1stサービスヤマト生活情報館
ヤマト生活情報館 インデックスページに戻る
こちらもチェック 水のトラブル プロが教える自分で出来る修理法
Presented by Yamato Group
今月のワンポイントアドバイス


 北海道・大雪山系のトムラウシ山と美瑛岳で相次いだ中高年登山者の大規模な山岳遭難事故は、安易な山岳ツアーがもたらした事故としてまだ記憶に新しいでしょう。中高年を中心にブームとなった感のある登山について、今月は中高年登山の問題点を取り上げ、安全登山のためのアドバイスをまとめました。 山登り

中高年登山
【1】参考:中高年のためのハイキングのススメ
【2】中高年登山者へのアドバイス
【3】中高年登山の問題点〜中高年登山者が招く事故やトラブルとは?〜
【4】参考:中高年のためのハイキングのススメ


【1】安全登山のために

 高齢者の山での遭難事故が昨今多発しています。しかし、山での事故は何も高齢者だけに留まりません。
 本稿では、中高年登山の問題について触れる前に、高齢者に限らず、登山を楽しむ一般の登山者のために、安全な登山のためのアドバイスを以下にまとめました。
安全登山のために〜次のことを守りましょう〜


◆安全登山のために:次のことを守りましょう! 
山の気象や地形を充分に調査・研究し、登山に際しては地元に事前情報を確認しましましょう
経験・技術・体力を考えて、無理のない日程・コースを選びましょう
天候の急変に備え、充分な装備と予備食料を準備しましょう
単独登山を避け、信頼できるリーダーと行動しましょう
リーダーは、パーティーの一人ひとりの体力・能力・技術をよく知って一緒に行動しましょう
万一に備え、登山計画書や登山カードは必ず提出しましょう
無線機や携帯電話等を携行し、通信手段を確保しましょう
予備電池を持ち、保温に心懸けましょう
家族などに登山コースや帰宅時間を告げておきましょう
悪天候時には無理をせず引き返す勇気を持ちましょう

登山上の注意事項


計画には“ゆとり”を
  • 自分の体力・経験・技術にあった山及びコースを選びましょう。
  • 日程に余裕を持つようにしましょう。(※トラブルで日程が遅れることがあります。) 
登山届けを必ず提出
  • 家族や勤務先、学校等への連絡をしましょう。
  • 登山届けは、警察署や交番、駐在所、登山口の山小屋、ロープウェイ乗場、登山ポスト等へ提出して下さい。
装備・食料は充分に
  • 雨具・非常食・ヘッドランプ・地図・コンパスは登山の必需品です。日帰り登山でも必ず準備するように心懸けましょう。万一の場合に、それらがあなたを守るのです。
気象情報に気配りを
  • 山の気候は急変して回復が遅れます。天気予報に注意しましょう。
  • 防寒対策を充分に取るようにしましょう。
体調を整えて
  • 日頃から十分トレーニングをしておきましょう。
  • 体調が悪い時は自重しましょう。
  • 身体の変調に気づいたら早めに下山しましょう。
  • 持病のある方は日頃から健康診断を受けておきましょう。
保険加入を
  • 万一に備えて山岳保険に加入しておきましょう。捜索には多額の費用がかかります。

注意:事故は下山中に多く発生しています!
 足許に気を取られて足元だけを見て歩いていると、道迷いの原因になります。歩く時は時々周囲の景色などに注意するようにしましょう。また、浮石に乗ったり縦に伸びている木の枝を踏むと思わぬ怪我をすることがあります。とにかく慎重に歩くように心懸けましょう。

参考:電池の保温に心がけて!〜携帯電話取扱上の注意〜

 携帯電話の電池切れで連絡がつかなかったために家族などから捜索依頼があるというようなことが時々あると言います。これは、登山者本人が悪天候で下山が遅れた時などに携帯電話を低温状態下においたため、電池能力が低下して使用不能となったことが原因であることが多くあります。
 とにかく携帯電話やアマチュア無線機は、登山中も必ず携帯するようにしましょう。そして、必ず予備電池を携帯し、電池の消耗に注意するように心懸けるようにしましょう。


■携帯電話取扱上の注意
低温に対する注意:電池は長時間低温状況に置くだけで能力が低下します
 電池は化学反応で電気を起こして電流を流しているのですが、温度の低いところではその化学反応が起こりにくくなるため、電池が消耗したような状態になり、そのため携帯電話がかかりにくくなる場合もあります。しかし、暖かいところに移動すれば電池も正常に科学反応を起こし、通常の使用ができるようになります。
汗も故障の原因
 汗や雨水が携帯電話本体内に入り込むと、基盤に水滴が付き、携帯電話が使用不能となることがあります。携帯電話会社への故障の問い合わせで、携帯電話をワイシャツの胸のポケットに入れたまま大量の汗をかいたことが原因による故障の問い合わせがかなりあるとのことです。従って、登山時には湿気対策に充分注意するようにしましょう。
一般的な使用範囲
温度 +5℃ 〜 +40℃
湿度 35% 〜 85%
※上記はメーカーや機種により若干異なります。
不感地帯
 機種やメーカー、周囲の状況等で通話エリアが異なることから、詳細は契約会社に確認して下さい。

山歩きの基本とコツ
1)春・夏・秋山の服装(※雪のない時期)


長袖シャツ
  • 長袖で保温性に優れ、濡れても冷たく感じないウールと化学繊維の混紡でスリーシーズン用が便利
  • 長袖は日焼けや虫刺され、木の枝から皮膚を守り転倒の際に体を保護してくれる
ズボン
  • 長ズボンまたはニッカーズボン、またウールと化学繊維の混紡で、ストレッチの効くゆったりしたスリーシーズン用が便利
  • ニッカーズボンは膝の動きが楽で裾が邪魔にならないので人気
  • ジーパンは濡れると重くなり、身体の動きが悪くなるので、登山には全く向いていな
  • ショートパンツも、転倒時に怪我や足腰を冷やす原因になるので、同じく登山には全く向いていない
登山靴
  • 靴は山歩きの命。捻挫を防ぐために、足首までしっかり包むゴアテックスか、革製の軽登山靴がよい
  • 靴を購入する時は、足が大きくなっている夕方に。靴下は少し厚手の製品1枚で充分で、とにかく足にフィットしていることが大切
  • 山小屋や旅館では間違いやすいので、名前や目印をつけること
  • 新しい靴は履き慣らしてから使うように
  • 靴の紐は、登りは少し緩めに、下りはしっかり結ぶこと
雨具と傘
  • 上着とズボンが分かれたゴアテックス製品がよい
  • 上着・ズボンとも、防風・防寒具として兼用できる良質な製品を用意すること
  • ビニールのレインコートは全く役に立たないので、厳禁
  • 1番上に着るので、ひとつ大きめのサイズを選ぶこと。雨天の日は気分も暗くなるので明るいカラーのものを(※万が一の時に目立ちやすい)
  • 雨具を着用したら、休憩の際に湿気を抜くこと。足の捌きをスムーズにするため、膝下をゴムバンド等で止めると歩きやすい
  • 天候の急変は日本の山岳では当たり前。なお、気象を把握することは非常に難しいので、たとえ天気予報で降水量0%でも、雨具は必ず持参すること
肌着(アンダーウエア)
  • 汗による不快感や冷たさが少ない新素材の肌着が優れている。綿製品は登山中は絶対に着用しないこと。綿の肌着は、濡れると保温力がなくなり、身体を冷やすので厳禁
  • 女性は、身体を締めつける肌着は着用せず、伸縮性のあるもの(※スポーツ用)を着用すること
帽子
  • 落石や木の枝などからの頭の保護・防寒・日除け・雨除け・日射病を防ぐ
  • 風で飛ばされないように紐をつける
  • 早春、晩秋、雪のある山では耳まで覆う帽子が必要に
  • 記念バッジなど金属製のものは雷が落ちるので付けないように
防寒着
  • 山の朝晩などは冷えるので、夏山でも薄手のウールのセーターを持参すること
  • セーターはシャツの下に着ると保温効果が高まる

