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 社会保険庁の相次ぐ不祥事と杜撰なお役所仕事に国民の怒り募るばかり。公的年金への国民の不信感も過去最高を記録しています。特に「年金記録漏れ問題」は国民を不安に陥れました。
 そこで今月は、年金記録を自分で調べる方法や受け取れる年金額、公的年金のメリットと意義など、批判喧しい公的年金問題について特集しました。老後の生活設計を考える上にも、ここで年金について一度しっかりと考えておきましょう。
年金手帳(新旧)


どうする?!年金問題
超高齢化社会の到来と我が国の公的年金制度
あなたの年金は大丈夫?〜まずは自分の年金記録を確認しよう!〜
年金は一体いくらもらえるの?〜生活設計と公的年金制度〜
年金加入は国民の義務〜忘れてはならない公的年金のメリット〜


超高齢化社会の到来と我が国の公的年金制度

 最近、社会保険庁の度重なる不祥事から、公的年金制度に対して国民から厳しい目が注がれています。こんな状況の中で、今後訪れるであろう高度高齢化社会において、公的年金制度は果たして今までのように機能してゆくのでしょうか? 老後の生活を考えるに当たっても、私たちは今後どうしたらよいのでしょうか? 
 このように不安は不安を生みますが、この問題を論じる前に、本項では、先ず社会保障と年金制度の概要について概説しておくことにします。
高齢化社会と社会保障

 日本は現在、世界でもトップクラスの高齢化社会に突入したと言われています。少子高齢化は今後もますます続くと考えられていますが、そのような社会では、社会保障の維持や充実は今後の日本にとっても緊急の問題だと言ってよいでしょう。
 本節では、高齢化社会と社会保障制度の概要につき以下で簡単に説明します。
超高齢化社会と社会保険庁

 我が国は他の国には例を見ない早さで高齢化が進んでおり、21世紀の半ばまでには国民の3人に1人が65歳以上という超高齢社会の到来が予測されています。その一方で結婚や出産年齢が年々高まり、生まれてくる子どもの数も滅少しています。このような社会においても、誰もが安心して豊かに暮らせる社会を実現するために、今後とも社会保険の事業を安定的に運営・発展させてゆくことが国民から社会保険庁に託された大きな使命であると言えます。

 医療保険と年金保険は、今や私たちの生活には欠かすことのできない大切な制度です。社会保険庁は、これら医療や年金の給付事業と共 に、健康づくり事業や保養施設の運営など幅広く様々な「保健・福祉施設事業」を展開して国民の健康な暮らしと豊かな老後をサポートしてゆかなければなりません。社会保険庁の担うこれらの事業は厚生行政の中でも特に大きなウェイトを占め、21世紀の福祉社会の実現に向けて大きく飛躍するものでもあります。
社会保険庁と医療保険

 社会保険庁が運営している医療保険は、企業などで働く人々を対象とする「政府管掌健康保険」(被保険者数1,968万人、被扶養者数1,789万人)と船員の人々を対象とする「船員保険(疾病部門)」(被保険者数9万人、被扶養者数16万人)です。
 医療保険は、本人や家族が病気やケガ、出産、死亡などといったイザという時のために、加入者の全員が保険料を負担し助け合う制度です。少しの負担で必要な医療を受けることができ、さらに、病気などで会社を休み給料が受けられない時などには生活保障も受けることができます。

 社会保険庁では、いつでも安心して医療が受けられる仕組みを支えると共に、様々な健康づくり事業にも積極的に取り組んでいます。国民の一人ひとりが健康で生き生きと暮らしていけるようサポートしてゆくことが社会保険庁の重要な仕事です。
社会保険庁と年金保険

 長い老後生活の所得保障として年金保険はますます重要な役割を担っており、国民の安定した暮らしになくてはならない存在になっています。
 今日、公的年金の加入者は7,050万人、受給者は延べ3740万人にも達しており、高齢者世帯の収入のうち、平均で79%(自営業世帯や稼得収入のある世帯を除く)が公的年金で占められ、公的年金だけという世帯も高齢者世帯の半数にのぼっています。社会保険庁は、年金保険のうち、職業に関わらず20歳以上の全ての人が加入する「国民年金」、民間会社で働く人等が加入する「厚生年金保険」、船員が加入する「船員保険」(職務上年金部門)を事業運営しています。
我が国の年金保険制度

 超高齢化社会において老後の生活を考える上にも、年金保険制度は極めて重要な制度です。本節では、社会保障のうち年金保険制度の概要について以下で簡単に説明しておきます。
公的年金制度の役割

 公的年金は、老後の所得保障の主柱として高齢者の老後生活を実質的に支えてゆいくことをその役割としています。このため、賃金や物価の変動に合わせて年金を支える力と給付のバランスをとる仕組みにより年金額が改定されるため、年金に加入してから年金を受給するまでの間、経済社会が大きく変動したとしても年金の価値が保障されます。このようなことが可能となるのは、公的年金に現役世代が必ず制度に加入することによって安定的な保険集団を構成し、受給者にとって個人の責任で対応できない物価の上昇や国民の生活水準の向上に対応した給付の改善などに必要な財源を後代の世代に求めるという仕組み、いわゆる世代間扶養の仕組みによっているためです。


