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今月のワンポイントアドバイス
 古来、「春眠暁を覚えず」と言います。しかし、まだ真冬で日頃から寒い日が続いています。そんな中、暖かい布団からは中々出たくないもの。もっとまどろんで身体を温めていたい。けれども、朝はスッキリと目覚めたいというのも正直な気持ちです。そんな爽やかな朝の目覚めのためにも、夜半の熟睡が必要になります。そのためにどうしたらよいかは、以前「克服しよう!睡眠障害」でも取り上げましたが、今月は睡眠薬の上手な使い方を特に取り上げて解説しました。なお、医師の処方箋なしでも薬局で購入できる睡眠改善薬やサプリメント類に付いても取り上げましたので参考にして下さい。 睡眠薬


睡眠障害に適した睡眠薬利用法
【1】あなたを襲う睡眠障害〜その種類と対処法〜
【2】医者で処方される睡眠薬〜睡眠導入剤の効果とその種類〜
【3】睡眠導入剤の正しい服用法〜睡眠導入剤の副作用と服用上の注意〜
【4】薬局で買える睡眠薬〜睡眠改善薬とサプリメント〜

【1】あなたを襲う睡眠障害〜その種類と対処法〜

 日本人の5人に1人は不眠で悩んでいると言います。本節では、睡眠薬について解説する前に、不眠症を含む睡眠障害について、その種類と対処法について取り上げ解説しました。
日本人の5人に1人は不眠で悩んでいる

快適な睡眠を 24時間型の生活習慣による生活リズムの乱れやストレスに満ちた社会を反映して、昨今不眠に悩まされる人が増えているようです。たとえば厚生労働省が行なった睡眠に関する調査によると、睡眠に関する問題で困った経験を持つ人は36.4%(女性39.3%、男性32.4%)、また現在睡眠に関する問題を抱えて困っている人は19.6%(女性20.3%、男性18.7%)と、現代人の5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えていることが分かっています。さらに、この中で悩みが1ヶ月以上持続している人は11.7%と、何と10人に1人が長期の不眠で悩んでいるという深刻な状況が浮かび上がっています。 また、20歳以上の3030名を対象にしたある調査においても、「睡眠で十分に休養が取れていない」という人が23.1%に達し、特に20〜40歳代の働き盛りの年代に多く見られました。その理由としては、多忙により睡眠時間が十分に取れないという社会生活上の理由が最も多く、次に多かったのが精神的ストレスでした。家庭や学校、職場、ありとあらゆる場所でさまざまなストレスにさらされている現代人にとって、いまや「不眠」は生活習慣病の一つと言えるかも知れません。


睡眠に悩んでいるか?
睡眠に満足しているか?

睡眠障害&不眠症の種類とその原因


■睡眠障害の種類と特徴
不眠症:
 睡眠の開始と維持が障害された状態を言います。いわゆる「不眠症」の代表的な症状には、(1)入眠障害、(2)中途覚醒、(3)早朝覚醒、(4)熟眠障害が挙げられます。その他、病気の治療薬による副作用として生じる不眠や身体疾患による不眠、精神疾患による不眠、痴呆を含む脳器質性疾患による不眠などがあります。
過眠症:
 昼間に強い眠気があり、一度眠ると自然に覚醒(目を覚めること)できにくい状態を言います。特にナルコレプシーという病気に代表される睡眠障害で、症状としては、危険な作業中や食事中でも耐え難い眠気に襲われ、眠り込んでしまいます。
睡眠リズムの異常(概日リズム睡眠障害):
 睡眠と覚醒には約25時間の周期で変化するリズムがありますが、このリズムに変化が起きてしまい、夜に眠れなくなってしまう状態を言います。これは体内の活動と休息のリズムが昼夜のリズムや社会の活動リズムと一致しないために起こる睡眠障害で、一般的には「時差ぼけ」と呼ばれる症状に代表されますが、その他、交代勤務制によるものや遅寝遅起きを繰り返した結果、昼夜が逆転してしまう「睡眠相後退症候群」などもあります。
睡眠中の行動による不眠:
 夜驚や悪夢、イビキなど睡眠中の行動によって睡眠が障害される状態を言います。特に代表的なものが「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。これは途切れがちに続く大きなイビキが特徴で、10秒以上の呼吸停止が一晩に数十回以上起こり、睡眠が中断されます。高血圧や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などを合併するケースもあります。
その他の不眠:
 その他、足の関節や膝の間などにムズムズした感覚があるために入眠が妨げられる「むずむず足症候群」や、一般的に「寝ぼけ」と呼ばれる睡眠時遊行症(夢遊病)などの症状も睡眠障害のひとつと考えられています。

■不眠症の種類と特徴
入眠障害〜布団に入っても中々寝付けないタイプ〜
 眠ろうとしても中々眠れないという、いわゆる「寝つきが悪い」ケース。眠ろう思って布団にに入ってから実際に眠りにつくまで一般的にに30分以上を要し、それを本人が苦痛と感じていれば入眠障害の疑いがあるとされます。心配事や精神的ストレス、睡眠にこだわりを持っている人などで起こりやすくなると考えられています。何れにせよ、横になってから実際に寝つくまでの時間には個人差がありますが、寝付くまでに30分以上かかる日が何日も続くとなると、「眠らなくては」という意識が強くなり、一層眠れなくなってしまうことが多いようです。ちなみに日本睡眠学会で発表された「睡眠実態調査2002」では、「床に入ってから眠りにつくまでの時間」を30〜60分と答えた人が全体の約3割を占めていたとされます。また、日本では成人の8.1%がこうした寝つきの悪さを経験していることが示されていますが、年齢による差は特にないようです。
中途覚醒〜夜中に何度も目が覚めてしまい、再び寝つくのが難しいタイプ〜
 夜中に何度も目が覚めてしまう症状で、飲酒や夜間の頻尿、むずむず脚症候群など睡眠を妨げる身体的な原因がある場合に起こりやすくなります。睡眠障害のタイプの中でも特に多いタイプで、日本では成人の15%が中途覚醒の不眠を経験しているとされています。特に高齢者に多く見られ、60歳以上になると20%以上の方が中途覚醒を訴えています。なお、最近では慢性的な運動不足の若い世代にも見られることが多くなりました。
早朝覚醒〜朝早く目覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなってしまうタイプ〜
 朝早いうちから目が覚めてしまう、起きようと思っている時刻よりもずっと早くに目が覚めてしまい、それ以降眠れなくなってしまう症状。日本では成人の7.9%が早朝覚醒の不眠を経験しています。一般に特に高齢者でよく見られる症状ですが、これはうつ病の初期にもみられる症状なので、うつ病患者が増加している現代では最近は若い世代にも見られます(※この場合はうつ病の初期症状と考えられる場合もありますので、注意が必要です)。
熟眠障害〜睡眠時間の割りには、朝起きた時にぐっすり眠った感じがしないタイプ〜
 一定の睡眠時間は確保できているものの熟睡できたという満足感が得られず、心身の疲労も回復できない症状で、一般的に「眠りが浅い」と感じる状態を言います。これは、寝ついたにも拘わらず途中で何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」が原因となっている場合があります。ただし、尿意や夢を始めとする何らかの原因で眠りが中断されても、その時間が短いと夜中に目覚めたという記憶がないこともあります。また、「睡眠時無呼吸症候群」や「むずむず足症候群」などの病気が原因であることも考えられます。そのため、中途覚醒の自覚のあるなしに関わらず、「ぐっすり眠った」「熟睡した」という感覚が得られない場合は熟眠障害を疑ってみる必要があります。ちなみに健康な人の場合、よく眠ったという熟睡感は深いノンレム睡眠の量と相関するとされています。ですから、睡眠時間は確保できていてもノンレム睡眠の量が少ない、つまり脳が深く眠っている時間が少ない場合には、「ウトウトしただけで一晩中殆ど寝ていない」という感覚を覚えるのです。
その他
 その他、女性特有の不眠もあります。女性の睡眠は女性ホルモンに左右され、生理前には黄体ホルモンの作用により日中の眠気が強くなることがあります。妊娠中にも眠気が強くなるのも同じ理由です。反対に加齢と共にホルモンバランスが乱れ、卵巣の機能の低下に伴って女性ホルモンの分泌が減少すると眠りが浅くなってしまうこともあります。さらに更年期を迎えると、中途覚醒などの睡眠障害を訴える人が増えてきます。家事や育児でのストレスに加えて働く女性も増え、仕事上でのストレスを抱えることも多くなりました。女性ホルモンと共に、こうした精神的な問題も睡眠障害には関係しています。