2)行動用具(必需品)


ザック
  • 大きさや形は山行スタイルによって使い分ける。ザックは、日帰りで25リットル、1〜2泊で35リットル、2〜3泊で45リットル、3〜5泊で60リットルぐらいが目安
  • 購入の際は身体に合ったものを選ぶ。シンプルな製品が使いやすい
  • サイドポケットやウエストベルトの付いたものがよい
  • 雨対策としてザックカバーも用意する
  • 風で飛ばされるので紐を付けること
水筒
  • 容量は1リットル位のアルミ製品で、防錆加工してあるものを選ぶ
  • 下山するまで全部を飲まないで、必ず残す習慣をつける
  • 水筒には水(※湯冷まし)を入れる習慣をつける。水は救急薬品だと考える
  • 人間の体重の65%は水。休憩時には一気に飲まないで、少しずつゆっくり飲むこと
  • 水を飲む時は、口に含んでからゆっくり喉元を通すと少量ですむ
  • 水場では水筒に水を補給する習慣をつける。そして、水場は汚さないことがマナ
ヘッドランプ
  • 行動中は両手を空けなければならないので、ヘッドランプを携行する。日帰りでも必ず携行すること
  • 電池の予備を持参すること。節約して使う習慣を
  • 電池寿命は非常に短いので要注意。なお、リチウム電池は寿命も長く、低温でも効果が落ちない
手袋
  • どんな山行でも手袋を必ず持参する
  • 夏山は軍手と雨天用を持参する
  • 春山、秋山、冬山はウール製品を持参する
ホイッスル(笛)
  • 道に迷った時や仲間との連絡、トラブルの連絡に使う非常用として持参する
  • 大声を出すと体力を消耗するので、緊急時にはホイッスルを使う
地図とコンパス
  • 出かける前に山の概要を知るために、日程表と地図を照合して机上ながら予め登山の予習する習慣をつける
  • 行動中は常に携行し、休憩時に確認する習慣をつける
行動食
  • 保存性のよいものを選ぶ
  • ビスケットやチョコレート、干ブドウ、飴、煎餅、コンデンスミルク、羊羹、サラミソーセージなどがよい
その他持参するもの
  • 健康保険証(写)に血液型と緊急連絡先を明記
  • 洗面用具
  • ゴミ袋
  • 救急薬品
  • 持病薬(※女性は生理用品も)
  • ライターとマッチ
  • サングラス
  • 新聞紙
  • ナイフ

3)小物いろいろ


ストック(杖)
  • 常に補助手段として使用し、頼りにしすぎない。また、体重をかけすぎないこと
  • 常に山側の手で使う習慣をつける。谷側は事故のもと
  • 登りはやや短め、下りはやや長めに調節する
  • 使っているとストッパーが緩むので、チェックを忘れずに
スパッツ
  • 靴に小石や雪が入るのを防いだり、保温やズボンの汚れを防ぐ。雪のある季節や悪路はロング、他の季節はショートスパッツを
マッチとライター
  • タバコを吸わない人が多くなり、マッチやライターを持たない人も多いが、ポケットティッシュと一緒にビニール袋に入れて非常用に携帯すること
アイゼン
  • 積雪が予想される季節の必需品。山行前には着脱の練習と歩行訓練も予め行なうこと
  • 中級以上の山岳では6本爪以上が必要。4本爪は低山ハイキング用。なお、登山靴をゴムバンドで止めるタイプの製品は、少しのショックで切れたり外れるので危険。紐で止めるものが安全
参考:春・夏・秋山の服装と装備チェック表
http://www.police.pref.gunma.jp/seianbu/02tiiki/check.htm

4)行動中の注意


歩き始めの服装は少し寒いくらいがよい。暫くすれば暖かくなる
準備体操はしっかりと行なう
歩く時は手で荷物は持たない。また、歩行中に飛び下りたりしないこと
手袋を着用する。なお、鎖場や鉄梯子、岩場は素手で掴んだ方が滑らない
ザックの周りにコップやマップなどをぶら下げて歩かない。バランスが崩れ、疲れのもとになる
飲料水は必ず出発前に用意する
空腹では歩かない
吊り橋を渡る時は、少人数で足並みを乱して歩くこと。歩調を合わせると、左右に振動して却って危険
登山道の鎖や梯子、丸木橋などはあくまでも補助として利用し、自分の手と足で行動すること
危険な場所は慌てずに一歩一歩慎重に「3点確保」で行動する
登山道では浮き石に乗らず、落石にも注意
  • 落石は起こさないこと
  • 落石が発生した場合は大声で他の登山者へ知らせる
  • 雪渓での落石は音を立てないで落下するので注意
  • 雨が降る続いた時などは浮き石が多くなり、落石が発生する
  • 落石が発生しているところは、周囲を見て迂回する
歩きながら話したり歌ったりしない
山では登り優先が基本
  • 安全な場所で譲り合うこと
  • 山側に身を寄せて待つこと
行動中は汗をかくので薄着で
  • 休憩地や山小屋では、身体を冷すと筋肉が固くなり、思わぬトラブルに繋がり、疲労が倍加する
  • 身体を冷やさないことは大切な技術。寒いと感じたら直ぐに1枚着用する
団体行動で歩く場合は、どうしても仲間と間隔が開くこともあるが、無理をしないで後の登山者に道を譲る
トイレの我慢は禁物
頑張り過ぎ事故のもと
  • 体調が悪い時は素直な気持ちで協力を求めること
  • 常にお互いの体調を確認し合う気持ちが大切
下山後ビールやジュースを飲む前に、自ら進んでストレッチ体操を行なう習慣をつける
 
参考:山のマナー
  • ゴミは持ち帰る
  • 狭い場所では譲り合う
  • 山小屋では小声で話す
  • 火の用心
  • 高山植物を採らない

5)山でのトラブル


◆山でのトラブル
 登山中の事故は転落と滑落が全体の50%を占め、下山時が圧倒的に多い
 下り時は靴の紐を締め直し、気持ちを引き締めること
 難しい岩場や尾根などでの事故の他、普通の登山道で足を踏み外して滑落するなど信じられない不注意のミスが多発しているので、下りは特に注意が必要
 登った安心感、下りは楽だという気の緩み、木の根や小石に躓いたり、浮き石や苔の石に乗って足を滑らせたりといった不注意によるトラブルが非常に多い。充分注意して、とにかく慎重に歩を進めることが肝要
 中高年はどうしても平衡感覚や筋力が低下するので、転倒しただけで手首や足首の捻挫・骨折をする人が多くいる
 登りは体力、下りは技術 。とにかく下りは知恵を働かせて歩くこと
 1日の行動中、13時から15時頃が疲れが溜り、注意力が減退するので要注意


