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 逆流性食道炎にはストレスも原因していると言います。本節では、そのような逆流性食道炎にならないための食生活を中心とした日頃の正しい生活習慣について解説しました。運悪く逆流性食道炎に罹ってしまった人も、再発予防のために生活習慣の改善に心懸けましょう。
辛い逆流性食道炎

逆流性食道炎
【1】最近流行の逆流性食道炎とは?
【2】胸焼けばかりでない辛い逆流性食道炎の症状
【3】逆流性食道炎の原因と治療
【4】逆流性食道炎の予防と生活習慣


【1】最近流行の逆流性食道炎とは?

 最近聞かれるようになった逆流性食道炎。一体どんな病気なのか、本節ではまず始めに逆流性食道炎とはどんな病気なのか、ごく簡単に説明します。
逆流性食道炎とはどんな病気か?
逆流性食道炎とは?

 最近はCMも流れているため、逆流性食道炎という言葉を聞いた人も多くいることと思います。それでは、逆流性食道炎とはどのような病気かと言うと、まずその主な症状としては、胸やけ、みぞおちから胸の下あたりが焼けつくような感じ、酸っぱい液体が口の中まで上がってくる、胸がしみる、胸が痛む、食べ物が喉につまった感じ、しつこい咳などがあります。食べすぎたり飲みすぎたりした翌日に胸やけを感じる方も多いと思いますが、実は単なる胃腸の不調ではなく、それは実は逆流性食道炎かも知れません。通常、口から入った食べ物は食道に入り、重力と筋肉でできた食道の壁の動きによって胃に送られます。胃に送られた食べ物は胃酸によってドロドロの粥状にされますが、この胃酸は非常に強力なものです。 そんなに強力なら胃そのものが消化されてしまうのではないかと思う人もいる逆流性食道炎と胃かも知れませんが、胃は内側の粘膜から分泌される粘液によって守られているため、胃自体が消化されてしまうということはありません。ところが、食道は胃酸に対する抵抗力が弱い器官で、そのため、食道を胃酸から守るべく、胃と食道の境目には胃酸が胃から食道へ逆流しないようなシステムが働いているのです。そのため、たとえば食後に逆立ちをしても食べ物が逆流して来ないのはこのシステムのためなのです。もしも万一逆流したとしても、食道の壁の動きによって胃に戻るようになっています。しかし、それが何らかの要因でこれらのシステムが上手く働かなくなると、胃酸や消化される途中の食べ物が逆流し、胃酸が食道粘膜を溶かすなどの炎症を起こします。これが逆流性食道炎なのです。
食生活の欧米化が原因のひとつに

 では、なぜ胃酸の逆流を止めるシステムが働かなくなってしまうのでしょうか?
 その理由としては、まずは食生活の欧米化などが挙げられます。逆流を防ぐ働きをしているのは胃と食道の境目にある下部食道括約筋と言われる筋肉で、これが食べ物を飲み込む時は緩んで食道から胃へ食べ物を落とし、それ以外はキュッと締めて内容物の逆流を防ぐ働きをしています。しかし下部食道括約筋は、脂肪を摂取した時に分泌されるホルモンや蛋白質の多い食事によって緩んでしまうのです。そのため、逆流性食道炎はかつて脂肪分の少ない食生活を送っていた日本人には少ない病気でしたが、食生活の欧米化によって増加して来ているのです。
逆流性食道炎になりやすい人

 高齢者は下部食道括約筋の働きが弱まるため、肥満の人や腰の曲がった人はお腹の圧力が上がって胃が押し上げられるため、逆流しやすくなると考えられます。また、食道裂孔ヘルニアも逆流性食道炎の原因のひとつです。胸部と腹部の間にある横隔膜には、食道が通るための穴である食道裂孔がありますが、この穴から胃もしくは食道と胃の繋ぎ目部分が出てしまっている状態が食道裂孔ヘルニアです。健康な状態では横隔膜が食道をしめつけて逆流を防いでいますが、食道裂孔ヘルニアになるとこの機能が弱ってしまうため、逆流性食道炎になりやすいのです。現在は非常に効果的な薬が開発されたため、逆流性食道炎も薬を飲めば殆どの場合で改善が期待できますが、知らずに放置しておくと稀に癌に移行する恐れもある病気です。従って、気になる症状がある場合は早めに医師の診断を受けるよう心懸けましょう。


逆流性食道炎に罹りやすい人
  • 脂肪分の多いもの、脂っぽいものをよく食べる
  • ストレスが多い
  • 太っている
  • 高齢者
  • 腰が曲がっている

逆流性食道炎を引き起こす原因

 逆流性食道炎は、胃に入った食物が食道へ逆流することで起こります。では、なぜ食物が胃から食道へ逆流するのでしょうか? この原因には次のようなことが挙げられます。


 一番大きな原因は、食道括約筋や横隔膜の働きによって閉じていた胃と食道の境目が緩んでしまうことです。実は食道括約筋や横隔膜の圧力は年齢と共に力が弱くなってゆくことが分かっています。食道はこの二つの力によって締められていますから、これらが緩くなると、食べ物を飲み込む時に開いた食道が中々閉じなくなり、そのため胃から逆流が起こりやすくなるのです。なお、胃が食道側へはみ出してしまう食道裂孔ヘルニアという症状がありますが、この症状も横隔膜の圧力が弱くなることで起こります。胃が食道側にはみ出た状態になりますから、逆流は当然ひどくなるわけです。

 二つ目の原因は、食道のぜん動運動が鈍くなることで、食物を胃へ運ぶ機能が低下することです。こちらも加齢による影響が大きいとされています。食べた物は、もちろん重力によって下に降りていきますが、食道のぜん動運動が活発に行なわれることで食物がスムーズに胃に送り込まれます。そのため、食道のぜん動運動が低下すると、胸の辺りに食べ物が詰まったような感覚になりやすいのです。また、胃から逆流した食物を戻すこともできなくなるので、逆流した食物がのど元まで上がってくることもあります。

 三つ目は、胃からの圧力が上がることです。炭酸飲料を一気に飲んだり食べ過ぎたりすると、胃の圧力が一時的に上がり、ゲップが出たり胃酸が戻るような感覚になることがあります。このように胃の圧力は食事の量や内容などによっては誰でも一時的に上昇することがありますが、これを繰り返すと逆流性食道炎を起こしやすくなりますので注意が必要です。

参考:食道や消化器官の働き

 逆流性食道炎の原因を理解する上で、まずは食道や消化器官の働きを知ることが重要です。そこで、これらの器官がどのような機能を持っているのか、ここで説明しておきましょう。

 そもそも食道は消化器官の一部で、口から入った食物が肛門から排出されるまでの一連の流れを行なう器官を消化器官と呼びます。消化器官は、口、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門が一本の管で繋がれており、そのそれぞれの臓器が食物を消化・吸収するための役割を果たしています。その中で、食道は消化器官の中で消化液を分泌しない臓器で、その大きな役割は食べた物を胃へ送ることです。食べた物は食道のぜん動運動によって胃に送られます。そして、このぜん動運動は食べ物を胃に送るだけでなく、胃からの逆流を防ぐ役目を果たします。更に食道と胃の境目には横隔膜があり、食道を支えたり、食道を締めて胃に入った食物が逆流するのを防いでいます。その他、食道括約筋も食道と胃の境目で食道を閉じるためにも食道は働いています。
 それでは、なぜこうした機能が必要なのかと言うと、一度食べたものが逆流すると栄養が吸収されなくなってしまいますから、消化器官は食べ物を下へ下へと運ぶ仕組みになっています。それに加えて胃酸はとても強い酸性の消化液ですが、消化液を分泌しない食道の粘膜は消化液から自身を守る機能が備わっていないのです。そのため、胃酸が逆流すると粘膜がダメージを受け、炎症を起こしやすくなっています。このように消化吸収を正常に行ない、臓器を健康に保つためには、食物を逆流させない仕組みが必要です。
参考1:逆流性食道炎に関係する病気
逆流性食道炎と症状が似ている心筋梗塞