※私的年金(いわゆる個人年金)は貯蓄的性格を有し、基本的に金利機能に依存しているため、予期せぬ物価上昇や生活水準の上昇といった不確実な要素に対応することは困難です。公的年金が長期にわたる老後生活の主柱となるに足る保障を行なうのに対し、私的年金は、公的年金を基盤とした上で、より豊かな老後生活を確保するという補完的な役割を担っていると言えましょう。
公的年金制度の体系

公的年金の体系


 我が国の年金制度は、従来、(1)民間サラリーマンを対象とする「厚生年金保険」と、(2)公務員などを対象とする数種の「共済年金」、(3)自営業者などを対象とする「国民年金」というように分かれていました。しかし、こうした分立した制度体系を取っていると、就業構造や産業構造の変化によって財政基盤が不安定になり、長期的安定が図れない上に、加入者が入っている制度により給付や負担に不公平が生じるという問題が発生します。そこで、昭和60年の改正により全国民共通の基礎年金が導入され、その基礎年金部分を国民年金が担うことし、厚生年金や共済組合はその上乗せとして報酬比例の年金を支給する制度に再編成されました。また、その他にサラリーマンのより豊かな老後を保障するものとして「厚生年金基金」があり、また、自営業者等に対しては基礎年金の上乗せ年金を支給するものとして「国民年金基金」があります。
現行の年金制度の仕組み〜年金の3つの機能

 年金保障の3本柱は「老齢」「障害」「死亡」です。
 以下のような年金が「もしも」や「安心」のために機能します。


■年金の3つの機能
老齢年金: 仕事を辞めた時
障害年金: 病気やケガのために身体に障害が残った時
遺族年金: 死んだ後に家族が残された時


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あなたの年金は大丈夫?〜まずは自分の年金記録を確認しよう!〜

 ここ数年来のグリーンピア事件など社会保険庁の相次ぐ不祥事に加えて、きちんと支払ったはずの年金が何と少なくとも5,000万件も記録漏れになっていたという「年金記録漏れ問題」は、国民の社会保険庁に対する信頼を一気に失わせてしまったと言ってもよいでしょう。実際、新聞記事によると、公的年金制度を余り信頼していない人の割合は8割近くにのぼっていると言います。今、杜撰な「お役所仕事」に対する国民の不信感は頂点へ達しています。
 本項では、先ず初めに社会保険庁の杜撰な実態を取り沙汰するだけでなく、自分たちで年金記録を確認する方法を紹介しました。
相次ぐ不祥事〜余りにも杜撰な社会保険庁の実態〜

 2004年3月、国民年金保険料未納情報に関する個人情報の漏洩が疑われる事例が報道されたのをキッカケに、社会保険庁の杜撰な業務運営が次々と発覚しました。同年7月、約300名の職員が未納情報等の業務目的外閲覧を行なっていたことが判明し、行為者及び管理監督者の合計513名の職員が処分されました。また、同年9月には、社会保険庁の幹部職員が収賄罪で逮捕され、国民の信頼を著しく損ねる結果となったのは記憶に新しいところでしょう。

 通常国会における年金改正法案の審議やマスコミの報道等において、「利用者の立場や目線に立っていない」「個人情報保護の重要性について充分に認識していない」「国民が支払った保険料や税金を保険給付以外に安易に使っている」などが指摘され、職員の倫理意識や組織体質が問われた次第です。
 本節では、先ずは問題になった不祥事のいくつかを取り上げて、以下で簡単に解説しておきました。
年金未納問題

 年金未納問題とは、日本の年金制度が“国民皆年金”であるにも拘わらず、国民年金保険料の未納率が高い(納付率が低い)ことです。その上、2004年に政治家による年金保険料の未納が発覚して問題となった「政治家の年金未納問題事件」はまだ記憶に新しいでしょう。何れにせよ、国民年金保険料を納付しやすいサービスや徴収の徹底が現在社会保険庁に求められています。
公的年金流用事件

 公的年金流用問題とは、公的年金制度によって集められた年金保険料が年金給付以外の用途に安易に使われていたことです。事務費の無駄遣いや杜撰なグリーンピア事業の実態が明らかになるにつれて、2004年(平成16年)の年金制度改正時に、一層厳しくなる年金財政の状況を踏まえた改革が進められてゆく中で、年金保険料を投入して諸事業を進めてきた国や関連団体に対して国民の厳しい批判の目が注がれることになりました。また、年金給付以外に保険料を安易に使っているのは無駄遣いだとして国民に厳しく批判されたのも記憶に新しいでしょう。
国民年金不正免除事件

 国民年金不正免除問題とは、2006年5月に全国各地の社会保険事務所において、本人からの申請がないにも拘わらず、国民年金保険料の免除承認等に関する手続きを行なっていたのが発覚したことでことを言います。
「不祥事」の後始末に血税90億!年金記録漏れ事件
 〜「宙に浮いた年金記録」と「消えた年金記録」〜

 2007年5月、社会保険庁のオンライン化した時のコンピュータ入力にミスや不備が多いことや基礎年金番号へ未統合のままの年金番号が多いことが明らかなりました。国会やマスコミにおいては、年金記録の杜撰な管理が批判され、また、オンライン化計画に対して労働組合が反対していたことや、実施に伴い労働強化を生じさせないとの覚書を取り交わしていたことも問題視されました。