下着のご用心!!
  • 下着はクロロフャイバーやダクロンなどの製品を着用しましょう。中間着で人気のフリース製品は、暖かいが、火や熱に弱いので、タバコの火などには気をつけましょう。
  • ちなみに、大正12年1月、日本人初のヒマラヤ(マナスル)に登頂された登山家の槇有恒氏ら3人が冬の立山で遭難しましたが、このとき綿の下着の1人が死亡、槇氏らウールを着用していた2人は助かったそうです。一方、平成元年10月に立山で死亡した中高年の8人は綿の下着で、5人が布製の軽登山靴でした。
タバコと飲酒は要注意
  • 行動中の飲酒は事故に繋がるので厳禁。
  • 高い山では酔の廻わりが早く体温を低下させるので、飲酒は防寒にならない。
  • 1日の終わりでの山小屋で少量の飲酒は緊張を和らげてくれ、よく眠ることが出来る。
  • 登山は全身運動で多くの酸素が必要なので、当然ながら禁煙。禁煙出来ない人は節煙を実行すること。
危険なあなた任せ
  • 「あの人に任せておけば大丈夫。私はただついてゆくだけ」。歩くルートも、どこで泊まるかも全く無関心……といった態度は考えもの。観光気分では山歩きは出来ません。しっかりした心構えと事前事後の学習、日頃の健康管理、トレーニングはとても大切です。
マナーを守ろう!
  • 帰路、汗臭いシャツを着てバスや電車に乗るのはマナー違反。日帰りでも着替えのシャツくらいは持参したいものです。
調子が悪い時は自ら下山
  • 登山の当日、風邪気味や疲労が残っている時は参加を中止すること。
  • 登山を開始して30分くらい歩いていても、いつもより体調が悪いと思う時は自ら進んで下山を申し出ること。決して恥ずかしいことではありません。
  • 歩き始めの30分はゆっくり歩いて心臓や呼吸、筋肉などの身体調整を意識して歩く。
無理は禁物
  • 経験を積むと高い山に登りたくなるもの。「あの人が登ったから私も登れる」「折角来たのだからあそこにも」・・・登りたい気持ちはよく分かりますが、登りたい山と登る山、登れる山は全く違います。こんな気持ちの時は要注意。
ある日突然・・・
  • 今までの山行では何事もなかったのに、今回は足をつったり体調がいつもと違うといった場合、これは身体に変化が現われた証拠で、要注意信号。過信は最も恐ろしいことだと肝に銘じ、次回の山行からは必ずランクを下げて体調をチェックすることを心懸けましょう。
  • 年に2回くらいは定期的に健康診断を受け、特に心肺機能のチェックをすること。
直ぐ息苦しくなる場合
  • ゆっくり歩幅を小さく足をマメに運ぶことがコツ。休憩の際は深呼吸を大きく5回くらいを行ない、腰を下ろす。
足がつる場合
  • 登山中に足がつる場合は明らかに運動不足が原因。日頃からトレーニングをしておきましょう。
  • 筋肉痛と関節痛は登山中に最も起こりやすい。その場合はストレッチを。
靴擦れやマメと爪
  • 緩めの靴は靴下が靴の中で足が遊ぶのでマメや靴擦れが出来る。靴の相性が悪い時は前もって足にテープを貼るとよい。
  • 伸びた爪は出発前に切ること。足の爪が伸びていると、下りでは生爪を剥がすことになる。
バテない歩き方
  • 平地の3分の1の速度でゆっくり、歩幅が大きいと足に負担がかかるので、歩幅を小さく、足裏全体をつけたベタ足で歩く。そして、呼吸の仕方を工夫して水を適度に飲む。
安全な場所で休憩する
  • 休憩する時はザックは山側に置く。
  • 他の登山者に迷惑にならないところに腰を下ろす。
  • 大きく4〜5回深呼吸をして呼吸を整え、気分を落ち着かせる。
  • 衣服の点検と調整、現在地の確認、水分の補給、靴の履き具合やザックのバランスのチェックをする。
  • 出発する時は忘れ物に注意する。
道に迷ったら・・・
  • 来た道を引き返し、ハッキリしているところまで戻る。
  • 谷筋には絶対に降りない。
  • 歩き回わると体力を消耗し、ますます分からなくなる。
  • ホイッスル(笛)で仲間と連絡を取り合う。
山の天気はよく変わる
  • 山間部は平野部より天候の悪化が早く、晴天への回復が遅い。
気温と体感温度
  • 高度が100メートル高くなると気温は0.6度下がる。平地で30度の真夏でも、3,000mでは12度となり、体感温度は風速1m増す毎に1度下がり、雨で濡れるとさらに冷える。
  • 暑さ寒さは重ね着で調整しましょう。
避雷の心構え
  • 姿勢を低くする。
  • 山頂や尾根、大きな岩や木の下を避ける。
  • 危険を感じたら、ピッケルやカメラ、時計、鍵などを身体から離す。
  • 大勢でいっしょに行動中は分散する。
  • 小さくしゃがんで雷と雨を凌ぐなど、地表よりも少しでも低くすることが唯一の方法。
登山用品のメンテナンス
  • 帰宅したら、使用した登山用品や服装をチェックし、次回の登山に備える。そして、復習も忘れずに。

参考:天気と諺


◆参考:天気と諺
山が傘を被ると雨が降る
雲が西(北)へゆくと雨、東(南)へゆけば天気になる
太陽(月)が傘を被ると翌日は雨
高い雲と低い雲が逆方向に流れると風や雨
羊雲が出ると雨
煙がたなびくと晴れ
朝焼けは雨、夕焼けは日和
星が瞬くと、翌日は風強し
朝雷に川渡りはするな
東の雷、雨降らず
朝虹は雨、夕虹は晴れ
鐘の音が近くに聞こえるのは雨
遠山が近くに見えると雨が近い