 心筋梗塞の症状は狭心症と殆ど同じで、心筋梗塞は狭心症の悪化した状態ですから、原因も症状も狭心症と重なるのは当然のことです。心筋梗塞になると冠動脈が長時間詰まり、血液が心臓の細胞に届かなくなるため、心筋の壊死が起こっている状態になります。そのため、症状が似ていても狭心症に比べて事態は深刻です。胸の痛みや苦しさが30分以上続く場合には急性心筋梗塞の可能性が高くなります。また、心筋梗塞では胸の痛みや締めつけるような苦しさに加えて、左の肩や顎にも痛みが広がる場合もあります。最悪の場合には死に至ることもある病なので、正しい処置が重要になります。狭心症の段階で治療を開始していれば心筋梗塞に至らずに症状を改善することも可能です。そんな訳で、逆流性食道炎と診断されていても、胸の継続的な痛がある場合には定期的に循環器系の検査も行なうようにしましょう。心筋梗塞では動脈硬化も大きな原因の一つになるので、コレステロールの多い食事を摂っていたり肥満の傾向がある人は食生活を改善することが重要です。
 逆流性食道炎も心臓疾患も生活習慣が大きく関係している点では生活改善は欠かせません。また、症状を悪化させないためには、日頃から健康状態の変化を見逃さないことが大切です。忙しい現代では、症状さえ治まれば何もなかったかのように身体の不調を忘れてしまいがちですが、しかしながら、逆流性食道炎にしても、或は心筋梗塞にしても、初期段階でのサインに気づくか気づかないかが、その後の症状を左右します。また、身体の不調を敏感に読み取ることで、受診の際の誤診を防ぐこともできます。医者任せにするのではなく、自分の身体を知り、知識を持つことが、病気予防には重要です。
逆流性食道炎と症状が似ている狭心症

 狭心症とは、心臓に血液を供給する血管が細くなったり詰まったりすることで起こる症状です。心臓は心筋という筋肉によって、その絶え間ない動きを保っています。心筋には冠動脈という血管から送られる酸素と栄養が必要不可欠ですが、この冠動脈に何らかの異常が起きると、心筋が正常に働くことができなくなります。その結果、胸が締めつけられるように苦しくなったり、胸の周辺が痛くなるという症状が現われます。この症状は一時的に発生し、10数分以内には症状が治まることが多いのですが、ひどい場合は呼吸困難や嘔吐を伴うこともあります。
 こうした症状が出た時には直ぐに医療機関を受診するように心懸けましょう。症状が辛い割には一時的に症状が治まってしまい、心電図検査などでは狭心症の診断が難しい場合もあります。その際に、症状が似ていることから逆流性食道炎と診断されることもあります。狭心症を発症する人に高血圧や肥満の傾向があり、逆流性食道炎の原因とも重なることも診断を難しくするひとつの理由になっています。しかしながら、逆流性食道炎と狭心症では治療法は全く異なります。そんな訳で、逆流性食道炎と診断されて薬を服用しても症状が改善しない場合には、狭心症の症状も疑ってみて下さい。逆流性食道炎の場合は、胸の痛みだけでなく、その他の症状も同時に現われることが多いので、実際に起こっている症状を冷静に判断することも必要です。なお、その一方であまりに気にしすぎてストレスを抱えすぎないことも大切です。ストレスは、逆流性食道炎と狭心症の何れも引き起こす原因になることを覚えておいて下さい。
逆流性食道炎と症状が似ている食道癌

 食道癌は他の癌と比べて死亡率が高いことが知られています。そして、食道癌の症状には逆流性食道炎と同じ症状が見られることが多いのです。飲食時に滲みたり、飲み込めずにつかえる、声が掠れるなどが代表的な食道癌の症状ですが、そのどれも逆流性食道炎の症状でもあります。ただし食道癌の場合は、自覚症状がある場合には既に癌がかなり進行していることが多いのです。なお、食道癌の主だった原因として挙げられるのが、飲酒や喫煙など食道に負担をかける行為です。また、逆流性食道炎を悪化させたまま治療をしないでいると、食道癌の原因になることがありますので注意が必要です。これは、食道の粘膜が胃酸の刺激を受け続けることによって、食道が胃の粘膜に似た組織に変わるバレット食道という症状に関係しています。

 逆流性食道炎の患者が多いことに比例して食道癌の原因にもバレット食道の症状を持つ人が多いと言われています。現在日本では、食道癌自体はそれほど患者数が多くなく、また、バレット食道から食道癌を発症するケースも欧米に比べて少なくなっています。しかし、逆流性食道炎を訴える人が増加している背景を考えると、今後はバレット食道が原因の食道癌が増える可能性が高いと考えてよいでしょう。
 バレット食道になると、もとの食道粘膜の状態に戻すことは非常に難しくなります。バレット食道と診断されたら、定期的に内視鏡の検査を受けることが重要です。何れにせよ、食道癌は自覚症状が出てからでは手遅れな場合もありますから、癌の早期段階での発見が最も有効な治療と言えます。ただし、バレット食道になる前に逆流性食道炎を放置せずに治療することが何よりも大切であることを忘れないようにして下さい。
参考:食道の病気

 最後に、逆流性食道炎以外の食道の病気を紹介します。症状は似ていても、起こっている原因が違うために治療法なども変わってきますし、中には非常に珍しいものや生命の危険性がある重病に発展しかねないものもありますので、注意が必要です。


食道アカラシア
 食道アカラシアとは非常に珍しい病気で、現在日本においての患者数は10万に1人と言われています。これは未だにその原因が究明されていない病気ですが、症状としては胸焼けや喉のつかえ、胸痛、嘔吐といったように逆流性食道炎によく似たものがありますが、症状が起こっている仕組みは全く逆で、その原因は下部食道括約筋が緊張状態にあり、これが上手く開かずに食べたものが胃に入ってゆかないというもので、そのため食道に食べたものが残り、いつまでも胃に落ちてゆかないため、胸のつかえが取れず、負うとしてしまうこともあるのです。さらに食道アカラシアは、食道の筋肉が異常に収縮することによって激しい胸の痛みを感じることがあり、患者の半数以上がこの症状を訴えていると言われています。治療法としては、薬物投与で括約筋を緩めたり、バルーン拡張療法と呼ばれる風船上の器具を使って括約筋を広げるというものが用いられ、それでも効果が見られない場合は手術によって括約筋とその周りの筋肉を切除して、食道から食べ物が胃にスムーズに流れるようにします。

突発性食堂破裂
 こちらは飲み過ぎた飲酒後の嘔吐の際に起こることが最も多いと言われ、それまで正常だった食道が突発的な嘔吐反応を堪えようとした時に瞬間的に食道内の圧力が上昇して破裂してしまう、といった症状です。これにより嘔吐の後に胸や上腹部に激痛が走り、呼吸困難を起こし、ショック状態になる場合もあります。これには早急に命を救うための手術が必要で、迅速に破裂した食道を縫い合わせなければ死に至る場合もある危険なものです。

マロリー・ワイス症候群
 マロリー・ワイス症候群は、頻繁に嘔吐を繰り返すことによって食道と胃の境目あたりが裂けて出血し、吐血や血便などの症状が出ます。原因としてはアルコール過剰摂取による嘔吐の繰り返しや悪阻などがあります。また、治療法としては内視鏡を使った止血処置が主流ですが、傷口が浅い場合は自然に止血することもあります。しかし、一度に大量の吐血があった場合、出血多量で命の危険を脅かしかねない場合もありますので、早急に適切な処置を取る必要があります。

食道憩室
 食道憩室とは、食道の蠕動運動機能が異常を起こし、食道内の圧力が上昇することによって壁の外にポケット状に膨らんだもののことを言い、症状としては殆どのものが無症状のようですが、進行してポケットが拡大すると食べたものがポケットに引っかかってつまり、炎症を起こし出血したり痛みを感じたりします。さらに進行し続けると、ポケットが破裂して食道に穴が開いてしまうこともあるので、検査などで衝動憩室が見つかった場合には、必要以上に慌てる必要はありませんが、注意して観察する必要があると言えるでしょう。

参考2:逆流性食道炎になると生命保険の加入が難しくなる!?

