【1】プール熱は何か? |
今年の夏はプール熱の流行しているそうですが、プール熱とは一体どんな病気なのでしょうか?
本節では、プール熱とは何か、その特徴について解説しました。
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プール熱が流行、07年以降最多 |
子供に多い感染症である咽頭結膜熱(プール熱)の患者が2007年以降、過去10年で最多となっていることが国立感染症研究所の集計で分かったそうです。
感染研によると、全国3千カ所の小児科医療機関から5月22日から28日までに報告された1医療機関当たりの患者数は0・91人で、前の週より4割も増えたと言います。昨年同時期より0・18人多く、過去10年の同時期と比較して最も多くなっています。また都道府県別では、鹿児島県を筆頭に、北海道、山梨県、奈良県、岩手県の順で患者が多いと言います。もっとも昔と違い、最近はウイルス感染を迅速に検査できるようになったお陰で報告数が増えている可能性もあるそうです。一般にプール熱は例年は6月頃から患者が増え始め、7〜8月にピークを迎えるのですが、今年は5月から既に多くなっているそうです。例年のウイルスとの違いは特に見られず、流行の理由も今のところはっきりしないそうです。
プール熱には特効薬がなく、肺炎になることもあるそうです。小学校入学までの子どもが罹ることが多く、咳やクシャミ、タオルの使い回しで感染します。従来はプールの水から感染することが多く、そのためプール熱と呼ばれていましたが、近年は塩素消毒の効果でプールから感染が広がるのは稀になっているとのことです。ただ、咽頭結膜熱は感染力が強い感染症で、咳やクシャミなどの飛沫の他、目ヤニなどからもプール熱に感染するため、専門家は手洗いの徹底やタオルを共有しないなどの対策で予防するように呼びかけています。重症化することは稀ですが、感染力が強いため、厚生労働省でも手洗いや目を擦らないなどの予防策をしっかり行なうことを訴えています。
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夏風邪とプール熱 |
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子供の三大夏風邪に注意 |
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夏になると子供を中心に患者数が増える感染症が手足口病とヘルパンギーナ、そしてプール熱こと咽頭結膜熱で、これらを総称して一般に「子供の三大夏風邪」などと呼ばれています。例年6〜8月にかけてそれぞれの流行がピークを迎えるので、その特長や注意点を確認し、事前の感染対策がひつようになります。 |
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プール熱は急な発熱が特徴の夏風邪の代表格 |
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プール熱は実は風邪の一種で、数ある風邪のウイルスの中でアデノウイルスに感染すると発症するのがプール熱です。プール熱は数種のアデノウイルスの感染により発症し、1年中罹る可能性がありますが、特に感染者が多く出る時期は6月〜8月です。また、プール熱の3大症状と呼ばれるのが、発熱と喉の痛み、そして結膜炎で、特に熱は風邪と異なり急に40度近くまで上がるのが特徴です。また、風邪の熱が1日〜2日で下がるのに対し、プール熱での発熱は1週間程度続きます。 |
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実は冬も危険なプール熱 |
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プール熱と言うと、その名称から夏のプールの時期にだけ流行るものと思われがちですが、しかし、現在ではプール熱は冬でも流行る病気となっていて、1年中を通して危険だと言われているのです。それでは、どうしてプール熱が冬も危険かと言うと、温水プールなどが原因で、1年を通してプールに入ることが増えたからだと言われています。スイミングスクールに1年中通っているお子さんもいることでしょうが、そういったことを考慮すると、冬のプール熱にも注意が必要であることが分かると思います。プール熱はアデノウイルスが原因で、プールの水などからウイルスが口や目に入って感染します。なお、冬のプール熱は冬の初めに広がりやすいと言われています。冬場にプール熱が蔓延しやすいのは、空気が乾燥することや免疫力が落ちていることなどが原因している可能性も否定できません。まずはストレスを貯め込まず、睡眠や栄養を摂って規則正しい生活を送り、免疫力を上げることも大切です。 |
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プール熱(咽頭結膜熱)とはどんな病気か? |
咽頭結膜熱(プール熱、pharyngoconjunctival fever:PCF)は毎年夏を中心に流行する数種類のアデノウイルスによる小児の急性ウイルス感染症で、発熱や咽頭炎、結膜炎が主な症状です。プール熱は高熱が出て目が赤くなり、喉が腫れて痛んだりする症状が出る病気です。喉が腫れて痛み出し、それと同時に結膜炎も起こして白目や瞼が赤くなり、いきなり高熱が出ます。プールなどの水を介してヒトからヒトへ感染が拡大することが多いので、日本では一般にプール熱とも呼ばれています。或は結膜炎のため、はやり眼と呼ばれることもあります。1年間を通して発生しますが、6月末頃から増え始め、7〜8月にかけて流行、患者数のピークを迎えます。また、小規模ながら冬にも流行が見られます。
