【1】むくみとは何か?〜その種類と特徴〜 |
誰しもむくみは辛いものです。
本節では、むくみとはそもそも何なのか? についてまずは解説してゆきます。
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むくみとは何か? |
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むくみとは何か? |
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腫れるというのは、皮膚のある部分が異常にふくらむことを言います。皮膚以外でも、体内の臓器やリンパ節などの腫脹(しゅちょう)も広い意味では腫れに入ります。 一方、むくみとは、血液中の水分が血管の中から外に滲み出し、異常に増加した状態で、浮腫(ふしゅ)とも言います。脛などのように直ぐ下に骨がある箇所を数秒間押して放すと、ペコッと凹んで暫く元に戻らない場合はむくみと考えられます。 |
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医学的に見るむくみとはどのような状態か? |
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むくみのことを、医学的な用語では浮腫(ふしゅ)と言います。
私達の身体は大半が水分で出来ていますが、その水分の3分の2程度が細胞間質液という細胞の中の水分です。細胞間質液は本来血液の成分の一部となって栄養素を全身に運ぶ働きをするのですが、栄養を運んだ後に上手く血液の中に戻れないことがあります。上手く血液中に戻ることが出来なかった細胞間質液がむくみとなって身体に現われるのです。 |
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むくみ(浮腫)と肥満の違い |
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同じように体重が増加しても、むくみ(浮腫)と肥満とでは、その成り立ちは全く違います。むくみは身体の水分が異常に増加した状態であり、肥満とは脂肪分が増えることです。これを区別するには、むくんでいると思われる部分、特に足の脛などを10秒以上強く指で押し付けてみるとよいでしょう。凹みが出来ればむくみです。肥満の場合にはこのような凹みは出来ません。また、ひどいむくみ(浮腫)の場合には3〜4日で10Kgも体重が増加することもありますが、肥満の場合にはここまで極端なことはありません。なお、むくみの初期には一般に、朝顔が腫れぼったい、夕方になると足がむくんで靴が窮屈になる、といった症状が現われます。また、朝に比べて夕方の方が体重が増えていることが多く(1kg程度は正常)、飲んだ水分の量に比べて尿の量が少なくなります。 |
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厄介なむくみ |
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慢性的なむくみ |
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むくみは様々な要因が考えられるのですが、時々むくみが生じるくらいならばよいのですが、慢性的にむくみに悩んでいる場合は内臓疾患の可能性が考えられます。
むくみは一般的で身近な症状ですが、時に病気のシグナルであるということを頭に入れておくことは非常に重要です。もしも常にむくみに悩まされているなら、放置せずに速やかに病院で診てもらうことをオススメします。 |
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ひと筋縄ではゆかない足のむくみ |
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足のむくみの原因は実はかなり様々です。足のむくみは、その多くは、足の血行不良やリンパ循環の不良によって足部の細胞に水分や老廃物が溜まることで発生します。
血行不良の場合などの対処には足を温めることや筋肉をつけることで改善が可能ですが、老廃物が溜まっている場合や、血行が悪くなって血栓等ができてきてしまうなどすると、足のむくみだけが問題なのではなくなってくるのです。それというのも、足のむくみの原因で考えられるのが腎臓病という内蔵の病気である可能性もあります。また、甲状腺機能低下症によってむくみが広がってしまうこともあり、足のむくみは身体の何処かが悪いことを示すサインでもあるのです。 |
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むくみ(浮腫)はなぜ悪いのか? |
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身体がむくむとどうして悪いのでしょうか?
足がむくむと夕方になると靴が履きにくい、歩きにくいなどの症状で困るという人がいます。また、特に女性で顔のむくみを非常に気にする人がいます。しかし、このようなむくみ自体に余り大きな弊害はありません。しかしながら、そのむくみの原因となっている病気が問題なのです。軽いむくみと言っても、たとえば腎臓病ではネフロ−ゼ症候群や腎不全、その他にも心不全や肝硬変と言った重い病気が見つかる可能性があるからです。一方、全身がむくむような重症な場合には、足や顔だけではなく内臓全体がむくみ、内臓が上手く働かなくなります。特に肺がむくむと、呼吸による酸素と炭酸ガスの交換が出来なくなり、呼吸困難となって、重篤な場合には生命に関わることもあるのです。このような場合には、むくみ(浮腫)自体が非常に怖い症状に繋がります。 |
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むくみ(浮腫)の種類とその特徴 |
むくみとその分類
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むくみは下肢及び皮下組織が少ない部位にできやすく、特にむくみやすいのは、やはり何と言っても足です。両足にむくみが出るような場合はその大半がが全身性浮腫で、心臓や腎臓、肝臓、内分泌系の病気が浮腫の原因の大半を占めています。しかし、病気によってかなり特徴的なむくみが起きる場合もありますが、むくみの症状だけでその原因を突き止めるのは難しく、病気に伴う他の症状が重要になってきます。
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むくみの原因 |
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- 範囲による分類
むくみの発生する場所によって全身性浮腫と局所性浮腫とに大きく分けられます。
- 性質による分類
圧痕浮腫 (pitting edema) と非圧痕浮腫 (non-pitting edema) に分けられます。むくみのある部分を押さえつけた後に放置しても凹みが残るものを圧痕浮腫、一方、凹みが残らずに弾性を持つものを非圧痕浮腫と呼びます。
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病的なむくみの症状とその特徴 |
夕方になると足がむくんで靴下の跡がついて中々消えなかったり、靴がきつくなったりしても、翌朝には元に戻るなどの症状は多くの方が経験していることと思います。このように人の身体は水分の均衡状態を維持するために様々な仕組みが備わっています。足のむくみが翌朝には改善されているのは、足に溜まった余分な水分が夜のうちに本来の場所に戻るからです。これは一時的なむくみの現象で、健康な方でも起きることなので病気ではありません。しかし、余分な水分を元に戻すために身体が幾ら頑張っても、対応能力を上回ってしまうと、水分は皮下に溜まったままになります。これが病的なむくみの特徴的な症状で、医学用語で一般に浮腫(ふしゅ)と言います。
むくみがどのような病気と関連があるのかは、そのむくみのタイプがどのようなものであるかが重要です。指で押した時に凹みが残るようであれば、組織間隙にはタンパク質が少なく、水分とナトリウムが多いということが考えられますが、これはよくあるむくみの症状です。しかし、パンパンにむくんでいても、指で押しても凹みが残らない場合は、組織間隙のタンパク質が多いということが考えられ、このような場合はリンパ浮腫や甲状腺機能低下症などが考えられます。指で押して凹みが残らなくても、このような病気のケースもあるので注意が必要です。
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全身性浮腫の種類とその特徴 |
むくみの発生する場所によって全身性浮腫と局所性浮腫とに大きく分けられます。
両足がむくむ場合、全身性浮腫がその大半を占めますが、心性浮腫と肝性浮腫、そして腎性浮腫が代その表です。
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心性浮腫 |
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心性浮腫は心臓の病気が原因で起こる浮腫で、様々な心疾患による鬱血性心不全」がその代表的なものです。心臓に疾患を持つ人は当然むくみやすくなりますが、心筋梗塞や弁膜症、心筋症、先天性心疾患などの心臓の病気は心臓の機能が低下するのが原因です。通常は足がむくんだりしますが、寝たきりの人では背中側にむくみが現われます。
心臓が悪い人のむくみは、心臓のポンプ機能が低下しているのが原因で、血流がスムースでないために血液が心臓に戻れずに抹消で鬱滞した状態になります。そのため、静脈圧上昇や毛細血管の圧力が上昇して組織間隙から血管への水分が戻りにくくなります。また、有効な循環血液量も減少し、そのため水分やナトリウムが過剰に残り続けるので、ますますむくみがひどくなるのです。 |
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肝性浮腫 |
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肝性浮腫は肝臓の病気が原因で起こる浮腫です。中でも肝硬変はむくみを来す病気の代表のようなものに数えられます。