 逆流性食道炎を1度でも患うと生命保険の加入が難しくなる場合があります。生命に関わるような病気でなくても、生命保険加入の際には最悪の場合を考えて審査が行なわれます。もっとも、逆流性食道炎になると、生命保険に加入できないということではありませんが、条件が付く場合があるのです。それというのも、逆流性食道炎は悪化したり、或は癌などの別の病気に発展する可能性があるからです。そのため、生命保険会社は提出した書類の審査を慎重に行ない、加入者にとっては不利となる条件が付く場合があるのです。もちろん細かい保証内容は各々違いますが、医療保険の部分に条件が付いてくることが予想されます。その場合、消化器系の保証を対象外にして加入するか、或は逆流性食道炎を完治させてから加入するか、そのどちらかになる可能性があるようです。ただし、消化器系を対象外にして生命保険に加入した場合、消化器系の病気はずっと保証してもらえないということは稀で、基本的には一定期間対象外となります。たとえば3年間は保証しないが、それ以降は保証が付くというような、期間限定で条件がつくようになると考えられます。要するに、生命保険の加入時に病気に罹っていたり、極めて再度その病気に罹りやすい状態にある場合には、こういった条件がつくのは珍しいことではありません。要するにその人の病歴が生命保険の加入条件に影響してくるわけで、従って、新規で生命保険に加入したいと思っている人は、不利な条件で加入しなくて済むよう逆流性食道炎を完治しておくことが大事です。

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【2】胸焼けばかりでない辛い逆流性食道炎の症状

 逆流性食道炎と言うと一般に胸焼けだと考える人も多いと思います。しかし、逆流性食道炎の症状は胸焼けばかりではありません。本節では逆流性食道炎の主な症状について説明します。
逆流性食道炎の代表的な胸焼けの症状

 逆流性食道炎の代表的な症状が胸焼けです。胸焼けとひと言に言っても、その症状は様々です。「胸が焼けつくような感じ」とか「胸から喉にかけて食べ物がつまったような感じ」「みぞおちの辺りがチリチリと熱い」などは、何れも胸焼けの症状と言えます。そして、胸焼けのこれらの症状は、胃酸が逆流することで食道が炎症を起こしている証拠です。食道の粘膜が溶けて爛れることで、上に挙げたような不快感が起こります。食道は喉から胃までをつなぐように位置しているので、逆流性食道炎では胸からみぞおちにかけての症状を感じやすくなるのです。それというのは、食道は胃酸から粘膜を守るための機能が備わっていません。また、そもそも食道は胃に食べ物を送り込むことが本来の目的なので、胃から逆流する胃酸に対する防護機能は必要ないのです。一方、胃酸は肉も溶かすほどの強い酸性の成分を含みます。そのことからも分かるように、胃酸が逆流するということは食道の組織を溶かすことになるのです。胸焼けが続けば続くほど、食道の炎症は進んでいると考えられますから、たかが胸焼けと放置しておくことは危険です。胸焼けは食べすぎなどでも起こるため、症状の深刻さに気づきにくいものですが、しかし、自覚症状のあるなしに関わらず、症状が進行すると出血なども起こす可能性があります。しかも逆流性食道炎が原因で食道癌に至るケースもありますから、早めに対処して、症状を慢性化させないように気をつけましょう。


食後に感じる胸焼け
 逆流性食道炎による胸焼けは食後に起こることが多いと言われています。その理由として、胃から胃酸が出るのは胃に何か物が入って来た時であり、食べ物を消化を始める時に分泌されます。しかし食事の直後というのは、胃酸はまだ胃の上の方に溜まっていて、食べたものと混ざり合っているわけではないので、逆流性食道炎を起こしているかいないかということを除いても、日常生活の中で非常に胃液が逆流しやすい状態だと言えるのです。ですから、なおのこと、下部食道括約筋の機能が低下している逆流性食道炎の人は、食事の後は特に胸焼けを起こしやすいということになります。

脂っこいものや酸味の強い食べ物を食べた後に感じる胸焼け
 脂っこい食べ物とは、要するに脂肪が多量に含まれている食べ物のことで、この脂肪といものは胃から出る消化酵素では消化できず、十二指腸で消化します。この時すい臓から分泌されるリパーゼという消化酵素が必要なのですが、リパーゼを分泌する際にコレシストキニンというホルモンが分泌されます。このホルモンがすい臓を刺激してリパーゼの分泌を促しているわけですが、コレシストキニンはそれと同時に下部食道括約筋を緩める作用があるため、大量の脂肪を消化する際には多量かつ長時間その状態が続くと言え、その間は胃液が逆流しやすく胸やけを起こしやすいと言われています。また、酸性の強い食べ物も食道粘膜を直接刺激するわけで、要するに胸焼けしやすい食べ物だと言えるため、過剰に摂取することは避けるようにしましょう。

呑酸を感じる
 胃から胃酸などの胃液が逆流してくると、酸っぱいものがこみ上げてくる何とも言えない不快感を感じることがありますが、その症状を呑酸と言います。この症状は医学的には胸焼けと分けて考えられているのですが、それはなぜかというと、胸焼けは逆流性食道炎以外の病気でもよく見られる症状ですが、呑酸は逆流性食道炎以外の病気にはあまり見られない症状のため、従って呑酸もしくは胸焼けと呑酸の両方の症状が出ているケースは逆流性食道炎の可能性が高いと言えます。

逆流性食道炎で最も辛い吐き気や嘔吐の症状

 逆流性食道炎の症状が進んでくると、吐き気や嘔吐症状が出ることがあります。
 食道括約筋や横隔膜の機能の低下に加えて、胃酸の過剰な分泌は胃酸が逆流しやすくなる条件に挙げられます。逆流性食道炎は単一の原因によって起こるというよりは、これらの原因がいくつか重なっている場合が多く、また、その症状も多岐に渡ります。たとえば「食道括約筋の機能低下で食道と胃の境目の締りが緩くなり、胃酸の逆流が頻繁に起こっている時に胃酸が気管支に逆流して激しく咳き込むことで腹部に圧力がかかり、胃の内容物まで逆流してしまう」といった複合的な症状です。

 逆流性食道炎の症状はどれも生活の質を低下させるものばかりですが、中でも嘔吐は最も辛い症状と言ってよいでしょう。実際には、アルコールの過剰摂取や食べ過ぎなどが原因で嘔吐した際に、逆流性食道炎を煩っている方も少なくありません。そんな訳で、普段の食生活の中に嘔吐を誘発させる原因がないか考えてみましょう。また、吐くと楽になるからと嘔吐を習慣化させることも身体への影響を考えると非常に危険ですから絶対に止めるようにしましょう。
 嘔吐は生活の質を低下させ、ひどい時は社会生活に支障を来すこともある症状です。また、嘔吐は精神的なストレスによっても起こりやすくなりますので、嘔吐を繰り返すことで更にストレスとなって嘔吐が慢性化している可能性もあります。そんな訳で、頻繁に嘔吐が起こるようであれば、逆流性食道炎の治療に加えて心療内科などの精神的なケアも必要な場合もあることを覚えておいて下さい。
逆流性食道炎による喉の痛みの症状

 逆流性食道炎の症状で、口の中に酸っぱい液が上がってきたり、苦味を感じることがあります。これは胃酸の逆流が喉まで達している証拠です。喉の粘膜にとっても胃酸は強い刺激であることは同じですから、こうした症状が頻繁に起こると、喉の粘膜も炎症を起こすことがあります。

 喉の炎症は痛みを伴うだけでなく、粘膜が爛れれると、喉に違和感を感じたり、食事の際には喉に食べ物がつかえた感じがするようになります。この症状が慢性化してくると、喉の周辺の器官にも影響を及ぼすことがあります。たとえば鼻の奥がひりひりと痛くなったり、声が掠れたり、更に胃酸を気管に吸い込んで気管支炎を起こすこともあります。一見、逆流性食道炎の症状とは関係のないように思われるかも知れませんが、それだけ胃酸の刺激が強いということです。
 なお、症状を放置して炎症がひどくなると、扁桃腺やリンパ腺に影響を及ぼして発熱を伴う症状に至ることもあります。また、逆流性食道炎によって喉の痛みが起こっている場合には、胃酸が逆流する過程で食道もかなり荒れた状態になっていることが予想されます。喉の粘膜の炎症は風邪などのウィルス疾患による場合は風邪症状の緩和と乾燥対策によって自然に治りますが、しかし、逆流性食道炎の場合は胃酸が逆流している限りは症状は続きますので、喉のケアの前に胃酸の逆流を改善することが先決です。喉のケアは飴を舐めたりうがいをしたりと事故治癒力に頼りがちですが、痛みが慢性化している場合は逆流性食道炎の可能性が高いと考えてよいでしょう。
逆流性食道炎による胸の痛みの症状