■不眠症の原因
神経症型:
 不眠症の中で最も多いのがこれ。これは一種の不眠ノイローゼで、本当の意味での不眠ではありせん。寝つきが悪いため、お茶を飲んだり本を読んだり、しばしばトイレに行ったり、昼間には昼寝をしたりしている人も多いが、一度眠るとたっぷり眠っていることが多くあります。これは就寝と起床の時間をきちんと決めるだけでも改善が望めます。
うつ病型:
 これが本物の不眠症です。寝つきは比較的よいが、2〜3時間すると夜中に目が覚めて苦しい思いをする。憂鬱やイライラ、ぼんやりする、食欲不振、胃腸不良、急にやせる、手足の冷えや熱、自殺願望などのうつ病の症状が見られる場合は、早めに専門医に相談しましょう。とにかく原因のうつ病を改善することが先決です。
睡眠・覚醒リズム障害によるもの:
 何らかの理由によって、1日24時間で身体を整える体内時計が故障したことによる睡眠異常です。昼間猛烈に眠くなったりする場合はこの障害である可能性が高いといってよいでしょう。
睡眠時無呼吸によるもの:
 睡眠中に呼吸が抑制され、眠りが浅くなっていることから起こる不眠症です。肥満や顎の異常、扁桃腺肥大、睡眠薬・アルコールなどが原因として考えられます。
循環器疾患によるもの:
 高血圧やアレルギー・心臓疾患・泌尿器疾患・胃腸障害・肝疾患など内臓に慢性的な生活習慣病を抱えている場合、その異常を伝える信号が絶えず脳に送られ続け、脳は緊張し睡眠は浅くなることがあります。生活習慣病は、ひどくなるまで本人は中々気づかないものです。できれば健康診断などを受けてみるのもよいでしょう。
脳の病気によるもの:
 脳動脈硬化症や脳卒中後遺症、認知症も不眠を併発することが多くあります。問題は意識障害なので、その治療を進めることになります。
睡眠環境によるもの:
 寝ている間の騒音や光、身体によくない寝具などにより無意識に熟睡を妨げられていることは多くあります。一度再点検をしてみましょう。

不眠症の検査と診断

 不眠症の検査では一体どのようなことを行なうのでしょうか? 
 睡眠そのものを調べるためにはポリグラフ検査を行ないます。この検査では、色々な装置をつけて一晩眠り、睡眠時の脳波や心電図、眼球運動、顎や下肢などの筋電図に加え、必要に応じて呼吸運動や換気の様子、イビキも記録します。この検査を行なえば、睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害などの診断も正確に行なうことができます。なお、睡眠のパターンだけでなく生体リズムを把握するために細い柔らかなチューブ状の直腸体温計を肛門に入れて、体温の変化を見ることもあります。


■睡眠状態チェックポイント
どんなふうに眠れないか?
  • 寝つきが悪い
  • 眠りが浅い
  • よく目が覚める
  • 朝早く目が覚める
  • 金縛りを起こす
  • 寝ようとすると、ふくらはぎや足先がむずむずする など
寝ている時の様子
  • イビキをかく
  • 歯ぎしりをしている
  • 寝言を言う
  • 寝相が悪い など
起きている時の様子
  • だるくてやる気がしない
  • つい居眠りしてしまう
  • 不眠のことを考えてしまう
  • 昼夜逆転した生活をしている
  • コーヒーやお茶などをよく飲む など

不眠症の治療法

 不眠症の治療には、(1)睡眠薬を使わない治療と、(2)睡眠薬を使う治療(薬物治療)の2つがあります。※なお、不眠症の治療に当たっては必ず専門医(不眠症外来担当医など)にご相談下さい。


睡眠薬を使わない治療
  1. 生活指導:
     睡眠環境を整える、食事や嗜好品についての習慣を改める、適度な運動をする、肥満を治すなど、まず生活改善を行ないます。

  2. リラックス療法:
     よい眠りを得るためには心身のリラックスが欠かせません。そこで就寝前に自立訓練法を行なったり、リラックスした時の脳波が出るようにコントロールしたりします。

  3. 精神療法:
     精神疾患とまでゆかなくても、様々なストレスや悩みが原因で不眠になっている場合、簡単な精神療法を取り入れると効果的です。

  4. 高照度光療法:
     主に睡眠時間帯が社会生活にとって望ましい時間帯とズレてしまっている場合に用いられる治療法です。2500〜3000ルクスの高照度光を照射することにより睡眠や体温といった生体リズムを人為的にズラすことで効果を得る方法です。

睡眠薬を使わない治療
 不眠症の治療で現在使われている睡眠薬の殆どはベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬で、感情の変化やストレスによる脳神経の興奮を抑えることで眠りを誘う(自然な眠りが起こる仕組みに近い)作用を持っている薬です。薬の量を増やさなければ薬が効かなくなることを「耐性ができる」と言いますが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は医師の指示を守って服用していれば耐性ができることはまずなく、長い期間服用していても中毒症状が起こることも殆どありません。ちなみに、このベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、薬の効く時間が短いものから長いものまで4つのタイプに分けられ、症状に合わせて最も適したタイプの睡眠薬が処方されます。(※なお、最近では全国の薬局・薬店で購入できる睡眠改善薬も登場しています。これは病院で処方される睡眠薬とは異なり、抗ヒスタミン剤である塩酸ジフェンヒドラミン等を配合し、催眠作用を発揮させるのが特徴です。)


