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日々の生活ストレスばかり、311の震災、熱波、集中豪雨、大型台風、不況ノ続く中の異常な円高、株安 欧米には肩こりを意味する言葉すらないと言いますが、気の休まることもなく、どうしても肩こりに悩まされていることと思います。
 欧米には肩こりを意味する言葉すらないと言いますが、その意味で肩こりは日本人にとって国民病とも言えます。今月はその辛い肩こりの対処法について取り上げました。
つらい肩こり

肩こり
【1】肩こりは国民病!?〜肩こりの症状と原因〜
【2】肩こりの予防法〜まずは生活環境の見直しから〜
【3】肩こりの治療〜肩こりの治療と自分でできる対処法〜


【1】肩こりは国民病!?〜肩こりの症状と原因〜

 欧米には肩こりを意味する言葉すらないと言いますが、その意味で肩こりは日本人にとって国民病とも言えます。本節では、肩こりの原因と症状などにつき詳しく解説しました。
肩こりとは?

 肩こりとは、筋肉に疲労物質が溜まって凝り固まった状態のことを言います。それを引き起こしている原因は血行不良です。何らかの原因で血流が滞ると、その部分の筋肉に栄養や酸素が行き渡らず、筋肉の活動が鈍ります。そうすると乳酸などの疲労物質が筋肉に蓄積しますが、血流が滞っているので疲労物質が排泄されず、筋肉が固まり、ますます血管を圧迫してゆくことになり、こうしてどんどん血行を悪くしてゆく悪循環に陥ってしまうのです。
肩こりは日本人の国民病


外国では通用しない「肩こり」という言葉
 肩こりと言えば日本人にはごく当たり前の症状で、頭痛や腰痛よりさらに身近なものかも知れません。病気としてはもちろんのこと、「あの人は肩がこる人だ」とか「高級レストランでの食事は肩がこって」などといった具合に形容詞のように使われるのも、日本人にとって肩こりがそれだけ一般的な症状だからです。ところが、その肩こりという言葉が欧米では全く通用しない、というか欧米には肩こりに当たる言葉自体がないのだそうです。そのため欧米で医師の診察を受けた日本人は、しばしば肩こりの苦痛を訴えるために、さんざん苦労させられると言います。このように、肩こりは日本人特有の国民病と言ってもよいものなのです。

躾の違いが姿勢の善し悪しを決める
 欧米人に肩こりがないとすると、それでは、日本人にだけなぜ肩こりが起こるのでしょうか? 欧米人に比べて日本人は骨格がきゃしゃなために筋肉が疲労しやすいという見方もありますが、最大の原因はやはり日本人の姿勢の悪さだとも考えられます。
 欧米人は小さい時から食事の際の姿勢をマナーとして教え込まれます。「脇を締めて背筋をピンと伸ばしなさい」というのは、どこの家庭でも、2〜3才ぐらいから子どもに必ず教える躾の1つです。また、学校でも勉強の時の姿勢を厳しく注意されます。従って欧米人は、成人した時には既にきちんとした姿勢が生活習慣として身についているのです。もちろん日本でも、明治時代あたりまでは、武士道精神の遺産として背筋をシャンと伸ばす習慣があったはずです。ところが、現在では机に向かうことには喧しくても、姿勢をきちんと教える家庭はごく少ないのではないでしょうか。食卓に肘をついて食事をしたり、足を組んで座ったり、背骨の歪みにはどうも無関心な人が多いようです。その結果、背骨の曲がった子どもが増え、そればかりが原因とは思いませんが、今では肩こりは小中学生にまで広がっているのです。日本人の背骨がどれほど歪んでいるか、それを示すよい例が側わん症です。これは、背骨が左右にカーブを描き、ひどくなると骨格が歪んで美容上の問題が出て来るばかりか、圧迫されて内臓にまで障害の起こる病気です。既にこの側わん症に罹っているか、その傾向のある子どもが非常に多いことが最近の調査で分かっています。こうした子どもたちは、将来必ず肩こりを起こす、いわば肩こり日本人の予備軍です。

自分の生活を振り返ることが治療の第一歩
 その一方で日本人の生活習慣や文化的な背景も、背骨を歪め,肩こりを起こす見逃せない要素です。
 まず畳の上での生活です。背筋を伸ばして正座しているだけならともかく、畳の生活では俯いてアイロンをかけたり新聞を読んだり、或は洗濯物を畳んだりと言った具合で、要するに俯いて首を下げる姿勢がつきものです。傾きっぱなしの頭を細い首で支えることは、首の筋肉にとっては大変な重労働です。さらに、女性に多い横座りは背骨を大きく左右に湾曲させ、また男性が好むあぐらは背中を丸めて顎を突き出す形になります。肩こりの人にとって、このように和式の生活はどう考えても不利な条件が多すぎるのです。お辞儀に代表される伝統的な礼儀作法も、こと肩こりに関してはどうも分が悪いようです。お辞儀は上体を前方にかがめる姿勢です。また、目上の人に対しても前かがみになって目を伏せるのが日本人の謙譲心表われとされています。胸を張って堂々と相手を正面から見つめるのは、古来失礼な態度とされてきました。こうした背景が幾つも重なり、前かがみであごだけ突き出す日本人の悪い姿勢が出来上がっているのです。たかが姿勢とはいっても、その根は案外深いのです。要するに簡単に言えば、悪い姿勢を続けると筋肉が緊張して鬱血を起こし、肩こりの原因となるのです。こうしていったん肩こりが起こると、肩を庇うためにますます肩を動かさなくなります。こうなると、〔鬱血→肩こり→運動不足→鬱血〕という悪循環が起こります。そのため肩こりの人は、自分は肩がこりやすい体質なのだと頭から思い込んでしまうのです。しかし逆に言えば、鬱血や肩こり、運動不足というこの悪循環さえ断ち切れば肩こりは解消できるのです。では、具体的にどうすれば肩こりの悪循環を断ち切ることができるのでしょうか。確かに病院などで治療を受けるという方法もあります。それでその場の痛みは解消できるかも知れません。けれども、肩こりの原因は普段の生活の中にあります。ですから、病院で10分か20分治療を受けるよりも、24時間の生活に工夫をする方が余程効果的な治療になるのはないでしょうか。肩こりの人は、まず自分の生活を振り返ることこそが治療の第一歩だと考えるようにしましょう。