 胸に痛みや強く締めつけられるような症状がある時、気になるのは心臓疾患などの循環機器に関わる病気でしょう。循環器系の病気は重症でなおかつ致命的なものもありますので、胸の痛みを感じたら、まずは循環器系の検査を行ないましょう。しかし、それでも異常が見つからない場合は逆流性食道炎の症状の可能性も考えられます。実は逆流性食道炎も胸に痛みを伴う場合があるのです。また、食道が荒れている限り、胸の痛みは繰り返す可能性があります。

 胃酸が逆流すると食道の粘膜は大きいダメージを受けます。肌が敏感な人がいるように食道の粘膜の強さも個人差があります。たった一度の嘔吐でも食道の粘膜が爛れてしまう人もいるでしょう。食道の粘膜も皮膚と同じく爛れれば痛みも伴います。その痛みが胸の痛みとなって現われている可能性があるのです。それが非常に激しい痛みとなって現われ、呼吸が苦しくなる場合もあります。その場合、いくら循環器系や胃の検査をしても原因は分かりません。原因不明のため、鎮痛剤を処方されることが多いようです。日頃から胸焼けなどの症状にも心当たりがある場合は、逆流性食道炎による可能性も疑ってみましょう。
 食べ過ぎやアルコール摂取の後にも胃酸が逆流することがありますから、胸の痛みを感じる前の行動を確認してみることも大切です。その上で食道の検査をしてもらうと、問診の際に状況を伝えることができるので、より正しい診断を得ることができます。原因が分からないからと言って、自己判断で痛みを我慢することは危険です。苦痛が続くだけですし、最悪の場合には深刻な疾患を見逃してしまうことにもなりかねません。痛みが出たら必ず医療機関を受診することを心懸けましょう。
逆流性食道炎によるげっぷの症状

 食後や炭酸系の飲料水を摂取した後には誰でもげっぷが出やすくなるものです。胃の中で適度な空気は消化の助けになりますが、過剰な空気は胃に負担をかけます。従って、げっぷは飲食の際に一緒に飲み込んだ空気を胃から外に逃がすために大切な機能の一つです。たとえば乳児がミルクを与えた後にげっぷをさせることは、ミルクと一緒に飲み込んだ空気が胃を圧迫してミルクをを吐き出すことを防ぐためなのです。

 げっぷを出すためには、食道と胃の境目にある食道括約筋や横隔膜によって締められている部分を開けて胃の空気を逃がす必要があります。胃の空気圧が上がると、自然と空気を逃がすために締まっている部分が開く仕組みになっており、食後などの通常の頻度であれば特に問題はありません。しかし、あまり頻繁にげっぷが出るようになると、こうした開閉システムを頻繁に使うようになり、締まりが緩くなる可能性があるのです。そして、締りが緩くなるということは、食道括約筋や横隔膜の力が弱くなっている証拠です。当然ながら胃酸も逆流しやすくなります。更にこの状態が続くと、食道裂孔ヘルニアを起こしやすくなるため、逆流性食道炎が進行してゆくことになります。従って、げっぷが頻回に起こる場合は、食事の仕方を見直したり、炭酸飲料を控えるなどしてげっぷが起こる状況事態を減らしてゆくことが大切です。
 しかし、その一方で、逆流性食道炎が原因でげっぷが頻繁に起きている可能性も考えられます。げっぷは胸焼けなどに比べて、それほど辛い症状ではないため、ついつい見落としがちです。生活を振り返ってもげっぷの原因が分からない場合には、既にに逆流性食道炎が進行している可能性も考えられますので、早めに医療機関を受診しましょう。
逆流性食道炎と背中の痛み

 逆流性食道炎には色々な症状がありますが、中には背中の痛みを訴える人もいます。 逆流性食道炎は胃酸が逆流して起こる病気で、食道のあたりに炎症が起きるため、胸焼けや胃もたれ、喉の痛みが主な症状です。このため背中の痛みは逆流性食道炎とは関係ないように思えますが、意外にも背中の痛みが現われることがあります。なぜ食道の炎症が背中に現われるのでしょうか?

 食道は身体の中心を通っています。従って、その痛みは胸の痛みとして感じることもあれば、背中側の痛みとして感じることもあり得るのです。背中の痛みとひと言ことで言っても、その症状は様々です。たとえば背中が重くだるい感じを覚える人もいれば、背中全体が張ったようになる人もいます。また、症状が強くなれば強い痛みを覚える人もいます。
 さらに普段は何の痛みもないけれど、食後になるとずきずきと痛むという人もいます。他に背筋に寒気を感じる人もいます。胸焼けや胃もたれと比べると背中の痛みは逆流性食道炎の中の症状としては少数派と言えます。しかし、このような症状も逆流性食道炎の症状のひとつとしてありえることを頭に入れておく必要があります。
慢性的な咳が治らない

 食道の入り口近辺には喉頭と呼ばれる気管の入り口があり、これは非常に酸性に弱い性質の粘膜であるために、食道の入り口付近まで胃液が逆流して喉頭に触れてしまうと、比較的簡単に炎症を起こしてしまいます。これによって慢性的な咳が出たり声が掠れるなどの症状が見られることもあるようです。しかし、このような症状が出た場合、肺や気管支といった呼吸器系の病気である可能性も強く、見極めが重要になってきますので、喘息のような症状が出た場合は早急に病院に行って医師の診断を受けることをオススメします。
夜よく眠れないことが多い

 逆流性食道炎そのもの自体が直接不眠症状をもたらすことはありませんが、夜間に起こる胸焼けや呑酸、喉のつかえや喘息のような咳などの症状が間接的に夜眠れない原因になっているケースは少なくありません。これは胃液の逆流は昼間起き上がっている状態よりも、横になって胃よりも食道の位置が低くなった時により一層起こりやすいとされていますので、逆流性食道炎を起こしている人に睡眠不足を感じている方が多いという事実は納得のゆくことなのです。
貧血を頻繁に起こす

 特に高齢の方で逆流性食道炎の人は、貧血などの症状にも注意が必要です。なぜなら胃液によって傷つけられた食道は出血することもあり、それが長く続くと貧血を起こすことがあるのですが、胸焼けなどの症状で、自分で症状に気がついて早期治療を受けて根治してしまえば、貧血を起こすまでの出血ということはあまり考えられません。しかし、高齢になってくると自覚症状が少なく、出血に気づかずにそのまま長い間放っておいてしまうこともありますが、その結果、貧血を起こして倒れてしまうという事態になりかねません。

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【3】逆流性食道炎の原因と治療

 本節では、辛い逆流性食道炎の原因と検査及び治療法について説明します。
逆流性食道炎の原因

 逆流性食道炎になってしまう原因は様々ですが、一番多く見られるのは、食道と胃を結んでいる胃からの逆流を防止するための機能が低下している、つまり下部食道括約筋が緩んでしまうことによるものと考えられています。この下部食道括約筋は、加齢が進むごとに低下してゆく傾向があり、高齢者の方が逆流性食道炎に罹りやすいと言われています。しかし、それ以外の理由でも逆流性食道炎が起こるケースは色々あります。以下、その代表的な例を挙げることにします。
食道裂孔ヘルニアによるもの