※覚書において、45分作業したら10分休むなどコンピューター作業量を無意味に抑制したとする批判に対して自治労は、「社会保険業務を全国でオンライン化するにあたって交わされたものですが、当時はキーボードを扱うオンラインシステムなどがまだ一般社会に普及しておらず、頸肩腕障害の社会問題化などのコンピュータによる健康面への影響が懸念された時代であった」などと反論しています。


 基礎年金番号は1997年1月に導入されましたが、その時に基礎年金番号通知書とセットで現在加入している制度以外に公的年金に加入したことがあるかどうか(複数の年金番号を持っているかどうか)を回答するハガキが送られました。社会保険庁は、加入したことがあると申し出た人及び氏名・性別・生年月日の3項目による名寄せを行ない、合計約1,818万件を対象に、1998年度から2006年度にかけて順次照会を行ない、年金手帳の基礎年金番号への統合を進めてきました。
 そして、2007年2月に社会保険庁は2007年度の事業計画案を公表し、「基礎年金番号と被保険者記録の適正な管理」という課題の中で、年金個人情報提供の充実を図り、本人が事前に記録を確認する機会を拡大することや、本人からの申し出や問い合わせに応じて調査する年金記録相談の特別強化体制を取ることにより、被保険者記録の整理に努めるとしました。ところが、まだ統合・整理されていない過去記録(年金番号)が約5000万件(厚生年金番号4000万件、国民年金番号1000万件)あることが判明し、適切な管理がなされていないことが指摘されたのです。これが、いわゆる「宙に浮いた年金記録」です。

 社会保険庁は当初、約5000万件の統合されていない過去記録(年金番号)はまだ年金を受給していない人の年金番号であり、年金を受給する段階では基礎年金番号に統合されること、また、死亡したり、受給資格を満たさなかったり、年数が足りなかったなどで受給要件に達しなかった人の年金番号も残っているとし、問題はないとする見解を示しました。しかし、約5000万件の過去記録の中には年金を現在受給中の人の基礎年金番号に統合されていない記録(年金番号)が含まれており、本来受け取れる年金額より少ない金額が支給されている(年金支給漏れ)のではないかという疑惑が持たれました。
 また、納めたはずと主張する国民年金保険料の納付記録が社会保険庁のデータ(年金記録)や自治体の台帳になく、保険料の領収書を当人が残していなかったことで納付証明が出来ず、納付と認められないケースや、給料から天引きされていたはずの厚生年金保険料の納付記録(被保険者記録)が社会保険庁のデータにないことなどが判明し、給与明細を残していなかったことで厚生年金記録の証明ができないケースも出て来た始末です。これが、いわゆる「消えた年金記録」です。


 これに対して、2007年6月に政府は、社会保険庁や市町村に年金記録がなく、本人にも領収書等の証拠がない場合には、全都道府県にある総務省の行政相談窓口に設置する「年金記録確認第三者委員会」(弁護士や社会保険労務士等で構成)が年金を支給するかどうかの総合的な判断を示すとしました。また、総務省に「年金記録問題検証委員会」を設置、外部有識者が今回問題化した年金記録の管理・事務処理について、経緯・原因・責任等の検証等を行なうとしています。

 こうした前代未聞の“不祥事”に対して国は上記のように様々な対策を講じていますが、何とこれらの対策に注ぎ込まれる私たちの血税は少なくとも90億円にのぼると言われています。参議院選挙を控えて国民の批判に恐れをなす政界では、歴代社会保険庁長官や厚生労働大臣などに退職金や給与返還を求める声が上がっていますが、そんな対症療法で済む問題ではないことは衆知の事実です。何れにせよ、責任の所在が曖昧にされがちな役所の「無責任体制」に徹底的にメスを入れることこそ政治に求められる役割ではないのでしょうか。
自分の年金記録を確認しよう!

 自分の掛けてきた年金は果たしてきちんと記帳されているのだろうか? きちんともらえるのだろうか? と不安に思っている方も多いことでしょう。


 6月1日にいわゆる年金特例法案が国会を通過し、年金問題が俄に騒がしくなってきました。安倍総理の号令の下で、社会保険庁は24時間体制で電話相談を受け付け、年金記録漏れの調査に全力を挙げています。そこで本節では、不安を解消するためにも、まずは自分が今までかけてきた過去の年金記録を確認する方法をいくつか紹介します。

過去の年金記録を確認することには、2つの意味があります。ひとつは、自分で過去の年金の支払状況が全く分からない場合にその年金記録を確認するため、もうひとつは、自分で過去の年金の支払状況が分かっている場合にそれが公的記録と一致するかどうかを確認するためです。
1)電話での問い合せ

 年金記録をチェックする方法のひとつは、電話による取り寄せです。電話で申し込むと、年金の種類や加入期間、納付月数などが記載された回答票が郵送されますが、現在は1ヶ月ほどかかる模様です。社会保険庁では現在、以下の番号で電話相談を受け付け中です。