緊急時の対処&対策


道に迷った時は?
  • 来た道を引き返すことが鉄則! 道標など位置が確認できる場所まで戻る
  • 転落・滑落の危険性が増すので、谷には絶対に入らない
  • 当てもないまま歩き回わると体力を消耗する
  • 来た道も不明な時は斜面を上部に上がり、尾根まで出る
  • 日没が近い場合は無理をせず、安全な場所(※風雨の影響を直接受けない岩陰や茂み)を探してビバーク(=テントや自然にあるものを利用して野外で夜を過ごすこと)する
転落&滑落した時は? 
  • まず怪我人の応急手当を行なう
  • 怪我人を安全な場所に移動する
  • 自分たちの力だけでは搬送・救出が不可能と判断したら、出来るだけ早く救助の依頼をする
  • 負傷者を介抱する者、下山して救助要請する者など任務を分担し、救助を求める
  • 近くの山小屋や他の登山者を通じて救助の依頼をする
下山中に日没となった時は? 
  • 日が暮れると行動力が極端に低下し、道迷いや転落・滑落の危険性が増すため、慎重な行動が必要
  • 照明用具があっても、無理に下山はしない
  • 早めに安全な場所でビバークする
  • 明るくなるのを待って行動を開始する
雷の時は? 
  • 人間の身体は電気の良導体。眼鏡や時計、ベルトを外しても安全ではない
  • ザックを降ろし、ピッケルや金属製の杖、カメラなどを身体から離し、より低い場所で低い姿勢を取りながら雷が遠ざかるのを待つ。高い場所は危険
  • 大きな樹の下への避難は危険
  • ツェルトなどを被って地面に伏せる
雪が降り出した時は? 
  • 雪が強く降り出すと短時間では天候か回復する可能性はないので、行動計画を変更して早めに安全な場所まで引き返す
  • 雪が積もると、尾根道は識別が出来なくなり、歩行そのものが不可能となるため、不充分な装備で雪の中には入らない
熊と出会った時は? 
  • 慌てず騒がず、じっとして動かず立ち去るのを待つ
  • 却って熊を興奮させるので、大声を出したり物を投げつけることはしない
  • 熊には逃げるものを追う習性があるので、走って逃げることはせず、熊と向き合ったままゆっくりと後退し、距離を開けるようにする
  • 逃げることが出来ない時は、腹這いで地面にうずくまって両手で首を保護し、熊が立ち去るのを待つ
携帯電話・無線機で救助要請する時は? 
  • 山岳地帯では、電波が届く場所・届かない場所が複雑に入り組んでいる(※1メートル離れただけでも通じる場合がある)
  • 救助を求める場合は、通話は出来るだけ救助に必要な事項に限定し、無駄な通話によるバッテリーの消耗を防ぐ。場合によっては電源を切るなどで電池の消耗を防ぐ
  • 低温下では電池能力が低下し、電話がかかりにくくなることがあるので注意する(※温かくすることで使用できる場合がある)
救助を待つ時は? 
  • 救助を待つ時は、まず自分の存在を知らせることが必要(※地上からの捜索者に対してはホイッスルなどで音を出して自分の居場所を知らせる)
  • ヘリコプターに対して救助を求める際には、広い見通しがよい場所まで移動し、
    1. 周囲と比較して目立つもの(※雨具やテント、タオルなど)を大きく振る
    2. 鏡やナイフ等の反射材やカメラのフラッシュなどの光をヘリコプターの方向に当てる
    3. 発煙筒を使用する。発煙筒がない場合は、焚き火に生葉を被せて煙を出す
    などによる合図が有効

必ず登山届ないし登山計画書の提出を
登山届け
 登山届けないしは登山計画書は、万一の際には捜索救助活動の大変重要な手懸かりとなるもので、いわば登山者の命綱です。受け取られた登山届けないしは登山計画書は、捜索及び救助活動の事前情報資料とするために山域等を管轄する県内の警察署、県警航空隊に送付されることが多いようです。

 登山者には、入山前に必ず登山届けを提出する義務があるものだと考えて下さい。自治体や県警によって多少異なりますが、登山届けの提出は、入山の概ね10日〜5日前までには提出するようにしましょう。
 なお、各自治体などによっては登山の危険区域や登山の自粛期間を条例で定めているところもあります。登山届けを提出せずに、条例違反となる登山を行なったような場合には罰金刑が科せられることもあるので、くれぐれも注意して下さい。

[ ページトップ ] [アドバイス トップ]


【2】中高年登山者へのアドバイス

 ニュースでもよく報じられるように、高齢者の山での遭難事故が多発しています。
 本稿では、前項との重複を厭わず、中高年登山者が登山を行なうに当たって特に注意すべき事柄を以下でまとめました。
まずは基本的なマナーを知ろう!〜山における最低限のマナー〜

 (1)濡れること(2)風が吹くこと(3)寒いこと。この3つを自然の怖さとして自覚しているかどうかは、時に生死の分かれ目ともなります。

 たとえば絶対温度は標高が100メートル上がると約0.6度下がると言われます。つまり、標高が殆どゼロに近い東京の気温が20度なら、富士山の頂上の気温は0〜2度ということになります。また、体感温度は、風が秒速1メートル吹くと身体の熱が1度奪われます。体温は1度下がると身体が殆ど動かなくなり、2度下がると生命の危険に晒されてしまうそうです。つまり、充分な装備のないまま富士山の頂上にゆき、風に吹かれ続ければ、それだけで生命は維持出来なくなるのです。そんな訳で、自然に伴うリスクはきちんと知っておく必要があるということになります。
 また、登山届けは任意であるとは言え、万が一の時に速やかに捜索が行なえるよう必ず提出しておきたいものです。記入内容は、登山日程とルート、参加者の住所や氏名・年齢・連絡先、そして、持参する装備や食料、通信手段などです。また、保険も同様に任意ですが、人にお金の迷惑をかけないという点からも、万が一に備えて加入しておいた方がよいでしょう。


◆山における最低限のマナー
■1: 山登りも山歩きも、相手は自然。自然の原則、自然の怖さ・危険をよく理解する
■2: 自分の体力や経験、知識を過信しない
■3: 登山の届け出は必ず出す
■4: 保険に入っておく
■5: 文明の利器に甘えない
■6: グループでは弱い人のペースに合わせる

中高年登山者へのアドバイス


無理のない計画を
 若い頃の体力は忘れろとよく言われますが、とにかく年々体力は衰えていることをまずは認識しておきましょう。
単独登山を自粛しましょう
 ちょっとしたアクシデントで連絡が取れず、重大事故になることがあります。
荷物は軽く
 小屋泊まりの山行では、なるべく荷物を軽くして体力に余裕を持つようにしましょう。(※しかし、言うまでもありませんが、雨具や非常食、ヘッドランプなどと言った必要な装備は省略しては何の意味もありません。) 
天気予報に注意
 明らかに悪天候が予想される時は、勇気ある撤退をしましょう。
通信手段を確保
 無線機や携帯電話も有力。(※寒冷期の電池の保温と予備電池の確保を心懸けましょう。)
必ず家族に計画を
 家族や友人・知人に登山計画を知らせておきましょう。出来れば警察等にも登山届けを提出しましょう。
保険の加入を
 万が一の場合には多額の捜索費用がかかります。必ず山岳保険に加入しておきましょう。

中高年登山のための基礎知識
(1) 最も危険な“自称ベテラン”登山者へ〜“返咲型”登山者が最も危険!〜


  1. 継続型〜若い時からずっと登山を続けている
  2. 目覚型〜登山初心者で登山に魅力を感じ始めた
  3. 返咲型〜若い頃に登山経験があり、登山を再開した


 現在の体力に合った山を選び、周囲のアドバイスを聞き、初心に返ることが大切です。

 「昔やれたんだから今だってやれる」と、中断した年月と年齢から来る体力的ギャップに気がつかないで登山している人が多く見られます。しかし高齢者は、当然ながら若い頃に比べて運動神経が鈍り、体力も低下しています。従って、現在の体力を把握して、それで登れる山を選ぶことが必要です。無理をして頂上に登ることだけが登山の目的ではありません。また、山は自然の中にあり、登山道も自然の力で変わる場合があります。従って、昔の記憶だけに頼らず、確認を怠らないことが肝要です。特に返咲型登山者は要注意です。
(2)ツアー登山に参加する初心登山者へ