 胃からの逆流を防ぐ機能として下部食道括約筋というものがあるのですが、正確に言うと、この下部食道括約筋は食道の内側からの圧力で食道を閉めているのですが、これをサポートするように横隔膜というものが外からも圧力をかけています。健康人であれば、この括約筋と横隔膜は同じ位置にあり、内側と外側の両方の圧力によって食道と胃の繋ぎ目を閉めているのですが、しかし、横隔膜が括約筋の位置よりも下がってしまい、双方の位置がずれてしまうことがあり、胃の上層部分が横隔膜の上に出てしまう状態を食道裂孔ヘルニアと言います。この食道裂孔ヘルニアになると、内側と外側の圧力が分散してしまい、胃からの逆流を防ぎきれなくなると同時に、逆流した胃液なども胃に戻りにくくなるのです。すると酸性の強い胃液が長い時間食道に留まってしまうことになり、逆流性食道炎になりやすい状態になってしまうのです。この食道裂孔ヘルニアは女性の高齢者に多く見られると言われ、逆流性食道炎が女性や高齢者に多く見られる原因がこの食道裂孔ヘルニアによるものがそのひとつだとも言われています。
胃の手術の後遺症が原因

 胃の病気に罹って手術経験のある人は逆流性食道炎が起こりやすくなっている場合があります。胃癌などの手術で胃の一部分を切除する時、一緒に周りのリンパ節も切ってしまうことが多く、このことが胃の入り口の締りを悪くしてしまうと言われています。ですから、一度胃の病気に罹ったことのある人は逆流性食道炎を起こす可能性にも注意する必要があると言えるでしょう。
ぜん動運動の低下によるもの

 食道は食べたものを胃に運ぶ際にぜん動運動をしますが、本来食道が健康であればこの働きは胃液が逆流してきた時にも同じように起こり、通常は胃から一時的に逆流してきた場合でも胃へと押し戻そうとする機能があるはずなのです。しかし、このぜん動運動の機能が低下すると、逆流してきたものを上手く送り戻すこともできず、結果的に食道内に逆流してきた胃の内容物が残ってしまうことになります。そのような理由から、ぜん動運動が低下すると逆流性食道炎を起こしやすくなってしまうのです。このぜん動運動機能の低下というものは50歳から60歳を越えたあたりから低下してくるとされ、特に高齢の方に逆流性食道炎が多く見られるのはこのことも大きく関わっていると考えられます。
食べ過ぎ&飲み過ぎによる胃の暴慢が原因

 1回の食事でたくさんのものを胃に入れてしまうと、胃の大きさが広がってしまい、胃底部と呼ばれる胃の上層部が伸展し、胃と食道の境目辺りが伸びて緩んでしまいます。このことが影響して、一過性下部食道括約筋弛緩という一時的に胃の中の食べ物や空気が逆流するといった症状が出やすくなります。しかし、胃の中に溜まった空気に関しては、ゲップなどで外に出すことはよいことなのですが、同時に胃液が逆流してしまうことが問題で、特に食事を直後というのは、まだ胃液と食べ物が混ざっておらず、胃の上の方には酸度の高い胃液が溜まっている状態になっているため、それらが逆流すると、胸焼けや食道の炎症の進行を早めかねない結果になる恐れがあります。なお、脂肪の多い食べ物を食べた後も一過性下部食道括約筋弛緩が起こりやすいと言われています。従って、逆流性食道炎にならないためには、一度にたくさんの食事を摂らず、また、脂っこい食べ物のの過剰摂取も避けた方がよいと言えるでしょう。
姿勢などによる腹圧の上昇が原因

 日常生活の中で様々な姿勢を取っている私たちの身体の中の腹圧は、その姿勢によって変化しています。その中で胃酸の逆流がしやすいというのが前屈みになって腰を曲げた姿勢や、腰痛などで使用するコルセットなどで直接腹部を圧迫したり、重いものを持つ時にお腹に力が入った時などがあります。このように姿勢や動作からも逆流性食道炎を避けるためのポイントが幾つかありそうです。
肥満によるもの

 肥満の人は下部食道括約筋が緩みやすいというデータがあります。肥満の方は食べ過ぎや飲み過ぎ、脂っこい食事をしている傾向があり、脂肪の多い食事は胃酸を増やす結果につながり、さらにたくさんの量の食事を摂ることによって胃が膨満状態になり、下部食道括約筋が緩んでしまうと言われています。適度な量やバランスの取れた食事をすることも逆流性食道炎にならないための効果的な予防法だといえるでしょう。
飲酒や喫煙によるもの

 飲酒や喫煙も逆流性食道炎には悪影響を及ぼします。アルコールや炭酸などは浸透度の高い飲み物ので、お酒の中でもビールやワインなどは特に注意が必要だとされています。その他にも、たとえばコーラなどの炭酸飲料も逆流性食道炎にならないためには控えた方がよいと言われています。また、喫煙をされる方は、タバコには下部食道括約筋を緩める作用があるとされていますし、また、喫煙者の胃は非喫煙者の胃に比べて酸性度が高いというデータもありますので、飲酒や喫煙と逆流性食道炎の関係性は確かにあると言えるでしょう。
バレット食道とは?

 バレット食道とは、通常食道の粘膜は扁平上皮と呼ばれる皮膚と同じ形状の組織であるはずが、円柱上皮という胃や腸と同じものに置き換えられることを言うのですが、それ自体は決して特に身体に悪いというものではありません。しかし、このバレット食道は癌化する可能性があると言われており、欧米では食道腺がんの約8割がこのバレット食道によるものが原因だとされています。日本においては癌化の可能性は2割程度ですが、しかし、このバレット食道は根治の方法やその原因は未だに解明しておらず、逆流性食道炎を繰り返していると発症するとも考えられています。従って、逆流性食道炎を放っておくことは、バレット食道を引き起こし、さらには食道腺癌になる危険性もあるとも言えるわけで、何れにせよ早期治療が大切であることは間違いありません。
逆流性食道炎の検査と診断

逆流性食道炎の検査と診断 逆流性食道炎は主に問診と内視鏡検査で診断されます。胸焼けをはじめ、様々な症状がありますから、医師にどのような症状が出ているのか詳しく説明する必要があります。

 逆流性食道炎を検査で見つけるために一番効果的な方法は内視鏡を使った検査です。内視鏡検査は、細い管の先に小型カメラが着いたものを口から入れて中の様子をモニターに写して直接肉眼で食道内の状態を確認することができ、早い段階で粘膜に炎症部分や傷が見つかれば診断を確定することができ、非常に高い確率で治ると言われています。また、内視鏡検査は癌などの悪性腫瘍を見つける目的にも頻繁に使われており、食道裂孔ヘルニアも見つけられることができます。しかし、非糜爛性胃食道逆流症のように肉眼では炎症が見られない軽い症状のものなどは内視鏡では発見することが難しく、細胞検査などの精密検査が必要な場合もあります。
 内視鏡検査では食道の炎症の状態を調べます。胃カメラを挿入し、糜爛(粘膜が爛れること)や潰瘍の有無などを確認します。判断が難しい場合はその場で組織を取り、検査に出す場合もあります。しかし、最近注目されている症状として、中には症状を感じているのに胃カメラでは炎症が確認できない非糜爛性胃食道逆流症(NERD)と呼ばれる症状があります。これも逆流性食道炎と同じく内視鏡検査をして診断しますが、先に触れたように内視鏡検査だけでは判断が困難な場合もあるため、まだ一般的ではありませんが、24時間にわたって携帯式の記録装置に胃と食道内部の酸度(pH)の変動を記録するpHモニタリング検査を行なうこともあります。


参考:見えない現代病:非糜爛性胃食道逆流症(NERD)
 逆流性食道炎症と全く同じ症状があるのに、胃カメラでは炎症が確認できない非糜爛性胃食道逆流症。実は胸焼けなどを訴える方の60%がこの非糜爛性胃食道逆流症だとするデータもあります。なお、この非糜爛性胃食道逆流症は、少しの胃酸逆流でも症状が発生する知覚過敏の影響が考えられています。