インフルエンザが冬場に多く発症し、夏に殆ど発症しないのは湿度のせいですが、このアデノウイルスは湿度に関係なく起こるため、季節を選びません。ただ、夏場にプールなどの水を媒介にして起こるので、一般に夏風邪と認識されています。ただインフルエンザと違い、これが効くといった特効薬がないので、喉の痛みや結膜炎などの対処療法をし、しっかりと水分補給をして、安静にして身体を回復させてゆく以外に治療方法がありません。なお、失われた水分や栄養素を効率よく吸収することができるので、体調不良時の水分補給には経口補水液がオススメです。
また、プール熱に家族で罹ってしまうと、大人にも移る可能性があります。そのため、タオルや洗濯物は別にするのも予防になってよいでしょう。また、症状が終息したと思っても、幼稚園や学校へ行くためには、医師による治癒証明が必要になります。
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プール熱とその特徴 |
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風邪より強いプール熱の感染力 |
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プール熱は普通の風邪に比べて強い感染力を持つため、第二種学校伝染病に指定されています。第二種学校伝染病とは飛沫感染で広がりやすい病気のことで、インフルエンザやおたふくかぜ、風疹や麻疹もこれに該当します。第二種学校伝染病に指定された病気は登園・登校に制限があり、プール熱の場合は症状が完全に消えてから2日は登園・登校することができません |
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プール熱には何度も感染する |
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プール熱は普通の夏風邪とは違い、いきなり高熱を発症します。普通の風邪なら咳や鼻水などの症状が出た後に熱が出るのですが、プール熱は高熱から始まるのです。熱が漸く下がっても、また熱が出てしまうといったことが繰り返される場合があります。従って熱が3日以上続く時は、まずはプール熱を疑って病院の診察を受けましょう。
また、プール熱の原因となるアデノウイルスには全部で数10種類の型があり、そのうちプール熱を最も引き起こしやすいのは3型ですが、他に2、4、7、11型でもプール熱を引き起こすことがあります。インフルエンザと同様、同じ型のウイルスであればシーズン中に2回罹ることはありませんが、違う型であれば再び感染してしまう可能性があります。このように、プール熱には何度も罹ってしまう可能性がある上に、免疫力が低下している時などは長引いてしまう可能性もあります。
法的には出席停止となる病気なので、他の人にも移さないよう、症状が治ってから医療機関を再度受診し、治癒証明書を貰うようにしましょう。このようにきちんとした対処をとることで、他の児童や園に対しても安心させることができます。 |
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感染者の9割が10歳以下で、ワクチンはない |
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プール熱には大人も感染しますが、感染者は10才以下の子供が9割以上を占めています。
プール熱に感染するとアデノウイルスが人の身体に寄生し、約5〜7日の潜伏期間を経て、喉の痛みや結膜炎、高熱などの症状が発生します。プール熱もインフルエンザも同じく高熱を発しますが、プール熱とインフルエンザの違いの一つは、インフルエンザはワクチン(予防接種)があるのに対して、プール熱にはワクチン(予防接種)がないということです。従って、プール熱の対策としてはとにかく予防が大切であるということになります。
プール熱を引き起こすアデノウイルスに対する特効薬は残念ながら存在しません。そのため対症療法として、現われた症状に対して発熱や喉の痛みには解熱鎮痛剤が、結膜炎には点眼薬が処方されます。そして、薬で症状を抑える対症療法を続けながら、ウイルスが排出されて症状が軽快するのを待つしかありません。その間、患者が少しでも楽に過ごせるよう、ホームケアを続けてゆく必要があります。家では安静にし、水分補給を意識して行ないます。乳幼児の場合、離乳食などは、喉が痛くても食べられる喉越しのよいものを与えましょう。ホームケアを行なっている時は、家族に感染しないよう、親御さんは充分注意しましょう。手洗いうがいを小まめに行ない、タオルや食器の共用はしないようにします。そこで、患者が触ったところは小まめにアルコールで消毒を行なうと安心です。 |
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新生児や乳児は重症化することも |
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プール熱(咽頭結膜熱)は、その典型例では喉の痛みと目の充血、高熱といった3大症状が出てくるので診断がつきやすいと言えますが、中にはこうした症状がはっきりしない場合もあります。特に新生児や乳児の場合は元々免疫力が弱いことから、ウイルスのタイプによっては重症化しやすいことも知られています。 |
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症状が消えてからもウイルスが排出される |