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【2】医者で処方される睡眠薬〜睡眠導入剤の効果とその種類〜

 睡眠薬(睡眠導入剤)は医師の処方箋なしでは入手できません。本節では、その睡眠導入剤の特徴や種類等について解説しました。
睡眠薬(睡眠導入剤)の効果

 睡眠薬(睡眠導入剤)の効果として、寝つきがよくなるとかよく眠れるといったものが一般的に知られていますが、他にも睡眠薬の効果として、(1)精神的な不安や緊張が和らいだり解消されたりする、(2)筋肉がほぐれて身体全体をリラックスさせるといった効果が挙げられます。これらの効果は、実はベンゾジアゼピン系睡眠薬(睡眠導入財)を服用した時点から、その成分が血液中に吸収され始め、時間経過と共に血中濃度が上昇する過程で起こる効果です。そして、血中濃度がより上昇してくると睡眠作用が起こり、その結果眠気を催します。また、(1)の効果のみを目的として一定の血中濃度に留まるように製造される抗不安薬などもあります。このように不眠の症状によって睡眠薬を使い分けることも可能です。なお、ベンゾジアゼピン系睡眠薬には種類によって「抗不安作用」「鎮静作用」「抗てんかん作用」と強さによる効果が異なり時間(睡眠薬を飲んだ時から作用するまでの時間)で、これを分類すると以下のようになります。


超短時間作用型:
 旅行中などの一時的な不眠や寝付きは悪いが、一度寝入ってしまえば朝までよく眠れる人
 睡眠薬の中でも半減期の特に短い睡眠薬は超短時間作用型の睡眠薬で、睡眠導入剤として寝つきをよくする効果があります。睡眠薬を飲んだ時から1時間くらいで血中濃度が最高値になり、作用時間が2〜4時間と短い。
 睡眠薬を服用後に血中濃度が最大値になるまでの時間が1時間程度と非常に短く、また、作用時間が2〜4時間ほどの睡眠薬で、寝つきが悪い人(入眠障害)や旅行などによる一過性の不眠に適した睡眠薬です。作用時間が短いことから翌朝まで眠気やふらつきなどの薬が残る持ち越し効果が殆どありません。ただし、連用した後で急に服用を中止すると強い不眠が現われる反跳生不眠を起こしやすいので、中止する時には、一気に止めるのではなく、徐々に薬の量を減らしてゆく必要があります。また、日中に不安が現われることもあります。

短時間作用型:
 睡眠中に目が覚める中途覚醒や早く目が覚めてしまう早朝覚醒の人で症状の軽い人
 睡眠薬の効果が現れるまでの時間が短く、作用時間が5〜10時間程度の睡眠薬で、一度眠りについても直ぐに目が覚める不眠に効果があります。入眠障害のある方及び一度は眠ったものの途中で目が覚めてしまう中途覚醒の症状がある方に用いられます。超短時間型睡眠薬に比べると切れ味は劣りますが、日中の不安が超短時間型のものより起こりにくいと言われています。そして、比較的持ち越し効果の少ない薬です。

中時間作用型:
 睡眠中に目が覚める中途覚醒や早く目が覚めてしまう早朝覚醒の人で症状の重い人
 作用時間が約20時間ある睡眠薬で、入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒など幅広く用いられます。なお、日中も気持ちを落ち着ける作用が継続するため不安感の強い人に使われます。ただし、比較的長時間作用のため、眠気やふらつくなどの症状が起こる場合があり、いわゆる持ち越し効果が現われることがあるので注意が必要です。

長時間作用型:
 日中に不安がある睡眠障害や作用時間が24時間以上も続く薬は日中も眠気が強く残りスッキリせず、通常特別な場合以外には使用されない
 長時間作用型の睡眠薬は作用時間30時間ぐらいで、鬱病などの精神疾患による不眠に対して効果があります。
 中時間作用型より更に長時間作用する薬で、抗不安薬として日中に強く作用するため、昼間に起きている間も抗不安剤薬として利用されます。要するに1種類で早朝覚醒の改善と日中の抗不安の両方の目的で使用される薬です。なお、抗不安の目的で使用するの場合の病例として鬱病や統合失調症(旧名:精神分裂病)などがあります。また、作用時間が長いことから持ち越し効果が現われやすいので注意が必要になります。

睡眠導入剤の種類

■睡眠導入剤の分類
 睡眠導入剤は不眠(不眠症)や睡眠障害などの治療に用いられるもので、科学的構造の違いにより大きく以下の5種類に分類できます。
ベンゾジアゼピン系:
 代表的な睡眠導入剤としてハルシオン(一般名:トリアジラム)があります。この睡眠導入剤は脳や中枢神経に働きかけることで不安を抑制する効果があります(※毒性が低いので、比較的安全性が高い睡眠導入剤として不眠治療に広く用いられています)。
チエノジアゼピン系:
 代表的な睡眠導入剤としてグッドミン(一般名:ブロチゾラム)があります。この睡眠導入剤もハルシオンと同じく比較的安全性の高いものです。
シクロピロロン系:
 代表的な睡眠導入剤としてアモバン(一般名:ゾピクロン)があります。この睡眠導入剤は超短時間で効果が現われる睡眠薬です。
抗ヒスタミン剤:
 これはアレルギーを抑える薬として知られるものですが、睡眠改善薬としても効果があります。
バルビツール酸系:
 中枢神経抑制作用のある睡眠導入剤で大量投与することで麻酔作用があります。ラボナなどの催眠鎮静薬はこのバルビツール酸系の分類に属し、一時的な鎮静を目的として投与されます(※症状が重い不眠やベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤が効かない場合に投与されます)。