肝硬変とは、肝炎ウイルスやアルコールなどが主な原因で肝細胞の壊死と炎症、再生を繰り返し、肝臓本来の小葉構造と血管系が破壊されて肝臓が小さく硬くなる恐ろしい病気です。肝硬変になると、肝臓に入り込む門脈という血管の圧が上昇し、腹水が生じて来ます。腹水も浮腫の一つの型です。肝臓は血液中に水分を溜めておくためにアルブミンという合成を行なう働きをしていますが、この働きが低下する(低アルブミン血症)ことで、本来体外へと排出されるはずの水分、ナトリウムが体内に蓄積して全身性浮腫を生じるのです。 |
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腎性浮腫 |
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腎性浮腫は腎臓の病気が原因で起こる浮腫ですが、腎臓の病気による全身性浮腫が起こるメカニズムは病気によって異なります。
- ネフローゼ症候群
腎臓の糸球体における蛋白質の透過性亢進によって血中のアルブミン濃度低下が起こります。これが原因で毛細血管内の浸透圧が低下し、組織間液を毛細血管内に引っ張り込めなくなり、浮腫が生じます。
- 腎不全
腎臓からの水分、ナトリウム排泄機能の低下によって、これらが血管内に溜まり、毛細血管から水分が過剰に出てしまうことでむくみを引き起こします。それと同時に血圧の上昇や肺鬱血などの症状が出てきます。
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むくみ(浮腫)とその見分け方 |
むくみの見分け方のポイント |
むくみの原因となる病気はかなり進行しないと分からないことも多いのですが、簡単なチェックシートを使って病気の進行具合を知ることもできます。これらに当てはまる場合には下肢静脈瘤などの血管系の病気である可能性があります。また、それ以外の病気や内蔵の障害がある場合には、むくみを押して判別する方法もあります。
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足のむくみの危険度チェックシート |
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以下に当てはまる場合には下肢静脈瘤などの血管系の病気である可能性があります。また、それ以外の病気や内蔵の障害がある場合には、むくみを押して判別する方法もあります。
- 歩くと脹ら脛に痛みがある
- 坂道を上がる時に痛みがある
- 歩くのを止めると痛みが始まる
- 座っている時などに痺れ、痛みがある
- 手脚が極端に冷たく感じる
- 手脚の感覚が鈍くなった
- 足の指や爪の色が変わっている
- 手足の怪我が治りにくい
- 知らないうちに怪我をしている
- 片方の足が細くなったり、体毛が抜けたりする
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むくみを押して凹む場合 |
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足だけではなく、全身のむくみが凹む場合には、肝不全や貧血などで血液そのものの病気である可能性があります。
顔のむくみが凹む場合には、実は胃や腸などが悪い場合があります。特に急性胃腸炎の場合には顔のむくみが悪化することが知られており、体調不良や食欲のなさ、嘔吐感などを感じる場合には胃炎の可能性も考えられます。その一方で足のむくみだけが押すと凹む場合に注意したいのは脚気です。ビタミンB1欠乏症と呼ばれる脚気は近年ではほぼなくなったように思われていますが、思わぬ病気の一つとして近年また症例が増えて来ているのです。 |
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むくみを押して凹まない場合 |
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むくみを押して凹まない場合は、(1)甲状腺機能低下症、(2)膠原病と類症、そして、(3)薬の副作用等が原因している可能性が考えられます。
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が不十分になる疾患で、先天性や幼少時発症のものはクレチン症と呼ばれています。甲状腺機能が低下すると、全身がエネルギーを利用できなくなるため、代謝が低下して皮下に老廃物が沈着してむくんで来ます。このむくみは粘液状の物質で出来ているため、粘液水腫と言われます。この粘液水腫は、指で押しても全く凹みが残らず、弾力性があります。一方、膠原病は免疫系の疾患で、全身の複数の臓器に炎症が起こって臓器の機能障害が起きる病気です。女性に多い疾患として知られています。遺伝にもよると言われていますが、実はまだ詳しいことは分かっていません。この場合も内蔵の炎症により全身にむくみが発生します。何れもかなり重篤な症状を引き起こす疾患で、内科の診療を受ける必要があります。 |
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気をつけるべきむくみの見分け方 |
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むくみを見分けるポイント |
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むくみは病気ではありませんが、重大な病気のサインであるケースがあります。たとえば下記の点に注意して症状や経過を見ておきましょう。そして、そのような「いつもと違うな」という症状の場合は、重大な病気を見落とさないためにも必ず病院で診察を受けましょう。
- 顔や手がむくんでいる
- 片足だけむくんでいる
- 前日のむくみが朝になっても引かない
- むくみと共に急激に体重が増える
- 急にむくみが出てきた
- 息切れ、尿が少ない、身体が疲れるなどの症状を伴うむくみ
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どこにむくみが出ているか? |
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むくみの発生する場所によって、医学的に全身性浮腫と局所性浮腫とに大きく分けられます。特に注意が必要なのが顔や手など足以外の場所で見られる全身性浮腫で、これらは病気が疑われます。また、局所性浮腫の血管神経性浮腫では、頭や首、唇にむくみが起きるなどの特徴があります。
- 全身性浮腫
心臓や腎臓、肝臓、内分泌系の病気、栄養障害、薬剤が原因のもの、特発性浮腫が疑われます。むくみの80〜90%が全身性浮腫であると言われています。
- 局所性浮腫
静脈やリンパ管の病気、血管神経性浮腫、炎症、内分泌系の病気などの病的浮腫を言います。長時間同じ姿勢でいるために起きる浮腫(体位性浮腫)もこの中に含まれます。
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どこにむくみが出ているか? |
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- 左右対称にむくみが見られる場合
全身性浮腫全般と局所性浮腫における体位性浮腫の可能性が高くなります。
- 左右非対称にむくみが見られる場合
局所性浮腫である静脈やリンパ管の病気、炎症性などの病気が疑われます。片側だけに見られる浮腫の場合は、浮腫が起きている側に何らかの病気が存在することが疑われます。
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いつ・どんな時にむくみが現われるか? |
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一日の中でむくみが出たり消えたりするタイミングを知ることは、病気かどうかを判断する上で大切なものです。健康体であれば、夕方に出るむくみは翌朝には殆ど消えてしまいます。このように元に戻る場合は心配はありませんが、朝起きた時にむくみがはっきり残っているような場合は要注意です。また、一日の中で体重変動が1.5s以上ある場合は特発性浮腫が疑われます。むくみが急激に生じる場合や、慢性的に生じている場合においても病気の可能性があります。このようにむくみの出た後の経過観察も重要です。 |
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自覚症状はあるか? |
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むくみが出ている上に、他の自覚症状がある場合も病気の可能性が高くなります。具体的には食欲不振や息切れ、動機、悪寒、便秘などです。また、体重の増加や尿量の変動などが異常な場合にも注意が必要です。 |
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薬剤が原因ではないか? |
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服薬もむくみの原因となるケースが多くあります。血圧の薬や糖尿病の薬の副作用としてむくみが出ることは知られています。初めて飲む薬でむくみが出た場合は気がつきやすいものですが、長期間に渡って服薬している場合や、途中で薬の追加や変更があった場合など、薬が原因でむくみが出ていることに意外に気がつきにくいものです。おかしいと思ったら必ず主治医に薬の副作用について相談しましょう。 |
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参考:特発性浮腫とは |
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全身性浮腫を周期的に繰り返す病気で、主に月経がある女性に現われます。明らかな原因は未だに不明ですが、ストレスや生理前のホルモンバランスの異常なども原因と考えられています。 |
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【2】むくみとメカニズム〜その原因と病気の関係〜 |
むくみは何故発生するのでしょうか? むくみはそもそもどのような病気なのでしょうか?