肩は人間の弱点
なぜ肩こりになるのか?〜肩こりは人間が直立歩行し出した時からの宿命〜

 肩がなぜこるのかを説明するためには、まず背骨の状態を知っておく必要があります。というのも、背骨、特に首の骨には肩こりを起こしやすい条件が元もと備わっているからです。
 背骨は、尾てい骨まで含めると32〜35個の小さな椎骨が煉瓦のように積み重ねられたもので、上は頭蓋骨、下は骨盤に連動しています。椎骨と椎骨を繋ぐのが椎間板と呼ばれるクッションですが、このクッションのお陰で、私たちは自在に背骨を曲げたり、上体を動かしたりすることができるのです。といっても、背骨は初めから直立していたわけではなく、約400万年ほど前、人類が二足歩行を始めたのがキッカケで、人類は直立を余儀なくされたのです。この時から背骨は大きな負担を背負わされることになったと言われています。要するに重たい頭や腕を支える支柱を持たざるを得なくなったわけです。しかも背骨が依って立つ土台である骨盤は、直立した姿勢で約30度ほど前方に傾いています。従って、背骨はわざわざ不安定な土台の上で重い上半身を支える工夫をしなくてはならなくなったわけです。こうした環境に適応するために生み出されたのが背骨の生理的湾曲です。人間の体を横から見ると、僅かにS字形のカーブを描いているのが分かると思います。首と腹はやや前方に湾曲し、背骨は少し後方に湾曲していますが、このカーブが、長い年月をかけて編み出された、上半身を合理的に、つまり疲れずに支える形なのです。ところが、このカーブは未だに進歩の途上にあるとも言われ、日頃の習慣や生活の仕方で微妙に変化します。悪い姿勢を続けて生理的湾曲が崩れると、特定の椎骨やそれを支える筋肉に負担がかかり、簡単に肩こりや腰痛を引き起こす原因となってしまうのです。


働き盛りが肩こりの危機に
 凝りや痛み、痺れなど一口に鬱陶しいとは言えますが、しかし、その訴え方は人によって様々です。症状がハッキリせず、特に首や肩、腕周辺に現われる鬱陶しさの代表が肩こりです。いま現在気になっている体の症状を調査した結果によると、何と男女共に15歳〜24歳の若い年齢の人でも肩こりが気なると答える人がいるそうです。そして、30歳前後の働き盛りに突入する時期からこれが爆発的に増え、その後も少しずつ増加して、65歳以上になると逆に減ってくると言います。この調査によると、肩こりのピークは30歳前後から定年までの人生の間で一番働き盛りの時期に重っているようです。

なぜ多くの人が肩こりになるのか?
 肩こりは身近な症状なのですが、改めて聞かれると、どんな症状か具体的には中々答えられません。首や肩、腕周辺の不快な症状をひとくくりにして肩こりと言っていますが、その症状は、肩のこりないし痛み、首筋のこりや痛み、後頭部痛や腕の重圧感や痺れ、指先の痺れ、背中全体のこりや疲労感などかなり広い範囲に及びます。そして、こうした不快感は、同じ姿勢を取り続ける仕事についてたり、姿勢の悪さや運動不足、生活習慣の乱れなどがある人に認められます。
 肩こりピークは、上でも述べたように人生において働き盛りとされる時期とぴったり重なるわけですが、この世代の人は、1日中デスクに座り続けていたり、生活習慣も乱れ、また運動不足にも陥りがちだったりするといった具合で、肩こり患者に共通する要素を知らず知らずのうちに生み出しているのです。

肩こりの最大の原因は現代社会
 交通や情報のシステムが高度に発達した現代において、生活習慣も乱れ、運動不足、また、それらに付随する姿勢の悪化は、避けて通れないことなのかも知れません。このような環境的な弊害が身体に及ぼす影響として、全身を使わず、同じ筋肉のみを使い続けることです。この同一筋肉のみの反復運動は、同一の筋肉に同質の負担をかけ続けることになりますが、これが肩こりの大きな原因です。つまり、肩こりの最大の原因は全身を使わないことによる筋肉疲労なのです。
 人間は、長い間かけて現在の形へと進化してきましたが、その結果、身体は多くの筋肉や神経、骨などが複雑に絡み合って動く超精密マシンと言ってもよいものになっています。しかし、現代に生きる私たちは、この長い歴史を無視してしまっています。すなわち、凝りをもつ人に共通する要因は、悪い姿勢や生活習慣の乱れ、運動不足など、何れも特定の筋肉に負担をかけ、疲労させることです。