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症状が消えても、2日間は保育園や幼稚園に登園することはできません。これは学校保健法という法律で決められています。ただし、保育園や幼稚園の登園が許可されてからもウイルスの排出は続いているので注意が必要です。というのも、症状が消えてから1ヶ月程度は便にアデノウイルスが排出され続けるのです。その間は水遊びを控える他、オムツ替えをする時は母親も感染に充分注意する必要があります。 |
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プール熱に罹ると危険な人 |
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生後14日以内の赤ちゃんがプール熱に罹ると、感染が全身に広がり、重篤になることがあるので特に注意が必要です。
なお妊婦の場合は、たとえプール熱に感染しても、風疹のようにお腹の赤ちゃんに影響が及ぶことはありませんが、効き目の弱い解熱鎮痛剤しか使えないので、症状を和らげることが難しいことがあります。辛い症状のせいで食欲がなくなると、お腹の赤ちゃんにもよくないので、感染にはくれぐれも注意しましょう。 |
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【2】プール熱の原因とその症状 |
プール熱はどんな症状をもたらす病気なのでしょうか。
本節では、プール熱の症状に加え、その原因と感染経路、潜伏期間などについて取り上げ、解説しました。
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プール熱とその原因 |
ウイルスが口や鼻の中や喉の粘膜、または眼の結膜から身体の中に入り込んで感染します。原因ウイルスに免疫のない幼小児に好発します。多くは学童までの小児ですが、免疫がない成人にも移ることがあります。一度感染を経験すると免疫が出来ますが、原因ウイルスは複数なので、症状が1回だけとは限りません。感染経路は、多くは鼻汁や飛沫の飛沫感染ですが、プールなどでの結膜からの感染や便を介しての経口感染も考えられます。また、目ヤニから接触感染も起こすので注意が必要です。治った後もウイルスは咽頭からは発症後7日間から14日間、便から30日間ぐらい排出し続けます。咽頭結膜熱は感染力が非常に強いので、慎重に対処する必要があります。そのため、流行時にはうがいや手洗いを励行することが大切です。また、便にもウイルスがいるので、排泄後のオムツ交換時の手洗いには充分注意が必要です。さらに目ヤニからの接触感染もあるので、タオルの共用はやめましょう。プールでの感染に対しては、水泳前後のシャワーと水泳後の洗眼、うがいをしっかり行ないましょう。
プール熱の原因ウイルスは主にアデノウイルスと呼ばれるウイルスです。このウイルスは多くの血清型に分類され、多くはアデノウイルス3型で引き起こされますが、アデノウイルス1、4、7、14型でも見られます。また1995年以降、7型と呼ばれる新しい型が流行するようになりました。アデノウイルス7型は、以前の型に比べて熱が長く続き、重症化することもあります。
ただし、アデノウイルスに感染しても必ずしも咽頭結膜熱の症状を来すわけではありません。また、乳幼児の急性気道感染症の10%前後がアデノウイルス感染症と言われ、アデノウイルスは小児で重要な病原体です。なお、プール熱は年間を通じて発生しますが、春・夏に比較的多いとされています。幼小児期に多くが感染を受けます。
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プール熱とその症状 |
プール熱(咽頭結膜熱)の症状 |
潜伏期間は5〜7日で、まずは急な高熱で発症し、その後、頭痛や食欲不振、全身倦怠感と共に、喉の症状(咽頭炎)と目の症状(結膜炎)の両方が現われます。発熱は39〜40度の熱が3〜7日と比較的長く続きます。また、喉の症状としては、咽頭炎による咽頭痛で喉が真っ赤になり、かなり痛みがあることが多く、3〜5日ほど続きます。次に目の症状としては、結膜炎に伴い、目は痛みや痒みがあり、目ヤニが出て、羞明で眩しくなったり、或は涙が止まらなくなったりします。目の症状は一般的には片方から始まりますが、多くの場合はもう片方の目にも症状が広がります。結膜の炎症は下眼瞼結膜に強く、上眼瞼結膜には弱いとされます。眼に永続的な障害を残すことは通常はありません。また、頚部特に後頚部のリンパ節の腫脹と圧痛を認めることがあります。またその他に、頭痛や吐き気、腹痛や下痢が起こることもあります。アデノウイルスの特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。現在有効な薬剤の開発も進められています、抗アデノウイルス薬として入手可能な薬剤は今のところないのが現状です。
なお、生後14日以内の新生児にウイルスが感染した場合は全身性感染を起こしやすいとされており、重症化する場合があることが報告されています。アデノウイルスの血清型のうち、7型は心肺機能低下や免疫機能低下等の基礎疾患のある人、また、乳幼児や老人では重篤な症状となり、呼吸障害が進行し、更に細菌の二次感染も併発しやすいことがあるとされています。ちなみに、検査所見として特徴的なことは、血清LDH
の異常高値及び血球減少傾向、並びに高サイトカイン血症です。
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プール熱の主な症状〜高熱と喉の痛み、目の充血〜 |