本節では、辛いむくみの起こる原因とそのメカニズムについて解説しました。
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むくみとそのメカニズム |
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むくみのメカニズム |
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人間の身体は、血液が心臓から動脈を通って全身の細胞に酸素や栄養分を届けるために送り出され、それと同時に細胞から排出された二酸化炭素や老廃物を回収して、静脈を通って心臓に血液を戻します。この流れの中で、足を流れ、心臓に戻る血液は、重力に逆らって心臓に戻らなくてはなりません。そこで血液を戻すためのポンプの役割を果たすのが脹ら脛の筋肉なのです。人間の下半身には全体の7割もの血液が集まっていて、脹ら脛の筋肉が動くことで血液を心臓に戻します。要するに血液を心臓に戻すには、脹ら脛の筋肉を伸び縮みさせる必要があるのです。これが何らかの理由で上手くゆかなくなると、脹ら脛で血液が停滞して足がむくむことになります。むくみのメカニズム自体はこのように簡単なものですが、むくみを引き起こす原因は様々なものがあり、むくみを根本的に解消するためには自分のむくみの原因を把握して対策しないといけません。 |
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むくみはどうして起こるのか? |
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むくみ(浮腫)とは、細胞と細胞の間の水(組織間液)が異常に増加した状態を言います。では、むくみ(浮腫)はどうして起こるのでしょうか?
人間の身体の約6割は水分で出来ています。従って、体重50kgの人では、そのうち実に30kg(30リットル)が水分であることになります。更にこの30リットルの三分の二、すなわち20リットルは細胞の中に存在し(これを細胞内液と言います)、残りの三分の一、すなわち10リットルが細胞の外に存在しています(これを細胞外液と言います)。また、細胞外液のうち、四分の一(体重の約5%)は血漿水として血管の中を流れ、残りの三分の四(体重の15%)は血管の外で、細胞と細胞の間に存在しています(これを組織間液と言います)。
一般に健康な人はむくみません。それに対して、毛細血管の血圧が上昇する場合、血管の中の蛋白質の濃度が低下する場合、毛細血管が蛋白質や水分を通しやすくなった場合などにむくみ(浮腫)が生じます。心臓から出た大動脈は段々枝別れし、ついには毛細血管と呼ばれる細い血管となって体中の細胞に酸素や栄養素を送り続けています。この毛細血管にもやはり血圧がかかっていますから(これを静水圧と言います)、血管の中の水分が外に滲み出ようとします。しかし、これとは反対に血管の中にはたくさんの蛋白質があって、浸透圧の作用によって水分を血管の中に止めようとして働いています。健康な場合には、この両方の力が等しいため、むくみは普通生じないのです。逆にこのバランスが崩れるとむくみが現われるのです。 |
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生活の中で考えられるむくみの原因 |
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日常生活の中でどうしてむくみが起きてしまうのでしょうか?
まず考えられるのは、立ったままないし座ったままでいること、すなわち、同じ姿勢を長時間取ることで、脹ら脛の血液などを循環させるポンプ機能が低下してしまい、むくんでしまうのです。また、疲れている時や睡眠不足の時にもむくみやすくなります。これにもポンプ機能が関係しているのですが、この場合は脹ら脛ではなく、心臓のポンプ機能が低下していることがその原因です。また、女性にも多いホルモンバランスの乱れや運動不足や冷え性といった血液やリンパの流れが悪い状態(立ちっぱなしなどもそれに該当します)も原因となります。他には食事もむくみの原因のひとつで、塩分の摂り過ぎは身体に水分を溜める原因となり、むくみも起こりやすくなります。 |
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デスクワークや立ち仕事で脚を動かさない人はむくみやすい |
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長時間のデスクワークや立ち仕事で夕方になると足がむくんでパンパンという人は意外と多いのではないでしょうか? その原因は、長時間同じ姿勢で動かないでいることによって血液やリンパの流れが滞ることです。心臓から体の末端に流れてきた血液を心臓へと戻す静脈や、その静脈につながるリンパの流れが悪くなるために、余分な水分や老廃物が溜まってむくんでしまうのです。
下半身の血液を重力に逆らって心臓に押し戻す働きをしているのは、主に脹ら脛の筋肉運動です。筋肉が伸びたり縮んだりすることでポンプのように血液を押し上げ、余分な水分の排出もスムーズに行なわれます。ところが、長時間同じ姿勢で脚を余り動かさないでいると、ポンプの働きが低下してむくみやすくなります。重力によって水分が溜まりやすい下半身の中でも、特に筋肉の少ない脛や足首はむくみやすい場所です。靴下や靴、窮屈な下着、冷房の冷えなども、血行が悪くなってむくみの原因になります。なお、そのようなむくみを予防・改善するには、小まめに足を動かすことです。たとえばデスクワークの人は座ったまま足の爪先や踵を上げ下げしたり、足首を回したりすると効果的です。1時間に1回は立ち上がって歩いたり、階段を上り降りするとよいでしょう。また、夏はクーラーで身体を冷さないよう注意しましょう。 |
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むくみの原因となる病気 |
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むくみ(浮腫)を起こす病気は、心不全、肝硬変、腎臓病、薬剤性のもの、そして原因不明なもの(特発性浮腫)に限ったわけではありません。むくみが起こる病気としては、血液の循環を調節している心臓の働きが低下し(心不全)、毛細血管の血液が正常に心臓に戻れない場合には、毛細血管の圧が上昇して血管の中の水分が外に滲み出てむくみ(浮腫)が生じます。心臓は全身の血液の循環を調節しているので、心不全の時には全身にむくみが現われます。一方、たとえば足や手の静脈が何らかの原因で詰まったと場合には、静脈に流れ込む毛細血管の圧が当然上昇し、静脈の詰まった足や手だけがむくむことになります。
人間は二足歩行して生活をしています。普通なら重力によって足に水分が溜まって、つまり足がむくんでもよさそうですが、そうはならないような仕掛になっています。まず静脈には弁が付いていて、重力に対抗して血液が心臓に戻りやすくなるようになっています。しかし、この弁が上手く働かないと(静脈瘤)、立ち仕事をするとたちまち足がむくむことになります。老人には意外に多い病気です。
次に、血管の中の蛋白質の濃度が低下する病気、たとえばネフロ−ゼ症候群(尿に蛋白質が多量に漏れる)や肝硬変(肝臓で蛋白質の産生が低下する)では、当然全身のむくみ(浮腫)が現われます。肝硬変の場合、肝臓に流れ込む門脈という静脈の圧が上昇し、特にお腹に水が溜まりやすくなります(腹水)。その他、毛細血管が蛋白質や水分を通しやすくなるような病気としては、糖尿病や膠原病などがあります。また、特発性浮腫と言って、原因は不明ながらむくみを示す場合があります。 |
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むくみの原因はリンパ系、それとも静脈? |
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むくみの原因を、リンパ系によるものだと勘違いする人が多くいます。むくみはリンパの流れが悪いからだと、むくみ即リンパと結びつけて考えがちですが、実はむくみの殆どの原因が静脈にあり、リンパが原因のむくみはごく僅かしかありません。
リンパ系は人の身体にとって非常に大切な役割を担っています。しかし、むくみに関して言えば、静脈で処理し切れなかった水分をリンパ系がサポートしているにすぎません。リンパには、余分な液体の回収と排泄機能、免疫機能