 疲れていても集団のペースに合わせなければならず、休みたいと思っても休めない、途中で止めたいと思っても止められないのがツアーや集団での登山です。そのため、登る山を事前に調査し、自分の体力で大丈夫か否かを検討して決めることが大切です。とにかく、「連れて行ってもらう」のではなく、「自ら参加する」意識が大切です。
(3)低い山で登山の基礎を学ぶ〜まずは身近な山で登山の基礎を身につけましょう〜


歩き方の基本を学ぶ
 低い山でも樹林帯や沢、ガレ場、岩場、急斜面等の様々な場所を経験することが出来ます。まずは身近な低い山で、歩調や体重のかけ方、靴底の接地角度など、その場の状況に合った歩き方を学びましょう。
規則正しい登攀を
 通常50分歩いて10分休憩がワンピッチです。歩くのが40分でも1時間でもよいですが、とにかく、要は規則正しいピッチを繰り返すことが肝要です。「急斜面だったので20分で休憩」というような不規則さは長時間の登山には向きません。
ガイドブックとの比較研究
 ガイドブックの時間と実際に要した時間を比べてみましょう。そうすることで自分の力が確認出来、登山計画の時間配分が可能となります。
読図を読む
 登山で使用する地図は通常、国土地理院発行の2万5千分の1か5万分の1の地形図ですが、当然ながら2万5千分の1の方が情報量が多い。ガイドブックと併用しコンパスを使って現在地を図上に落とし、目で見える風景を地形図の記載と照らし合わせてみましょう。地図を見て現場の風景をイメージ出来るようになれば読図を覚えたと言えます。


参考:地形図の基本(※2万5千分の1の場合)
  • 図上の1cmは実際には250m
  • 等高線の線と線の標高差は10m、50m毎に太い線(※計曲線)が印刷されている
  • 地形図上の破線は幅が1.5m以下の道路
  • 地形図の北(真北)とコンパスの北(磁北)とは異なり、西に偏っている(※地形図の右側に「磁針方位は西偏約何度何分」と記入されている)

(4)必要な最低装備(※冬山を除く)〜自分の弱点はお金でカバーする〜

 登山での事故を未然に防ぐ有効な手段として、きちんとした装備を整えることも重要です。最低限の装備として、俗に「3種の神器」と言われるものがあります。自分の身を守るためにも、以下の3点は、出来れば専門店で、それなりにお金をかけて、自分に合うよいものを手に入れたいものです。

 とにかく、山へ行く際に大切なのは、多少お金がかかっても、自分の体力に合った楽しみ方をすることです。自然を味わうのに1番よい方法はキャンプですが、道具や食料を運ぶ体力が無いなら山小屋を利用すればよいのです。今はどの山小屋でも、水やジュース、お酒などを売っていますから、自分で運べなければそこで買うことも出来ます。また、ヘッドランプや雨具といった道具も、現在は昔に比べて軽くてよいものがたくさんあるので、自分に合った道具を揃え、荷物を軽量化し、体力の温存に繋げることが肝要です。なお、経験や判断力が無い場合は、よいガイドを雇えばよいのです。要は考え方次第です。


■1: 靴(登山靴)
 これは「足に合った軽くてよい靴」というのが最大条件です。購入の際には、2種類以上のメーカーで上下3サイズ、最低でも6足は履いてみることをオススメします。なお、通常は利き足の方が大きい場合が多いので、大きい方の足に合わせることも大切です。また、使用時は左右で厚さの違う靴下を履くなど細かい調節をするとよいでしょう。また、安全と疲労防止のためにも、底が固く足首まであるブーツ型の登山靴もよいでしょう。
■2: レイン・ギア(雨具)
 一般的には、フードの付いた上着とパンツのセパレートタイプや、通気性のよいゴアテックスがよいでしょう。防水と防風の役目を果たすという点から、こちらも出来るだけ性能のよいものを持ってゆく必要があります。
■3: リュックサック
 縦長で、サイドポケットが大きくない30リットルくらいのものがよいでしょう。ただし、どんなによりザックでも、自分の肩や胴回わりに合わせてきちんとサイズの合ったものを選ばなければ、結果的に腰や肩に負担がかかり、身体に障害を起こすもととなります。ザック選びも慎重にしましょう。
■4: その他必要な装備
  • ズボン:伸縮性のあるものが疲れにくく、行動しやすい
  • ヘッドライト:両手が使えて便利。日没前下山予定でも必携
  • 通信機器:携帯電話やアマチュア無線、予備電池も含む
  • 非常食:非常時に備え、1日分程度。日帰り予定でも必携
  • ステッキ(杖):上りは短く、下りは長く、特に下山時に効果がある
  • 注意:ヘッドライトと雨具は、日帰り登山であっても必ずザックの中に入れておきましょう。

遭難の原因と遭難防止のために
遭難の原因と遭難防止のための措置

 疲労が溜まると注意力が散漫になったり、或はバランスを崩した時に身体を支えられなくなって、滑落や転落、転倒事故を起こしやすいものです。出発前日は充分に睡眠を摂り、早朝に登山を開始して、午前中には山頂に着くようにしましょう。それに、夏期は午後になると霧が発生するため、午前中の方が展望がよいですし、またそれ以外に、雷や雷雨の発生は午後に多いので、雷などが発生する前に下山するよう計画しましょう。万一日没となってしまった場合は、行動を中止し、雨や風を避けられる場所を早めに探して、夜間は行動せずに体力の消耗を防ぐことが肝要です。


滑落・転落〜下山時は靴紐を締め直すと同時に気持ちも締め直す
 登山中の事故で最も多いのが滑落と転落で、下山時に多く発生しています。下山時の方が危険であり、緊張感を持って慎重に行動しなければなりません。

道迷い〜迷ってからでは手遅れ。常に現在地を確認しておくことが大切
 地図にない、最近人の歩いた形跡がない、草木が道の中に生い茂っている、顔や肩に枝が盛んにぶつかるなどと言った道は登山道ではありません。おかしいと思ったら無理をせず、直ぐに道標等の目標のある地点に戻ることが肝要です。とにかく、どの方向に進んだらよいか分からなくなった時は、斜面を登って尾根を目指しましょう。谷に入ってしまうと滑落や転落の危険があり、また、ヘリコプターでの捜索の際にも発見しにくくなるからです。

万一遭難したら・・・


まずは冷静になりましょう
道に迷ったら・・・
  • 出来れば元の場所に引き返しましょう
  • 元の場所が分からない時は、出来るだけ尾根筋などの見通しの効く場所に登りましょう
  • 夜間は絶対に歩き廻わらないで、早めにビバークしましょう
怪我や病気で動けなくなったら・・・
  • 出来るだけ応急措置をし、体力を消耗しないようにして救助を待ちましょう。(※家族等の届出があれば救助隊やヘリコプターが救助に向かいます。) 

参考:ヘリコプターや救助隊から呼びかけがあったら〜遭難した時のヘリコプターへの合図〜


煙を出す
  • ライターやマッチ、コンロ等で煙を出すことを考えよう
  • 自動車用の発煙筒を携行するのもひとつの方法
光を出す
  • 手鏡等で反射光を出すと、ヘリからよく見える
物を振る
  • タオルやバンダナ、シャツ等を振って合図をする
  • 体力があれば、高い木にタオル等を結び、目印にするのもよい
音を出す
  • ホイッスルや警笛を吹く、物を叩く、ラジオの音量を上げる、大声を出すなど、地上の捜索隊からの呼びかけに応じるようにするのも大事