ねんきんあんしんダイヤル:0120−657830
 記録照会専用のフリーダイヤルで、休日を含め24時間受付。携帯電話・PHSの利用も可。
ねんきんダイヤルA:0570−05−1165
 年金請求などの相談向け有料ダイヤル(※固定電話の場合は市内通話料金)で、平日の午前8時30分〜午後5時15分のみ受付。
ねんきんダイヤルB:0570−07−1165
 既に年金を受けている人の相談向け有料ダイヤル(※固定電話の場合は市内通話料金)で、平日の午前8時30分〜午後5時15分のみ受付。
※注意:  現在、上記ダイヤルに電話が殺到しており、特に「ねんきんあんしんダイヤル」は深夜でもつながりにくいそうです。社会保険庁は現在180人の相談人員を6月25日までには1,200人体制にまで拡大すると発表していますが、それで電話の繋がりにくさがどの程度緩和されるかは未知数です。そんな訳で、電話照会は暫く様子を見た方が或は賢明か知れません。

2)社会保険事務所へ出向いて確認する方法

 年金記録は最寄りの社会保険事務所へ直接出向いて入手することもできます。開庁時間は平日の午前8時30分〜午後7時(6〜7月)です。ただ、上記で見たように電話が混み合っているため社会保険事務所に直接出向く人も増え、全国各地の事務所の多くは1〜2時間待ちの状況で、中には諦めて途中で帰る人もいるそうです。

 混雑状況も含め、全国の社会保険事務所の連絡先は下記のHPを参考にして下さい。また、一部の土曜・日曜は開庁する場合もあるので、事前確認をオススメめします。


社会保険庁:相談窓口一覧
http://www.sia.go.jp/sodan/madoguchi/shaho/
※リアルタイムではありませんが、こちらで各社会保険事務所の混雑状況も確認することができます。

3)一番手軽! ネット上で記録をチェックする方法

 社会保険庁に出向くとやたらに待たされると言うし、電話は混み合っていると言うし、大変だなと思う人が大変でしょう。電話は繋がらないし、社会保険事務所へ出向く時間もないという人にオススメなのが、インターネットで社会保険庁のホームページにアクセスして、そこから年金記録を請求する方法です。これなら24時間・365日いつでも好きな時に記録照会をすることができます(※定期メンテナンスの日を除く)。記録は1ヶ月に1度更新されるので、常に新しい状況を確認することができます。

 ちなみに、ユーザーIDとパスワードは、通常は申し込んで2週間程度で発行されますが、現在、申し込み件数が1日2万件を突破し、ID・パスワードが郵送で届くまで2週間以上かかる模様です。また、昼休みはアクセスが混み合うので、この時間帯は避けた方がよいでしょう。たとえば早朝など余り人がアクセスしない時間が比較的つながりやすいようです。


 確認方法は、まずは社会保険庁のHPにアクセスし、このHPでユーザーIDとパスワードを請求します。2週間ほど経ってユーザーIDとパスワードが発行されて郵送されてきたら、上記のHPに再びアクセスしてみましょう。そこで、いつでも自分の年金記録が確認できるようになります。
 なお、申し込みには「基礎年金番号」が必要となります。また、公務員など共済組合に加入している人や老齢年金を受けている人は利用できないので注意して下さい。


社会保険庁:年金個人情報提供サービス(トップページ)
https://www3.idpass-net.sia.go.jp/neko/action/z0401

◆参考:「基礎年金番号」が不明、または年金手帳を紛失した場合は?

 最後に、上記の手続には何れも10桁の「基礎年金番号」が必要です。手元の年金手帳か、年金手帳を勤め先に預けている場合はそちらで確認して下さい。

 なお、自分の「基礎年金番号」が分からない、または年金手帳を紛失してしまったという場合は、最寄りの社会保険事務所へ出向く必要があります。その際は、本人であることを確認できるもの(運転免許証・健康保険証など)の他、社会保険事務所や社会保険業務センターから送られて来た書類があれば、それを持参しましょう。


年金手帳とは?
年金基礎番号通知書 皆さんは自分の年金手帳を見たことがありますか? 
 年金手帳は現在2種類あり、基礎年金番号が記入されているものと記入されていないものとがあります。

 基礎年金番号は97年1月に始まった制度で、そのため、基礎年金番号制度が始まった後で発行された年金手帳は表紙が青色、それ以前に発行された年金手帳は表紙がオレンジ色になります。表紙が青色の年金手帳は手帳の中に基礎年金番号が記載されています。一方の表紙がオレンジ色の年金手帳には基礎年金番号が記載されていませんが、そのような方には「基礎年金番号通知書」が郵送されているはずです。年金手帳の表紙年金手帳(新旧)の裏に貼り付けるよう切り取れるものだったので、年金手帳と一緒に保管されている場合が多いでしょう。

 あなたの大事な年金の情報はこの手帳の中にあります。ぜひ一度確認して起きましょう。

◆アドバイス:手続きをしたら、後は気長に待つこと

 本節では年金記録をチェックする3つの方法をご紹介しましたが、オススメは、取りあえずネットでID・パスワードを申し込み、後はこれらが届くのを気長に待つことです。不安に駆られる気持ちはよく分かりますが、しかし、重い病気のように今すぐ手を打たないと手遅れになるというわけではないので、とにかく今の時期は混雑状況がある程度解消されるのを待つ忍耐力も必要と言えます。