■睡眠導入剤の種類
ハルシオン
  • ハルシオン 睡眠導入剤商品名(一般名):ハルシオン(トリアゾラム錠)
  • 薬価:17.4円/0.25mg、1錠
  • 特徴:超短期作用型・ベンゾジアゼピン系で古くから使われている睡眠薬。最高血中濃度に到達する時間は1.2時間,半減期は22.9時間、作用時間は7時間とされています.ですから、寝る直前に飲んで就寝する習慣をつけましょう。
  • 副作用:安全性の高い薬だとされていますが、眩暈やふらつきが起きることがあるので、原則として就寝前に服用するよう処方されます。服用後の活動は事故の原因となるので避けましょう。また、起床時にぼーっとすることがあるので、起きてから直ぐ活動しないようにしましょう。
  • コメント:ハルシオンは昔大量に使用した人のニュースが出て以来、何かとニュースになり、悪いイメージを持っている人も多いようですが、しかし、安全性は比較的高い薬です。また最近では、ハルシオンよりも作用時間が短く、起床時の思考抑制などが少ないと言われるマイスリーがあります。
マイスリー
  • マイスリー 睡眠導入剤商品名(一般名):マイスリー(酒石酸ゾルピデム錠)
  • 薬価:52.2円/5mg、1錠
  • 特徴:超短期作用型・非ベンゾジアゼピン系で、日本では2000年に認可されたまだ新しい睡眠薬です。持ち越し効果(朝ボーっとする)が弱く、翌朝の眠気や不快感が少ないとされます。薬に対する慣れ(耐薬性)や中止時の不眠(反跳性不眠)も少ないと言われます。
  • 副作用:比較的安全性の高い薬です。正しく服用する限り、重い副作用はまずありません。ただ人によっては、翌朝に眠気やふらつき、倦怠感、脱力感などが残ることがあります。また、前方健忘(薬を飲んだ後の行動をすっかり忘れる)などの症状が出る人もいるようです。また、高齢の人は転倒にも注意が必要です。
  • コメント:ハルシオンに代わる新しい睡眠薬です。でも、今はまだ価格が非常に高いです。作用時間はハルシオンよりも短く、起床時の思考抑制などが少ないと言われるマイスリーですが、その代わり比較的作用が弱い薬でもあります。マイスリーに限ることではありませんが、前方健忘など副作用が強く起こる場合、肝臓の機能が低下している恐れがあります。なので、血液検査など定期的に体調管理をしてゆくことがぜひとも必要になります。
レンドルミンとレンデム
  • レンデム 睡眠導入剤レンドルミン 睡眠導入剤商品名(一般名):レンドルミンとレンデム(ブロチゾラム錠)
  • 薬価:32.8円/0.25mg、1錠(レンド);13.7円/0.25mg、1錠(レンデ)
  • 特徴:短期作用型・ベンゾジアゼピン系で、88年から販売されている睡眠薬です。最高血中濃度に到達する時間は1.5時間,半減期は7時間とされます。ハルシオン同様短時間に効き目が現れますが、作用の強さはハルシオンより随分弱いです。
  • 副作用:比較的安全性の高い薬です。正しく服用する限り、重い副作用はまずありません。ただ、人によっては翌朝に眠気やふらつき、倦怠感、脱力感などが残ることがあります。また、高齢の人は転倒にも注意が必要です。
ベンザリン
  • ベンザリン 睡眠導入剤商品名(一般名):ベンザリン(ニトラゼパム錠)
  • 薬価:12.7円/55mg、1錠
  • 特徴:中時間作用型・ベンゾジアゼピン系で、古くから使われている睡眠薬です。抗不安薬、麻酔前投薬、自律神経発作などにも効果があります。
  • 副作用:比較的安全性の高い薬です。正しく服用する限り、重い副作用はまずありません。ただ人によっては、翌朝に眠気やふらつき、倦怠感、脱力感などが残ることがあります。また、高齢の人は転倒にも注意が必要です。
ドラール
  • ドラール 睡眠導入剤商品名(一般名)::ドラール(グアゼパム錠)
  • 薬価:132.5円/15mg、1錠
  • 特徴:中〜長期作用型・ベンゾジアゼピン系で、日本では99年に認可された新しい睡眠薬です。覚醒時の気分に優れ、日中の身体の状態も良好とされます。また、服薬中断時の反跳・不眠が少ないことが認められています。
  • 副作用:常用量の服用では翌朝まで作用が残ることはありませんが、仕事に支障を来さない程度の強い眠気やふらつき、倦怠感のある時もあります。時に強い精神症状や意識障害、興奮を呈することがあります。高齢者や心臓、肺の悪い人には注意を要します。また、妊娠中や授乳中の婦人、高齢者には副作用が起こりやすいので注意が必要です。ちなみに、妊娠3カ月以内では同様の薬で奇形児の出産の可能性が飲まない人と比べ高いことが報告されています。
  • コメント:ドラールはハルシオン等に比べ中〜長時間作用する睡眠薬です。また、新薬ということで高価格ですが、安全性もあり、効き目がよいと定評があります。なお、就寝前の空腹時に服用し、服用後は夜食など摂らないようにしましょう(※胃に食物があると作用が強まる場合があります)。鬱病だけでなく、極度な睡眠障害や統合失調症などでも、睡眠薬として使されています。ちなみにその場合の例として、たとえばハルシオンやデパス(抗不安薬)と組み合わせる処方があります。これは、まずハルシオンで一気に寝付かせ、デパスでさらに睡眠中の不安を取り除くことで、中盤からドラールの血中濃度が高くなり、朝までぐっすり眠れるというわけです。

参考1:薬局で買えるのは睡眠改善薬

 睡眠改善薬は一般の薬局で購入可能で、一時的な不眠対策(睡眠効果)が期待できる薬です。一時的な不眠対策とは、たとえば生活環境の変化や海外に出かけ時差や環境変化、枕が替わった、気にかかることがあるなどで眠れない、眠りが浅いなどで長期的な不眠対策でない場合を言います。睡眠導入剤が医師の処方がなければ入手できないのに対して、睡眠改善薬は薬局で購入できるというように、睡眠改善薬と睡眠導入剤には、その入手方法はもちろん不眠対策の目的が異なります。また、主成分もそれぞれで異なります。
 睡眠改善薬の主成分は、 抗ヒスタミン剤である塩酸ジフェンヒドラミンです。抗ヒスタミン剤は鼻水や風邪によるクシャミ、花粉症などに効果があるものとして知られています。元々ヒスタミン剤には脳を目覚めさせる働きがあり、これを抗ヒスタミン剤で抑制し睡眠効果を得るという形になります。なお、数社から発売されている睡眠改善薬に含まれる成分(塩酸ジフェンヒドラミン)量は同量(50mg)なので、効果的にはどの睡眠改善薬でもよいということとになります。なお、睡眠改善薬は1人1回につき1個までの購入が可能ですが、特に使用上の注意点としては、不眠治療を既に受けている人は使用できませんし、他の治療で通院中の人は事前に医師との相談が必要になります。要するに医師の処方が必要でないからこそ服用の量や回数などの自己管理を徹底した使用が大切になります。

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【3】睡眠導入剤の正しい服用法〜睡眠導入剤の副作用と服用上の注意〜

 睡眠薬(睡眠導入剤)の服用法について色々と誤解をしている人が多いようです。本節では、睡眠導入剤の副作用を中心に、睡眠薬の正しい飲み方を解説しました。睡眠薬を正しく服用して、質の高い睡眠を手に入れましょう。
睡眠薬(睡眠導入剤)の副作用

 睡眠薬には幾つかの誤解があります。確かに不眠症は、それだけで死んでしまう病気ではありませんが、生活を質を非常に悪くしうる病気です。薬の濫用は慎むべきですが、上手に使えば睡眠薬は非常に有用な薬なので、いたずらに睡眠薬を避けるのは勿体ないことです。本項では、睡眠薬に対する迷信を幾つか挙げて、その誤解を解く説明をしました。なお、睡眠薬と呼ばれているものは現在では殆ど精神安定剤の仲間で、精神安定剤には、(1)高ぶった神経を抑える鎮静作用と、(2)眠くさせる催眠作用とがあるわけですが、この2つの作用のバランスは薬の種類によって異なり、眠くなる作用が強いものを睡眠薬として用いています。ちなみに、睡眠薬で一番重要なのは、その効果時間と内服する時間です。非常に短い時間(2〜3時間)のみ効くものから、短時間・中時間・長時間効くものの数種類に分類されます。単に寝付きが悪いだけなら超短時間作用型の薬でよいわけですが、明け方早く目が覚めてしまうようなタイプの不眠症にはやや長く効くものが必要になります。しかし、効果が長すぎるものを飲んだり、或は深夜過ぎに内服をすると、翌日の午前中まで薬の効果が残り、午前中は眠く、午後から夕方になって目が冴えて、また翌日の夜の寝付きが悪くなるという悪循環も起きます。従って超短時間作用型のもの以外は、目安として深夜0時を過ぎたら内服しない方がよいということになります。そのため、「眠れないから飲む」のでは遅すぎることが多いので、「眠るために飲む」ようにする必要があります。