肩こりは2つのタイプに分かれる
 肩こりを大きく分類すると、病気の肩こりと病気未満の肩こりの2つに分かれます。
それは、痛みの原因となる病気や、骨及び筋肉などに異常があるかないか、という点で分けられます。
 病気の肩こりとは、凝りとは別の病気がまず存在し、その症状の1つとして現われることです。原因をなる病気は、背骨や肩甲骨の疾患、心臓や肺・循環器系・腹部の内科疾患、眼科疾患、耳鼻疾患、鬱病などの精神疾患などあらゆるものがあります。見過ごすことのできない深刻な病気が肩こりを引き起こしていることもあるので、早期発見&早期治療が大切になってきます。
 一方の病気未満の肩こりとは、圧倒的に多く、特定の筋肉に疲労がたまるために起こる肩こりです。同じ原因で、首や肩、腕の痛みや凝り、重圧感や痺れ、指先の冷えなどの症状も起こります。これらの症状は、まとめて「頸肩腕症候群(けいけいわんしょうこうぐん)」と呼ばれています。

肩こりを生み出しやすい人体の構造〜首の骨はこれだけのハンデを背負っている〜

肩こりに関係する筋肉 肩こりと不即不離の関係にある体の部位は首です。首の骨は背骨の中でも一番よく動きます。椎骨は上から頚椎、胸椎、腰椎、仙骨に分類されますが、仙骨は尾骨と共に骨盤に固定されています。胸椎も肋骨という大きな骨がついているので、それほで大きく動くことができません。上半身を実質に動かしているのは、頚椎と腰椎の2ヵ所にすぎません。そのため、いきおい椎骨やそれを支える筋肉を疲労させ、肩こりや腰痛を起こすことになるのです。特に頚椎は頭というコントロールタワーを支えています。私たちが何か動作を行なう時は、目・鼻・口・耳という感覚器を駆使しながら情報を収集し続けます。四方八方にアンテナを張りめぐらしていますから、頚椎は左右に80度、旋回に至っては140度とほぼ水平になるくらいまで広く動きます。このように重い頭を抱えたままこの動作を行なうのですから、普通ならサクランボの枝を逆さにして振ったときのように、グニャリと曲がって折れてしまうはずです。それが辛うじて維持されているのは、強靭な筋肉が幾重にもわたって頚椎を支えているお陰なのです。しかし、幾ら強靭な筋肉ではあっても、働きすぎは疲労します。首を前に倒して仕事をしていると、頭を後ろに引っ張る働きをする筋肉は緊張の連続です。このまま筋肉に緊張した状態が続けば、血液の流れが滞り、肩こりが起こりやすくなります。また、首には元もと鬱血を起こしやすい条件が備わっていることも見過ごせません。首の内側には頚椎と筋肉、神経、血管、食道、気管といった具合に重要な器官がぎっしり押し込められています。そのうえ重い頭が上からのしかかっているため、どうしても血液の流れが滞りやすいのです。
 ここでもう一度、背骨の生理的湾曲のことを思い起こしてみましょう。頚椎は前方にややふくらんだ形をしていますが、この形が保たれていれば首にかかる負担は最小限ですみ、肩こりそう簡単には起こりません。ところが最初から姿勢の悪い人は、普段から首の筋肉が緊張しているため、ちょっと首を動かしただけで、たちまち肩がこってしまうのです。


7つの関節の協同作業で肩は動く
 人間が二本足歩行を始めて以来、肩も大きな変化をとげました。直立と同時に人間は腕をぶら下げる姿勢をとりだします。腕の重さは体重の8分の1だそうですから、体重70Kgの人であれば腕の重さは9Kg近くになります。これを常時両肩から下げているのですから、余程丈夫で強い筋肉が必要です。僧帽筋、三角筋など強靭な筋肉が肩に発達しているのはそのためです。 腕が自由になったお陰で、人間の関節の中で肩関節の動きが一番大きくなったわけですが、この動きは実に7つの関節が組み合わされて初めて行なわれるものなのです。重いものを支え、運動範囲が広いという点では、首と同じように、肩は元もと凝りを起こしやすい条件にあったわけです。首と肩というふうに、普段私たちは分けて考えがちですが、殆どの筋肉、たとえば先ほどの僧帽筋などは首と肩の両方にまたがっています。従って、首の疲れも肩の疲れも、同じように筋肉の凝り(すなわち肩こり)として現われてくるのです。

骨格が肩こりを招く!?
 身体は背骨によって支えられていますが、その背骨は頭蓋骨に下から骨盤まで椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨24個が連なった集合体で、上から順に頸椎(けいつい)、胸椎、腰椎という3つの部分に分けられます。これらの骨は緩やかなカーブを前後に描いていて、側面からみるとS字の形になっています。人間はこのS字のお陰でうまくバランスを保ち、2本足で立つことができるのです。そして、背骨は全身のバランスを保つだけでなく、上体をかがめたり、反らしたり、ひねったりと多様な動きに対応できるのです。しかし、このような身体のバランスを保ちながら様々な動きをする役割は、肩こりの発生に大きく関係しています。そして、首部分の7つの骨・頸椎と肩の関節は特に肩こりと深い関係があるのです。

大きな動きに対応する首と骨の仕組み
 頸椎は、胸椎と腰椎と比べて動く範囲が大きいことが第一の特徴です。前に約60度、後ろに50度、左右に横倒しにする時にはそれぞれ50度、頭を起こしたままねじる時はそれぞれ70度という広い範囲をカバーしています。それは、人間が外部からの情報をキャッチする視覚や聴覚、嗅覚などの感覚器官が頭部に集中しており、情報収集するには広い範囲で動く必要があるからです。また、頸椎には重い頭部と支えるという役割もあります。人間の頭部は成人で3〜4sほどの重量になります。これを支えながら前後左右に動くので、頚椎にはかなりの負担が絶えずかかり続けているわけで、その結果、頸椎を支える特定の筋肉に疲れが溜まって、凝りを引き起こすのです。なお、肩の骨格については、肩も首と同じで幾つかの骨のからできています。左右それぞれに7つの関節が連動して動きます。肩関節は、単独で動く他、腕の動きにも連動して動きます。また、肩から吊り下げられている腕は意外と重く、腕の重量と大きな動きは肩関節自体に大変な負担になります。ちなみに、いわゆる四十肩や五十肩も、腕の重量と大きな動きによる負担をかけ続けた結果の肩関節の故障なのです。

