
 フランス料理で有名な高級食材のトリュフを形取ったチョコレート。真ん中にガナッシュを入れて作る。

■分類(3):産地による分類
 3つ目の分類はチョコレートの産地によるもので、正確にはカカオの産地と言った方がよいかも知れません。たとえば美味しいと言われ、私たちもよく知っているのはベルギー産のチョコレートですよが、もちろんベルギー以外にも世界には有名なチョコレートの産地が数多く存在します。洋菓子の本場フランスを始め、カカオの栽培地として知られているベネズエラやエクアドル、ガーナなどがそれですが、それらの国々で取れる果物を使ったり、或は国のシンボルを形取ったりしていて、そのため、それぞれの国独自のチョコレートは食べる者の味覚だけではなく、視覚や臭覚でも楽しませてくれます。

チョコレートの種類

 カカオから作られるチョコレート(英:chocolate,仏:chocolat,独:schokolade)には色々な種類があります。


カカオマス(cacao mass)
 カカオ豆から外皮を取り除いて磨砕して出来るペースト状のものを言い、現在はカカオリカー(cocoa liquor) 、チョコレートリカー、ビターチョコレートなどもカカオマスと呼。なお、カカオ豆からココアバターを搾油した後のもの(チョコレート色の部分)を、ココアバターと区別していう場合もあるが、この場合もココアバターは含まれている。
ココアバター(cocoa butter)
 カカオ豆を搾油して得られる淡黄色の植物油脂で、カカオ豆には58〜53%のココアバターが含まれている。
ビターチョコレート(bitter chocolate)
 ミルク(乳製品)が入らない、カカオマスが40〜60%のチョコレートのことを言うが、一部に糖分や乳製品分が少なく苦味の多いチョコレートのことを言うことがある。最近ではカカオ分70〜90%という低糖のチョコレートのことを言う場合もある。また、ブラックチョコレート、プレーンチョコレート、ダークチョコレートなどとも言う。
ミルクチョコレート(milk chocolate)
 ミルク(乳製品)の入ったチョコレート。ミルク(乳製品)としては全脂粉乳や脱脂粉乳、クリーム粉乳が使用される。なお、クリーム粉乳が使われる場合は特にクリームチョコレート(cream chocolate)と言う。
ホワイトチョコレート(white chocolate)
 ココアバターにミルク、砂糖などを加えて作るチョコレート。
生チョコレート
 チョコレート生地に生クリームや洋酒などの含水可食物を練り込んだチョコレートで、一般的に水分が多ために賞味期限は短い。欧米ではガナッシュなどと呼ばれている、トリュフなどのセンターになる日持ちのしない食感の柔らかいチョコレートを改良して、それだけで食べられるようにした我が国独特の規格。
クーベルチュール チョコレート(couverture chocolate)
 一般にココアバターの含有量の多いチョコレートのことを言い、チョコレートの細工や被覆加工に使用されるものを言う。ココアバターを31%以上含有することが基本で、通常は35%以上の流動性の高いチョコレートを言う。ボンボンの上掛けやキャンディーやケーキの繊細なコーティングなどの細工に使用される。また、フランス料理のデザートなどの彩りに使われている。
洋生用チョコレート
 ココアバターが含まれていないか、含まれていても少量で、溶かすだけで使えるチョコレートを言う。特徴としてはテンパリング(温度調節)なしに使用できる簡便性で、洋菓子やパンなどのコーティング用チョコレートとして使用される。
ジャンドゥーヤ・チョコレート(Gianduja Chocolate)
 ローストして細かく砕いたヘーゼルナッツを加えたチョコレートで、イタリアが本場のチョコレート。ヘーゼルナッツにアーモンド、その他のナッツを加えたものもある。
チョコレート コポー
 スイートチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなどをスライスしたもので、鰹節を削ったような形状をしている。

チョコレート菓子の種類


 ヨーロッパ諸国には、それぞれの国自慢のデザートがあり、それは土地名産の果実や酒を使ったものやその国の歴史上の人物に因んだものが多く、それぞれの国の文化や伝統そのものと言ってよいでしょう。味に込めて発展してきた美味しさと言えばよいでしょうか。その中でもチョコレートケーキやなどのお菓子は子どもにも大人にも人気ですが、特に若い女性は甘いものが好きなのはどこの国もいっしょでしょうか。
チョコレート菓子


板チョコレート(chocolate bar)
 チョコレートを板状にしたもの。代表的なものとして、明治ミルクチョコレートや森永ミルクチョコレート、ロッテガーナチョコレートなどがある。
シェルチョコレート
 チョコレートを型に流し込んで殻(シェル)を作り、この中にクリームとジャム、ナッツ類、フルーツ類などを入れ、さらにチョコレートで蓋をしたもの。
エンローバーチョコレート
 ビスケットやウェハースなどの一部または全体を覆うチョコレートで、フルーツや成型されたプラリネ、ガナッシュなどをチョコレートで被覆したものもある。
ホローチョコレート
 日本でも一時期流行った中が空洞になっているチョコレートで、中に小さなフィギュアなどが入っている卵形のチョコレート。立体の型にチョコレートを入れ、冷却しながら型を回転させ、遠心力で中を空洞にして作る。
パンワークチョコレート
 ナッツやキャンディーにチョコレートをかけた粒タイプのお菓子で、回転している釜(レボパン)の中で芯になるもの(ナッツ類やキャンデー類など)にチョコレート生地を掛けて作った粒状のチョコレート。アーモンドチョコレートやピーナッツチョコレート、マーブルチョコレートなどがある。
ボンボン
 一口サイズのチョコレートの総称で、代表的な製品としてトリュフがある。イギリスではboiled sweet、フランスではボンボン オ ショコラ(bonbon au chocolat)、ドイツではプラリネと言う。
ロシェ
 アーモンドなどで岩のゴツゴツ感を出したボンボン オ ショコラ。
プラリネ
 砂糖を熱してカラメル状にし、ローストしたアーモンドやヘーゼルナッツを混ぜ合わせ、磨り潰してペースト状にしたものを、溶かしたチョコレートに混ぜたものを言う。
ガトー ショコラ
 フランス語でチョコレートのお菓子の意味。
ガナッシュ
 溶かしたチョコレートにたっぷりの生クリームを加えたり、または温かい生クリームにチョコレートを溶かし込んで作る口溶けのよいチョコレート。トリュフのセンターなどに使用される。
オランジェット
 細切りにしたオレンジピールやレモンを砂糖漬けにし、チョコレートを掛けたりチョコレートに浸したりしたもの。
ドラジェ
 アーモンドをチョコレートと砂糖でコーティングしたフランスのお菓子。
エクレア
 細長く焼いたシューの生地にチョコレート風味のクリームをたっぷり詰めて、表面にチョコレートフォンダントを塗ったお菓子。
ザッハ トルテ
 ウイーンと言えばコレというくらい有名な、オーストリア・ウィーンを代表するチョコレートケーキ。アンズ(杏子)ジャムを塗り重ね、チョコレートを被せてあるスポンジケーキ。
フィレナワール
 チョコレートを練り込んだスポンジケーキと蒸留酒に漬け込んだチェリーを、泡立てた生クリームに混ぜたものを交互に重ねたケーキ。
チョコレートマカロン
 粉末アーモンドと砂糖、卵白にココアを混ぜた生地の中にガナッシュチョコレートが詰まった口当たりの軽いフランスの伝統的なお菓子。
チョコレートタルト
 タルト生地の中にガナッシュチョコレートを詰めたもので、小さ目のものはタルトレッと言う。
ケーク・オ・ショコラ
 イギリスで誕生したチョコレートのパウンドケーキ。
チョコスナック
 クッキーやビスケット、ポテトチップスなどにチョコレートがかかっているお菓子もたくさんあるが、これらはスナックやビスケットなどにチョコレートを入れたり掛けたり吹き付けたり組合わせたりしたチョコレートで、製法・製品はたくさんある。