の3つの大きな役割があります。血液の成分の一部は毛細血管から組織液の中に滲み出し、組織液の中に滲み出した余分な液体がリンパ管を通して集められ、最後は鎖骨下静脈に流れ込みます。この時に静脈に還流されるのは90%で、リンパ系へは10%しか還流されません。むくみは、いったん血管外へ出た間質液が血管外の組織間隙に過剰に溜まったものなので、その大部分を静脈が排除して、リンパ系は残りの僅かしか排除していないということになります。このようにリンパ系の一つ目の役割である余分な液体の回収については意外と仕事量が少ないのです。 |
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参考:リンパ系の本来の役割 |
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心臓から送り出された血液が、身体を循環するプロセスで動脈の毛細血管より染み出た間質液の約90%が静脈側の毛細血管に吸収されてゆきますが、残りの10%が毛細リンパ管に吸収されて、リンパ液が有害物質と共にリンパ管へ送られ、最後に静脈と合流します。この際、リンパ液に含まれる有害物質には細菌やガン細胞が含まれるので、そのまま静脈に送られたのでは大変なことになるため、静脈と合流する前にリンパ節というフィルターが有害物質を捉えて、リンパ液に含まれるリンパ球と言われる免疫細胞が有害物質を攻撃してくれうのです。 |
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むくみの原因(1):一過性のもの |
むくみには一過性のものと慢性的なものとがあります。まずは一過性のむくみの原因から解説してゆきます。
病気が原因のむくみ以外は生活習慣に原因があるといっても過言ではありません。私達は就業環境の変化と昼夜逆転の仕事環境、日常生活での夜更かしなどで寝不足になってしまいます。不規則な食生活、ファーストフードやインスタント食品中心の食生活による栄養の偏りで肥満傾向になるか、過度なダイエットで痩せすぎになる危険性もあります。そこに運動不足が加わり、筋肉が衰え、肌も張りがなくなり、これがむくみを起こす原因にもなります。しかも現代人はストレスに晒され、イライラが続く毎日を送っています。寝不足や運動不足、栄養の偏り、ストレスはむくみの大きな原因になります。
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重力の影響 |
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血液は心臓から動脈の中を送り出され、器官・細胞で役目を終えれば心臓へ静脈を通って戻ってゆきます。下半身の静脈の流れは基本的に重力に逆らう形になるため、静脈へ戻って来る細胞間質液の量が少なくなるのです。夕方から夜にかけてむくみが起こりやすいのはこのためです。 |
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長時間同じ姿勢でいる |
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長時間立ったまま、ないし座ったままの姿勢でいる場合、重力の影響に加え、筋肉のポンプとしての働きがなされなため、細胞間質液が滞り、むくみが生じます。静脈の血液の流れやリンパの流れは、筋肉の収縮のみがポンプとして働きます(筋ポンプ作用)。立ち仕事やデスクワークなど、長時間ずっと同じ姿勢の状態でいると、脹ら脛の動きが少なくなり、筋肉の収縮作用によるポンプ機能が上手く働かなくなってしまいます。その結果、足の血液が心臓に戻りにくくなり、鬱滞してむくみに繋がります。 |
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運動不足による筋力の低下 |
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高齢になったり運動不足のために筋肉の減少や衰えが見られると、むくみやすくなります。これは筋肉のポンプ作用が弱くなって静脈やリンパの流れを滞らせるためです。運動不足等によって脹ら脛の筋肉が衰えると、ポンプ機能が低下し、足の血液を心臓へ送り戻す効率が悪くなります。筋肉は収縮することで血管やリンパ管を押すポンプのような役割をしているので、筋力が弱いと血流が悪くなってむくみやすくなります。特に足の筋力が弱いと、足に溜まった血液が上半身へ戻らず足がむくみやすいのです。 |
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塩分の摂り過ぎ |
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味の濃い、塩分の高い食べ物を取り過ぎると、むくみの原因となります。塩分には水分を抱え込む性質があります。塩分を摂り過ぎると、水分を体に溜め込もうとし、水分を十分輩出出来なかったり、喉の乾きという信号が現われます。その結果、余分な水分を上手く排出できなくなり、体内の水分量の増加に伴い細胞間質液の増加に繋がるのです。 |
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参考:塩分と体液量の関係 |
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体内の塩分濃度は一定に保たれる性質があり、そのため塩分を過剰摂取すると、それを薄めるために水分を体内に溜め込みます。単に水分を過剰に摂取しただけなら直ぐに尿として排出されるのですが、塩分は直ぐに排出されないため、体液量は暫く多いままとなります。 |
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ビタミン&ミネラル、タンパク質の不足 |
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特にカリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルや、ビタミンB1、タンパク質が不足すると、むくみが出やすくなります。摂取したタンパク質の一部は分解されてアルブミンという物質になります。アルブミンは血管内の血液中に存在しており、血液中のアルブミンの濃度が低いと浸透圧の影響で細胞間質液が増加し、むくみが生じます。 |
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参考:浸透圧とは |
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溶媒のみが透過できる膜において溶媒が濃度の低い側から高い側へ移動するように働く力を浸透圧と言います。浸透圧は濃度差に比例して大きくなります。血管はアルブミンを通さないので、アルブミンが少ないと(濃度が低いと)血管から出てゆく溶媒は多くなります。 |
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アルコールの過剰摂取 |
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アルコールを摂取した次の日に顔がパンパンに腫れていたという経験がある人も珍しくないと思います。実はアルコールがむくみを引き起こすメカニズムには様々なものがあります。
アルコールは血管内脱水の作用があるため、飲みすぎると身体の水分が失われ、血液濃度が高くなります。身体は危険を回避するために血管内に水分を取り込み、血液濃度を低くしようとします。この時に取り込んだ水分の一部がむくみとなります。それは、アルコールは血管を拡張する性質があるため、動脈から水分を通しやすくなり、細胞間質液の量が増えるのです。また、アルコールは脱水効果があり尿の量が増えますが、水分を排出した後は喉が渇くために水分を摂取します。しかし、体内の水分量を判断する機能が低下しているため、必要以上に水分を摂取してしまい、その結果水分過多となり、これがむくみの一因となります。 |
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水分の摂り過ぎ |
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「水をたくさん飲むとよい」とよく言われますが、それが当て嵌まる人は水分をバランスよく排泄できる人に限られます。しかし、汗や尿で排泄されない水分は、身体に溜まってむくみの原因になります。特に寝る前の水分の摂り過ぎは翌朝手や顔がむくむ原因になります。 |