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年金は一体いくらもらえるの?〜生活設計と公的年金制度〜

 上で自分の年金記録を照会・確認する方法を紹介しました。自分の年金記録を正確に知ることは、将来受け取れる年金額を試算して老後の生活設計を考える上にもとても大切な作業だと言えるでしょう。
 本項では、年金を受け取るに当たって、また、老後の生活設計を考える上にも事前に知っておくべき事柄に対して、いくつかに項目を分けて解説しました。
年金加入期間を必ずチェック〜35歳までに加入しているかどうかがポイント〜

 上でも簡単に触れたように年金保障の3本柱は「老齢」「障害」「死亡」ですが、これら3つの機能のうち、「障害」と「死亡」に対する年金は、加入期間の長さというよりは障害の程度や遺族の状況等が重視され、支給されるかどうか、また、いくら支給されるかが決まります。
 一方で私たちが一番もらう確率の高い「老齢」年金は加入期間の長さが最重要視される年金です。加入期間が短いと、場合によっては支払った保険料が掛け捨てになってしまうという最悪の事態を招く可能性もあります。

 では、どうすればこのような事態を避けることができるのでしょうか? 本節では、そのキーワードである「受給資格期間」について以下で解説します。
受給資格期間とは?

 老齢年金では、年金をもらうために最低限必要な加入期間が定められています。この期間のことを「受給資格期間」と言い、原則25年と決められています(※生年月日などによって特例があります)。要するに、最低でも25年の加入期間がないと、上でも書いたように老後の年金は1円ももらえず、支払った保険料も掛け捨てになってしまうのです。

 さらに国民年金に加入できる年齢は原則60歳までと決まっていますから、逆算して35歳の時点で「保険料を払ったことがない」という人は、「(60歳まで)もう25年ない」ということになりかねません。ちなみに、昭和40年4月1日以前生まれの人なら、60歳までに25年に足りない場合は、救済の特例措置として70歳まで任意加入できる制度がありますが、しかし、60歳以降の任意加入できる期間を考慮しても、少なくとも40歳前後までには年金に加入して保険料を納めておかないと受給資格を満たせないことになります。(※なおこの場合、厚生年金に加入している場合は同時に国民年金に加入していることになります。) 
受給資格期間を満たすには?

 転職やフリーランスとしての独立が珍しくないこのご時世、厚生年金から国民年金へ、共済年金から厚生年金へと加入制度が変わった人も多いでしょう。加入制度が変わっても、20歳から60歳までにそれぞれの保険料を納めた期間が合計で25年以上あるかどうかをまずチェックします。この保険料を納付した期間は「保険料納付済期間」と呼ばれ、老齢年金の額を計算する時にも反映されます。
 また、経済的などの事情により保険料の免除を受けた期間については、受給資格期間を計算する上でそのままカウントすることができ、老齢年金の額にも反映されます。(※ただし、学生や30歳までの保険料免除を受けた場合は、受給資格期間にはカウントできますが、保険料は後で納めておく必要があります。) 
専業主婦や海外滞在期間がある場合はどうなる?

 昭和61年4月の年金制度改正前は、専業主婦(会社員等の妻)や学生は年金に加入するかどうかは任意で決めることができました。従って、「入っても入らなくてもどちらでもよい」ということで、「入らない」ことを選択していた人も大勢いました。ところが、改正によって専業主婦は強制加入の対象となりました(第3号被保険者)。けれども、「今更加入しても間に合わない」という人のために、任意加入とされ加入しなかった期間を受給資格期間にプラスできることになったのです。ただし、この期間は実際には年金額には反映されないので「カラ期間(合算対象期間)」と呼ばれています。

 次に、学生については、その後の平成3年3月までは任意加入であったため、加入しなかった場合はその期間はカラ期間となります。また、学生時代や卒業後に海外留学した人についても、海外滞在期間は現在でも任意加入なので、加入しない場合はカラ期間になります。一方、会社の転勤で海外で働く会社員とその妻(専業主婦)の場合はそのまま第2号被保険者と第3号被保険者であり、年金加入歴は継続されます。

なお、昭和61年3月以前は会社を辞める時に厚生年金を一時金で受け取ることができる仕組みがありました。もちろん一時金でもらってしまった期間は年金額には反映されませんが、カラ期間として受給資格期間にプラスできる場合があります。
不安になったら調べてみよう!

 自分自身のことでありながら、今までどのくらいの期間年金に加入したのか、これが意外と分からないものです。こんな時は、年金手帳を持って社会保険事務所(全国どこの社会保険事務所でもOK)にゆくと、年金の加入記録を調べてもらうことができます。会社に年金手帳を預けている人は、年金手帳に記されている「基礎年金番号」を確認し、免許証など身分証明書を持ってゆくだけでも、調べてもらうことができます。

 色々と不安のある方は、前項で紹介した方法で社会保険庁に問い合わせをしましょう。何れにせよ、加入記録や基礎年金番号などは非常に重要な年金の個人情報です。「まだ若いから大丈夫」などと言わず、若いうちから自分の加入記録を確認しておきましょう。
自分が将来もらえる年金額を試算してみよう