肩こりの元凶!? 首・肩・腕の動きをコントロールする筋肉
 首の筋肉には、骨格と共に重い頭部を支えながら動きをコントロールするという役割があります。首の後ろにある脊柱起立筋と呼ばれる筋肉が重要で、頭を起こし続けるのに必要です。この脊柱起立筋は、頭が前に垂れ下がらないようにうなじの側から重い頭部をひっぱり起こしているのです。また、肩周辺の筋肉は、姿勢の維持と腕の動きに大きな役割をします。持ち上げるだけでも、肩周辺の筋肉が重い腕をコントロールしなくてはなりません。しかも、コントロールするにもかなり強い筋力が必要にまります。その役目を担っているのが鎖骨の上外側部分にある僧帽筋(そうぼうきん)と、肩から上腕の外側にかけての部分を覆う三角筋、背側で首と肩を繋ぐ肩甲拳筋(けんこうけんきん)や棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょかきん)などです。

筋肉の不自然な収縮が凝りを生む
 正しい姿勢は骨格によって形作られますが、その姿勢を維持して各部の動きをコントロールしているのが筋肉です。首や肩周辺の筋肉には、当たり前の姿勢や動きを取るだけでも大きな負担がかかり、疲労が溜まりやすい仕組みになっています。さらに、身体を曲げるとか伸ばすといった動きをスムーズに行なうためには、筋肉を緊張させたり緩めたりと、収縮と弛緩が交互に行なわれます。なお、この筋肉の収縮と弛緩には、血管を縮めたり緩めたりして血行を促し、筋肉に酸素を運ぶ役割もあります。
 何事も便利になった現代社会においては全身を動かす機会が減り、一見すると大変楽で快適に見えますが、それは身体にとって必ずしもよいことではありません。全身性の動きが減り、一定の姿勢を保つ時間が増えるほど筋肉は収縮しっぱなしとなり、疲労が溜まる一方になるのです。肩こりの原因となる筋肉疲労は、このような筋肉の収縮と弛緩のリズムを崩す静的生活から生まれるのです。

筋力の弱さは日本人の弱点
 肩こりは日本人に非常に多く、欧米人には肩こりに相当する明確な症状がないと言われています。日本人にばかり肩こりが多い原因のひとつは筋肉の問題です。体格に見合った適正な量の筋肉があれば。姿勢を正しく保ったり動きをコントロールする際に身体に受ける負担を吸収・緩和することができます。しかし、筋肉量が少ないと、何とか姿勢を維持しようとして筋肉がオーバーワークになってします。そして、この状態が続くと、筋肉疲労が溜まってゆき、首や肩の凝りといった不快な症状が現われます。つまり、筋肉量が少ない人や筋力の弱い人ほど首や肩に凝りが起こりやすいのです。要するに、日本人は欧米人と比べて元々筋肉量が少なく、肩こりにになりやすく、同じ日本人では男性より女性の方が肩こりになりやすいのです。

避けては通れない老化現象と肩こりの関係


20歳を過ぎれば誰でも老化が始まる
 誰にでも起こる体の老化現象は、首や肩の凝りと密接な関係があります。成人の体型がほぼ完成する20歳くらいを境に体組織は老化を始めます。外見から分かる老化現象は中高年をすぎてから顕著に表われますが、中々自覚できない内部の老化は実は早い時期から進行しているのです。そして、老化に伴って背骨や筋肉が弱くなると、姿勢を維持する力が低下するため、首や肩にかかる負担が大きくなっていきます。こうした老化による組織変化も肩こりを引き起こす要因となります。ちなみに、老化に伴う身体機能の低下は、適度な運動や正しい姿勢を心懸けることである程度抑えることができます。
 なお、意外ですが、高齢者ほど肩こりの発生率が高くなるわけではなく、肩こりは実は30代〜40代の働き盛りの人の方に却って多く見られます。そして、それには組織の老化とその年代の生活習慣や生活環境が大きく影響しているのです。また、私たちの生活からは筋肉を使う場面がどんどん少なくなっていて、30代〜40代ではこうしたことを考える暇がありません。これに対し現役を引退し、筋肉疲労やストレスを溜め込むような生活から開放されることも、肩こりの発生が減っていく一因でもあるようです。しかも、高齢になると細胞組織の老化が進み、筋肉や関節の組織が硬くなるため、動きが制限されるようになり、このため頸椎が安定し、骨や筋肉に負担が加わる大きな動きも自然と減るようになるのです。どちらにしても、老化現象を止めたり避けたりすることはできないので、老化現象を加速させるような生活習慣を見直すことが肩こり対策には必要になります。

老化と肩こりを考える上で見逃せない椎間板の役割
 老化と肩こりの関係上、骨や筋肉に勝るとも劣らず重要なカギを握るのが椎間板と呼ばれる組織です。身体を支えている背骨は24個の椎骨が連なっていますが、椎骨だけが積み重なっているわけではなく、椎骨の間に椎間板がクッション材として挟まっています。頭部を支える頸椎にももちろん挟まっています。そして、椎間板の中心部は髄核と呼ばれるゼラチン状の物質で出来ていて、この周囲を線維輪という組織が何重にも取り囲んでいます。背骨の動きに応じて自由自在に平たく潰れたり、或はふくらみを取り戻したりして、椎骨にかかる衝撃を和らげているのです。なお、椎間板が形を変えたり様々な動作に伴う衝撃を吸収緩和できるのは、それが多くの水分の含んだ弾力性に富む組織だからで、このクッション材の椎間板がなければ、身体を動かすたびに椎骨同士が直接当たって摺り減ってしまい、激しい衝撃がストレートに脳に伝わってしまうなど困ったことになります。