逆流性食道炎の治療法

逆流性食道炎の治療薬 逆流性食道炎の治療の柱となるのが薬物慮法ですが、その大きなサポートになるものが生活習慣の改善と食事指導だと言われています。確かに逆流性食道炎に効果的な薬というものは、ここ日本においても実に進歩しており、正しく服用すれば殆どの場合、症状は緩和することが分かっています。しかし、同時に逆流性食道炎は非常に再発を起こしやすい病気でもあり、繰り返し逆流性食道炎を起こしている人は慢性的に薬の服用を余儀なくされているケースも少なくないようです。
 逆流性食道炎が再発を起こしやすい理由として、現在逆流性食道炎の治療に用いられている薬は食道の炎症を緩和するものと胃酸の分泌を抑えるものの2種類が主流になっているわけですが、これによって薬の服用中は症状が緩和されるものの、根本的な原因である下部食道括約筋の緩みやぜん動運動の低下が解決されるわけではないので、服用を中止すると再び症状が起こってしまうことが多いわけです。もっとも消化器の運動機能の低下を回復させるための薬がないわけではないのですが、必ずしも充分な効果が認められているわけではなく、また、日本においては保険適用外の薬となるため費用もかかります。しかし、逆流性食道炎の治療法の軸となるものは薬物治療ということに間違いはなく、多くの症状は薬による改善が見込めます。従って、その効果を最大限に高め、再発を防ぐために重要になってくるのが生活習慣の改善であり、食生活の改善なのです。
薬物療法

 逆流性食道炎でよく使われるのは直接の原因となる胃酸の分泌を抑える薬です。胃酸の量を抑えることで食道への逆流を少なくし、症状や炎症を落ち着かせます。また、食道の粘膜を保護する薬や酸を中和する薬、食道や胃の運動機能を活発にさせる薬も用いられます。逆流性食道炎は薬をきちんと服用すれば治すことが可能な病気で、殆どの人は数日間の服用で自覚症状はなくなります。しかし、炎症が治ったわけではないので、勝手な判断で薬を止めてしまうと再発する恐れもあります。従って、医師の指示に守って薬を服用するように心懸けましょう。


薬物治療により逆流性食道炎を改善
 逆流性食道炎の治療では、上でも述べたように薬の服用による対処療法が一般的です。しかし、薬物治療はあくまでも対処療法なので、逆流性食道炎の根治療法とまではとは言えませんが、逆流性食道炎の症状は日常生活の質を下げるような深刻な症状もありますから、まずは症状を緩和させることもとても重要なのです。
 逆流性食道炎の原因は当然のことながら胃酸の逆流で、従ってこの胃酸の分泌を抑えることを目的に投与されるのがプロトポンプ阻害剤(通称PPI)とH2ブロッカーなどの胃酸分泌抑制剤です。特にプロトポンプ阻害剤の効果は高く、数種類を組み合わせて処方されることもあります。胃酸を中和させる制酸剤という薬がありますが、こちらは効果が持続しないため、胃酸分泌抑制剤一緒に処方されることが多いようです。次に食道のぜん動運動を促す目的で処方されるのが消化管運動機能改善剤です。食道の運動機能を高めることで胃酸の逆流があっても押し戻すことができます。さらに食道に限らず、消化器官全般に作用するため、胃の消化機能も高めて内部に食物が長く滞留しないようにする効果も期待できます。また、食道の粘膜が既に爛れたり炎症を起こしている場合には、これによる不快症状を緩和させることが先決なので、粘膜保護剤も用いることがあります。傷ついた粘膜を修復するだけでなく、粘膜の保護にも効果があります。なお、逆流性食道炎の原因には複数の要因が関わっていることが多く、そのことから投薬にも複数の薬が組み合わされることが殆どです。しかし、薬では逆流性食道炎を完治することは難しいので、症状が改善しないのに我慢して服用を続ける意味はありません。症状や体質などによっては薬が合わないこともありますので、症状が改善しない時には直ぐに医師に伝えて薬を変えてもらいましょう。

逆流性食道炎と市販薬
ガスター10 上で詳しく説明したように、逆流性食道炎には様々な症状があります。たとえば胃もたれや辛い胸焼けを訴える人、喉の痛み、吐き気など様々です。激しい咳などが起こる場合もあります。そして、市販薬にも効き目が穏やかなものから強いものまでその種類は様々です。効き目が穏やかな市販薬には、胃の粘膜を丈夫にするムコスタやセルベックスなどがあります。また、ガストロームも胃の粘膜を丈夫にする市販薬としてオススメです。吐き気や嘔吐、食欲不振や胸焼けの症状にはプリンぺランがよいでしょう。或は胃酸の刺激で荒れた胃の粘膜を保護する働きのあるアルロイドGという市販薬も有効です。一方、強い作用がある市販薬としては、ヒスタミン受容体拮抗剤のガスター10が有名です。また、プロトンポンプ阻害剤のタケプロンやパリエット、オメプラールなども強い作用がある薬としてよく知られています。これらの薬は胃酸の分泌を抑制する効果があるので、症状に合った市販薬を賢く使い分けることが必要です。ただ、どの薬にもやはり副作用がある場合があるので、変な症状が出た時は直ぐに薬剤師や医師に相談して下さい。

手術

 逆流性食道炎の治療は、まずは医師の指示通りに薬を服用し、生活習慣を改善することが主な治療となりますが、再発を繰り返し、薬での治療が難しくなった場合は、開腹手術や腹腔鏡手術を行う場合もあります。手術法としては、食道と胃の繋ぎ目である噴門を締め直す噴門形成術が行なわれます。


外科治療により逆流性食道炎を改善
 逆流性食道炎の治療には、先にも述べたように薬の服用が最も一般的ですが、薬を服用しても症状が改善しなかったり、或は食道裂孔ヘルニアの場合には外科的な手術が行なわれることもあります。
 手術では、食道側にはみ出した胃を正しい位置に戻し、緩くなった食道と胃の境目を締めるように縫合します。胸や腹部に開けた穴から内視鏡を挿入して行なうニッセン法という手術方法は広く行なわれている方法です。しかし、この方法は開腹して行う手術なので、全身麻酔と1週間程度の入院期間が必要なため、身体への負担が大きい方法でもあります。現在では開腹せずに口から挿入した内視鏡などで手術をする方法もあり、手術時間も短時間で済み、入院期間も3日程度と負担が少ないことが魅力です。ただし、この手術については健康保険が適用になってからまだ日が浅く、実施している医療機関が限られるなど課題が多いことも事実です。こうした手術による治療は、胃酸が逆流する原因を根本的に取り除くことができますから、短期間で症状を改善したい場合には最も効果的な方法です。特に若い方で逆流性食道炎を患っている場合には、PPIなどの強い薬を長期間服用することによる副作用も気になるところですから、手術を検討してみてもよいでしょう。しかし、その一方で開腹や内臓の縫合などによるダメージは避けられないので、その点のリスクも理解する必要があります。特に胃や腸の手術に比べて食道の手術は技術を要すると言われます。治療方法の選択は患者自身の意思が尊重されるべきですが、正しい知識を持たずに手術などの重大な選択をすることは危険なので、担当医とよく相談して決めるようにしましょう。なお、手術で症状が改善しても生活習慣自体に逆流性食道炎を誘発する要素を抱えたままでは症状が再発することもあります。従って、手術をした場合においても生活改善を併せて行なってゆくことが大切であることに変わりはありません。

生活習慣の改善

 逆流性食道炎を治すためには薬の服用と共に食事と日常生活を見直すことも大切です。


■食生活で意識すること
避けた方がよい食べ物
 逆流性食道炎と診断されたら、できるだけ下記の食べ物は避けるようにしましょう。なお、脂肪分の摂り過ぎやアルコールによって下部食道括約筋が緩むと言われている他、甘いものや香辛料、コーヒーに含まれるカフェインは胃酸の分泌を促進させます。また、食べ方にも注意が必要です。
  • 脂肪を多く含んだもの(油っぽいもの)
  • アルコール
  • 甘いもの
  • 刺激の強い香辛料
  • コーヒーや濃い緑茶
  • ミカンやレモンなどの酸味の強い果物
食生活上の留意点
  • 時間をかけてゆっくりと食べる
  • 食べ過ぎは避ける
  • 夕食の量を減らして朝まで我慢する
  • 寝る直前にものを食べないようにする
  • 食べた後すぐ横にならない(食後約3時間は胃の内容物が逆流しやすい)