睡眠薬には依存性があるか?
 30年以上前によく使われていたバルビタール酸系の睡眠薬は、依存性が強いことから、睡眠薬というと麻薬のように量がどんどん増えてしまう怖い薬だと思われていました。しかし、現在使われている薬には依存性は殆どありません。通常、効果が弱く感じられるようになった場合は不眠症が悪化していることが多いです。

睡眠薬よりもお酒の方が安全か?
 医師に処方されないと買えないような睡眠薬よりは、誰でもどこでも買えるお酒の方が安全だから、お酒で寝付きをよくした方がよいと考える人がよくいますが、これは間違いです。ごく少量のアルコールは気分をリラックスさせて寝付きをよくしますが、少しでも量が増えると、寝付きはよくなっても、その後の睡眠の質を悪化させることが知られています。アルコール依存症で困る症状のひとつが不眠症なのです。

睡眠薬は量をなるべく少なくして、眠れない日にだけ飲む方がよいのか?
 薬には副作用もあるので、確かに量を減らした方がよいかも知れません。しかし、飲んでも眠れない量しか睡眠薬を内服しないのでは、睡眠薬を服用する意味がありません。それと同じく眠れない日だけ飲むのも、上手くできれば構いませんが、薬を飲まないで我慢して、眠れないので深夜になってから薬を内服するというのでは、大抵逆効果になります。眠気には波のように振幅があり、眠気が強くなる時間に睡眠薬を飲めば少量でもよく効くはずです。ちなみに、24時間のリズムがしっかりしている人の場合、その眠気のピークは通常21時〜23時です。これが深夜を過ぎると却って眠気がなくなり、この時間に睡眠薬を飲んでも中々眠れないということになることが多いです。

睡眠薬で眠る癖をつけると薬なしでは眠れなくなるのか?
 睡眠薬を長い間内服した後に中断すると、反跳性不眠と言われる離脱現象が起きます。そのため、確かに長期間にわたって睡眠薬の内服を続けた場合、急に止めると眠れなくなり、また内服を始めてしまう、ということが起きることもあります。そのため、睡眠薬は止め方も大切です。上手にやめれば、ちゃんと中止することができます。ただ、元々の不眠症そのものが治っていなければ、ある程度の不眠症の症状が残ることは避けられませんが、しかし実際の臨床では、何年にもわたって毎日睡眠薬を飲まないといけない人は少なく、一定期間内服して、睡眠がしっかり摂れて精神的な健康を回復できれば薬を止められる人が殆どです。

睡眠薬の副作用は怖いか?
 睡眠薬にも様々な副作用がありますが、その中で一番多いのは翌日のふらつきや眠気です。これは副作用というよりも、内服時間が悪いか種類が悪い(元々長く効くタイプ)せいで起きてくるものです。現在の睡眠薬は精神安定剤の中でもベンゾジアゼピンと呼ばれる薬を下に開発されたものが多く、この薬は長期に飲んでも安全な薬のひとつです。なお、見方によれば、睡眠薬は風邪薬より安全だと言えます。風邪薬は数日の単位で飲むことを前提に開発されているので、これを1ヶ月以上飲めば副作用が出現する可能性が高くなりますが、慢性疾患である不眠症の薬は元々数ヶ月〜数年という単位で飲むことを前提に開発されているので、長期間飲めるように作られているのです。

睡眠薬(睡眠導入剤)の副作用の種類


眠気&ふらつき
 睡眠薬を使用すると、服用から1時間ほど経つと、血液中における薬品成分の濃度がピークに達します。その後は徐々に濃度が薄れてゆくのですが、この間に睡眠薬の効果が現われるという仕組みになっています。短時間型の睡眠薬であれば、眠っている間に血液から睡眠薬の成分が消え、いつしか効果が消えてしまいますが、長時間型の睡眠薬の場合、効果の持続時間が睡眠時間を超えてしまう可能性があり、起床後も効果が持ち越されることが考えられるのです。すると、朝起きた後も暫くは眠気が残り、ふらつきをも引き起こしてしまいます。これは特に高齢者に多い副作用で、高齢者の場合、眠気やふらつきによって転倒したりといった具合に重大な怪我を負ってしまわないようにくれぐれも注意が必要です。

物忘れ
 眠気やふらつきは長時間型睡眠薬を服用した場合に起こりがちな副作用ですが、物忘れは超短時間型や短時間型といった持続時間が短い睡眠薬に見られる副作用です。ただ、眠気やふらつきが頻繁に見られる副作用であるのに対し、物忘れはそれほど多い症状ではありません。超短時間型や短時間型の睡眠薬は、効果の持続時間が短い分、服薬して比較的早いうちに強い効果が現われます。睡眠薬の効果が現われているということは、要するに脳は眠っている状態にあるということなのですが、これが就寝の前後だと、能は眠っていても身体は起きているという状態になるのです。そのため、睡眠薬を服薬してから就寝までの間に何らかの行動を取ったとしても、翌朝目を覚ました時にはそのことを忘れてしまっていることも多くあるわけです。

睡眠薬への耐性
 睡眠薬への耐性とは、要するに、身体が睡眠薬に慣れてしまって薬が効きにくくなることですが、現在利用されている睡眠薬は服用方法を誤らない限り、睡眠薬が効きにくくなったり効果が落ちることはありません。しかし、何年にも渡って睡眠薬を使用し続けていると耐性が付くということは可能性としては充分に考えられます。その場合、決して自分の判断で無闇に服用量を増やしてはいけません。耐性に限ったことではありませんが、何らかの副作用が現われた場合、必ず医師の相談を受けるようにしましょう。

身体依存(反跳性不眠)
 煙草やアルコールでよく知られている依存性とは、「それなしではいられなくなる」という状態で、睡眠薬の依存性には、(1)身体的な効果の身体依存と、(2)精神的な効果の精神依存とがあります。そのうち身体依存は「反跳性不眠」と呼ばれる依存症です。
 長期間睡眠薬を服用し続けていると、服用を中止した際にそれまでのリバウンドとして、数日間睡眠薬なしでは眠れなくなってしまうことがあります。この副作用が見られるのはベンゾジアゼピン系睡眠薬で、中でも超短時間型や短時間型の睡眠薬の場合に起こりやすくなっています。なお、近年開発された非ベンゾジアゼピン系睡眠薬なら反跳性不眠の可能性の低いものも存在します。