女性の肩こりは更年期障害も一因に
 老化現象と肩こりを考える時に、女性は更年期と呼ばれる40歳代半ばから50歳代半ばにかけての身体の変化に肩こりの原因が求められます。
 更年期とは、ホルモンバランスに変化が現われる時期です。女性の場合、閉経を迎えるこの時期になると、骨中カルシウムの流出を抑制するエストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少しますが、この変化によって骨中カルシウムがどんどん流出して骨が脆くなり、骨折しやすくなります。たとえばその変化がまず痛みの原因となり、慢性的な肩こりだと思っていたら、実は肋骨の骨折からくる肩こりだったなどという例もあるくらいです。更年期の時期には自律神経の働きが不安定になります。このため、体温調節や血液循環の機能が乱れやすくなり、手足の冷えやのぼせ、目眩、動悸、頭痛などの不調が現われます。肩こりも更年期特有の症状の1つで、血液循環の乱れが大きく影響し、筋肉に疲れが溜まりやすくなり、肩こりを引き起こしやすくします。また、更年期に多く見られる精神的な落ち込みやストレスも肩こりを起こす要因です。

肩こりの症状


肩こりと頭痛
 肩こりになった時に頭痛を訴える人は多いようです。無理な姿勢を長時間続けていると、肩や首まわりの筋肉が疲労し血液の流れが悪くなりますが、このような肩付近の筋肉の疲労、衰えが原因で肩こりとなります。この肩こりが原因となって起こる頭痛を「緊張型頭痛」「肩こり頭痛」「筋収縮性頭痛」と分類することもありますが、頭痛を感じる人の多くが実はこれらの頭痛だと言われているので、頭痛がした時にはまず肩こりから来たものと疑ってもよいかも知れません。頭痛が慢性化していて、頭痛の原因が肩こりが原因だと気づかない人もいるかも知れません。頭痛にも軽い症状の場合から重い場合もありますが、頭痛がして肩こりや首まわりの筋肉が固く張って痛みや痼りなどがあれば、軽くほぐしてゆくことで頭痛も軽減されることもあるので試してみることがオススメです。

肩こりと吐き気
 肩こりと頭痛が激しい時に吐き気や目眩を感じる場合があります。長年の肩こりが慢性化していまうと、痛みにも慣れて積極的に対策に講じない場合も多いようです。しかし、肩こりというものは中々侮れないもので、肩こりが原因で様々な症状が起こり、その場合にはマッサージしたりストレッチを取り入れて改善の方向に向かうことも多いものですが、逆に内臓疾患が原因で肩こりの症状が現れるものもあるのです。吐き気や目眩の場合には、肩こりだけを原因に考えていると治療が遅れる場合もあるので 中々症状が改善されない時には他の病気を疑う必要もあります。肩こりの他に、頭痛や目眩、吐き気、手の痺れなどの症状が続く場合は、直ぐに病院で診察してもらうようにしましょう。

肩こりと目の疲れ
 肩こりと目の疲れを同時に訴える人は、パソコンや読書などで長時間同じ姿勢をしていたとか、細かい文字を読み取る作業をしていたという場合が多いようです。これは肩や首まわりの筋肉が緊張した姿勢で負担がかかってしまったこと、目の疲労が原因によるものと考えられます。一晩ぐっすり睡眠を摂ればある程度は目の疲れは解消されるでしょうが、眼精疲労といった重症な場合は、目の疲れや肩こり解消などのアプローチだけは解消されません。眼精疲労であれば目の周りをマッサージしたり、温めたおしぼりで目を覆って血行をよくすることで多少症状が軽減されるようですが、何れにせよ早めに眼科医の診察を受けるようにしましょう。

その他の症状
 肩こりによって耳鳴りがする場合、また、手や腕に痺れを感じる場合もあります。これらの症状も肩こりを改善することで緩和されるものも多いのですが、手や腕に痺れは、老化によって骨と骨の間にあるクッションの役目をする椎間板が低下したり、筋肉が弱まって負担が生じてしまうこともあります。気になる場合には医師に診察してみましょう。また耳鳴りの原因も、肩こり以外にも疲れや睡眠不足、ストレスが原因であったり、或はメニエール病や脳腫瘍、心臓や血管の異常なども考えられ、これも早めに医師の診断を受けた方がよい場合も考えられます。また、心臓病も多くの場合、左の肩や背中に強い痛みが生じるようです。普通ではない肩こりであった場合にも、やはり直ぐに病院へ行って医師の診断を受けるようにしましょう。