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【2】チョコレートの歴史

 甘くて濃厚なチョコレートは、ひと口食べただけで口の中に広がる香りは何とも言えず幸せな気分にしてくれる不忠様な魅力をもった食べ物です。でも、そのチョコレートの主原料であるカカオが発見されたのは紀元前と言われており、その歴史は何と約4000年にも及ぶのです。そのカカオがどうやって現在のチョコレートになったのか? カカオがチョコレートになるまでには長い歴史があります。このように、コーヒーや紅茶が登場する遥か昔からチョコレートは人間の生活と密接な関わりを持っていたのです。
 本節では、最初は飲み物からスタートして食べ物に、古代から現代へと私たちを魅了し続けて已まないチョコレートの歴史を取り上げ解説しました。
チョコレートのルーツ〜チョコレートは神様の食べ物〜

 チョコレートの主原料はカカオであることは皆さんもご存じと思いますが、そのルーツは、アマゾン川上流地帯及びベネズエラのオリノコ川流域とメソアメリカと呼ばれた中南米地域の一帯です。特にメソアメリカには、オルメカ文明やマヤ文明、アステカ文明など紀元前から紀元後にかけて幾つもの文明が反映しており、カカオは常に彼らの生活の中心にあったようです。特に紀元前から古代メキシコではカカオは神様の食べ物と言われ、お金の代わりになるほど大変高価なものだったのです。
  カカオの学名は“Theobroma”、すなわち「神々の穀物」の意味で、カカオの名はマヤ族語のカカウアトルに由来します。このように、紀元前から古代メソアメリカではカカオは神様の食べ物と言われ、大変高価なものでした。豊かに実をつけるカカオは豊穣のシンボルとして珍重され、神々にも捧げられていました。栽培も行なわれ、カカオは様々な役割を担うようになります。その証拠にカカオは通貨としての利用もなされていたそうで、その価値については時代の変動がありますが、1520年頃ではカカオ100粒が奴隷一人の値段に相当していたとも言います。また、たとえば16世紀の初め頃、アステカの皇帝モンテスマはとても貴重な飲み物として黄金のカップで1日に50杯ものショコラトル(チョコレートのこと)を飲んでいたと言います。ちなみに、当時のチョコレートは今とは違ってカカオ豆をすりつぶしたドロドロした飲み物で、人々はそれにトウモロコシの粉を加えたり、バニラやスパイスで香りをつけて飲んでいたそうです。


◆参考1: カカオの歴史と文化
カカオ豆 カカオはアオギリ科の常緑樹で、樹高4〜10メートル、長楕円形の葉は長さ20〜30p、また、カカオの生産可能な地域は赤道を挟んで南北20度の地帯です。桃色の萼と5弁の黄色の花弁を持つ花が幹で直接多数花を咲かせますが、果実になるのは200〜300個のうちの一つだけで、また、果実は長さ15〜20p、径7〜8pのラグビーボール型で、緑白または濃い黄色と色を変え、熟すと赤味を帯びてきます。そして、果実の内部は5室に分かれ、白い果肉に包まれた長さ2.5p、幅1.5pの卵形の種子が20〜50個詰まっています。この種子を特殊な木樽で発酵させると、独特の香気と紅色が付きますが、これを乾燥させたものがカカオ豆です。ちなみに、カカオにはテオブロミンというアルカロイドが約1%含まれており、アルカロイドは窒素を含む塩基性有機化合物で、神経系統に激しく作用します。医薬に使用されるのはこの理由によります。

 このカカオ豆をローストして、種皮と胚芽を除去してニブだけにし、これを5段ロールにかけて磨り潰すと液状になります。粒子の細かさは20ミクロン以下で、約50%の油脂分を含んでいるため、摂氏30℃前後で液状を呈しますが、これをカカオマスと言い、このカカオ・マスを圧搾して油脂を得ます。体温が融点であるため、座薬や口紅などの原料として重用されてきました。これをカカオ・バターと言い、このカカオ・バターを搾った後に残る塊をココア・ケーキと呼び、これを粉末にしたものがココアです。さらに、カカオ・マスにカカオ・バターを追油し砂糖と香料を加えたものがスイートチョコレートで、これにミルクを加えたものがミルクチョコレートです。そして、このミルクチョコレートからカカオ・マスを取り去ったものがホワイトチョコレートです。なお、カカオ・マスだけでは常温の時にボロボロになるので、砂糖や色々のスパイスに水分を加えて飲料として飲んでいました。しかし、油脂分が53〜55%もあるので、どうしても油ぽっくなるため、カカオ・マスから油脂分を除去してココアを作ったのです(オランダのケンラーデ・ヴァン・ホーテンが1828年に発明して特許を取得しています)。しかし、搾油したカカオ・バターの処分に閉口しましたが、「瓢箪から駒」で、カカオ・マスにココア・バターを追油して砂糖を加えると、何と常温で固まる現在のようなチョコレートが出来たのす。英国のフライ&ソンズの会社が初めて「食べるチョコレート」を世に問うたのが1847年のことで、飲料から食べるチョコレートになったのは実はそんなに古いことではないのです。
 なお、日本には江戸初期、長崎経由で入ったと言われています。記録に残る最も古いものは、板倉遣欧使節団がフランスのチョコレート工場を見学したというものがあります。なお、日本で初めてチョコレートを製造したのは東京両国若松町の風月堂で、「貯古齢糖」の名で1878年に広告を出しています。

古代メキシコのチョコレート〜飲み物としてのチョコレートは貴族が愛飲していた〜

 古代メキシコではカカオ豆のことをカカオトルと呼んでいました。これは苦い汁という意味で、これがヨーロッパに伝えられた時、いつのまにかトルが取れてカカオになってしまったのだそうです。古代メキシコではカカオ豆は神様のケツァルコアトルが授けてくれたものとされており、紀元前2000年頃から栽培されていたとも言われます。ここでアステカ流の呼び名では、樹の名前がカカバクアルイトル、実の果肉部がカカバセントリ、種がカカオトルで、そのカカオトルそれで作った飲み物をショコラトルと言っていました。これがチョコレートの語源ですが、実際チョコレートというのはほんの100年ちょっと前までは飲み物だったのです。
 アステカの人々にとって、疲労回復効果に優れたカカワトルは一杯飲むだけで何も食べずに一日中歩けるというまさにパワードリンクとして重宝されていました。皇帝モクテスマは1日に50杯ものカカワトルを飲み、ハーレムに入る時にも必ず携えていたと言います。ただし、カカオは非常に高価だったので、愛飲できるのは専ら王侯貴族に限られていました。また、16世紀に入ってヨーロッパが大航海時代を迎えると、スペイン人のエルナン・コルテスは数百名の兵士と共にメキシコを征服しました。さらに奥地に分け入った彼は、アステカの都を発見し、カカオで作られたこの不思議な飲み物に出会います。アステカを征服した彼は、カカオを国に持ち帰りカルロス1世に献上します。これがヨーロッパでのチョコレートの歴史の第一歩となったのです。