プール熱の正式名称である「咽頭結膜熱」という名前の通り、発熱、結膜炎、咽頭炎が主な症状となります。
プール熱に感染すると、感染後5〜7日間の潜伏期間を経て、38〜40度の高熱と共に喉の腫れや結膜炎が出てきます。喉の腫れがひどい場合は扁桃腺炎を発症することもあります。結膜炎を伴う場合は、目の痛みがあり、白目や瞼の裏側が赤く充血し、涙や目ヤニが出ることがあります。ただし、結膜は化膿したり、角膜が冒されることまではないとされています。他には、頭痛や鼻水、咳などの風邪の症状や、全身の倦怠感、下痢や腹痛、嘔吐を伴うことがあります。ただ、発熱、結膜炎、喉の腫れの3つの症状は必ずしも同時に現れるわけではなく、目がショボショボしたり眩しいといった症状と前後して高熱が出てくるケースも多くあります。
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発熱 |
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40度前後の高熱で5日前後続きます。治るとす熱はっと下がることが多いです。 |
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結膜炎 |
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結膜炎に伴い、結膜充血(眼の白みの部分が充血する)、目の痛みや痒みの症状が出ます。また、涙や眼やに(眼脂)が多くなります。 |
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咽頭炎 |
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喉の痛みや、喉が腫れや赤くなる咽頭発赤が現われます。 |
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その他 |
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プール熱は夏風邪の一種なので、プール熱特有の発熱や喉の痛み、結膜炎といった症状以外にも、風邪の諸症状が現われることもあります。全身倦怠感や頭痛、腹痛や下痢、食欲不振など様々な症状が併発します。ただし、時に肺炎を起こすことがあるので注意が必要です。 |
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脱水症状に注意 |
プール熱(咽頭結膜熱)の高熱は、普通の夏風邪と比較して熱が下がりにくく長引きやすいのが特徴です。熱が続く上に、喉の痛みが非常に強くて食欲が減退しそのため脱水症状を起こすこともあります。特に乳児が感染した場合は、幼児以上に脱水症状に陥りやすいので注意が必要です。また、腸間膜リンパ節炎や脳炎、呼吸器症状(重症肺炎など)といった合併症を起こすことがあります。腸間膜リンパ節炎は虫垂炎(盲腸炎)と同じような症状のために間違われることがあり、脳炎は命に関わる疾病なので、何れにしても早めに医者にかかる必要があります。
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プール熱そその感染経路 |
プール熱の感染経路をキチンと把握しよう |
プール熱(咽頭結膜熱)の感染経路は、唾液などを介して移る飛沫感染と、近くに密着していることで移る接触感染とがあります。感染力はかなり強いため、家庭生活を共にしている兄弟姉妹間で移ることも多いです。眼ヤニなどにも感染力があり、ウイルスは喉や目から体内に侵入します。また、塩素消毒が不十分なプールに入ることでも感染が起こります。 そこで、プール熱の予防対策としては、まずはしっかり手洗いをして消毒し、感染をストップさせることを優先し、更にはマスクで感染をしっかり予防するということが必要になります。
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プール熱の感染経路 |
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プール熱に感染した子の鼻水や唾液、便、尿などがプールの水に流れ込み、そのプールの水に含まれるウイルスが目の粘膜に感染します。
- プール熱に感染した子とプールサイドでタオルの使い回しをする
- 咳やクシャミによって飛沫感染する
- 唾液が付いた玩具を触り、その手を口に持っていったり目をこすったりする
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プールだけじゃない感染経路も |
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夏に多発するプールでの感染 |
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プールでプール熱に感染するのは、プール熱に感染した子どもからウイルスが水中に排出されるためです。感染した子供のお尻の拭き残しや、鼻水や涎が水中に流れ込み、その水を通じて結膜にウイルスが付着し感染します。その他、プールサイドでタオルを共用することによっても感染が広がってゆきます。
プール熱は高熱が出るので、感染した子供はプールに入れないのではないのかと疑問に思うかもしれませんが、プール熱には1週間程度の潜伏期間があり、その間も感染力があるので、気づかずにプールに入ってしまうお子さんもいますし、症状が治まってからも1ヶ月ほどは便からウイルスが排出され続けます。そのため、感染力はあるのに、プール熱の症状がないために自覚に至っていないケースは多くあるのです。 |