あなたの肩こりはどのタイプ?
肩こり生活度チェック


■肩こり生活度チェック
家事の時に前かがみなることが多い
 前のめりになって掃除機をかけたり、洗濯機に覆い被さるようにしたりといった具合で、家事をする時は前かがみの姿勢が多く、首や肩に大きな負担がかかります。
休日はごろ寝などよくする姿勢が決まっている
 床やソファに寝転がってテレビを見るなど、誰でも休日はのんびりと過ごしたいものですが、でも、ごろ寝は身体を歪め、首や肩に負担がかかります。ずっと同じ姿勢でいることも血行不良の要因になります。
バックを片側の肩にかけるクセがある
 バックをかけた肩は緊張して持ち上がり、肩こりを引き起こすことは必至です。手に持つ場合も同様で、右か左、バッグをかける肩や手が決まっている人は要注意です。
特に趣味がない、気分転換が上手くできない
 イライラや憂鬱、緊張感など生きていく上でストレスはつきものです。でも、ストレスをためたままだと、神経が常に緊張状態にあって血管が収縮し、慢性の血行不良になりかねません。
電車で座ると、本を読むか居眠りをする
 頭をガクンと大きく前に傾けていると、重たい頭を支えるために首や肩に相当な負担がかかります。姿勢に気をつけ、ひと駅ごとに首を回すなどの工夫をしましょう。
夏は冷たい飲み物やアイスクリームをよく口にする
 冷たい飲み物や食べ物ばかりを頻繁に取り入れるのは、夏でも冷えの原因になるのでくれぐれも注意しましょう。身体を温める食べ物や冷やす食べ物を見極めて、身体を冷やさないように心懸けましょう。
仕事が不規則で、生活リズムがバラバラ
 深夜に食事をすると、胃腸に負担がかかって血液が内臓やその周辺に集まってしまいます。本来全身の血行がよくなるはずの夜にこんな状態では内臓トラブル型の肩こりになりかねません。
ハイヒールの靴をはくことが多い
 ハイヒールの靴で立つと、爪先だけで体重を支えることになって姿勢が不安定になり、全身の血行不良を引き起こす要因になります。
普段から運動不足
 運動しないと、筋肉はどんどん衰えていきます。疲れるだけでなく血行不良の原因にもなります。


■参考:ストレス度チェック
 5問以上当てはまるようだと、ストレスを上手く発散できてない可能性が高いです。自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
耳鳴りや頭痛がよく起こる
遠慮して順番を人に譲ることが多い
胃腸が弱く、下痢や便秘を繰り返す
趣味がなく、平日は会社と家を往復するだけ
休日は家で寝て過ごすことが多い
友達に会うのが億劫に感じることがある
嫌なことがあると、いつまでも覚えている方だ
間違っていると思えることでも口に出して主張できない
気になることをあれこれ考えて眠れないことがある
頼まれ事を上手く断ることができない

タイプ別肩こりの特徴と対策


血行不良型の肩こり
 重い荷物をいつも同じ方の肩にかけたり持ったりしてはいませんか? ディスクワークや車の運転などで長時間同じ姿勢を続けていないでしょうか? このように不自然な姿勢を続けていると、血行が悪くなり、筋肉が凝り固まってしまいます。仕事は一時間おきに立ち上がって軽く手足を動かすなど、同じ姿勢を続けないように注意しましょう。また、冷え性などで全身の代謝が悪いと、肩周辺の血行不良にも拍車がかかります。このタイプの人は、肩だけでなく全身の健康にも気配りをしましょう。

内臓トラブル型の肩こり
 胃腸が弱って全身の代謝が悪くなると、それが血行不良に繋がって肩こりになります。残業や不規則な生活で全身に疲れが溜まり、だるいとか目覚めが悪い、下痢や便秘などの症状があるなら要注意です。まずはゆっくりと身体を休め、全身の健康を回復させることが先決です。ある程度元気になったら、散歩など外で身体を軽く動かし、全身の血のめぐりを活発にしましょう。また、心臓が悪いと左肩周辺が痛くなるなど何か内臓の病気が隠れている場合もありますので、肩こりの他にどこか具合が悪い場合は必ず医師に相談するようにしましょう。

ストレス型の肩こり
 デスクワークや細かな手作業など神経を酷使する仕事を続けていると、脳が「疲れた! もうこれ以上動けない」と制御装置を働かせて、神経の通り道である首や肩を緊張させます。この場合の肩こりは、いわば脳からのSOS信号です。目の疲れや頭痛などを伴う場合も同じです。仕事の合間にマメに休憩を取って、脳や目、肩をリラックスさせるように心懸けましょう。

急性型の肩こり
 多くの人が経験しているものに寝違えがありますが、これは冷え性や疲れなどで筋肉が凝り固まっている時に、さらに無理な姿勢をするなどの負担がかかって起こる現象です。筋繊維が断烈をしてない出血し、発痛物質に変化しているのです。頚椎の関節や筋肉、靭帯に炎症が起こる四十肩や五十肩の初期症状も急性型の肩こりの仲間です。これらの症状がおきたら、まず冷やして炎症を鎮め、安静にするのが第一で、それから専門医の指導を受けましょう。


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【2】肩こりの予防法〜まずは生活環境の見直しから〜

 肩こりを予防・改善するにはどうしたらよいのでしょうか? 
 本節では、辛い肩こりを予防する上でも大切な生活改善法を中心に肩こりへの対処法を取り上げ解説しました。また、、併せてパソコンと健康の問題について参考までに解説しました。
何事もまずは姿勢から・・・
姿勢が悪いと首や肩に大きな負担が・・・何気ない姿勢の癖を今すぐ見直そう!