◆参考2: 食用として昔から・・・
 交易品とか通貨の代替や冠婚葬祭など様々な役割を持つカカオですが、もちろん一番に利用されたのは食用としてです。最初は中に詰まったカカオ豆を生のまま食べていましたが、偶然にもローストした時に放つ芳香と味わいのよさを発見したようで、以来、焼いたカカオ豆をすり潰して飲用するようになりました。これが飲むチョコレートの始まりです。そうは言っても、実際は磨り潰したカカオ豆に水を加え、さらにトウモロコシの粉や唐辛子、アチョテとよばれる食紅のようなものや数種のバニラを混ぜて泡立てたかなりドロドロとしていて、かつスパイシーな飲み物で、写真のようなチョコレートドリンクとは程遠いものでした。また、チョコレートという名前が登場するのはずっと後世のことで、当時はカカワトル(カカオの水)という名前でした。

◆参考3: 万能薬としてのカカオ
 貨幣以外にも、カカオは交易品として物々交換されたり、誕生や成人、結婚、収穫など様々な儀式の際にも必需品でした。また、カカオには優れた薬用成分が含まれていることを先人たちはこのことをよく知っていて、歯痛や炎症、強壮、解熱などカカオを万能薬として広く利用していました。今ではチョコレートを食べると虫歯になるという通説がありますが、これは間違いで、近年の研究では虫歯を抑える効果も認められているようです。古代の人たちの方がチョコレートに関しては知識は私たちより進んでいたのかも知れません。

カカオが「飲むココア」と「食べるチョコレート」に変身

ココア 1828年、オランダ人のヴアン・ホーテンがショコラトルを飲みやすくするため、カカオに含まれているココアバターを搾り取ることに成功しました。これがココアの始まりです。スペインにカカオが伝わってから約300年後、オランダ人のヴアン・ホーテンは「ショコラトルを飲みやすくする方法はないだろうか?」と考えました。そして1828年、カカオに含まれているココアバターを搾り取り、ココアパウダーを発明したのです。ヴアン・ホーデンの発明は、渋くて苦く、くどかったチョコレートの欠点を解決して、ココアを一般大衆の飲み物としました。このココアの発明は現在のチョコレートにつながる重要なきっかけとなったのです。
 一方、1847年にイギリス人のジョセフ・フライは、カカオ豆を磨り潰して砂糖を加えたものにココアバターを加えることで今のチョコレートの原形を発明しました。これが「食べるチョコレート」の始まりです。しかし、「食べるチョコレート」はまだ苦味が強く、一般に普及させるにはもう少し工夫が必要でした。そこで、チョコレートにミルクを加えてまろやかにしたのがスイス人のダニエル・ピーターです。1876年に誕生したミルクチョコは甘くて口当たりがよく、人々を魅了しました。こうして、チョコレートはさらに改良が重ねられ、世界中に広まっていったのです。


■チョコレートの4大発明
 スペイン王室はチョコレートの販売で非常に大きな利益を得ましたので、チョコレートの製法を門外不出にしていました。そのため、カカオ豆をつんだ船を襲った海賊がその価値が分からず、「羊の糞め」といって捨てていたという話もあるくらいです。しかし、それも長くは続かず、1606年にイタリア人カルレッティがチョコレートの製法をイタリアに伝えます。さらに1615年スペインの王女アンナがフランスのルイ13世に嫁いでフランスにチョコレートを飲む習慣を伝えたのを契機に、チョコレートはフランスの貴族たちにファッショナブルなドリンクとして広まってゆくのです。この新しいドリンクは直ぐにヨーロッパ中に広がって、イギリスなどではあちこちにチョコレートハウスがオープンしました。こうなると、国はチョコレートに税金をかけます。なお、この頃チョコレートに毒を入れて殺すというチョコレート殺人事件までイギリスでは起きています。なお、19世紀にチョコレートの製造会社が続々誕生し、この中にはヴァン・ホーテンのように現在まで続いている会社もあります。この頃からチョコレートの4大発明といわれるものが次々と生まれました。
1: ココアパウダー
 最初の発明はヴァン・ホーテンによる「ココアパウダー」の発明です。
 それまでのチョコレートはココア豆の55%がココアバターなので、お湯に溶かしてもなかなか均一になりませんでした。そこでヴァンホーテンは、ココア豆を絞ってココアバターを半分ほど取り除き、脂肪分を20〜30%程度にしたココアマスの粉を作ることに成功します。この粉は今までのココアマスを直接溶かすのに比べて非常に簡単にお湯に溶けてくれました。また、彼はココア豆の有機酸をアルカリで中和することも考案しました。これは現在ではダッチプロセスと呼ばれており、ココアの製法の基礎になっています。ココア豆に炭酸ナトリウムを加えて中和した後に焙煎するもので、酸臭のないココアが作れます。
2: イーティングチョコレート
 この時点までのチョコレートというのはあくまで「飲むもの」でした。ところが、ここで大革命が起きます。ヴァンホーテンの製法ではココアバターが余ってしまうのですが、イギリスでこの残ったココアバターを固めて食べる、ということを考えた人がいました。これは「イーティングチョコレート」と呼ばれ、お湯に溶かさずにそのまま食べられる簡便性と長期保存が効くということで人気が出ました。つまり、チョコレートはココアを作った残りのリサイクル利用で作られたものだったわけです。
3: ミルクチョコレート
 イーティングチョコレートには現在のようにミルクが入っていませんでしたから、結構苦みのある味でした。牛乳を混ぜようという試みもあったのですが、牛乳は水分が多く、ココアバターは油脂なので、なかなか混ざらなかったのです。当時はまだ粉ミルクもありませんでした。ところが1875年、スイスのダニエル・ペーターがその困難と思われていたミルク・チョコレートの製造に成功し、水力を利用した機械で2昼夜撹拌を続けてきれいに混ぜ合わせてしまいました。2昼夜混ぜる内には牛乳の水分もかなり蒸発し、ミルクが入っているにも拘らず保存性のよい、そしてマイルドな味のチョコレートが誕生しました。
4: コンチ
 4大発明の最後は、一般の人にはちょっと馴染みのないものですが、「コンチ」です。これは1880年にスイスのルドルフ・リンツが発明したものですが、これは要するに砂糖の粒子を細かくする機械で、これを使って作ったチョコレートは舌にざらつきのない滑らかな感触のチョコレートとなりました。


◆参考4: ショコラトルの作り方と飲み方
  • カカオ豆を土器に入れて焙煎し、石板の上に置いて石の丸棒で砕き、ドロドロになるまで磨り潰す。
  • これをモリネットと呼ばれる撹拌棒で激しく掻き混ぜて水に溶かし、ビールのように泡立った飲み物として飲む。
  • 唐辛子を入れて飲む場合もある。
 このショコラトルというのはココア豆を磨り潰しただけの飲み物なので、名前の通り非常に苦い飲み物でした。これが1521年にアステカを滅亡させたコルテスによってスペインに持ち込まれた時、スペイン人たちはこれに砂糖を入れることを考えました。以来チョコレートに砂糖は必需品となったのです。