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参考:むくみを引き起こす水分の正体 |
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むくみを引き起こしている水分は、細胞を満たしている細胞間質液(または組織液)という液体です。細胞間質液は血管を流れる血液の一部が血管の外に出た液体で、細胞に酸素や栄養を運んだり細胞の老廃物を取り込んで排出する働きがあります。血管(動脈)から出て細胞間質液となった液体は、役目を終えた後、血管(静脈)へ戻ってゆき、また、その一部がリンパ管から排出されます。ここで動脈からの量が増えたり、排出される量が少なくなるなどして細胞間質液が多くなった時にむくみが起こるのです。 |
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体温調節不足 |
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エアコンで温度変化のない環境の中でずっと過ごしていると、体温を調節する発汗などの自律神経の働きが鈍くなり、水分代謝が低下して、むくみの原因になります。 |
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冷え |
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身体の冷えがむくみに繋がるとはよく言われることですが、これは身体が冷えることで血行不良や筋肉のパフォーマンス低下が生じ、その結果、細胞間質液が滞ってむくみが生じるのです。身体の冷えは血行不良によるもので、足の毛細血管まで血液が循環しなくなるため、血液やリンパの流れが滞って、むくみに繋がるのです。 |
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女性特有のむくみ |
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女性は男性よりも筋肉量が少ないため、足がむくみやすい傾向にあります。筋肉量が男性に比べて少ない女性は、心臓に向かって血液を押し戻す働きが弱いのです。また、妊娠や生理などホルモンの影響でむくみが出やすいという側面があります。
- 妊娠によるむくみ
妊娠中は足のむくみを感じやすくなります。割合で言うと、約3割の女性が妊娠中にむくみを感じています。
- 生理によるむくみ
原因はホルモンです。黄体ホルモンというホルモンの分泌量が生理前になると多くなりますが、そうすると余分な水分が体に溜まりやすくなり、むくみになります。
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むくみの原因(2):慢性的なもの |
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むくみに気づいたら |
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一過性のむくみの原因に当て嵌まらず、数日間むくみが続くような場合には病気の可能性もあるので、
- むくみが一日中持続している
- むくみが何日も続いている
- 足の血管がボコボコ浮き出ている
- 足の痛みが伴っている
- 急に体重が増えた
- 顔や瞼がむくむ
- 尿の出が悪い
- 坂道や階段で息が切れる、疲れやすい
といった症状に注意し、もしもこれらの症状がある場合は、なるべく早めに医者にかかることをオススメします。 |
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自律神経の乱れ |
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むくみには自律神経の乱れも関係しています。交感神経には血管を収縮させる性質があるため、交感神経が弱ければ血管が拡張されて動脈から水分を通しやすくなり、むくみが起こります。また、交感神経が優位な場合が続く場合も、血管の収縮によって血液やリンパの流れを悪化させるために、それがむくみの原因となります。 |
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参考:自律神経とは |
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自律神経は交感神経と副交感神経とから成ります。交感神経は興奮状態の時に働き、それに対して副交感神経はリラックス状態の時に働く神経です。このように両者は相反するものであり、私たちの健康はこの二つの神経のバランスによって維持されています。自律神経の乱れは、睡眠不足やストレスなどによって惹き起こされます。 |
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内臓疾患〜むくみは重要な内臓の疾患のシグナル〜 |
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むくみは心臓や肝臓、腎臓などと言った重要な内臓の疾患のシグナルとなることもあります。
- 心臓障害
心臓に何らかの障害があるために心臓がポンプの役割を正常に果たせなくなり、血行が悪くなってむくみを引き起こすことがあります。いわゆる心不全といわれる状態です。心不全になると心臓のポンプ機能が低下するため、血流が滞ってむくみが生じるのです。
- 肝臓や腎臓の障害
血中にはアルブミンというタンパク質があり、血管に水分を摂り込んだり排出したりしながら浸透圧を調整する役割を担っています。肝臓や腎臓に何らかの障害があると、このアルブミン量が低下し、血管での水分調整が効かなくなって、むくみの原因となります。
- 肝臓疾患:
肝臓はアルブミンの生成を担っているので、肝臓の疾患によってアルブミンの量が減少することがります。
- 腎臓疾患:
腎臓の疾患により尿として排出される水分が減るため、塩分を過剰摂取しなくとも体液量が増加します。
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リンパ浮腫 |
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血管と同様に全身に張り巡らされたリンパ管を流れるリンパ液が何らかの原因で流れが滞り、四肢に溜まった状態をリンパ浮腫と言います。
リンパ浮腫の原因としては癌の術後に起こるものが多いです。大腸癌や子宮癌、乳癌などの手術では、リンパ節を切除したり、放射線治療をして癌の転移を防ぐ必要がありますが、その際リンパ節を損傷するため、手や足のリンパ液の流れが悪くなってむくむのです。リンパ浮腫は、癌の手術後直ぐに発症する人もいれば、5年後10年後に症状が突然現われることもあります。また、癌の治療後ではなくともリンパ浮腫は起こるわけですが、原因が特定できないリンパ浮腫は特発性リンパ浮腫と言われています。残念ながらリンパ浮腫は自然に治ることがない病気で、急に悪化して急性リンパ管炎を起こすと、熱を持ったり痛みを感じたりします。何れにせよ、専門の血管外科医に管理してもらうのが望ましいでしょう。 |
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下肢静脈瘤 |
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足の静脈には一度心臓に向かった血液が逆流して足に戻ることを防ぐ静脈弁が付いていますが、その静脈弁が壊れて逆流した血液が足に溜まってしまう病気が原因となることがあります。 |
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深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群) |
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長時間のバスや飛行機に乗ったり、病気で寝たきり状態など、同じ姿勢を取り続けた後に足の静脈に血栓が出来ることがあります。足の静脈に血栓が出来ると、静脈が心臓に戻りにくくなり、足がむくみます。足に血栓が出来るのを予防するには、水分摂取や足を動かすように勉める他、弾性ストッキングを履くことも有効です。