 まずは全身が映る鏡の前に立ち、目を瞑って真っ直ぐ立ちます。両脇を揃え、背筋をピンと伸ばして、両手を左右の肩の高さまで持ち上げます。左右の手が均等に持ち上がったと思ったところで、ゆっくり目を開けてみます。鏡にはどんな自分が映っていたでしょうか? 左右どちらかの腕が下がっていませんか? 頭がちょっと傾いていませんか? 上半身が前のめりになっていませんか? 普段自分の姿勢なんて余り意識していませんから、結果に驚いた方もいるかも知れません。それと同じように、自分がデスクワークしている時の姿勢は案外知らないものです。思った以上に悪い姿勢をしていて、首や肩に負担をかけているかも分かりません。身体が歪んで、全身の血行不良を引き起こしている可能性もあります。
 姿勢の悪さは肩こりや腰痛の最大の原因とも言えます。自分の姿勢の癖をチェックし、肩こりや腰痛になりにくい姿勢を習慣づけましょう。
正しい姿勢を保つためのコツ


頭が天井から吊られている感覚で
 立っている時も座っている時も、頭頂部が天井から細い糸で吊られているようなイメージを持つと、背中が反り返ることなく、自然に背筋が伸びて理想的な姿勢になります。

肩が上がらないように注意
 ふと気がつくと、肩に力が入っていることがありませんか? 特にものを持っている時やデスクワークをしている時、パソコンに向かっている時には要注意です。なるべく肩の力を抜く習慣をつけるようにしましょう。

身体の左右が均等になるようにする
 パソコンがデスクに対して斜めに置いてあったり、片側の肩にバックをかけたりして身体の左右のどちらか一方に負担がかかるのは姿勢を歪める原因になります。左右均等を心懸けましょう。

マットレスの硬さやまくらの高さも問題!〜睡眠中の姿勢を見直そう〜

 右側を下向きにして横向きに寝るのが一番楽だとか、仰向けになると必ず片方の膝が曲がるとか、寝癖は人それぞれですが、最も身体を歪めない理想的な寝姿と言えば、身体を真っ直ぐにして仰向けに寝ることです。しかし、ずっと同じ姿勢でいるのは血行の面からもよくありませんし、また、睡眠中はリラックスするのが最も大切なので、楽な姿勢がやはり一番だということになります。本能に委せて寝返りを打てば大丈夫です。ただ、ここで問題なのは、マットレスの硬さや枕の高さです。それぞれの好みがあるので絶対的な指標はありませんが、腰が沈み込むほど軟らかいマットレスや頭が持ち上がってしまうほど高いまくらはNGです。首から背骨にかけての自然なS字カーブを保てるようなものを選びましょう。なお、マットレスが軟らかすぎるわけでもないのに仰向けに寝ると苦しいと感じるなら、普段背中が丸くなっている証拠です。日中の姿勢を正しくすることで寝姿もバランスよく変わってゆくことでしょう。


マットレスの硬さの目安
 マットレスが軟らかく、腰が大きく沈んで全身がVの字になってしまうのはNGです。背骨のS字カーブを適度に支えてくれる硬さが理想です。朝になると腰が痛いという場合は新しいマットレスに買い替えることをオススメします。

枕の高さの目安
 後頭部から首、背中へのS字カーブをきれいに保てる枕が理想的です。高すぎると、このカーブが真っ直ぐに伸びてしまうので注意しましょう。合う枕が見つからない場合は、バスタオルを折り畳んで寝心地のよい高さに調節する方法もオススメです。

肩こりを防ぐ生活スタイル
肩こりを遠ざけるために必要なこと

 手っ取り早く痛み止めの薬を服用すれば、肩こりによる痛みの辛さから逃れることができます。しかし、薬で痛みを抑えただけなので、薬の効き目が切れればまた同じ症状に悩まされることになります。そこで、凝りの元を絶つために最も効果的な方法とは、薬を服用し続けることではなく、生活習慣や生活環境に潜む問題点を1つ1つ改善してゆくことです。実践するかしないかで症状に違いが出てきます。次に挙げるポイントを1日も早く実践することで、凝りや痛みから解放され快適な生活を実現しましょう。


肩こりを根本的に治療するポイント
  • 正しい姿勢
  • 適切なイスと机
  • 運動を取り入れた生活
  • ストレスと上手に付き合う
  • 身体に負担をかけない寝具で充分休息
  • バランスのよい食生活

まずは正しい姿勢から


姿勢の基本
 背骨は直立姿勢のバランスを保つためにS字形のカーブを描いています。しかし、長年の生活習慣からS字形の崩れたよくない姿勢がしみついたままになります。姿勢の崩れは筋肉疲労になり、肩こりの元凶になります。毎日正しい姿勢のとり方を練習しましょう。
正しい姿勢の取り方
  • 視線は真っ直ぐ前方に向ける
  • 顎を引く
  • 左右の肩の高さを揃える
  • 肩の力を抜く
  • 胸は軽く反らす
  • 腹筋を引き締める
  • 肛門を引き締める
  • 腹筋を引き締める
  • 足の親指の付け根で体重を支える感じ
 〔耳の穴→肩→股関節中央→ひざ関節中央→くるぶし〕が一直線上にくるようにするのがポイント。

座る時の正しい姿勢
 立っている時の姿勢を矯正しても、それ以外の姿勢が悪ければ肩こりは解消できません。イスに座る時に脚を組んだり腰を前にずらしたり、顎を突き出したり、家で寛ぐ時もあぐらをかいたり横座りをしていると、首や肩、背中の筋肉が緊張を強いられます。こうした姿勢は凝りを起こすだけでなく、脊柱測弯(せききゅうそくわん)や骨盤の歪みなど矯正が難しい不良姿勢も作り出します。
 正しい姿勢を守ることと大切なのは、長時間同じ姿勢を続けないということです。正しい姿勢であっても、特定の筋肉ばかり収縮させることになると、肩こりの天敵の血行障害が始まって筋肉疲労がどんどん蓄積され、肩こりサイクルの悪循環に組み込まれてしまうのです。血行障害を防ぐには、筋肉の収縮と弛緩によるポンプ効果を維持しなければなりません。そのために身体を軽く動かして筋肉の緊張を解きほぐすようにしましょう。