精神依存
 精神依存は、鬱病など心の病が不眠症の原因となっている人に起こりやすい依存症です。
 身体依存が「実際に睡眠薬の効果がなくては眠れない」副作用であるのに対し、精神依存は、「本当は睡眠薬がなくても眠れるはずなのに、睡眠薬がなくては眠れない」という思い込みによる副作用です。この傾向が強いと、単なる思い込みにとどまらず、本当に睡眠薬を服用しなくては眠れなくなってしまう可能性もあります。なお、元々は思い込みなので、睡眠薬の種類は関係ないのかと思いますが、これは超短時間型や短時間型の睡眠薬に多く見られる副作用であることが分かっています。これらの薬は睡眠導入剤として使われ、服薬の効果を自覚しやすいのがその原因だと考えられます。要するに睡眠薬の効果がはっきりと分かると、それに頼る心が徐々に形成されてゆき、その結果として精神依存へと至ってしまうわけです。幾つかの副作用の中でも、この精神依存は対策が特に難しい副作用とされています。

睡眠薬(睡眠導入剤)服用上の注意

 睡眠薬(睡眠導入剤)は専門医の診断の下で処方されるもので、当然ながら服用する1回の量や服用回数は医師の指示を守るよう注意をしなければなりません。本項では、睡眠薬(睡眠導入剤)を服用する場合、医師の指示以外で、日常生活の中で注意すべき事柄を以下にまとめました。


運転は避ける
 睡眠薬(睡眠導入剤)の服用時は、車はもちろんのこと、自転車などの使用も控えるようにしましょう。薬の作用による極度の眠気に襲われ、判断能力が衰え事故の可能性が大きくなります。

カフェイン入り飲み物
 お茶やコーヒー、紅茶などのカフェイン入り飲み物は、カフェインによる覚醒作用で睡眠薬(睡眠導入剤)の効果が薄れる可能性があります。従って、カフェイン入り飲み物を飲む場合は飲む時間に注意しましょう。

妊婦の服用
 妊婦は睡眠薬(睡眠導入剤)を服用することはできません。妊娠中の不眠は妊婦特有のホルモンバランスで起こる場合が多いことを知ることが大事です。不眠症状が重い場合は専門医や漢方医に相談しましょう。

高血圧や糖尿病患者の服用
 高血圧患者や糖尿病患者の人が睡眠薬(睡眠導入剤)を服用する場合は、自分がどの様な薬を服用中なのかを医師に伝えた上で睡眠薬(睡眠導入剤)の処方を依頼するようにしましょう。なお、高血圧・糖尿病患者以外の人でも、何かの薬を飲んでいる場合は同様に医師に伝えることが肝要です。

高齢者の服用
 高齢者が不眠で睡眠薬(睡眠導入剤)を服用する場合、薬の分解時間が長く効果もゆっくりで長く持続する場合が多いです。なお、夜中のトイレは薬の作用でふらつき、転倒する危険性がありますので、くれぐれも注意するようにして下さい。

その他の注意
 睡眠薬(睡眠導入剤)を服用してそのまま起きていると、物忘れなどを起こす場合もあります。服用した場合は直ぐに寝るようにしましょう。また、睡眠薬(睡眠導入剤)には薬物療法で、当然ながら他の薬と同じく副作用があります。薬に過度な依存を避ける工夫も大切なことです。


参考:睡眠薬と他の薬との併用には注意しよう
 ベンゾジアゼピン系睡眠薬と併用すると、睡眠薬の効果を弱めたり強めたりする薬があります。なお、グレープフルーツジュースも睡眠薬の代謝を阻害して睡眠薬の血中濃度を上げるので、一緒に飲まない方がよいでしょう。
  1. 睡眠薬の効果を弱める薬:
    • 消化管で吸収を抑制する
      • 制酸剤:代謝を促進して、睡眠薬の血中濃度を下げる
      • 抗結核剤(リファンピシン):抗てんかん剤カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール)

  2. 睡眠薬の効果を強める薬:
    • 中枢神経系に抑制的に作用する
      • 抗ヒスタミン薬、バルビツール酸系薬剤、三環系・四環系抗打つ薬、エタノール(アルコール)

    • 代謝を阻害して睡眠薬の血中濃度を上げる
      • 功真菌薬(フルコナゾール、イトラコナゾール)、マクロライド系抗生剤(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ジョサマイシン)
      • カルシウム拮抗薬(ジルチアゼム、ニカルジピン、ベラパミル)
      • 抗ウイルス薬(インジナビル、リトナビル)
      • 抗潰瘍薬(シメチジン)

参考2:寝酒の功罪〜最初は眠りに誘い、後には不眠を起こすアルコール〜


睡眠薬代わりからアルコール依存症に
 「眠れないのなら一杯酒でも飲んだら」という勧めで睡眠薬の代用としてアルコールを使用した経験は多くの方が持っていると思います。そんな経験から睡眠薬としてアルコールを飲んでいるうちにアルコール依存症になってしまった人も決して少なくありません。

アルコールの催眠作用
 アルコールを飲むとどうして眠くなるのでしょうか? それは、アルコールが消化器から吸収され、その一部が脳に達し、脳幹網様体賦活系というところに働きますが、アルコールは人を覚醒させる働きのある脳幹網様体賦活系を抑制するので、その結果として眠くなるのです。一般にこれをアルコールによる催眠作用と呼びます。これをもう少し詳しく説明すると、アルコールによって入眠しやすくなり(入眠潜時の短縮)、そして、実際に眠ってしまうと深い睡眠が多くなり、その結果よく眠れたという感じが出やすくなります。その一方で夢と深い関係のあるレム睡眠は飲酒量によってその出現が異なり、少量であれば睡眠の前半は出現率が低くなり、後半は却って多くなります。アルコールを多く飲むと、レム睡眠はアルコールによって抑制されます。このように、アルコールを飲むことによって、単に眠りやすいというだけでなく、睡眠の質が変わることに注目する必要があるのです。

飲み続けると却って不眠が出現
 アルコールを少量でも晩酌や睡眠薬代わりに毎日飲んでいるとどうなるのでしょうか? 人の身体は、アルコールによる脳の抑制が続くと何とかしてその抑制を少なくするように働きます。それが耐性の増加という現象ですが、この耐性が認められるようになった時、何らかの理由で飲酒できないような状態になると、日頃はアルコールによって脳幹網様体賦活系を抑制していたものが働かなくなります。その時、一過性の不眠が認められます。もちろん不眠の程度は1日当たりの飲酒量が多いほどひどくなります。このような不眠が出現するようになった場合、悪夢を訴える人が多くなります。それでは、アルコールを飲み続ければ不眠を回避できるかということになりますが、残念ながら耐性という現象が出現する限り、以前より飲酒量を増さなければ不眠が出現することになります。アルコール飲酒量を増やせば暫くは眠れますが、何れ耐性が出現して不眠が出現します。このように、アルコールの量を増やし続けて不眠を解消することは不可能となり、何れは飲んでいてもいつも不眠症という事態が生じることになります。アルコール飲酒が睡眠薬の役割を果たせなくなるのです。そして、アルコール依存症になると、今度はこの不眠の程度がさらにひどくなり、深い睡眠に殆ど入れなくなり、夜中に何回も目を覚ます中途覚醒が多くなります。アルコール飲酒が睡眠薬の役割を果たせにくいことが分かっていても、以前のような深い睡眠を求めて見果てぬ夢を追い続けることになり、アルコール依存症がますます悪くなる悪循環のパターンに入ってしまうのです。