チョコレートとその歴史〜神様の食べ物からお菓子へ〜
貨幣代わりにもなったカカオ

 野生のカカオの木は中央アメリカで4000年前から自生していました。カカオ・ビーンズはカカオ椰子の木の幹に結実する果実の種子です。人類がこの種子を食品として食するようになるまでは、鳥や猿たちが専らこの果実を賞味していました。彼らがこの果実を巧みむっしっているうちにその種子をばらまき、その結果、中央アメリカ中にカカオの木が広がったのです。しかし、人間は16世紀までカカオの実を食べたことはありませんでした。
 カカオは鳥獣によって最初自然に広がってゆき、トルテック(アステカ以前にメキシコを支配)、イツア、マヤはカカオの何たるかを知っていました。特にユカタン半島にカカオの種を栽培したのはマヤ族(紀元前5世紀〜16世紀にユカタン半島やメキシコ南部、グァテマラに栄えた文明で、マヤ族はグァテマラを発祥の地とし、勢力を拡大しました)で、彼らは西暦600年頃、人類史上初のカカオの植林園を作ったと言われます。これがマヤ族の富の源泉となったのです。当時カカオの種は黄金かそれ以上の貴重品で、貨幣代わりに使用され、8粒で兎、100粒で奴隷1人が買えたと言います。そして、アステカ族はマヤなどの種族を滅ぼし、彼らのカカオ農園を受け継ぎました。
飲み物だったチョコレート

 最初、チョコレートは飲み物でした。

 古代の中央アメリカの原住民部族はチョコレートを飲んでおり、トルテック族(10〜11世紀にメキシコを支配していたと考えられている部族で、アステカ族の先行部族)は彼らの祭壇の前で香料を焚く時、祈りを捧げる者に宗教行事に参加する一種の許可証としてカカオの枝を与えていたそうです。この儀式が最高頂に達したときチョコレート色の犬が生け贄に供されました。また、「チョコレートの神」の怒りを鎮めるために、コロンブス前のニカラグア人はその年のカカオの種蒔き前に13日間禁欲生活を守り、月の神につつがない収穫を祈念しました。 さらに、メキシコのイツア族は「食物と水の女神」に捧げる犠牲の捕虜を浄めるためにチョコレートを一杯飲ませたそうです。
 アステカ(14〜16世紀に現在のメキシコを中心に栄えた部族帝国で、首都テノチチトランは現在のメキシコ・シティ。大ピラミッド建設、生きた人間の心臓を太陽神に捧げる儀式で有名です)の伝説によれば、彼らにチョコレートを与えたのは知恵と知識の神であるケツアルコアトル(この神様は土地を耕して作物を植えることを教えた農耕の神でもあります)だったと言われています。ケツアルコアトルはまた、アステカ人に絵画や銀、木、羽細工を教え、暦を与え、トウモロコシの栽培方法を教えました。このケツアルコアトルがカカオの木の育て方と果実の種子からチョコレートを作る方法も教えたと言われているのです。なお、アステカ人は、ワインやトウモロコシの粥、トウガラシ、コショウを混ぜて飲み、ハイになっていました。モンテスマ王宮での1日の消費量は2000杯と決められており、モンテスマは自然の水を使ってアイス・チョコレートも飲んでいたと言います。
ヨーロッパに渡ったカカオ

 初めてチョコレートを口にしたヨーロッパ人はコロンブス(1451〜1506、ジェノヴァ生まれ)だと言われています。これは1502年、彼の4回目の航海の時であったと言いますが、しかし、彼はチョコレートには殆ど興味を示さなかったそうです。
 チョコレートの価値に気づいた最初のヨーロッパ人は、スペイン人コルテス(1485〜1547)で、彼は1519年モンテスマ王2世からチョコレートを供されます。大饗宴の最後にこの賓客は、蜂蜜とヴァニラを混ぜた冷たい泡立てたショコアトルを黄金のカップで飲まされました。ちなみに、1519年はケツアルコアトルが再帰を約束した52年に1度巡ってくるアステカ暦の一の葦の年に当たっており、モンテスマ王2世以下、アステカ人は白い膚で顎髭の征服者コルテスを救世主として迎えたのです。野生のカカオの種子を磨り潰して作った苦く酸味の強い飲み物を平然と飲んだコルテスを彼らはケツアルコアトルと信じ込んだのです。しかし、そのコルテスによってアステカは1521年に滅ぼされてしまいました。このコルテスは当時のスペイン王カルロス1世(1500〜1558、神聖ローマ皇帝、ドイツ皇帝)に、「この神々の飲み物は勇壮果敢な兵士をつくり、カップ一杯飲めば1日食物を摂らずにすむ」と書き送ります。さらに彼は、植林園の経営を王に勧め、スペインはハイチ、トリニダード、そしてアフリカの西海岸の小島フェルナンド・ポに至るまでカカオ園をつくっていったのです。スペイン王室はカカオの効用を認め、その後約100年間禁輸品として国外に持ち出しを禁じました。ちなみに、スペイン王室でチョコレートに砂糖を混ぜて飲むことを思いついたのはカルロス5世(1601〜1643)です。なお、砂糖はオリエントか輸入する高価なもので、砂糖以外にオレンジ汁やバラ汁、シナモン、ヴァニラ、アーモンド、ピスタチオ、ジャコウ、タッツメグ、クローブ、オールスパイス、アニシド等が混ぜられました。
フランスにおけるチョコレートの歴史

 16世紀当時、ヨーロッパの流行の発信地はマドリッドであり、チョコレート飲用の風習もここから広まってゆきます。フランスへチョコレートを持ち込んだのはスペイン王フィリップ3世の長女アン王女で、14歳の花嫁は14歳の花婿ルイ13世(1601〜1643)の下へチョコレートを引出物として持参して嫁しました。なお、この二人の間に23年後に出来た王子が太陽王と呼ばれたルイ14世(1638〜1715)です。また、ルイ13世の宰相リシュリューもチョコレート愛好家であったそうです。また、アンの王子ルイ14世に、アンの兄でスペイン王であるフィリップ4世の王女マリア・テレサが嫁いだのは1660年ですが、このマリア・テレサが情熱を傾けたものが二つあって、そのひとつは夫君ルイ14世であり、いまひとつはチョコレートであったそうです。ちなみに、ルイ13世が1643年に死んだ後、王子が成長するまでの8年間、アンが政治を執りましたが、当時チョコレートは恋人に裏切られる貴婦人の恋物語に欠かせないものになっていました。裏切られた貴婦人は必ずチョコレートカップに毒薬を混ぜて復讐することになっていたのです。また、裏切る恋人の方も「もう少し砂糖を加えた方がいいわね。毒を入れると少々苦みが増すのでね。今度男にチョコレートを飲ませる時はこのことを考慮したまえ」などと言って、雄々しくバッタリと倒れることになっていたのです。また、1人のフランス人がロンドンにチョコレート・ショップを開店したのは1657年で、「チョコレートという名の西インド産の素晴らしい飲み物」の広告がパブリック・アドヴァタイザー紙に掲載されています。
 また、18世紀のオーストリアではチョコレートには課税されていなかったので、庶民の飲み物として広まりました。1743年、オーストリア女王マリア・テレジア(1717〜1780)の依頼によって王室一家の肖像画を描いたスイスの画家J.E.ルアトルドは、毎朝目覚めのチョコレートを運んでくれる少女をモデルに「美しいチョコレート・ガール」という有名な絵を残しています。また、女王一家が朝のチョコレートを喫している絵には、人形を手にした当時5歳のマリー・アントワネット(1755〜1793)が描かれているそうです。なお、1723年にフランスの王位についたルイ15世には、マダム・デュ・バリーとマダム・ポンパドールという2人の愛人がいたことで有名ですが、後世の伝記作家によると、マダム・ポンパドールはトリュフとチョコレートを入れたセロリのスープを催淫薬として、またダイエットのためにと言って朝食代わりに摂っていたと言います。マダム・デュ・バリーは、フランス革命の間イギリスに逃れていたのですが、帰国後ロベスピエールによって処刑されます。その処刑の罪名のひとつに、彼女の愛人たちにチョコレートを催淫薬として飲むように強制したという嘘のような話があります。なお、ルイ16世と結婚したオーストリアの王女マリー・アントワネットは、蘭の球根の粉末入りチョコレートを当時の新製品としてフランス王室へ持参しました。蘭の球根は肉づきのよい魅力的な女性をつくるのに効果があると言われていました。神経を休めるのに効果があるとされていたオレンジの花びら入りのチョコレート、デリケートな胃を強くするのに効果のあるアーモンドのミルク入りのチョコレートも彼女と共にフランスに入ったのです。
お菓子となったチョコレート