参考:安全なツアー登山のために

 「山に登ってみたい、けれども、仲間がいないし、一人では中々行けない」・・・そんな登山に対する強い思いを叶えられるひとつの手段が「ツアー登山」です。確かにツアー登山には、参加者が計画や渉外などを行なうことないという気安さや、団体行動による安心感があるのも事実です。しかし、自らの知識不足や体力不足に危険性が隠れていることに気づかずにツアー登山に参加して遭難してしまうケースも間々あります。また、ツアー登山を企画する側においても、ガイドや添乗員が不足しているために、アクシデントに対応できないとか、或は無理な行程で、天候が悪いのに登山を強行し遭難してしまうケースもあります。
 そのためツアー登山では、参加者・企画する側共に次の点に留意し、事前の準備を万全にして安全登山に心懸けるようにしましょう。
ツアー登山参加者

 参加者は、登山の知識・技能・装備を備えると共に、登山における危険性を認識しましょう。そして、参加するコースが自分の体力や技能に合ったものかどうかを企画者側に事前に相談するようにしましょう。


 具体的には、ツアー登山の内容について、
  • 添乗員、ガイドの人数、経験
  • 危険箇所や注意事項、携行する装備等の具体的な説明
  • 万が一の場合の救助体制
 などについて確認しましょう。

 とにかく、遭難は標高の低い山や日帰りハイキングでも発生しています。「連れて行ってくれるから自分は何もやらなくても大丈夫」という甘い考えは捨てて、登山に対するしっかりとした自覚を持って登山に参加するようにしましょう。
ツアー登山企画側

 企画する側(添乗員、ガイドを含む)には企画段階からツアー参加者に対する契約上の安全配意義務があることを念頭に、安全に充分配意した企画・実施を心懸けましょう。

 なお、平成16年に旅行業ツアー登山協議会によりツアー登山運行ガイドラインが策定されています。

社団法人日本旅行業協会
http://www.jata-net.or.jp/osusume/climb/index.htm


■企画段階
現地実地調査や直前調査、情報収集
参加者が余裕をもって登山出来る日程の企画
急な日程変更やアクシデント発生時の行動など具体的な計画の作成
添乗員及びガイドの明示
■募集段階
登山コースの難易度を正確かつ具体的に明示する
参加者の登山歴や健康状態を把握し、参加が適当かを判断する
必要により事前の説明会や講習会等の開催
適切な保険加入
■実行段階
添乗員及びガイドの適正配置
 日帰りや標高の低い山のハイキングでも遭難は発生しています。添乗員やガイドが遭難の対応と同時に残りの参加者の安全確保が出来るかどうか充分に検討し配置しましょう。
◇参考:《一般登山道の一例は、引率者2〜3名に対して参加者は15〜25人を目安として、複数の引率者が望ましいが、参加者、目的の山岳の状況に応じて決定すべきである。》(「ツアー登山運行ガイドライン」より)
登山知識と技能、そして装備を有している添乗員及びガイドが引率
参加者の行動や健康状態を常にきめ細かくチェック
天候や参加者の健康状態を見ながら、無理な行動は絶対に避ける
遭難やアクシデントが発生した場合、安全を優先した冷静かつ適切な行動を取る

中高年登山者のための参考図書1


◆参考図書1:中高年登山者のためのガイドブック
小野寺斉+西内博『中高年の安全登山入門』岩波アクティブ新書
小野寺 斉(日本山岳協会常務理事指導委員長)、西内 博(日本山岳協会常務理事&遭難対策委員会委員長)・著
『中高年の安全登山入門』
岩波アクティブ新書、岩波書店・04年5月刊、¥777
楽しく続けるためにこそ知っておきたいこと――。計画の立て方、軽くて快適な装備、疲れにくい歩き方、水の摂り方,山小屋でのマナー、それでも遭難してしまった場合の対処、そして、四季毎の山の特徴などを網羅した初心者向け登山書の決定版。
大森薫雄『中高年のための登山医学――山のドクターがアドヴァイス』
大森 薫雄・著
『中高年のための登山医学――山のドクターがアドヴァイス』
東京書籍・98年11月刊、¥1,575
安全で楽しい山登りをするために、これだけは知っておきたい知識と守るべきこと――。生涯スポーツとして山登りを楽しむ中高年が増える一方で、登山中の事故も多発している。山に行く前にどんなことを知っておけばよいのか、山で起こるトラブルへの対処法など、楽しく登るための基礎知識が満載。


[ ページトップ ] [アドバイス トップ]


【3】中高年登山の問題点〜中高年登山者が招く事故やトラブルとは?〜

 高齢者の山での遭難事故が多発していると言われますが、北海道・大雪山系のトムラウシ山と美瑛岳で相次いだ遭難事故は私たちの記憶にまだ新しく、特筆すべき悲惨な事故でした。
 本稿では、最近の登山ブームの背景にも簡単に触れながら、中高年登山の持つ問題点を以下で詳しく取り上げ解説しました。
ツアー登山の悲劇!?
〜北海道・大雪山系のトムラウシ山と美瑛岳で相次いだ中高年登山者の山岳遭難事故〜

 北海道・大雪山系のトムラウシ山(標高2,141)と美瑛岳(2,052)で相次いだ遭難事故は、今もまだ私たちの記憶に新しい大規模な山岳遭難事故でしょう。これは、天候悪化を突いての山行で、引き返すか否かの決断が生死を分けた事故と言ってよいでしょう。パーティーは50代〜60代の男女で、中高年による北国の「ツアー登山」の是非が問われる事故でもありました。


 北海道の2,000メートル級の山々は本州の3,000メートル級に匹敵すると言われます。当日のトムラウシ山頂付近は風速20〜25メートルでしたが、専門家は遭難現場の体感温度は氷点下まで下がっていると言います。トムラウシ山でパーティー山行のうち8人が死亡した他、単独行の1人も亡くなった大事故になりました。また、美瑛岳でもツアー登山の1人が死亡しています。なお、トムラウシ山のツアーを企画した旅行社は、体力・技術の難易度を分け、今回は70歳以下の参加資格を設けて「やや健脚」と設定していたそうです。プロのガイド付きで中高年が気軽に参加できる利点はありますが、ツアーにありがちな「計画を変更しにくい」側面も否定出来ないでしょう。
 2泊3日の最後の行程で体力が落ちている上に、遭難者は天候悪化で体温が急激に下がる低体温症になっていました。当然ながらガイドは各人の体力に目配りが必要ですが、しかし、1パーティーに19人は多すぎると言わざるを得ないでしょう。それに、ガイドの年齢が60歳代というのも問題視せざるを得ません。低体温症になると、歩行が困難になるばかりか、意識が朦朧として適切な判断が出来なくなります。体力は技術でカバー仕切れない場合があるのです。

 とにかく、生存者が「真冬の吹雪のようだった」と語っていることから、前日に泊まった避難小屋に引き返す勇気が必要だったかも知れません。ツアー登山は、航空機予約が事前に決められていることから、山行計画が変更しにくいと言われます。先にも述べたように、これがツアー登山の最大の弱点でもあるのです。何れにせよ、体力に自信のある人々の楽しみとして近年の中高年登山を否定はしませんが、北国の夏山は今回のように天候急変で冬山のような過酷な素顔を見せることがあります。登山者は日頃のトレーニングを欠かさず、ツアー立案の旅行社には、充分な経験と技術、体力を持つガイドの養成を求めたいものです。