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集団感染を招きがちな飛沫感染 |
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普通の風邪と同様に、プール熱に感染した子供の咳やクシャミから出た飛沫が体内に入ることで感染します。 |
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児童館では特に注意!接触感染 |
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プール熱に感染した子供の咳やクシャミの他にも、飛沫や涎が付いた玩具や本を触り、その手を口に持って行ったり、目をこすったりすることによって感染します。 |
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プール熱とその潜伏期間 |
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プール熱の潜伏期間 |
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プール熱の潜伏期間(ウイルスに感染してから症状が出るまでの期間)は5日〜7日という場合が多く、長い時は2週間程度かかることもあります。一般に夏に多く、幼児から学童までに多く見られます。
咽頭炎(喉の痛み)や結膜炎(目の充血)、39℃前後の発熱が数日から1週間続く症状から咽頭結膜熱と呼ばれています。 頭痛をはじめ、食欲不振が3〜7日続くこともあり、眼の症状としては、目が充血し、涙が多くなり、眩しがることもあります。なお、潜伏期間中は全く症状が出ないため、ウイルスに感染していることに気がつかないことが多いです。 |
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プール熱に感染するのはいつからいつまで? |
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症状が出るまでの潜伏期間から感染の可能性があり、症状が消えてから1ヶ月後まではウイルスの排出があるので感染力を持ちます。つまり、潜伏期間(7日間程度)から症状が出ている期間(7日間程度)、またウイルス排出期間(1ヶ月程度)と言った具合に、トータルで1ヶ月半程度は感染する危険があります。このうち発症後の数日間が最も強い感染力を持ちます。特に症状が消えてからも尿や便にウイルスが排出されるので、世話する家族は充分に注意する必要があります。 |
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潜伏期間中は感染する? |
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感染力が最も強いのは症状が出てから数日間ですが、潜伏期間中でも感染力があります。
プール熱は高い熱と喉の痛みがあるのになぜプールで移るのか、或は体調の悪い子はそもそもプールに入らないのではないかと思う人もいるかも知れませんが、プール熱の集団感染をプールで起こすのは、感染していることにまだ気が付いていない、要するに潜伏期間中の子がプールに入ってしまうことにも原因の一つがあるのです。 |
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潜伏期間に入っている可能性が高い場合 |
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潜伏期間に入っている可能性が高い場合の判断基準 |
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潜伏期間は症状が出ないので、潜伏期間に入っているかどうか推測するのは難しいですが、しかし、たとえば以下のようなケースでは、プール熱の潜伏期間に入っている可能性があります。特にプール熱に兄弟が罹ると、次々と他の兄弟に感染するケースがあるので注意が必要です。
- いっしょに遊んだ友達がプール熱を発症した
- いっしょにプールに入った友達がプール熱を発症した
- 兄弟がプール熱に感染した
- 兄弟が通う幼稚園や小学校でプール熱が流行している
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潜伏期間に入っている可能性がある場合の注意点 |
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子供がプール熱の潜伏期間に入っている可能性があると考えられる時には、まず家族に感染しないように注意することが必要となります。
大人は、子供と違って手や玩具を舐めるということがないので、子供ほどには多くの感染症には罹らないですが、つい目を擦ってしまうことはあります。プール熱は目から感染することも多いので、潜伏期間に入っている可能性がある子供ののお世話をした時などは、頻繁な手洗いやアルコール消毒を心懸け、目を擦らないように注意しましょう。また、子供が顔を拭いたタオルをそのままタオル掛けに掛けて他の家族が使ってしまうなどといったとがないように注意しましょう。 |
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