チョコレートケーキ チョコレート・ケーキのレシピがウィーンの料理の本に初めて記載されたのは1778年のことです。ショコラティ・トルテという名のそのケーキには相変わらずシナモンやクローブ、ジンジャーなどのスパイスがチョコレートの苦みを消す目的で使われていました。それに対して、スパイスなしで、チョコレートに砂糖と小麦粉、卵の材料でケーキが料理の本に現われるのは、1799年の『ウィーニーズ・ベーカー』の中です。さらに1832年、16歳の見習いシェフが見事なチョコレート・ケーキを創って歴史に名を残す3人のウィーン人の仲間入りを果たしましたが、その名はフランツ・ザッヒャーで、他の2名は音楽家ヨハン・シュトラウス(1825〜1899)と心理学者ジークムント・フロイト(1856〜1936)でした。彼のケーキは、チョコレートにバターをたっぷり使ったケーキ台にアプリコット・ジャムでグレーズし、ココアのフォンダントで仕上げたもので、ザッハトルテの名で有名になります。最初のザッハトルテはオーストリア王室のテーブルに供されました。ザッヒャー家はホテル経営で世界的に名前を知られており、ホテル・ザッヒャーはウィーンのオペラ座の向かいに現在も同じ場所にあります。ちなみに、1937年、ウィーンを訪れたスウェーデン生まれの映画女優グレタ・ガルボは、マスコミ嫌いで有名でしたが、新聞記者の質問に「この街の光輝に満ちたお菓子、ザッハトルテをおなかいっぱい食べにきたのよ」と来訪の理由を述べたと言います。また、ハリウッドの女優キャサリーン・ヘッパーンは、70歳の時、雑誌『グッド・ハウスキーピング』のインタビューで「今なお素晴らしいスタイルを保っている秘訣は?」と聞かれて、次のように答えたと言います、「これまでずっとチョコレートを食べてきたお蔭よ。1日に1ポンド(450g)っていうこともしょっちゅうよ」と。
日本でのチョコレートの歴史
初めてチョコレートを食べた日本人

 チョコレートが日本に伝わったのは江戸時代のことで、それがいつだったかは余りハッキリとしませんが、1797(寛政9)年頃、長崎の遊女がオランダ人からチョコレートを貰ったという記録が残っているようです。さらに時代は下り、1873(明治6)年、岩倉具視、大久保利通、津田梅子たちが視察のために欧米各地を訪れ、フランスのリヨンでチョコレート工場を見学したという記録が残っています。彼らは、チョコレートは滋養に効果があり、精神安定にもいいので極上のお菓子であるとの報告書を書いています。

 それでは、初めてチョコレートを食べた日本人は一体誰でしょうか? 
 初めてチョコレートを食べた日本人として最も可能性が高いのは支倉常長ではないかと言われています。17世紀初め伊達政宗の命を受けた常長は、慶長使節団を率いてヨーロッパへと向かいますが、この時のルートは、太平洋を横断し、メキシコを経由してヨーロッパを目指す、というものでした。メキシコの一帯はカカオの原産地ですから、常長たちがここでチョコレートを口にするチャンスがもしかしたらあったかも知れません。
西洋菓子・猪口冷糖(チョコレート)が日本に登場

 チョコレートが、日本で初めて販売されたのは1877(明治10)年頃です。当時の新聞には、チョコレートは漢字で「猪口令糖」と表現されていました。
 メキシコで生まれ、ヨーロッパで成長したチョコレートが日本に初めて伝わったのは18世紀末頃と言われています。当時日本はまだ鎖国をしており、唯一外国に門戸を開いていた長崎に「しょくらとを」という名前で伝わりました。また、国内で初めて販売されたのは1877(明治10)年 になってからのことでした。なお、当時の新聞には、チョコレートを漢字で表わした「猪口令糖」の文字が見られます。ただし、全国にチョコレートが知れ渡ったのはもう少し後になります。大正時代に入って全国に広がり、その後第二次大戦後にチョコレート産業が飛躍的に成長しました。チョコレートづくりの技術が進み、現在のように多様なチョコレートが生まれます。
明治時代には贅沢品

 明治時代になるとチョコレートが輸入されるようになりますが、輸入先はキャドバリーやフライ、メニエル、ピーターなどでした。しかし、この頃のチョコレートは高価な贅沢品であり、庶民にはまだまだ高嶺の花でした。
 そんな中、日本で初めてチョコレートを加工・製造・販売をしたのは、東京両国の米津風月堂です。1878(明治11)年の新開には、風月堂がチョコレートの製造を始めたという記事が掲載され、同年のかなよみ新聞や郵便報知新聞にはチョコレートの広告も出されました。当時チョコレートは猪口令糖や貯古齢糖、知古妹など漢字で表記されていました。そんな中で、1918(大正7)年には森永製菓が東京第一工場でチョコレートの一貫製造を開始しました。それまでは原料のチョコレートを輸入しての加工製造であり、カカオ豆の製造から一貫して行なったのはこれが初めてでした。さらに1926(大正15)年には明治製菓でも一貫製造が行なわれるようになりました。
戦中戦後のチョコレート

 明治時代に本格的に始まったチョコレートの製造は、大正時代にはその数を増やすなど発展を見せます。さらに昭和初期になると、チョコレートはハイカラな洋菓子として持て囃され、人気を博してゆくことになります。このように日本にも徐々に浸透しつつあったチョコレートですが、第二次世界大戦が始まると状況は一変します。食料統制が行なわれ、カカオも全面的に輸入禁止、製造は不可能となってしまいます。その代わりに登場したのが代用チョコレートで、これは、カカオ豆の代わりとして百合の球根、サツマイモ、小豆などを焙妙し、パウダー状にした後に油脂を加え、バニラで香りを付けて作られたチョコレートでした。ちなみに、砂糖の代わりに使われたグルコース(ブドウ糖)からグルチョコレートとも呼ばれました。なお、カカオ豆の輸入が解禁となり、本物のチョコレート製造が再開されたのは戦後の1950(昭和25)年頃のことです。
参考1:バレンタインチョコの歴史
日本におけるチョコレートの歴史とバレンタインデー