■トムラウシ山と美瑛岳
トムラウシ山
美瑛岳

中高年登山者が増えたキッカケ

 山岳遭難者の約80%が40歳以上(※警察庁によれば40歳以上が中高年と定義されるそうです)のいわゆる中高年だそうです。しかも、これが死者・不明者に関して言うと、中高年齢者が全体の90%を占めていると言われます。
 また、中高年の山岳事故と言えば、最近ニュースを賑わした北海道・大雪山系のトムラウシ山(標高2141メートル)と美瑛岳(2052メートル)で相次いだ遭難事故が記憶に新しいですが、この手の事故は以前からたくさん起こっており、その都度ニュースになっています。たとえば千葉県清澄山へハイキングに出かけた男女30人が行方不明になった03年11月の事故や、また、秋田・岩手県境にある乳頭山への日帰り登山で、吹雪により43人が遭難した05年3月の事故などは、全て中高年のグループによるものです。そしてこれらの遭難事故は、その何れも安易な計画や経験不足による判断力の欠如などが原因だと言われています。

 さて、昨今のような中高年齢者による登山ブームは何がキッカケで起こったのでしょうか? 


 作家の深田久弥が書いた『日本百名山』(新潮文庫)という本がキッカケとなって、中高年の間ではここ20年以上に渡って登山ブームが続いています。当初は登山愛好家の間でのささやかなブームに過ぎなかった「百名山登山」ですが、登山経験のない中高年の間にも徐々に浸透してゆきます。そして、97年にNHKで放送された百名山に関するテレビ番組によって中高年の登山者は一気に増加していったのです。
 それに加えて、このブームにさらに追い打ちをかけたのが旅行業者による百名山登山のツアー・パッケージ化でした。これによって、今まで登山や山歩きに興味がなった人たちも登山を旅の一環として捉え、登山ツアーに参加するようになったのです。登山愛好家と言われる人たちは日本には約20万人いるとされていますが、趣味として登山を始めた人たちは現在数1百万人に上るとされています。

 登山をすれば、確かに自然を満喫することが出来、森林浴効果で心身共にリフレッシュされるのは事実です。また、登った山で写真を撮れば、それを人に見せるという楽しみもあるでしょう。さらに「百名山踏破」といった目標を掲げれば、それを達成してゆく喜びを味わえるというものです。そのような点から、登山は手頃な趣味・スポーツとして中高年の間で受け入れやすかったと言ってよいでしょう。
中高年登山者に多発する事故とその原因

 こういった登山ブームに伴って急増したのが中高年による登山での事故です。
 危険なところへ行って雪崩や落石に遭うとか、岩登りの途中で墜落するといった具合に、昔の山岳遭難事故は、冒険的なことをしたがる若者が起こすものが大半でした。ところが、現在頻繁に起きている中高年による山岳事故の多くは、その肉体的な条件と共に、山に対する考えの甘さから来ているものが大半だと言ってよいようです。

 登山前や登山中に体調が悪くなった時には無理をしないというのは絶対に守らなければならない基本ですが、それにも拘らず、前日殆ど寝ていない状態で現地に到着、体調がよくないことを自覚しつつも、「折角来たんだから…」と山に登ってしまうケースが後を絶たないそうです。それに加えて中高年の場合は、登山で体力を消耗することにより、内在している疾患が現われたり致命的な合併症を起こす危険があります。事実、通常の山歩き程度でも、心筋梗塞や脳出血、急性心不全などを起こして突然死しているケースは少なくないのです。これらを防ぐためにも、登山前には心電図検査などを含むメディカルチェックを一度受けておく必要があると言えるでしょう。
 また、事故に遭った当事者は「自分たちには経験がある」と言っていた人も多いようですが、専門家から見ると素人の域を出ていない人が大半だそうです。それと、趣味で最近登山を始めた人と登山の経験を永年積んできた人との決定的な違いは、自然の怖さを知っているかどうかにあります。たとえば知らない場所でも地図が読めるかどうか。暗くなったり寒くなったらどうするのか。天気は読めるか……。経験があれば、事前の用意も含め適切に対処してゆくことが出来ます。しかし、登山ツアーに何度か参加したぐらいでは、判断力を養うという意味での経験を積んだとは到底言えないのです。
中高年に特有のトラブル〜甘えとプライドが事故のもと〜

 中高年の登山者には一種の甘えがあるのも特徴的だと言われます。

 たとえば警察や消防のレスキュー隊は、携帯電話で救助を頼めば、天候が許す限りヘリコプターで来てくれます。ところが、現場に到着してみると、「疲れて歩けない」「寒かった」といった安直な理由でレスキュー隊が呼ばれるといったケースが後を絶たないのだそうです。
 最近何でもないことで救急車を呼ぶ人が増えているとニュース等で報じられていますが、それと同じだと言ってよいでしょう。これも甘えの一種です。大体、国や県のヘリコプターは救急車と同じで利用者は無料ですが、実際には1回の救助につき何千万円という税金が費やされているのです。無理をしないことは大切ですが、そういう点に関して余りに無知であるとか無神経な人が幾ら何でも多すぎる言ってよいでしょう。それに、海難事故による救助活動は一般に無料で行なわれることも多いそうですが、山岳事故の場合は大概は関係者の自己負担になります。それを知らず、救助を要請する電話をかけてきて、1時間60万円かかる民間のヘリコプターしか飛ばないと分かった途端に自力で下山した人がいるという話しすらあるそうで、甘えの凄さに呆れるばかりです。


 また、中高年齢者の持つプライドが判断力を誤らせるケースもあると言います。特に男性に多い「人の言うことを聞けない」とか「見栄を張る」といった傾向は、山においてはしばしば危険に直結する問題となります。経験が浅いにも拘らずリーダーシップを取っても、いざという時にグループを守ることは出来ません。さらに、そのような状況下で「大丈夫」などと虚勢を張れば、取り返しがつかない事態に陥る可能性もあるのです。
 また、年齢の高い人だけで登山のグループを構成した場合、体調が悪くても「人に迷惑をかけてはいけない」とか、「もしも自分がここで脱落したら、みんなが登山を断念することになってしまう」といった考えが優先し、黙ったままでいる人もいるそうですが、しかし、これは絶対にしてはいけないことです。調子が悪いことを黙っていれば、最終的にはさらに大きな迷惑を周囲にかけることになるかも知れないからです。本来はリーダーとなる人がそういった本音を引き出す役割をしなければならないのですが、しかし、それとは全く反対に、弱者に対して知らないうちにプレッシャーを与えている場合も多いようです。脱落した人に対して「○○さんのせいで頂上まで行けなかった」など』と考えるのも大きなマナー違反であると認識しなければなりません。
中高年登山のための参考図書2:あなたは登山不適格者!?