 それで、自分の過去の年金記録が確認できたら、実際に将来いくらぐらい年金がもらえるのか計算してみましょう。ただ単純にに年金額を計算するといっても、自分で計算することは中々難しいので、ここでは年金額の簡易な試算ができる社会保険庁と民間のHPを紹介しておきます。


社会保険庁:年金加入記録照会・年金見込額試算・年金個人情報提供サービス
http://www4.sia.go.jp/sodan/nenkin/simulate/index.htm
※照会等には、上記で紹介したURL(https://www3.idpass-net.sia.go.jp/neko/action/z0401)で発行してもらったユーザーIDとパスワードが必要になります。
マネー情報 知るぽると:年金シミュレーション
http://www.shiruporuto.jp/tool/nenkinsimu/index.html

年金はいつからもらえるの?

 それでは、年金は一体いつから支給されるのでしょうか? 本節では、年金の受給開始時期について以下で簡単ながら説明しました。
年金制度スタート時の支給開始年齢は?

 ご存知の方も多いでしょうが、公的年金制度はこれまで何度かの改正を経て現在に至りました。改正の度に「高齢者への給付と現役世代の保険料負担のバランス」について議論され、公的年金の支給開始年齢についても見直されてきました。


 それでは、昭和61年4月に現在のような年金制度(新法)が始まった時はどうだったのでしょうか? 

 国民年金から支給される老齢基礎年金は最初から「原則65歳支給開始」とされていました。その一方で厚生年金から支給される老齢厚生年金については、昭和61年4月前の旧制度では「原則60歳支給開始」となっていたのです(※なお、女性については一定の要件を満たすと55歳から年金をもらうことができたため、徐々に男性と同じ60歳支給開始へと引き上げられました)。従って新法発足当初は、国民年金は65歳から、厚生年金は60歳(一部女性は55歳)からとなっていました。そして、今現在60歳の人については、国民年金は65歳から、厚生年金は男女を問わず部分的に60歳からとなっています。
早めに考えよう!自分にあった選択肢

 公的年金の支給開始年齢が原則65歳になる30歳代以下の世代にとっては、60歳から65歳までの収入の確保が必要になってきます。(※なおその頃には、現在の歳定年制が延長され、65歳停年が当たり前になっているものと思われます。) 

 そのため、私たちが取るべき主な選択肢としては、

□1) 働くことによる収入
□2) 公的年金の支給繰上げ
□3) 60歳からの個人年金を自分で準備する

などが挙げられます。


 何れにしても、早めに考えて必要なものは準備してゆくことが老後の生活設計上の大事なポイントになります。自分の理想のセカンドライフ実現に向けて一度じっくりと考えてみることをオススメします。
遺族年金〜大黒柱の夫が死亡!受け取れる年金は?

 老後のためと思われがちな年金ですが、大黒柱が死亡した時などイザという時にも遺族年金が出るのでチェックしておきたいものです。
 何れにせよ、ライフプランを考える際に「もしも」の時に必要なお金のことを考えるのはとても重要な事柄です。特に一家を支える大黒柱の死亡はマネープランの上でも最大のポイントであると同時に、給付される金額が一体いくらぐらいになるのかも是非把握しておきたいところです。

 そこで本節では、遺族に給付される金額を知るためにも、遺族年金について以下で解説しておくことにします。(※なお本節では、夫の収入で生活していて、年金にも過不足なく加入している家庭で、夫が死亡した場合について解説します。) 
ケーススタディー:夫が死亡した時に妻が受け取れる公的年金は?


■国民年金:夫が自営業など国民年金に加入している時
18歳以下の子どもがいる場合:
「遺族基礎年金」(※子どもが18歳になるまでの期間)
夫の国民年金支払い期間が25年以上、婚姻期間10年以上、老齢基礎年金受け取っていない場合:
「寡婦年金」(※妻が60歳から64歳までの期間)


■厚生年金:夫が会社員など厚生年金に加入している時(※在職中に死亡の場合)
18歳以下の子どもがいる場合:
「遺族厚生年金」「遺族基礎年金」(※子どもが18歳になるまでの期間)
子どもが18歳以上になり、遺族基礎年金の支給がストップした時、その時点で妻が40歳以上であれば65歳になるまで「中高齢寡婦加算」が遺族厚生年金と共に支給されます。
夫が死亡時妻が40歳以上、子どもがいない、又はは子どもは18歳以上の場合:
「遺族厚生年金」「中高齢寡婦加算」(※妻が65歳になるまでの期間)
上記以外の場合:
「遺族厚生年金」

遺族年金の種類

 遺族年金とは、被保険者が死亡した時に残された妻や子どもに支払われる年金です。
 遺族年金には、「遺族基礎年金(国民年金)」と「遺族厚生年金」、「寡婦年金(国民年金)」、「遺族共済年金」があり、社会保険庁(遺族共済年金を除く)から年金が支払われます。
 ここでは、社会保険庁から支払われる遺族年金の受給要件や受給対象者についてのみ取り上げます。