一睡も出来ない振戦譫妄
 アルコール依存症が進行すると、1日中飲み続けたり、大量のアルコールを1日のある時期に飲酒するという状態の中で、身体の病気で入院したりして飲酒が中断した後、離脱症状(禁断症状)が出現します。2〜3日ほど眠れない夜が続いた後、離脱症状としての振戦譫妄を認める人がいます。振戦譫妄が出現すると、自分のいる場所や時間も曖昧となり、虫などの小動物が見えたりして、一生懸命それを取ろうとしたり、突然興奮したりして、周囲が対応に苦慮することになります。このような時期が2〜3日続き、そして、よく眠る時期(終末睡眠)が出現し、その翌朝に目覚めた時は意識がハッキリしており、振戦譫妄から回復するというパターンになります。

断酒継続中の睡眠
 断酒を誓ってアルコールを断っても、直ぐにはよい睡眠は摂れません。断酒して数週間後の睡眠を調べた結果では、深い睡眠の出現率が低く、眠りが浅く、目覚めやすいという結果が出ています。この睡眠障害の程度は大脳皮質の萎縮の程度と関連するとも言われており、アルコールによって脳が壊される時に睡眠を調節している機構も被害を受けるようです。断酒をどれだけの期間継続すれば元の睡眠に戻るかハッキリしたデータがありません。たとえば断酒3カ月ぐらいでよく眠れるようになったという人もいますが、1年ぐらい具合が悪かったという人もいて、個人差がありますが、断酒を継続してゆけば次第に眠りやすくなるのは確かとです。


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【4】薬局で買える睡眠薬〜睡眠改善薬とサプリメント〜

 医者の処方箋なしでも薬局で簡単に購入できる市販の睡眠薬があります。これは睡眠導入剤と区別して睡眠改善薬と呼ばれています。医者で本格的な睡眠薬をもらうのはちょっと怖い、或はそれほど重い不眠症ではないという人は、試しに睡眠改善薬やサプリメントを試してみるのもよいでしょう。本節では、代表的な市販睡眠薬や快眠を助けるサプリメント類を紹介しました。
市販睡眠薬に頼りすぎるな
睡眠薬は市販されているのか?

 睡眠薬(睡眠導入剤)は医師の処方箋なしでは入手することはできません。ですから、一般の薬局で買える睡眠薬というものは存在しません。睡眠薬というものは処方箋のない人への販売も為されていません。そのため、薬局やドラッグストアで睡眠薬を購入することはできませんし、もちろん通信販売などで購入することもできません。ただし、睡眠改善薬というものはドラッグストアでも買うことができます。これは睡眠薬というよりも、風邪薬の副作用である眠たくなる作用を逆に利用したもので、従って睡眠薬(睡眠導入剤)のようにしっかり熟睡できるものではありません。
睡眠改善薬の分類

 薬局で購入できる睡眠薬(睡眠改善薬)は、(1)ブロムワレリル尿素入りの製剤、(2)生薬配合剤、(3)抗ヒスタミン薬、(4)その他の4タイプに分類できます。なお、このうちの(4)には、睡眠に効果があると言われるアロマオイルやハーブなどの他、時差ボケ改善を目的に主に米国で売られているメラトニンが含まれます。
尿素や生薬配合

 ブロムワレリル尿素には睡眠作用があるため、これを求めて幾つかの薬局を渡り歩く人が増えたことなどから、現在はそれ単独のOTC睡眠薬は市販されていません。ただ、睡眠薬としてではありませんが、ブロムワレリル尿素を含んだ解熱鎮痛薬や鎮静薬が薬局に店頭に並んでいます。また、その一方で生薬、いわゆる和漢薬によるものも以前から存在します。ブクリョウやカンゾウなどからなる抑肝散を主体にした催眠鎮静薬が出ており、眠りが浅い、寝付きが悪いといった人がしばしば使っています。さらに、よく使われるのが抗ヒスタミン薬で、花粉症や蕁麻疹などを治す抗アレルギー薬、乗り物酔い止めの薬として以前から使用されてきました。催眠作用もあることから、いわばその副作用を逆手に取った形で睡眠薬に衣替えしたものです。03年4月にエスエス製薬が抗ヒスタミン薬の1つ塩酸ジフェンヒドラミンを「ドリエル」の商品名で売り出したところ爆発的に売れました。今では幾つかの後追い製品も出ていますが、需要が多いのは、それだけ眠れない人が多いということになります。
鬱の疑いも

 上で紹介したドリエルなどには販売制限があり、1回の購入は1人1個で、薬局やドラッグストアはこれを守っていますが、定期的に来て求めてゆく人も多く、長期にわたって使うケースも多いと考えられます。

 抗ヒスタミン作用による睡眠改善薬は、慢性不眠や医師が不眠と診断した人には使えませんし、連用もいけないと添付文書に書かれています。不眠を根本的に治すことはできないからです。従って、OTC睡眠薬を3日間使って眠れないようなら専門医に相談した方がよいでしょう。また、緑内障や前立腺肥大症など使ってはいけない人は事前に医師に相談する必要があります。また、不眠が続くようなら、まず鬱を疑うことも必要です。不眠の背後には様々な病気が隠れている可能性があるので、それを見つけることも大切です。
どんな薬があるのか?

睡眠改善薬の種類
  • ウット(伊丹製薬):9錠&12錠入(15歳以上1錠/1回、1日1〜3回)
    • 効能・効果:頭痛、精神興奮、ヒステリー、神経衰弱、その他鎮静を必要とする諸症状
    • 成分:ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素、塩酸ジフェンヒドラミン

  • ドリエル(エスエス製薬):6錠&12錠入(15歳以上2錠/1回、就寝前、15未満服用不可)
    • 効能・効果:一時的な不眠の寝つきが悪い、眠りが浅いという症状の緩和
    • 成分:塩酸ジフェンヒドラミン

  • アロパノール(全薬工業):63錠&147錠入(15歳以上7錠/1回、1日1〜3回)
    • 効能・効果:虚弱な体質で神経が高ぶる次の諸症状。神経症、不眠症
    • 成分:生薬成分(カンゾウ、チョウトウコウ、センキュウ、サイコ他)