 日本にチョコレートが伝わったのは江戸時代だと言われており、たとえば長崎の遊女がオランダ人からチョコレートをもらったという記録もあります。明治時代に入ると正式に輸入されるようになりますが、先にも説明したように大変高価なものでした。19世紀後半になると日本でも製造が始まります。まず1878年には東京の米津風月堂がチョコレートの製造販売を開始しますが、まだ「猪口令糖」などと漢字表記されていました。1918年には森永製菓がカカオ豆の処理からチョコレートを作る工場を建設、1926年には明治製菓が一貫製造を開始します。大正時代から昭和初期にかけてチョコレートは庶民の間にも浸透してゆきますが、第二次世界大戦の開始により材料のカカオが輸入禁止となり、製造はストップ、製造が再開されたのは1950年代に入ってからです。そして1958年、早くもバレンタインチョコが始まります。最初にバレンタインセールを展開したのはメリーチョコレートです。実は前社長の原邦生氏が大学生の時にパリ在住の商社マンの先輩から受け取った葉書に、フランスではバレンタインデーに花やカード、チョコレートを贈り合う習慣があることが書かれていました。邦生氏は販売促進に役立てようと創業社長の父親にバレンタインセールを企画することを進言、実施しますが、残念ながら、この年は準備不足もあり、惨憺たる結果に終わったそうです。その翌年、ハート型のチョコレートにネームを入れるサービスを打ち出すと共に、「年に一度、女性か男性に愛の告白を」というキャッチコピーを打ち出しました。これが女性週刊誌などで採り上げられ、バレンタインに女性から男性にチョコレートを贈るという習慣が浸透していったのです。
チョコを贈る習慣

 バレンタインデーに女性が男性にチョコを贈る習慣は日本だけだと言う人もいますが、実際は欧米でもバラやチョコ、宝石をプレゼントし合っています。つまり、日本以外でもチョコを贈る習慣はあるのです。ただし、女性から男性へ贈るのが通常であること、贈る物がほぼチョコに限定されているのは日本の特色だと言えるでしょう。

 日本で最初にバレンタインデーをチョコと関連させて紹介したのは、1936年の神戸モロゾフ洋菓子店です。国内初のバレンタインデーセールは1958年の新宿伊勢丹店でメリーチョコレートが開催しました。ただし、どちらも余り話題にならず、特に伊勢丹のセールでは3日間で板チョコが3枚しか売れなかったそうです。
 バレンタインデーは元々女性が男性にチョコを贈り愛の告白をする日とされていたのですが、現在では恋人や既婚者である妻から夫と言うパターンや、また、上司や部下、同僚、友人など恋愛感情を伴わない相手に贈る「義理チョコ」、或は友人同士の女性から女性への「友チョコ」という習慣もあります。ちなみに、バレンタインデーのチョコ、特に義理チョコがなくなればよいと考えている女性も多くいるようですが、余りこの声は外には出てきません。これはバレンタインデーには割と安いチョコを贈っておいて高価なお返しを期待している女性が多いからだとも言われています。
参考2:チョコレートの歴史に関する参考図書


◆参考図書(1)
武田尚子『チョコレートの世界史』中公新書
武田尚子・著(武蔵大学社会学部教授)
『チョコレートの世界史――近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石――
中公新書、中央公論新社・2010年12月刊、¥819
荻生徂徠、本居宣長、吉田松陰ら、著名な思想家を生んだ江戸時代。一見難解な思想を一皮剥くと、現代に通じる問題意識が見えてくる。
ソフィー・D・コウ&マイケル・D・コウ『チョコレートの歴史』河出書房新社
ソフィー・D・コウ&マイケル・D・コウ・著
樋口幸子・訳
『チョコレートの歴史』
河出書房新社・1999年3月刊、¥3,150
「神々の食物」の味わい深い文化史。謎の多い植物カカオ、マヤ・アステカの宗教儀式の象徴、香料、薬効、媚薬、滋養、催淫、そして貴族の飲み物から大衆化に至る壮大な物語を描く名著。甘美な味に隠された驚くべき壮大な物語。
八杉佳穂『チョコレートの文化誌』世界思想社
八杉佳穂・著
(国立民族学博物館&総合研究大学院大学併任教授、文学博士)
『チョコレートの文化誌』
世界思想社・2004年2月刊、¥1,995

神の食物”という学名をもつカカオ。はるか紀元前にまで遡るカカオの起源から現代のチョコレートにいたる、壮大な物語。



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【3】チョコレートと健康〜チョコレートとその健康健康効果〜

 昨今、チョコレートには様々な健康に良い効果があると言われています。元々チョコレートは古代メソアメリカの時代から薬として用いられていたのは先に解説した通りです。
 本節では、そのチョコレートの具体的な健康効果を取り上げ解説します。
チョコレートは健康によい!?

 チョコレートは食べて美味しいというだけでなく、私たちの健康に良い様々な効果があります。健康に気を遣っている人には実はチョコレートはオススメの食材なのです。


 チョコレートにはポリフェノールがたくさん含まれているのをご存知でしょうかか? 
 活性酸素が原因で動脈硬化や癌になると言われていますが、ポリフェノールには活性酸素を抑制する働きがあるということで注目を浴びました。赤ワインに多く含まれるポリフェノールですが、チョコレートにはワインよりも更に多くのポリフェノールが含まれているのです。チョコレートのカカオポリフェノールには、コレステロールが動脈に溜まったり、悪玉コレステロール(LDL)が酸化して動脈硬化が進んだりするのを防ぐ働きがあることが実験により分かっています。また、チョコレートは癌の予防にもなり得るようです。何故癌になるのかまだ分かっていない点も多いのですが、化学物質や紫外線、食べ物などから身体に入り込んだ様々な物質のうち何らかの物質が細胞のDNAに作用して突然変異を起こし、それが癌細胞になって増殖してゆきます。しかし、試験管の中に突然変異を起こす前の物質とチョコレートに含まれるカカオポリフェノールを一緒に入れると、細胞のDNAが突然変異を起こすのを防ぐ働きがあることが分かりました。ちなみにチョコレートに関する実験では、身体的なストレスを与えられたラットにカカオポリフェノールを与えるとストレスに適応できることが確認されています。身体的ストレスだけでなく、心理的ストレスにも抵抗力が高まるそうです。

 チョコレートはアレルギーにも効果的だそうです。
 近年問題になっているアトピーや花粉症などのアレルギー疾患ですが、これもカカオポリフェノールをマウスに与えると、アレルギーの原因となる活性酸素の働きを大幅に抑えることができたそうです。さらにチョコレートを食べても同様な効果があったと言います。さらに、緑茶やウーロン茶には虫歯予防に効果的な成分が入っていますが、カカオにはそれ以上に虫歯菌を抑える働きがあります。ラットを使った実験によると、虫歯の進行まで抑えることができることが分かったそうです。また、チョコレートの香りが集中力や記憶力をアップさせることが脳波や学習実験から確認されています。他にもチョコレートを食べた選手は陸上競技のスタート時の反応時間が短くなるそうです。なお、チョコレートは太ると思っている人が多いと思いますが、普通の飼料で育てたラットと飼料の20%をチョコレートに置き換えたラットでは、同じカロリーを摂った場合、体重は変わらなかったそうです。ちなみに、チョコレートと同じ原料から出来ているココアは、病原菌を抑制したり傷を治したりする効果があります。ココアは胃癌や胃潰瘍に関係しているピロリ菌や病原性大腸菌O157の増加を抑えるなど細菌感染に効果があります。また、ココアを毎日飲んでいる患者は傷が治るのが早いことも分かっています。その他チョコレートにはカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛といったミネラルが多く含まれています。特にバランスよくカルシウムとマグネシウムが含まれていることは注目に値します。