■日常生活で意識すること
 お腹の圧力が高くなると胃の内容物が逆流しやすくなります。日常生活では腹圧がかからないような姿勢及び動作をするように心懸けましょう。
日常生活での留意点
  • 前屈みの姿勢は避ける
  • 重いものを持ち上げたり強く力んだり、お腹に力を入れる動作は避ける
  • ベルトやガードル、帯などでお腹を強く締め付けないようにする
  • 便秘にならないようにする
  • 肥満に注意する
  • なるべく腰を伸ばす
  • 寝る時は背中の中央部から上を高くする
  • 禁煙する

逆流性食道炎とストレス

 胃腸はストレスや不規則な生活、疲れなどの影響を受けやすく、時に痛みを生じます。突然のキリキリやキューッとした痛みはストレスや疲れなどによる胃腸の異常な収縮が原因です。


約半数の人がストレスを自覚
 仕事や家庭、そこでの人間関係、不規則な生活など現代人は疲労やストレスとなる様々な要因の中で生活しています。その証拠に、現代人の約半数の人がストレスに曝されていると自覚していると言います。その中で各年代とも男性より女性の自覚率が高く、特に10〜40代の女性の6割以上がストレスを感じているそうです。

自律神経のバランスが崩れる
 自律神経はそれぞれ反対の作用をもたらす交感神経と副交感神経とからなり、これらがバランスを取りながら全身の様々な働きを調節することで健康な身体が維持されています。たとえば胃腸では、ぜん動運動や胃酸の分泌を促進するのが副交感神経の働き、逆にそれらを抑えるのが交感神経の働きで、これら2つの働きが一定のバランスを保ちながら消化活動を行なっています。ところが、疲労やストレスなどの影響によって自律神経のバランスが崩れてしまうと、胃痛や腹痛といった様々な不調が起こるのです。

胃腸の異常な収縮によって突然起こる胃痛&腹痛
 自律神経のバランスが崩れ、副交感神経が優位になりすぎると、食事とは無関係に胃腸が刺激を受け、消化するものがなくても胃酸が過剰に分泌されたり、胃腸の異常な収縮が起こったりします。この時、胃や腸がキリキリ、キューっとさしこむ痛みが生ずるのです。現代人は全体の3割を超える人がこうした胃の痛みを自覚していると言われ、中でも20〜40代の女性では45%を超える人が胃痛を感じているそうです。


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【4】逆流性食道炎の予防と生活習慣

 逆流性食道炎にはストレスも原因していると言います。本節では、そのような逆流性食道炎にならないための食生活を中心とした日頃の正しい生活習慣について解説しました。運悪く逆流性食道炎に罹ってしまった人も、再発予防のために生活習慣の改善に心懸けましょう。
逆流性食道炎の再発を予防しよう

 逆流性食道炎を起こさないために、また再発を防ぐために効果的で日常生活で意識的に改善できるものが食事と姿勢だと言われています。本項では、逆流性食道炎を起こさないためにはどのような食事を摂ればよいのか、また、どのような姿勢に注意して生活すればよいのか、私たちにできる予防法を以下で解説します。


逆流性食道炎と食生活
 まず一番に考えなければいけないことは食事の内容です。逆流性食道炎を起こしやすく、また、症状を悪化する食べ物として、酸味が強いもの、脂っこいもの、香辛料や熱すぎる刺激物、アルコールや炭酸飲料の他に、カフェインやイカやタコ、或は繊維の多い野菜、たとえばセロリやごぼうなどの消化に悪いものも控えた方がよいと言えます。さらに食べ過ぎや飲み過ぎには特に注意が必要です。この満腹という状態は、健康的な胃や食道の方でも一時的に胃からの逆流をしやすい状態と言え、逆流性食道炎の方であれば、特にその危険性は増すと考えられます。このように悪化を促すような食事、それから食べる量は気をつけなければならないことですが、規則正しい時間に適量の食事という至極当たり前のような食生活が、実は再発を起こさないためには重要な事項になっているということを心に留めておいて下さい。

逆流性食道炎と姿勢
 逆流性食道炎と姿勢には深い関係があると考えられていますが、基本的に下部食道括約筋が弱くなっている人は、胃よりも食道のほうが下に来るような姿勢を取った時というのは逆流の危険性がある姿勢だと言えます。それはデスクワークの時の姿勢だったり、仕事上仕方のない人もいるかと思いますが、背筋をピンと伸ばして正しい姿勢を取ることによって、胃に対してかかる圧力の軽減になりますし、できるだけお腹に負担がかかるような姿勢を取っている時間を意識的に少なくすることを続けることで効果は期待できます。また、食事を終えた後に直ぐに横にならないとか、寝る時には状態を少し高くして寝るようにすると寝ている間の逆流を防ぐことに効果があると言われています。また、肥満体形でお腹が出ている人は胃液の逆流が起こりやすいと言われているので、適度な運動などして健康的なダイエットを行なうことも効果的です。また、喫煙は遺産の分泌を増やし、括約筋を緩めてしまう作用がある他、食道癌や肺癌など様々な病気の危険因子なので禁煙がオススメです。

逆流性食道炎と食事

 逆流性食道炎になってしまったらどんな食事をとればいいのでしょうか? 本項では、逆流性食道炎の食事療法について以下で解説します。
逆流性食道炎と日頃の食事

 まず必要なことは、禁煙すること、食べ過ぎ&飲み過ぎを避けることです。高脂肪食品や珈琲、チョコレート、アルコール、ミント、オレンジなどの飲食物は避けましょう。暴飲暴食や上記のような脂肪の多い食べ物、オレンジなどの柑橘系をたくさん食べたり、お酒を大量に飲んだりすると、どれも下部食道括約筋を緩めてしまうため、逆流性食道炎に繋がります。トンカツやコロッケ等の脂っこい食事を摂ると胸焼けがおこると言った経験をされた人もいるかと思いますが、これも脂肪を摂った時に働くホルモンの影響によるもので、食道下部の括約筋を緩めて胃液や胆汁を食道に逆流しやすくしてしまうために起こるのです。なお、喫煙は唾液の分泌を抑えてしまうためよくありません。唾液が胃酸を中和し、症状を抑える効果を減少させてしまいます。また、肥満体系の人は体重のコントロールが必要になります。そして、寝る時には頭を15p程度高くすること、夕食を食べた後に3時間は横にならないこともオススメです。出来れば以上で挙げた全て控えるのがベストなのは言うまでもありませんが、全てを止めるというのは辛いという方もいるかも知れないので、そういう場合は自分にとって最も原因になりそうなものを控えるようにしましょう。
胃を守る胃によい生活


タバコは胃の大敵
 タバコは血管を収縮させて胃の血行を悪くしたり胸焼けを起こしやすくするので、喫煙は絶対禁物です。喫煙者は非喫煙者に比べて消化性潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍)に罹りやすく、喫煙本数が多いほど死亡率が高いという調査報告もあります。また、禁煙できなかった人の胃及び十二指腸潰瘍再発率は約50%と、禁煙した人の約20%に比べて遙かに高率であることも分かっています。なお、禁煙がストレスになって胃に悪いというヘビースモーカーの方は、ニコチンのできるだけ少ないタバコや、フィルターを使って少しずつでも本数を減らすようにしましょう。とにかくタバコは「百害あって一利なし」なので、これを機会に禁煙に挑戦してみてはどうでしょうか。

ストレスを溜めない
 胃はとてもデリケートで、少しのストレスでも直ぐに反応してしまいます。仕事、人間関係、環境と現代社会とストレスは切っても切れない関係にあります。趣味やスポーツなど上手に発散する方法を見つけてストレスを身体に溜めないようにしましょう。ストレス解消がタバコやお酒という声もありますが、これは一時的な解消でしかなく、むしろ悪い生活習慣となって胃潰瘍の発症や症状を悪くしかねないということを肝に銘じておきましょう。特に几帳面、内向的、凝り性、周囲に気を使い過ぎる、我慢する、などという人はストレスによる潰瘍になりやすいと言われます。一人でくよくよ考えないで、日頃から相談相手を確保しておくことも大切です。