  • レスティ錠(大正製薬):72錠&150錠入(15歳以上6錠/1回、1日1〜3回、食間)
    • 効能・効果:神経が高ぶり、気分が塞いで、不眠傾向のある次の諸症状。眠りが浅い、寝つきが悪い、目覚めやすい、意欲減退、気分が塞ぐ、イライラ、怒りっぽい、焦り、神経質
    • 成分:生薬成分(カンゾウ、チョウトウコウ、抑肝散加芍薬黄連水性乾燥エキス)

快眠を助けてくれる漢方薬

 よく眠れないけれど、病院で睡眠薬をもらうのはちょっとイヤだなと感じる人も多いと思います。そんな時はまず薬局や通信販売で買える漢方薬やサプリメントを試してみるのもよいでしょう。本項では、快適な睡眠を助けてくれる漢方薬やサプリメントについて紹介します。
漢方薬で体質を改善して快眠生活

 西洋の睡眠薬が脳の睡眠中枢に直接働きかけて眠りを促すのに対して、漢方薬は自然な眠りを妨げている原因を取り除いて、その結果として不眠を改善してゆきます。改善されるまでの経過はマイルドで時間がかかりますが、副作用や習慣性が少なく、過度のストレスや鬱病、更年期障害などの基礎疾患の治療も同時に行なえます。
症状に合わせた漢方薬の種類


症状に合わせた漢方薬の種類
  1. 中々寝つけない時&人
    • 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):
       胃腸がやや弱めの人で、神経の高ぶりからくる不眠に
    • 酸棗仁湯(さんそうにんとう):
       胃腸が余り強くない人で、疲れすぎて眠れない時に

  2. 夜中や早朝に目覚めてしまう人
    • 加味帰脾湯(かみきひとう):
       胃腸はさほど強くなく、血色が悪く虚弱な体質の人に
    • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):
       比較的体力がある人で、不安や焦り、緊張、不機嫌を伴った不眠に

  3. 注意:
      副作用が少ないと言われる漢方薬ですが、副作用が全くないわけではありません。もし体調に異常を感じたら、直ぐに医師の診察を受けましょう。また、ゆっくりと効果が現われることも漢方薬の特徴ですが、飲み始めて3週間たっても全く効果が実感できなければ、漢方薬が体質や症状に合っていないこともありますので、その場合も薬剤師や医師に相談するようにしましょう。

快眠を助けてくれるサプリメント類
体内時計の調整役・ビタミンB12

 毎日1時間ずつ生活のリズムが遅くなっていく症状の、非24時間睡眠覚醒症候群という不眠症があります。この病気の治療にはビタミンB12が使われます。それは、ビタミンB12には体内時計の調節を行なって睡眠と覚醒のリズムを正常にする働きがあるからです。ビタミンB12は牛乳や乳製品、豚肉(特にレバー)、豆腐などの豆製品、魚介類などに多く含まれています。
セロトニンとメラトニンが睡眠に重要

朝の目覚めと太陽光線 脳や身体が眠りと活動を健康的なリズムで行なうためには、セロトニンとメラトニンというこの2つの物質が正常に働いていなければいけません。セロトニンの働きが弱いと覚醒と睡眠の切り替えができなくなり、メラトニンが正常に分泌されていないと体内時計が狂いやすくなります。つまり、睡眠障害になる可能性も高くなるのです。寝付きが悪いとか頭がボーっとして集中できない時間があるという人は、セロトニンやメラトニンの分泌量・活動レベルが下がっているのかも知れません。なお、メラトニンは日中は殆ど分泌されませんが、夜になると分泌されて、体内時計による睡眠の調整に大きな役割がある考えられています。その証拠に、最近は時差ボケや睡眠相後退症候群(宵っ張りの朝寝坊がひどい状態)の治療にメラトニンが試験的に使われ始めていますが、ただし、飲む時間や量の加減が難しく、性ホルモンとしての働きもあるので注意も必要です。


セロトニン
  • 働き
     セロトニンは脳の中で、大脳皮質の覚醒や自律神経の調整、抗重力筋への働きかけ、痛覚の抑制、心のバランスを保つという5つのパターンの働きをしています。そして、言語機能や運動機能、感情に関する情報をこの脳内物質が伝達してコントロールしています。そのため、セロトニンの分泌量が少ないとイライラしやすく、感情がコントロールできなくなったり、頭がすっきりせずボーっとすることが多くなったりします。また、セロトニンにはドーパミンやノルアドレナリン等の脳内物質をコントロールする役割りもあり、心身を健康に保つには欠かせない物質です。

  • 分泌量
     この脳内物質は、脳が活動している覚醒時に脳内のセロトニン神経から分泌されています。セロトニン神経は太陽の光を浴びたり適度な運動をすることで活性化し、セロトニンの分泌量を増やすことができます。そのため、1日中室内にこもって生活している人や運動不足の人は、神経の活動が弱まってしまい、その結果セロトニンの分泌量が足りなくなります。しかし、朝起きて直ぐに日光を浴びるなどの生活習慣の改善や毎日20分程度の運動を定期的に行なうことで神経の働きを活発にし、分泌量を増やすことが可能です。

メラトニン
  • 働き
      メラトニンは体内にある時間のリズムを調節する働きのある物質で、太陽光のように強い光を浴びることでリセットされるようになっています。つまり、リセット時から次に分泌されるまでの時間で体内時計の調整を行なっているのです。またメラトニンには、細胞に運ばれる酸素が有害にならない様に防御するという大切な役割りもあります。さらに、眠くなった時にはセロトニンによってメラトニンの分泌が促され、身体をリラックスさせる効果もあります。メラトニンとセロトニンが一緒に分泌されることで身体をリラックスモードにして脳内を睡眠時のパターンに切り替えることができるのです。

  • 分泌量の変化
     メラトニンは脳内の中心部に近く小脳の上にある松果体と呼ばれる部分から分泌されます。しかも暗闇になると分泌される仕組みになっています。また、セロトニンとは反対に覚醒時には分泌量が少ないのが特徴です。太陽の光を浴びると分泌量が減少しますが、光を浴びてから14〜16時間後には再び増加します。そのため、起床後14〜16時間後には自動的に身体が眠りの体制に入るようにセットされているのです。なお、メラトニンが分泌されてから2〜3時間の間が最も眠りに付きやすい時間なので、この時間帯に眠るのがおススメです。

参考3:参考文献&参考サイト


■参考文献
福西勇夫『詳しくわかる睡眠薬と精神安定剤』法研
福西勇夫・著
(東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所リエゾン精神医学心身医学研究部門長)
『詳しくわかる睡眠薬と精神安定剤』
法研・2003年03月刊、¥1,050円

本書では、実際に服薬している方だけでなく、これから不眠を解消しようと考えている方にも、具体的に役立つ知識・情報をコンパクトにまとめてある。

ワンポイントアドバイス 克服しよう!睡眠障害
http://www.yamato-gr.co.jp/ans/07-04/index.html
眠りの総合サイト☆快眠推進倶楽部
http://www.kaimin.info/
Suimin_net スイミンネット
http://www.suimin.net/index.htm
おくすり110番・・病院の薬がよくわかる
http://www.jah.ne.jp/~kako/


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