なお、足の静脈に血栓があった場合、血栓をこれ以上大きくしないための治療に加えて、血栓を溶かす治療を行なうことがあります。一般には、血栓があれば肺血栓塞栓症(血栓が肺の血管に飛んでしまい、呼吸ができなくなって生命を落とすこともある)のリスクを考えて入院し、速効性のあるヘパリンなどの抗凝固薬を毎日点滴しなくてはいけません。しかし、近年新たに飲み薬の抗凝固薬が登場し、血栓の浮遊や呼吸の苦しさといった症状がないなど一定の条件を満たす場合、外来治療を行なうことも可能になっています。
- 肺血栓塞栓症のリスク
- 年齢60歳以上
- 心房細動
- 喫煙
- 手足のけがケガ
- 心不全
- 悪性腫瘍
- 肥満
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 経口避妊薬
- 妊娠及び分娩後
- 過去3カ月以内の手術 など
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腎臓の病気の初期症状とむくみ |
身体のフィルター機能を司る腎臓の病気はむくみがかなり出やすいと言ってよいでしょう。しかし、むくみ以外の症状が見えにくいので発見が遅くなりやすい病気でもあります。人工透析を受けることになったりしないよう、日頃から気をつけておきたいものです。
腎臓系の病気、腎不全やネフローゼ症候群の可能性 |
むくみが解消されない場合の可能性の一つが、腎臓に関わる病気、いわゆる腎臓病です。
腎臓病と言っても非常に様々な種類があり、糸球体腎炎や痛風腎、腎臓結石と言った余り馴染みのないものもあれば、慢性腎炎や糖尿病性腎症など多少聞いたことがあるような名前のものもあります。
腎臓は、私達の体内の水分量を調節したり老廃物を尿として排出する働きを持つ臓器です。たとえば暑くて水分を摂っていない時は尿の量が少なくなりますが、水分をたくさん摂っていると当然ながらトイレに頻繁にゆきたくなります。こういった調整や血液などから私達の身体に要らないもの(老廃物)を取り分けるフィルターのような役目を腎臓はこなしているのです。しかし、それが何らかの原因で腎臓の機能が低下してしまうと、むくみという形で症状が外に現われて来ます。全ての腎臓病の症状としむくみ(浮腫)が出てくるわけではありませんが、腎臓の病気の中でむくみが出てくるものは幾つかあります。
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むくみ(浮腫)と腎臓病の関係〜むくみの原因は腎臓病に限らない!?〜 |
むくみが出ると直ぐ腎臓が悪いと判断される人が多いかもしれません。確かにむくみの原因として腎臓病は最も多いものであり、むくみが出たら、まず腎臓病でないかどうかを調べる必要があります。重症の腎臓病で尿が余り出ないのに普通に飲み食いすれば、身体に水分が溜まってむくむのは当たり前です。しかし、このような腎臓病は腎不全、ないしは急性糸球体腎炎やネフロ−ゼ症候群などに限られます。最も多い腎臓病である慢性糸球体腎炎では一般にむくみは見られません。つまり、むくみの原因は腎臓病に限らないということです。
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腎不全になると身体全体のむくみの原因に |
腎不全とは、その名前から分かる通り腎臓の機能が不全になる、働きが低下してしまう状態です。腎不全によるむくみは腎性浮腫と呼ばれ、下肢だけではなく、全身がむくむこともあります。
腎不全になると、身体のフィルター機能が上手く働かなくなり、老廃物が身体から十分に排出することが出来ず、むくみの原因になってしまうのです。最悪な場合は人工透析が必要になってしまうなど、非常に怖い病気とも言えるでしょう。
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慢性腎不全の原因 |
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腎不全は何らかの腎臓の病気が原因で引き起こされる結果のようなもので、急性と慢性があります。急性は治療をすれば腎機能が回復する可能性がありますが、慢性の場合は腎機能が回復することはないと言われています。慢性の腎不全の原因には以下の病気の存在が考えられます。
- 慢性糸球体腎炎
- 腎硬化症
- 多発性嚢胞腎
- 糖尿病性腎症
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むくみが症状として出る病気、ネフローゼ症候群 |
余り馴染みがない名前かも知れませんが、腎臓の病気で、かつむくみが症状として現れるネフローゼ症候群という病気があります。ネフローゼ症候群になる原因は血液をろ過する糸球体という部分で、その糸球体に障害が起きることでタンパクが老廃物と見做されて多量に排出されてしまい、その結果、血中のタンパクが減少してしまのです。自覚症状は殆どなく、健康診断や別の病気の検査などで見つかることが多いです。
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慢性腎不全の原因 |
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ネフローゼ症候群のむくみ以外の代表的な症状としては、トイレの際に尿が泡立つこと、また、体重が増えることの二つが考えられます。まず尿が泡立つのは、尿に含まれるタンパク量が増加している可能性が高いことを表わしています。もちろん腎不全でなくても尿が泡立つことはあるので、必ずしも尿が泡立ったら即ネフローゼ症候群というわけではありません。逆に体重が増えるのはむくみによるもので、不要な水分が体外に排出されないため全身がむくむようになり、その結果、体重増加に繋がるというわけです。どちらの症状もはっきりとは自分で判断しにくいのが厄介なところと言えるでしょう。 |
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ネフローゼ症候群の検査や治療方法 |
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ネフローゼ症候群の検査は、尿検査でタンパク値が一定以上だった場合、血液検査や腎機能検査などの精密検査を行ないます。治療は基本的に薬物療法となり、ステロイド薬や免疫抑制薬といった薬を飲むことで腎機能の改善・回復を試みます。また、塩分量を制限する食事療法も併せて行なわれることがあります。治療期間は人によって違うので一概には言えませんが、完治も期待できる病気です。 |
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甲状腺の機能低下の病気もむくみの原因に |
女性に多い甲状腺ホルモンの異常 |
女性であれば馴染みがあるかも知れない甲状腺もむくみの原因となる場合があります。むくみが症状として発生する代表的なものとしては甲状腺機能低下症があります。甲状腺機能低下症は男性に比べて女性の方が10倍近く発症することが知られています。
女性の場合、むくみが解消されない原因として一番考えられるのが甲状腺ホルモンの異常でです。永続的なものでなくても、一過性の甲状腺機能低下症でむくみの症状が出ることもあるので、普段より疲れやすくなっている場合はこちらを疑ってみてもよいでしょう。
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甲状腺機能低下症とは? |
甲状腺は身体の新陳代謝を促すホルモンを生成する器官で、喉仏の付近にあります。 甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌量が少なくなることによって様々な機能低下が発生する病気です。特に中高年の女性の場合、老化現象と混同しやすいため、甲状腺機能低下症と気づかないことが多いと言われます。
甲状腺機能低下症になると、新陳代謝が下がるため、身体のだるさや脱力感、身体の冷えを感じることが多くなります。身体全体の機能が低下するので、記憶力や集中力の低下が起こったり、動作が緩慢になるといった症状が出ることもあります。ただ、何れの症状も軽度なため、一時的な体調不良や歳のせいと思い気にしない人が多く、診断を受けるまで長期間放置されている場合も非常に多いのが特徴です。また、甲状腺機能低下症は様々な症状が出るため、別の病気と間違われやすい傾向にあります。この病気か確実に調べるには血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定してもらう必要があります。