■チョコレートの健康効果
■ 1 血圧降下
 カカオのフラボノイドが血圧と血液の凝固のバランスを整えてくれる。
■ 2 脳への血液循環の促進
 カカオフラボノールにより脳のキーエリアへの血流が改善される。
■ 3 気分の高揚
 ダークチョコレートに含まれるカフェインその他の化学物質が気分、月経前症状によい。また、チョコレートに含まれるフェネチルアミンが恋に落ちる感覚と同じような感覚のトリガーになる。
■ 4 細胞破壊の保護
 純粋なダークチョコレートのフラボノイドがよい影響を与える。
■ 5 血糖値の改善
 同じく純粋なダークチョコレートのフラボノイドがよい影響を与える。
■ 6 心臓発作の減少
 毎日ダークチョコレートを食べていると、心臓発作の危険性が50%も減るとも言う。
■ 7 慢性疲労症候群の緩和の手助け
 85%カカオを含むダークチョコレートを1.5オンス(約42.5グラム)食べた慢性疲労症候群の患者が、食べる前に比べて疲労が減ったという。
■ 8 善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを減らす
 お茶やコーヒー、タマネギと比較して、ダークチョコレートの方が悪玉コレステロールの減少に関連している。
■ 9 血糖処理の促進
 ダークチョコレートを食べることにより血糖の新陳代謝が増加し、糖尿病の危険性が減少する。
■10 しつこいせきの緩和
 カカオを構成している物質の一つであるテオブロミンがとても効果がある。
※注  多くのチョコレートには脂肪や砂糖、カロリーなどが多く含まれているので、なるべく砂糖や乳脂肪を取り除いてあるものを食べるようにし、少なくとも60%以上カカオが含まれている物を選ぶことがオススメです。

チョコレートの栄養成分

 チョコレートの主成分と言えば、まずはカカオですよ。カカオは西アフリカや東南アジア、中南米などの熱帯地方生育している植物です。チョコレートに使われるカカオ豆はカカオの果実の中にある種子で、味は種類や産地、気候などによって異なるため、チョコレートメーカーはそれをブレンドながら色々な味や種類のチョコレートを作っています。ちなみにココアもこのカカオから出来ています。ココアは身体によいとテレビや雑誌で紹介された時は店頭からココアがなくなったということも過去にはありました。そんなチョコレートやココアの主成分であるカカオには、一体どんな効果があるのでしょうか。


ポリフェノール
 チョコレートの原材料であるカカオにはポリフェノールがたっぷり含まれています。最近話題のポリフェノールはブドウやナッツなど色々な果物や植物に含まれていますが、これは強い紫外線や細菌類から植物そのものを守る働きをする成分です。活性酸素を除去する働きがあります。ポリフェノールの効果を期待するなら、カカオの配合率が高いチョコレートを選んだ方がよいでしょう。
テオブロミン
 大脳を刺激して集中力や記憶力、思考力を高めます。自律神経を調節する作用もあるのでリラックス効果も期待できます。 疲れている時にチョコレートを食べるとほっとするのはこのためです。
ブドウ糖
 脳にとって唯一の栄養素がブドウ糖ですが、ブドウ糖は脳のエネルギー源となるだけでなく、脳の神経伝達物質であるアセチルコリン生成の手助けもします。
オレイン酸
 ココアバターに含まれる不飽和脂肪酸のひとつです。オリーブオイルやゴマ油などに含まれることでも有名な成分で、悪玉コレステロールを下げて善玉コレステロールを上げてくれる働きが認められています。
GABA(ギャバ)
 キャバは正式名称をγ(ガンマ)-アミノ酪酸と言い、動植物の体内に広く存在し、チョコレートの原料カカオにも含まれています。人間の脳内に存在する神経伝達物質で、リラックスに役立つと言われているアミノ酸の一種です。
ビタミン・ミネラル類
 他にもチョコレートには脳の代謝に必要な栄養素のビタミンEやナイアシンなどのビタミン類、また、カルシウムやマグネシウム、亜鉛、リンなどのミネラルも含まれています。

チョコレートのカカオはポリフェノールたっぷり!

 チョコレートの主原料はカカオという実ですが、このカカオの種を磨り潰したカカオマスに含まれるポリフェノールが注目されるようになったのは2000年頃からのことです。

 日本のチョコレートは元々苦いカカオマスにココアバター(カカオの脂肪分)と砂糖、香料、ミルクなどを加えて甘くまろやかに仕上げたミルクチョコレートなどが一般的でしたが、ポリフェノールに注目が集まるようになってからは、カカオ比率の高い(カカオマスの割合が多い)商品が各種発売されるようになりました。カカオ比率の高いチョコレートの味は当然ながらカカオそのものの苦味がとてもきついので、乳脂肪分や糖分の多いチョコレートの味に慣れていると全く別物のようなその味に驚くでしょう。ちなみに、カカオマスを粉末にしたものがココアパウダーになります。ココアとチョコレートは、元をたどれば同じカカオの実から出来ているのです。
 カカオにはタンパク質やアミノ酸、脂質、糖分、炭水化物、食物繊維、テオブロミン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛やその他ミネラル、ビタミンEなどたくさんの栄養素が豊富に含まれています。中でも最近注目されているのは抗酸化作用のあるカカオポリフェノールで、抗酸化作用とは老化の原因などになる活性酸素を除去する働きのことです。また、ポリフェノールとは、植物の葉や花、茎などで光合成によって出来た渋味成分のことで、主要なものだけでも300種類以上あると言われていますが、そのうちの一種がチョコレートの主成分であるカカオに含まれているカカオポリフェノールなのです。ポリフェノールと言えば赤ワインが注目されていましたが、チョコレートにはそれを遥かに凌ぐ量のポリフェノールが含まれています。それでは、そのカカオポリフェノールには一体どのような効果があるのでしょうか。


■カカオポリフェノールの効果
動脈硬化の予防
 カカオポリフェノールには、動脈硬化を引き起こす原因である血中の悪玉コレステロールを除去したり活性酸素による動脈硬化の進行を防ぐ作用があります。また、動脈硬化は生活習慣病に直結する病気でもあるので、広い意味で生活習慣病の予防にも役立ちます。
癌の予防
 カカオポリフェノールの抗酸化作用が細胞が癌になるのを防いだり、癌細胞の増加を防いだり、また、免疫力を強化します。
ストレス対策
 身体的ストレスにうまく適応したり、ストレスによって増加するホルモンの分泌を抑えたり、また、精神的なストレスに対する抵抗力を強めることが出来ます。
アレルギー対策
 カカオポリフェノールには、アレルギー症状を引き起こす活性酸素の過剰な発生を抑えたり、抗体や炎症を起こす物質を作らないような作用があります。花粉症対策にも最適です。

参考3:チョコレートダイエット
チョコレートダイエットとは?