◆参考図書2:よりよい登山者になるために
岩崎元郎『登山不適格者』生活人新書、日本放送出版協会
岩崎 元郎・著
(1981年ネパールヒマラヤ・ニルギリ南峰登山隊隊長、無名山塾・遠足倶楽部代表)
『登山不適格者』
生活人新書、日本放送出版協会・03年6月刊、¥714
中高年登山ブームで山はかつてない賑わいを見せているが、その陰で無知や無鉄砲、甘え、過信による山の事故も増えている。ジーンズに運動靴スタイルの人とか、雨具やヘッドランプを持たない人……今まで何も無かったのは単に「運がよかった」だけ!。山の専門家が、本書を読んで山を“安全に”楽しんでもらいたいとの已むに已まれぬ思いで書いた本。

インタビュー記事:
『THE FLINTSTONE:岩崎元郎さんの“登山不適格者”』
http://www.flintstone.co.jp/20030810.html
深田久弥『日本百名山』新潮文庫
深田 久弥・著
『日本百名山・改版版』
新潮文庫・00年刊、¥740
日本人の生活と精神的風土に深く結ばれてきた名峰百座の個性を簡潔な文章に凝縮させた山岳随想の古典。記紀にその名が録され、万葉人が畏れを抱き、平安歌人によって歌われ、俳人・芭蕉はその雄峰を讃じ、北斎や大雅を魅了し続け、宮沢賢治が四行詩に歌った日本人の生活と精神的風土に深く結ばれてきた名峰百座。その全ての山頂を窮めた著者が、それらの山々の個性と特徴、そして、その美しさを語る。現在の山岳ブームの礎をつくった問題の書でもある。


[ ページトップ ] [アドバイス トップ]


【4】参考:中高年のためのハイキングのススメ

 最近は登山ブームに劣らず中高年者によるハイキングもブームになっていると言われます。
 本稿では、ハイキングのススメを兼ねて、簡単ながら中高年者のための安全なハイキングについてのアドバイスを参考までにまとめました。
ハイキングのススメ
ハイキングとは? 

 ハイキングとは一体何でしょうか? ハイキングは、元々は田舎や郊外を歩き回わることで、その語源は英語で「てくてく歩く」或は「仲良く歩く」という意味を持っていました。要するにハイキングとは、「仲間や家族で行う楽しさを伴う徒歩での旅」ということになります。
ハイキングの効用

 歩くことは健康によいとされています。いわゆるウォーキングには様々な効用がありますが、特に次のような利点が挙げられています。

  1. 全身の筋肉の7〜80%を使う全身運動になる
  2. 血行がよくなり、代謝が促進される
  3. 血糖値が下がり、血中脂肪やコレステロールも減少する
  4. 血圧も高くなりにくい
  5. 骨の老化を防ぐ
  6. 姿勢がよくなり、腰痛の予防ともなる
  7. 膝の周囲の筋肉をつくり、ひざの痛みの予防となる

ハイキングによる有酸素運動

 運動をすると脂肪も燃料として燃やされるので、いわゆる生活習慣病の原因となる過剰な脂肪の蓄積を防ぐことが可能となります。食物を酸素で燃やしてエネルギーを生み出す運動を一般に「有酸素運動」と言います。一般的によく言われるように、ジョッキングなど低強度で長時間続けられる運動が有酸素運動で、たとえばハイキングやトレッキング、そして登山も典型的な有酸素運動になります。
 ちなみに、ハイキングと同様の言葉にウォーキングとい言葉もよく聞かれますが、ウォーキングは身体への負担が小さく、安全に出来るという点が優れています。しかし、ウォーキングは、どちらかというと自宅等の近所を回わるようなものであるため、単調で飽きやすいという欠点があります。また、ウォーキングをする場合、1日に1〜2時間が限度だと思われます。それに対してハイキングや登山の場合は最低でも2〜3時間は歩くことになります。

 なお、通常の運動によっては1日に200から300キロカロリー程度のエネルギーを消費すると言われていますが、これがたとえばマラソンで使うエネルギーになると、およそ2000〜2500キロカロリーとなります。また、4〜5時間位のハイキングでも1500キロカロリー程度のエネルギーを消費していると言われています。確かに1時間当たりで使うエネルギーは少ないのですが、運動時間が長いため、ハイキングでもこれほどのエネルギーを消費してしまうのです。
ハイキング・ブームの危険性

 現在、空前のハイキングブームが到来していると言われます。
 しかし、このブームにも危険性があるのも事実です。上でもすでに述べたことですが、長年にわたって本格的な登山の経験がある人ならまだしも、基本を全く知らない人が、ただやみくもに「山に登りたい」との気持ちから、特に最近の「百名山ブーム」にも乗っかって、登山を目指す中高年登山者が増えて来ているのです。しかも、「あなたが登るから私も…」などといった安易な気持ちで登山を始める人が実に多いのです。そして、当然ながら本人の登山知識不足から各種のトラブルを引き起こしているわけです。その上もっと怖いのは、ハイキングなのか、山歩きなのか、はたまた登山なのか、この区別が現在非常に曖昧になっていることです。小さなザックにお弁当に水筒とお菓子を持って果敢に高い山に挑戦する人が実に多いのです。
中高年ハイキングに際しての注意

 最近では、単なるウォーキングやハイキングでは物足りず、果敢に登山に挑戦する中高年の方が多く見られるようになりました。しかし、上で何度も書いているように、たとえそれがどんな低い山であっても、山は必ずしも安全ではないことを肝に銘じなければなりません。道に迷ったりとか、転倒や滑落などによる山の事故は、ベテランの人でさえ完全には防ぎ切ることは出来ないものなのです。また、普段の都会生活では余り使わないため、急激な運動で膝や足首を痛める事故も少なくありません。また、暖かくなるとマムシのような毒蛇や、場所によっては熊や猪、猿といった危険な野生動物にバッタリ遭遇することだってあるのです。さらに、山の気候にも充分注意が必要です。夏には落雷、また大量の発汗による脱水症、秋や冬には霙や吹雪によって体温が低下し、疲労のため動けなくなる低体温症に陥って凍死するケースだってあるのです。また、安易に出かけた2000メートル以上の山で高山病から肺水腫を起こしたり、悪くすると死亡することもすらあります。

 若い年代での登山事故の原因には滑落・転落があり、その背景に睡眠不足と強行軍が多いと言われています。若さゆえついというものも原因のひとつと言ってよいでしょうか。一方で中高年の場合は、最大の問題は何と言ってもトレーニング不足による体力不足です。専門家は、ハイキングならまだしも、中高年齢者が山に登るならば、まずメディカルチェックで心肺機能に異常のないことを確認し、最低でも週2〜3回は1時間程度の速足歩きをしてほしいと言っています。それも脈拍100〜140/分を維持すると言うのですから、かなりハードなものです。登山を始めようとしている人はこのことを是非念頭に入れておいてほしいものです。そして、さらによいのは、負荷調節付ステップマシン(1万円程度)を毎日20分ほど踏むこと。山の登りでは平坦な道の何倍も体力を消耗します。普段階段も昇らない生活をしていると、足が上がらず、直ぐに足がガクガクになって歩けなくなるし、膝を痛めやすく、下りで歩行不能となる中高年も多いからです。

[ ページトップ ] [アドバイス トップ]


YAMATO GROUP
112-6 Kashiwa-cho Asahi-ku Yokohama-city
1STサービスヤマト管理(有)・(有)ヤマト興業
(有)アメニティー・ワイ・(株)ヤマトプランニング


Copyright (C) 2000 02 01.Yamato Gr.
Dezin By JCM inc.,

お気付きの点、ご意見等がございましたら下記までお寄せください。

info@yamato-gr.co.jp