服薬は用法用量を守る
 早く治したい一心から、同じ成分が含まれている解熱鎮痛薬と総合感冒薬を一緒に服用したり、時間を空けず続けて服用したりしているような人はいないでしょうか? 風邪薬は正しく服用しても胃を荒らす場合があります。必要以上の量を服用するとダメージを受ける可能性がさらに高くなります。医薬品は用法・用量を守って服用することが大前提ですが、これは胃を守るためにも大切なことです。また、空腹時に風邪薬などを服用すると胃粘膜が荒れやすくなります。体調の悪い時は食欲もないかも知れませんが、軽く飲食をしてからお薬を服用して下さい。風邪薬などの服用で胃の不快感が起こりやすい人は胃粘膜修復成分の入っている胃薬を一緒に飲むようにすると良いでしょう。なお、食後、食前、食間など用法が決まっている薬は必ずその用法を守って下さい。

胃を守る胃によい食事


規則正しい食事を
 胃が悪いから、食欲がないからといって朝食を抜く人がいます。しかし、これでは胃が空っぽの時間が長くなるため、却って胃が荒れる原因となります。しかも、1日3回の食事が2回に減るので、その分1回に食べる量が増えてしまい、さらに胃の負担となります。また、仕事などが忙しくて夕食を摂れないために深夜に食事を摂ることがあるかも知れません。就寝前の食事は胃に大きな負担をかけます。なので、そのような時でも夕食の時刻頃にできるだけ何か軽くお腹に入れるようにしましょう。胃が空っぽの時間を短くすると共に、就寝前に食べる食事量を少しでも減らすことができます。食事内容も大切ですが、まず1日3回、規則正しく食事を摂るようにしましょう。

食事はゆっくり、よく噛み、腹八分目に
 食べ物をあまり噛まずに飲み込んでしまう早食いは胃への負担が大きくなります。また、空気を一緒に飲み込んでしまうのでゲップのもとにもなります。よく噛んで唾液と混ぜてから胃へ送るようにしましょう。また、食事を始めてから満腹を感じるまでにはタイムラグがありますので、早食いだと、その間に食べ過ぎてしまい、肥満の原因にもなりかねません。食事は、ゆっくりと楽しみながら腹八分目でとどめましょう。そして、食後にも20〜30分は食休みの時間を取るようにすると胃の消化を助けます。

脂肪分の多い食べ物や刺激のある食べ物は避ける
 脂肪分の多い食べ物は消化に時間がかかるため、胃に負担がかかります。また、極端に熱いものや冷たいもの、味の濃いものや香辛料の多いものを摂り過ぎると胃壁を傷めてしまうことがあります。そのため、胃が弱っているかなと感じている時は避けた方がよいでしょう。また、タンパク質と炭水化物をたっぷりと、ビタミンやミネラルもきちんと摂りましょう。生ものよりも少し火を通して軟らかくする、繊維の多い野菜類はできるだけ細かくして調理するなどの工夫で胃の負担を軽くすることができます。また、牛乳には胃壁を守る働きがありますので、1日1杯飲むとよいでしょう。

アルコールは控えめに
 アルコールは胃粘膜を直接傷つけるだけでなく、胃酸の分泌を促してさらに粘膜を傷つけます。少量のアルコールは長寿の秘訣とも言われています。生活習慣病予防のためにも適量を守りましょう。晩酌が止められない場合は、休肝日を決めるなどして少しでもアルコールの量を減らすよう心懸けましょう。

牛乳は胃の粘膜を守る

 胃の粘膜を守る働きをする飲み物があります。それは牛乳です。牛乳は胃の粘膜を保護する作用があります。そのため、逆流性食道炎や胃炎、胃潰瘍などの病気には有効な飲み物です。冷たいままでもよいですが、刺激を与えるので、温めて飲むとより効果が高まります。他にも同じ乳製品ではチーズやヨーグルトも胃の粘膜を保護してくれる役割があります。また、牛乳は胃粘膜を保護するだけではなく、胃酸を抑える働きもあります。
 逆流性食道炎の患者にとって胃酸の働きを抑えてくれるのは大変ありがいものなので、積極的に飲むようにしましょう。また、胃には大根や山芋も優しいと言われています。これらはジアスターゼを多く含んでおり、消化を助けてくれます。胃の負担が軽くなります。その他、キャベツや卵にも胃の粘膜を修復し、胃酸を抑える働きがあります。一方、天ぷらや揚げ物など油を多く使ったものは、逆流性食道炎を悪化させてしまいます。糖分を多く含んだものや塩分の摂り過ぎもよくありません。アルコールや喫煙も逆流性食道炎を悪化させてしまいます。栄養のバランスに気をつけて胃に優しい食生活を心懸けましょう。
乳酸菌は胃の悪玉菌を退治する

 乳酸菌は胃にとてもよいと言われています。それも単なる整腸作用だけではなく、胃のヘリコバクター・ピロリ菌感染などに対しても効果が認められつつあります。逆流性食道炎は胃酸が逆流してしまいます。胃の状態を正常に保つことが大切ですが、これに乳酸菌は有効です。乳酸菌は悪玉菌を退治する役割を持っています。また、悪玉菌の殆どは病原性があります。悪玉菌があるだけでは発病しませんが、特定の悪玉菌がたくさん増えてしまうと病気になりやすくなってしまいます。この悪玉菌を退治する作用を持っているのが乳酸菌です。乳酸菌は体に役立つ代表的な菌と言われています。乳酸菌が含まれている食材には発酵乳や乳酸菌飲料、チーズ、漬物類、味噌、醤油などがあげれます。上手に食事の中に取り入れていくとよいでしょう。乳酸菌には胃酸の分泌を抑えるような直接的な効果はありませんが、胃の健康を守るという点では好ましいです。
アルカリ水で胃腸を改善

 アルカリイオン水は水の電機分解で作られます。水を電機分解すると、陰極側にアルカリ性の水が集まります。このアルカリ性の水がアルカリイオン水です。陰極側にはカルシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンが集まります。つまり、アルカリイオン水は有用なミネラルが豊富です。また、アルカリイオン水はとても吸収されやすく、細胞に馴染みやすいです。アルカリイオン水は抗酸化作用があるので、活性酸素が原因となる病気の予防や治療の効果が期待できます。慢性の下痢や消化不良の人によい効果を発揮するのです。 また、アルカリイオン水は胃酸の過剰分泌を抑えるため、逆流性食道炎の方にもオススメです。胃腸の調子が良くない人は、一度アルカリイオン水を試してみて下さい。
お茶は胃の働きをよくする

 普段何気なくお茶を飲んでいる人も少なくないでしょう。実はお茶には胃の働きをよくする効能があるのです。お茶にはタンニンという成分が含まれています。タンニンはお茶の渋み成分ですが、このタンニンには胃腸の働きを活発にしてくれる作用があり、いわば胃の味方です。 胃腸が弱い人は積極的にお茶を飲むようにしましょう。ただし、飲むタイミングには注意が必要です。お茶はできるだけ食後に飲むようにしましょう。空腹時にたくさん飲んでしまうと、逆に胃腸に負担がかかってしまいます。食後に適量を飲むのがよいのです。また、逆流性食道炎で胃が荒れている人には牛乳もおすすめです。
 高脂肪のものや糖分をたくさん含んだものは逆流性食道炎を悪化させてしまいます。できるだけ胃に優しいものを食べるように心懸けて下さい。食べ過ぎや飲み過ぎにも注意し、胃のよい食べ物や飲み物を上手に摂り入れるようにしましょう。まずは食後のお茶から始めてはどうでしょうか。
参考3:逆流性食道炎の参考図書と参考サイト


◆参考図書
幕内博康『食道の病気がわかる本』
幕内博康・著
(東海大学医学部附属病院病院長・外科学主任教授)
『食道の病気がわかる本 食道がん●食道静脈瘤●逆流性食道炎』
法研・2008年05月刊、1,575円
高齢化の進行にともない急増!食道がんの世界的権威が、食道の病気について患者さんとその家族のために、明快かつていねいに解説。
■参考サイト:
逆流性食道炎を診療できる病院を探す - ここカラダ
http://www.cocokarada.jp/hsearch/0005/00/top.html
セルフチェック! - ご存知ですか?逆流性食道炎 www_逆食_jp
http://www.gyakusyoku.jp/condition/f-scale.html



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