 「チョコレートダイエット」と言うダイエット法があることを聞いた人もあるかも知れません。通常のダイエットと言えば「間食を止める」とか「甘いものを控える」などのイメージでがありますが、このダイエット法は、「3食きちんと食べた上で、チョコレートも食べる」という特に女性にとっては魅力的なダイエット法です。
 甘いもの好きには魅力的なチョコレートダイエットですが、その秘密はチョコレートの原料であるカカオ豆の健康効果にあります。ただし、やはりチョコレートは栄養が豊富で効果がたくさんあっても高カロリーです。下記のポイントをきちんと押さえて、くれぐれも食べ過ぎないように注意しましょう。


■チョコレートダイエットのポイント
3食きちんとバランスの取れた食事をする
カカオの含有量が70%以上のチョコレートを1日50g(板チョコで半分)
食欲のある人は食前に、食事の量を減らしたい時は食べ終わった後に

カカオポリフェノール以外のチョコレートの効果

 チョコレートには、上記で触れた以外にも、たとえば肥満の予防など様々な効果があります。

 確かにチョコレートそのものは高カロリーなのですが、脂肪分解酵素リバーゼの働きを抑え、脂肪が血液中に残るのを防ぐため、結果として体脂肪率は上がりにくくなります。また、チョコレートに含まれるカカオバターは脂肪の吸収率がよいため、同じカロリーのものなら、チョコレートを食べた方が肥満につながりにくいと言われています。食前にチョコレートを食べると、血糖値が素早く上昇するので食欲が抑えられるのも肥満の予防につながります。また、大腸菌や赤痢菌、O157やサルモネラ菌、胃癌や胃炎の原因であるピロリ菌や歯周病などに対する殺菌作用も認められています。特に「甘いものを食べると虫歯になる」と言われているのに、実はチョコレートには歯周病予防効果があるなんて驚きです。その他にも、チョコレートには集中力や記憶力を高める作用や疲労回復効果、血圧の上昇を防いだりする作用があり、栄養バランスの取れた総合食品とも言われています。
 チョコレートと言えば甘いとかお菓子とかジャンクフードのようなイメージがありましたが、実はこのようにたくさんの効果がある食品なのです。チョコレートの原料はカカオ豆で、豆類には健康効果がたくさんあるのですから、チョコレートも健康食だというのも納得できます。ただし、ダイエット効果を期待する場合はカカオ含有量が70%以上のチョコレートを選ぶようにしましょう。70%以上カカオが含有されているチョコレートは甘みが少ないので、普通のチョコレートとはちょっと違うように感じるかも知れませんが、その甘さに慣れてくるとついついつまんでしまいがちです。健康効果があるチョコレートですが、それでも決して低カロリーな食品ではないので、食べすぎにはくれぐれ注意しましょう。
参考:高カカオチョコレートにご注意


■参考:高カカオチョコレートにご注意を!
 「カカオ99%」「88%CACAO」などカカオを高濃度で含んでいる旨を表示したチョコレートが多くなりました。ところが、これらについて国民生活センターが商品テストを行ない、その結果をリリースしたそうで、その結果によれば下記のような注意点があるようだです。
脂質が多い
 スタンダード品の1.2〜1.5倍の脂質を含むものもあり、食べる量に注意が必要。
テオプロミン、カフェインが多い
 気管支拡張や利尿、興奮などの作用があるテオプロミンやカフェインが多く、スタンダード品の4倍にもなるものもあり、テオフィリンなどの医薬品使用者は注意が必要。
カドミウムの含有量にばらつきがある
 食品中にはカドミウムが含まれているようで、日本人は1日21.4μg摂取しているというが、テストしたチョコレートでは、健康被害を及ぼす量ではないものの、銘柄によってはカドミウム含有量の差が大きく、スタンダード品3銘柄が4〜12μgだったのに対し、高カカオ品は5〜45μgとばらついていたという。カドミウムは長期摂取により腎機能障害が起こる危険性もある。
ニッケル含有量が多い
 ニッケルも食品の中に含まれており、日本人は1日150〜250μgのニッケルを摂取しているというが、スタンダード品が140〜180μgだったのに対し、高カカオ品は300〜590μgと概して高く、4倍のものもある。ちなみに体重50kgあたりの上限は1日550μgだそうで、ニッケル摂取量が多いことで全身型金属アレルギーを起こす場合があると言う。
アフラトキシン
 食品から産生されるカビであるアフラトキシンがごく微量検出された製品が9銘柄あったという。

チョコレートのオススメの食べ方


■チョコレートのオススメの食べ方
勉強や仕事の合間に
 脳の栄養補給にチョコレートのブドウ糖を摂りましょう。受験勉強の合間にチョコレートを食べると、勉強が捗るかも知れません。勉強や仕事に、ちょっと疲れたなと感じた時にチョコレートを食べるのがオススメです。
心が疲れた時に
 脳の疲れだけでなく、心も疲れてへこたれてしまった時に一粒チョコレートを食べるのもオススメです。口の中で溶けていくチョコレートをゆっくりと味わってリラックスしましょう。また、チョコレートだけでなく、ホットココアを飲むのもオススメです。
健康のために
 カカオ比率の高いチョコレートがオススメです。ポリフェノールなどの健康にプラスになる成分が多く含まれていることに加えて脂肪分が少ないので、ダイエットにもオススメです。
非常食に
 持ち運びしやすく、高エネルギーのチョコレートは、非常食にも適しています。遭難した人がチョコレートを食べて生き延びたという話は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。旅行の際などにチョコレートをひとつバッグの中に入れておくと、いざという時にも心強いです。


■おやつにチョコレート、どれくらい食べていい?
 一般的なミルクチョコレートでは、板チョコ1枚で約400kcalです。これはお茶碗に約1杯半のご飯と同じくらいのエネルギーになります。間食に食べる量としては、板チョコで半分くらいの200kcalまでを目安にしましょう。ダイエット中ならその半分の100kcalに抑えたいところです。また、チョコレートのおよそ半分は脂肪分(ココアバター)です。ミルクチョコレートなら、糖分もたくさん含まれています。身体によい成分も豊富にも含まれていますが、食べ過ぎは太る原因なので禁物です。

参考4:チョコレートんい関する参考図書&参考サイト


◆参考図書(2)
日本チョコレート・ココア協会『チョコレートの大研究』(小学校高学年向け)PHP研究所
日本チョコレート・ココア協会 監修
『チョコレートの大研究――学んで楽しい、つくっておいしい おいしさのヒミツと歴史、お菓子づくり』
PHP研究所・2007年2月刊、¥2,940
チョコレートはなにからできるのでしょう? 私たちの体にどんな効果があるのでしょう? いつ頃から食べられるようになったのでしょう?……大好きな食べ物でもわからないことはたくさんありますね。この本ではそんなチョコレートのヒミツを徹底解明します。
子どもたちが大好きなチョコレート。その生産過程や原材料、お菓子のレシピなどを幅広く紹介した絵事典。調べて、作って、食べよう。
読者対象:小学校高学年くらい


■参考サイト
日本チョコレート・ココア協会
http://www.chocolate-cocoa.com/
日本チョコレート工業協同組合
http://www.chocolate.or.jp/


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