■遺族年金の種類
遺族基礎年金:
 被保険者又は老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡した時に、被保険者の保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金の加入期間の3分の2以上あることを受給条件として、受給対象者である遺族に対して年金が支払われます。
 受給対象者である遺族は、死亡した被保険者によって生計を維持されていた子どものある妻とその子どもが対象となります。なおこの場合の子どもとは、18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子、または20歳未満で障害等級1級〜2級の障害者が対象になります。
遺族厚生年金:
 被保険者が死亡した時又は被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡した時に、遺族基礎年金と同様に、被保険者の保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金の加入期間の3分の2以上あること受給条件として、受給対象者である遺族に対して年金が支払われます。また、老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡した時と1級〜2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡した時にも、遺族に遺族厚生年金が受給されます。
 受給対象者である遺族は、遺族基礎年金の支給の対象となる遺族(※死亡した被保険者によって生計を維持されていた子どものある妻とその子ども)が対象となります。また、死亡した被保険者によって生計を維持されていた子どものいない妻や、55歳以上の夫、父母、祖父母(※60歳から受給)、また、孫(※18歳の誕生日の属する年度の年度末を経過していない者、20歳未満で1〜2級の障害者)も受給対象者になります。
寡婦年金:
 国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(保険料の免除を受けた期間を含む)が25年以上ある夫が死亡した時に、その死亡した夫が障害基礎年金や老齢基礎年金を受給してないことを受給条件として、婚姻期間が10年以上の妻に対して、60歳〜64歳までの期間にわたって年金が支払われます。
中高齢寡婦加算:
 中高齢寡婦加算は、(1)夫が在職中または退職後5年以内に死亡した場合、(2)障害年金の1級〜2級の状態にある夫が死亡した場合、(3)厚生年金を20年以上(40歳以降15年以上)掛けていた夫が死亡した場合に、受給対象者である遺族に対して、遺族厚生年金に加算される形で支給されます。
 なお、中高齢寡婦加算の受給権は、遺族厚生年金と同様に被保険者が死亡した時点で判断されます。現行の年金制度では、中高齢寡婦加算は、夫が死亡した時の妻の年齢が35歳以上か、或は夫が35歳未満の場合でも、子どもが18歳になった時に妻の年齢が35歳以上の場合に受給資格があり、実際に支給されるのは妻が40歳以降64歳までの期間となります。(※その後は、妻の生年月日により65歳から経過的寡婦加算に変わりますが、これは昭和31年4月2日以降に生まれた妻には支給されません。) 

老後と年金〜夫婦で考えよう!老後にはいくら必要?

 皆さんはセカンドライフについて夫婦で話し合ったことはあるでしょうか。確かに皆さんも「老後は夫婦でのんびり田舎暮らしがしたい」とか「1年に1回は海外旅行がしたい」「趣味で集いたい」など老後の生活のイメージを色々と思い描くことがあるでしょう。けれども、老後の生活設計を立てる上で、“老後生活にはどのくらいのお金が必要か”ということをよくよく考えておく必要があります。老後に必要になるお金を一度夫婦単位で考えておくことをオススメします。


 総務省が発表した「家計調査(平成17年)」によれば、高齢者世帯が実際に必要とする生活費は月額約27万円だそうです。また、生命保険文化センターが行なった「生活保障に関する調査(平成16年)」では、ゆとりある老後を送るために必要な生活費は月額約38万円となっています。
 一方で老後の生活において収入の中心となると考えられる公的年金は、(1)会社員世帯のモデル年金(厚生労働省発表の厚生年金に40年加入している会社員の夫と国民年金に40年加入している専業主婦の妻の夫婦の年金)は、夫婦合わせて約23万円、(2)自営業夫婦であれば、国民年金に40年加入したとしても夫婦合わせて約13万円です。公的年金だけでは平均的な生活費も賄えない古都が分かります。

 次項でも触れますが、公的年金と老後に必要な生活費との差額は、貯金の切り崩しや個人年金などで賄う必要があります。そのためのマネープランを立てるためにも、自分たちが老後どれだけのお金が必要になるのか一度試算しておく必要があります。そのためのひとつの方法としては、「平均余命表」を使って、自分たちが何歳くらいまで生きるのか大まかに把握した上で、老後にかかる生活費を試算するとよいのではないかと思います。


◆ワンポイント: 平均余命について
 平均余命とは、その年齢の人が平均であと何年生きられるかという数値で、詳しく言えば、各年齢ごとにその年の「死亡率」が算出され、将来的にその死亡率がそのまま維持されるとして、その確率をくぐり抜けながら平均的に何年生きられるかの期待値を言います。ちなみに平均寿命というのは0歳の人の平均余命のことなので、従って自分は何歳まで生きられるかを知りたい時は、自分の年齢の平均余命を調べる必要があります。
厚生労働省:主な年齢の平均余命
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life04/1.html


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年金加入は国民の義務〜忘れてはならない公的年金のメリット〜

 社会保険庁の度重なる不祥事から国の年金制度自体に不信感を募らせる人が多いでしょう。しかし、今後訪れるであろう超高齢化社会を生き抜いてゆくためにも、公的年金制度は要になる存在であることは間違いのない事実です。
 年金制度の存続すら危ぶまれる昨今ですが、最後に本項では、個人年金にない公的年金のメリットについて解説しました。
公的年金と個人年金