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甲状腺機能低下症の原因 |
それでは、一体どうして甲状腺機能低下症になってしまうのでしょうか? その原因は様々なのですが、大きくわけるとこのような感じになります。
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甲状腺機能低下症の主な原因 |
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- 原発性甲状腺機能低下症:
原発性甲状腺機能低下症は甲状腺そのものの異常その他によって起こる甲状腺の病気で、機能が低下してしまうものです。中でも一番多いのは自己免疫の異常によってリンパ球が甲状腺の組織を破壊してしまう橋本病で、日本ではこの病気が甲状腺機能低下症の一番多い原因と言われています。
- 先天性甲状腺機能低下症:
先天性の甲状腺機能低下症は生まれた時から甲状腺機能が低下しているもので、クレチン症とも言われます。甲状腺がない場合や甲状腺ホルモンの分泌量が少ない、甲状腺が小さいなどが原因で起こります。
- ヨードの過剰摂取による甲状腺機能低下:
ヨードの過剰摂取が原因の甲状腺機能低下症は、海藻を食べる機会が多い日本ならではのものです。海藻に含まれるヨードを必要以上に摂取し過ぎると甲状腺の機能が低下することがあります。ヨードは甲状腺ホルモンの原料ではあるのですが、過剰に摂取すると、逆に甲状腺の働きが弱まってしまうのです。
- 甲状腺の病気の治療による機能低下:
バセドウ病に代表される甲状腺の病気の治療にヨードを使用したり手術をしたりすると、どうしても甲状腺の機能が低下してしまいます。手術によって甲状腺を全て摘出する場合は100%、一部を摘出する場合は30〜40%が甲状腺機能低下症になると言われています。
- 一過性のもの:
甲状腺の病気の治療によって一時的に甲状腺の機能が低下してしまうこともあります。これは一過性と言われ、甲状腺が破壊されてしまうことで一時的に血液中の甲状腺ホルモンの量が増加してしまう病気である無痛性甲状腺炎の回復段階などで見られることがあります。
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治療法はむくみの原因やどのタイプのむくみかによって変わる |
甲状腺機能低下症の治療は原因等のタイプによっても変わります。たとえば原因がヨードの過剰摂取による機能低下であれば、ヨードの摂取量を抑えるだけで十分に治療効果が得られます。一方、先天性の甲状腺機能低下症であれば甲状腺ホルモンを摂取することで問題なく、また新生児の時に治療していれば現在も問題がない人が多いはずです。また、その他の甲状腺機能低下症ですが、一過性の場合は自然に甲状腺の働きが戻って来るので、何かしらの治療をすることはなく、経過観察となります。なお、一過性ではない、永続性の甲状腺機能低下症の場合は甲状腺ホルモン剤を内服することで症状の改善を目指すことになります。
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肝臓病の症状にもむくみが |
肝臓病とは |
沈黙の臓器とも言われる肝臓は代謝や解毒等の働きを担う人体にとってとても大切な臓器で、何らかの原因で肝臓の機能が低下すると身体全体がだるく疲れやすくなってきます。
肝臓病とは一般に脂肪肝やアルコール肝炎、肝硬変、またウイルス性肝炎などのことを言います。それぞれの症状及び状態は独立しているものの、脂肪肝から始まり、最終的に肝硬変に行き着きます。
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生活習慣病のひとつ脂肪肝 |
現代の食生活は昔に比べて豊かになりました。その分肥満になる人が増え、脂肪肝になる人も増えています。脂肪肝とは、肝臓が含んでいる脂肪が5%を超えた状態(健康時3〜5%)のことを言います。男性の方がなりやすい傾向にありますが、女性でも40歳以降ならば発症する確率が高いです。また、基本に脂肪肝の自覚症状はなく、超音波検査などで初めて分かります。
肝臓の機能が低下すると、血液の中に水分を留めておく働きをするアルブミンというタンパク質の合成をすることが上手く出来なくなります。これは腎臓と同様、血液中のタンパク質が低下する低蛋白血症を引き起こし、むくみの原因になります。なお、肝性浮腫以外の症状としては、熱っぽい・だるい、手のひらが赤くなるなどが挙げられます。
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お酒をたくさん飲んでいると肝硬変に |
アルコールが好きでよく飲む、或は飲み過ぎることも多いという人は要注意です。
脂肪肝の人がアルコールを大量に摂取していると、肝臓病の一つ、肝硬変の原因となります。もちろんこの段階でも脂肪肝と同様にむくみの症状が現われますが、肝臓は沈黙の臓器とも言われる通り、痛みなどによって知らせてくれることはありません。また、大量にアルコールを摂取し続けた場合、約10〜20%の人がアルコール性肝炎になります。これはアルコールを過剰に摂取したせいで肝臓が炎症を起こしている状態で、最悪の場合は死に至ることがあります。なお、糖尿病を患っている人も脂肪肝であることが多く、また、アルコールによる肝硬変でなく、脂肪肝が炎症や線維化することによって肝硬変になってしまうこともあります。これを非アルコール性脂肪性肝炎と言います。
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肝硬変は肝臓病の最終地 |
傷めつけられた肝臓が最終的に行き着くところが肝硬変です。他の病気と同様、肝硬変も発見が早ければ十分に治療が可能です。特にアルコール性の肝硬変になった場合は断酒することで改善が見込めます。
肝臓病は他の病気に比べて自覚症状が出にくいことはご存知の人も多いでしょう。そのため、毎日浴びるようにお酒を飲んでいるという人は一度医者で検査を受けてみてもよいでしょう。
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心臓の病気の初期症状にもむくみが |
心不全とむくみ |
腎臓や甲状腺の異常以外にも、私達が生きていくために欠かせない心臓が原因となって起こるむくみも存在します。
意外なことに心不全は病気ではありません。心不全とは実は病名ではなく、心臓の働きが不十分な結果起きた身体の状態を言うのです。心臓は全身に血液を送るポンプ機能を果たしていますが、病気など何らかの原因でその機能が低下することによって全身へ新鮮な血液を送ることが出来なくなってしまいます。その結果、身体の末端である足などに水が溜まり、それがむくみを引き起こすのです。
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心不全は様々な重い病気が原因で引き起こされることが多い |
心不全はむくみだけでなく全身の機能の低下も起こる厄介な疾患です。もっとも腎臓病や肝臓病、また甲状腺機能低下といった要因に比べると、一番可能性が低いのが心不全が原因のむくみと言えます。ただ、知らないところで疾患がある場合もあるので注意は必要です。
心不全の怖いところは、原因がひとつではないところにもあります。虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)や心臓の弁の病気(僧帽弁狭窄症・肺動脈弁閉鎖不全症など)、また心筋症(肥大型・拡張型)などといった心臓の病気が心不全を引き起こすのはもちろんですが、加齢による心臓機能の低下や高血圧、或は貧血といった心臓の病気や機能に関わるものとは別の原因で心不全になることもあります。心不全になる人は心臓に何らかの疾患を持っている人が多いのですが、他の病気でも心不全が引き起こされる可能性は十分にあります。
心不全には急性心不全と慢性心不全とがあります。急性心不全は、それまで安定していてもストレスなどで急に心不全が起こり、最悪の場合は死に至ることもあります。それに対して慢性心不全は、心臓の機能は低下しているものの、身体全体としては比較的安定した状態です。なお。心不全の治療は、その原因となる病気を治療することで改善されることが多いですが、体内の水分を排出しやすくする利尿剤や血流改善のための血管拡張剤などを使用して症状の改善を試みることもあります。また、生活療法として塩分を控えめにしたり、体重や水分のコントロールを図ることもあります。
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むくみが出るその他の病気 |
むくみが症状として現われる病気は、上記以外にもまだまだあります。
肺気腫もむくみの症状が |
いささか意外な感じがしますが、肺の病気の一つである肺気腫もむくみが症状の一つに数えられます。
肺気腫とは、喫煙などを原因として、肺の中にある肺胞というとても小さな部屋で酸素と二酸化炭素(炭酸ガス)との交換をしてくれる呼吸に欠かせない部分が破壊されてしまう病気です。肺気腫の代表的な症状は息切れや呼吸困難と言った呼吸にまつわる症状ですが、むくみもその症状の一つとして数えられます。肺気腫はその原因の殆どが喫煙と言われているので、普段タバコを吸っている人でむくみが気になるという人方は肺気腫を患っている可能性があります。
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静脈性浮腫は様々な病気を引き起こす原因に
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人間の血液には動脈と静脈があります。後者の静脈は古い血液を心臓に戻すために使われるもので、この流れが悪くなると、古い血液をはじめ余分な老廃物などが身体に溜まったままになり、むくみの原因になります。静脈の血流の悪さが原因でおこるむくみのことを静脈性浮腫と言うのですが、これが下記のような様々な病気を引き起こす原因になるのです。
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色素沈着 |
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静脈の血流が溜まって毛細静脈が詰まると、皮膚が赤黒く色素沈着しまます。 |
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鬱血性皮膚炎 |
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毛細血管から白血球の成分が漏れ出してしまうことで、アレルギーのような炎症が皮膚に見られます。痒みを伴うことが多く、掻いてしまうと、更に痒みや色素沈着を引き起こしてしまいます。 |
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皮膚の硬化 |
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炎症や皮膚炎を繰り返していると、段々と皮膚が硬化してしまいます。 |
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皮膚潰瘍 |
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皮膚炎などで痒みを伴っている時、つい掻いてしまうと傷が出来る時があります。むくんでいると傷の治りが非常に遅く、傷が大きくなって皮膚潰瘍となってしまうケースがあります。 |
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中年の女性に多い下肢静脈瘤も足のむくみの原因に |
下肢静脈瘤とは、血液の逆流を防ぐために血管にある弁が正しく閉じなくなってしまったために血液が逆流してしまうことによって起こる足の血管の病気です。ふくらはぎの血管がなんか膨らんでいたり、ボコボコしているという人は下肢静脈瘤の可能性がとても高いと言えます。
下肢静脈瘤になると、足に血液が溜まってしまうため、非常にむくみやすい状態にあると言えます。毎日夕方には足がむくんでいるという人は要注意です。むくみ以外にも足に痒みを感じたり、ほてる、つるといった症状も現われます。年齢を重ねる毎に発症しやすくなり、昨今は10人に1人が発症しているとされます。ただし、比較的良性の病気なので、生命に関わるというほどのことはありません。なお、静脈瘤で膨らんだ部分の血液が固まって血栓になってしまうと血栓性静脈炎となり、熱や痛みを感じます。炎症が起こることもあり、繰り返されると色素沈着を引き起こしたり、皮膚が硬化したりする恐れもあります。
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原因不明の突発性浮腫 |
上記とは別に、なぜむくんでしまっているのかその原因がわからない症状もあります。それが突発性浮腫です。突発性と言うと、ある日突然むくむくむと思われがちですが、ここで言う突発性は「原因不明」という意味で使われています。突発性浮腫は20代〜50代の女性に多く、検査などをしてもむくみの原因となる病気などがないのに、なぜかむくんでしまう症状です。
もちろん普段の生活でのむくみを突発性浮腫とは言いません。下肢(下半身)や顔から始まり、手や全身が慢性的及び長期的にむくみ、体重で言えば1kg〜3kg程度の増減が感じられるほどの、むくみとしては重い症状が出るものを言います。原因は不明ながら女性に多いため、月経によるホルモンバランスやストレスの影響、或は利尿剤の使用しすぎなど様々な要因が考えられていますが、はっきりとした原因は判明していません。明確な治療法もありませんが、「自分はむくみすぎている」と思ったら突発性浮腫かも知れないので、一度病院で検査を受けてみることをオススメします。
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薬とむくみ
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薬の副作用でむくみが出る場合もある |
私達が普段飲んでいる薬がむくみの原因になることもあります。薬を服用することで、その薬の成分が血液を通じて全身をめぐって効果を発揮するわけですが、薬剤の服用によって血液中の成分バランスが変わりることで、肝臓や腎臓などにもその影響が及んでしまうため、これが原因でむくみが出てしまうことがあるのです。
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むくみを引き起こす代表的な薬剤
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高血圧の薬(カルシウム拮抗薬 |
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高血圧の薬であるカルシウム拮抗薬は、動脈の拡張作用が静脈よりも強いため、静脈圧が上がることで足がむくみやすくなります。ただし、欧米人に比べると日本人がこの薬でむくみを起こす頻度は少ないとされています。 |
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糖尿病の薬(インスリン抵抗性改善薬) |
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糖尿病治療の薬の一つであるインスリン抵抗性改善薬は、腎臓におけるナトリウムの再吸収を高めるため、塩分を多く摂ってしまう人や女性や高齢者でむくみが出やすいことが知られています。 |
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消炎鎮痛剤(ロキソニン等) |
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市販の痛み止めや風邪薬にも含まれる非ステロイド消炎鎮痛剤は、腎血流が低下して尿として排泄される水分が少なくなるので、むくみが起きることがあります。 |
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甘草、グリチルリチン製剤 |
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甘草を含む漢方薬や甘草から抽出したグリチルリチン(アレルギーや炎症を抑える効果がある)は体内で作られるアルドステロンというホルモンに似た働きをします。アルドステロンはカリウムの排出を促す働きがありナトリウムが体の外に排出されるのを妨げてしまいます。グリチルリチンはこれと似た働きをするのでむくみが起こることがあります。 |
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