 繰り返しになりますが、現在老後にかかる生活費として最低月25万円は必要で、ゆとりある生活を送るためには月37万〜38円ほどかかるのに対して、モデル世帯の公的年金額は月23万円(国民年金のみの場合は13万円)程度だと言われています。そのため、上でも触れたように、多くの世帯では公的年金だけでは生活費を賄えず、貯蓄を切り崩したりしてやりくりをしているのは皆さんご存知の通りでしょう。この公的年金と実際に必要な生活費の不足額を補う手段のひとつとして「個人年金」の存在があります。

 確かに公的年金と違って個人年金は、自分たちの生活に合わせて自由に「オーダーメイド」が可能です。様々な商品の中から、受け取る年金額を含め、一生涯受け取れる「終身型」や一定期間のみ受け取れる「確定型」など自由な選択ができるわけです。個人年金に加入するかどうかも自由、積み立て額も自由。これが最大のメリットと言えるでしょう。
必ず加入しよう!年金加入は国民の義務

 昨今、公的年金を払わずに個人年金だけに加入している人も少なくないと言われています。社会保険庁の様々な不祥事が国民の不信感を呼び、その傾向にさらに拍車をかけています。これは国民年金未納問題とも絡む問題ですが、国民年金は個人が納付をするシステムですから、払いたくなければ払わないことが可能なわけです。しかし、本当にそれでよいのかどうか、ここで皆さんにじっくり考えていただきたいのです。

 まず第一に公的年金への加入は国民の義務です。公的年金を含む社会保障は、ご存知の通り相互扶助の精神で運営されています。年金財政の破綻や様々な不祥事を目の当たりにして保険料を払いたくなくなったという気持ちは充分に理解できますが、損だとか制度への不信といった個人的な理由で保険料を払わないことは、国民との義務として決して許されないことなのです。
個人年金にない公的年金のメリット

 現在不評ばかりが目立つ公的年金ですが、実は公的年金には個人年金にない様々なメリットがあるのです。ここでは、公的年金のメリットについて、かいつまんで解説します。


■公的年金のメリット
税法上の優遇
 公的年金も個人年金も税法上の優遇措置が設けられています。ただ、保険料支払時について公的年金は全額社会保険料控除の対象ですが、個人年金は最大5万円しか控除の対象(生命保険料控除)となりません。当然、所得控除が多ければ基本的に所得税も少なくなるわけですから、如何に公的年金が優遇されているかが分かるでしょう。また、年金を受け取る際にも、公的年金については公的年金等控除という特別な控除を設けています。
国庫負担という名の資金面のバックアップ
 公的年金については国庫負担という資金面のバックアップがあります。年金支払いの3分の1は国庫から支出されていますし、また、年金運営上の事務費も全額国庫から支出されています。それに対して個人年金の場合は、年金支払や事務費を保険料と運用収入のみで賄わなければならないので、この差は少なくないと言えます。
インフレへの対応
 ここが一番重要なのですが、個人年金と違って公的年金には物価スライドのシステムが導入されています。個人年金の場合、契約した時には満足のゆく受け取り額を決めたとしても、自分たちがリタイアして、いざ年金を受け取ろうという時になって、もしもインフレによって物価が高騰でもしていたら、当初予定していた年金額の相対的な価値が目減りしてしまうという最大の問題があります。それに対して公的年金は、将来物価や賃金水準が上昇した場合に、それに伴って年金額もスライドさせる「物価スライド」システムを採用してきました(※もっとも「マクロ経済スライド」で完全にスライドされなくはなりますが、それでもある程度対応されます)。これは個人年金にはない公的年金の最大のメリットだと言ってよいでしょう。
 以上のメリットは国が運営している制度ならではのことで、個人年金にはないメリットです。最近不祥事が発覚した年金制度ですが、やはり公的年金を老後の生活の基本とするのが基本です。何れにせよ、公的年金でどれだけ足りないのかをしっかりと判断し、その不足分を補う手段として個人年金を効率的に活用するのが理想だと言ってよいでしょう。

参考:検討しよう!国民年金基金の加入

 国民年金基金とは、フリーランスなど個人営業者などが加入できる年金が基礎的年金である国民年金だけであるのに対し、民間会社に勤めるサラリーマンや公務員などには国民年金(基礎的年金)の他に厚生年金や共済年金といった上乗せ部分があるのことから、自営業者など国民年金(基礎的年金)だけに加入する者に対して、その上乗せ部分を支給する目的で1991年に設けられた制度です。

 ここでは詳細な解説はしませんが、国民年金のみに加入している人で公的年金だけでは足りないといった場合に、国民年金基金ならば毎月の保険料支払いを最大68,000円まで増やすことができ、それに合わせて受け取り方も選択することが可能となります。要するに国民年金基金とは、いくつかある給付の型や年金額の中からその保険料と照らし合わせて選ぶことができる、いわば「パターンメイド型」の年金制度なのです。
 国民年金のみに加入している人で、公的年金だけでは足りないといった場合に、個人年金以外に加入を検討しておきたい年金制度なので、簡単ながらご紹介しました。詳しくは社会保険庁にお問い合わせ下さい。


国民年金って何?〜社会保険庁からのお知らせ〜
http://www.nenkin.go.jp/
国民年金基金
http://www.npfa.or.jp/


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