日頃使っているイスは大丈夫?
 座った時、身体に負担の少ない姿勢を維持できるイスには幾つかの条件があります。
 深く腰をかけて足裏全体床につけた時、膝頭がお尻よりもやや高く、股関節が直角になる高さが必要です。そして、肩甲骨の下端に届く程度に高さの背もたれに背中のカーブに合ったクッションが付いていて、座面がやや硬めの材質で出来ているものを選びましょう。背もたれの高さや形が体に合っていないと、上体をしっかり支えられず、筋肉を緊張させることになります。また、座面の素材がやわらかいと、腰が沈み込んで背中が丸まってしまうのでよくありません。そのため、ソファーのように軟らかいイスでは、腰がどうしても深く沈み込んで背中が丸まってしまうので、背中と背もたれの間にクッションなどを挟みこんで防ぎます。さらに、長時間のデスクワークをする人は、肘の角度が直角よりやや大きく保てる高さの肘かけがあるイスを利用すると、首や肩への負担を減らすことができます。

運転時のシートポジションチェック
 車を運転するときも正しい運転姿勢で肩こりを防ぎましょう。疲労を溜めない運転姿勢の5つのポイントは次の通りです。なお、停車中は、安全を確認の上、小まめに首回しや肩の上げ下げなどの体操をして凝りをほぐすことも重要です。
  • 肘が軽く曲がる位置
  • 膝が腰よりやや高くなる位置
  • ヘッドレスに頭部をしっかり安定させる
  • 背筋を伸ばした状態でハンドルに手が届く
  • シートが軟らかく、腰が沈み込んでしまうときは、クッションを当てる

寝具選び


枕の選び方
 枕で一番大切なのは、首の骨が元々描いているカーブに合っているのかどうかということです。そのためには高さが問題になります。高すぎる枕では、首筋の脊柱起立筋と靭帯が伸ばされすぎてしまうため、頭を起こすときに寝違えを起こしやすくなります。逆に低すぎたり柔らかすぎると、頭部の重さが首にかかって反り返ってしまい、椎間板を傷めやすくなります。そこで、成人の場合は高さが5〜7p程度、材質はやや硬めのものを選ぶようにします。この高さなら頚椎のカーブが保たれるので、筋肉や靭帯に無理な力がかかりません。横を向いて寝る人は、これよりも高めの15p前後のものを使うようにすると負担の大きい姿勢が防げます。

布団の選び方
 布団は適切な硬さのものを使わないと、首から腰にかけての各部分に悪影響となるので注意が必要です。首や肩の症状を改善するには、首と肩だけを考えればいいということではありません。背骨は骨盤まで連なっているので、背骨のどこかに負担がかかれば、その影響は背骨全体に及んでしまうのです。従って柔らかすぎる布団の場合は、背中とお尻が沈み込む分、腰のそりが強くなるのです。また、クッション性がない硬い布団では、逆に腰が浮き上がり、反りが強くなります。どちらであっても腰が不自然にそるため、首や肩に負担がかかってしまいます。こうした悪影響にならないために、身体の沈みこみが3pほどの、やや硬めの布団を選ぶことです。

眠る姿勢
 まず正しい寝具を用意する必要があります。寝具の用意ができたら、正しい姿勢で眠ることを考えます。特に注意しなければならないのは、俯せで寝る習慣のある人です。俯せ寝はお腹を突き出す状態になるので、腰の反りを強めます。また、顔の左右どちらかにほぼ90度向けることになるので、腰・首ともに負担がかかるのです。従って、首から腰を傷めない姿勢は、仰向けで膝を軽く曲げ、膝の後ろと布団の間に座布団などを挟むとよいでしょう。また、横向きで眠る場合は、やや高めの枕に横向きで寝て、ももの付け根を軽く曲げた状態がよいでしょう。

見過ごしがちな日用品チェック


眼鏡
 眼鏡やコンタクトは一度買うと、壊れるまでそのまま何年も使い続けてしまうものです。見えづらくなってもそのまま使い続けると、知らず知らずのうちに肩こりを生み出す姿勢を作り出すのです。具体的に言うと、視力が上がらない眼鏡&コンタクトを使っている人ほど、対象物に顔を近づけて不自然な状態で首を前に突き出すことになりますが、このような姿勢は、必要以上にうなじの脊柱起立筋を緊張させたり、肩や腕の姿勢に悪影響を及ぼします。従って、ちょっとでも見づらいと感じたら、検査して視力の合った眼鏡やコンタクトレンズを装着するようにしましょう。また、老眼が始まっている人は、視力障害の進行が早いので1〜2年ごとに眼鏡&コンタクトの調整が必要です。また、老眼鏡は、普段使うものと手許作業するものと2つあるのが望ましいです。

 肩こりの予防には正しい姿勢で立つことが大切ですが、そのためには土台となる靴にも適切なものが必要です。正しい靴を選ぶのに次の点に気をつけます。なお、踵が滑りやすかったり靴底が硬すぎると、衝撃がそのまま足腰や背骨に伝わるので良くありません。専門店でシューフィッターのアドバイスを受け、自分に合った靴を選ぶのもよいでしょう。
正しい靴を選ぶ注意点
  • ヒールは1〜2pの低めのもの
  • 指先に程よいゆとりがあるもの
  • 甲のカーブに合っている
  • 適度なクッション性のある靴底
  • 足裏のアーチと靴底のカーブが合っている
  • 踵をしっかり包み込む形

手荷物
 いつも決まった側で手荷物を持っていると、背骨の歪みや左右の筋肉の発達に不均衡を生むので止めるよう心がけが必要です。それというのも、筋肉疲労性の肩こりを感じている人は、いつも手荷物を持っている側の肩甲骨が高くなっている人が多いのです。この状態を防ぐには、手荷物を同じ側で持ち続けるのではなく、左右交互に持ち替えたり、両手に振り分けて持つなどの工夫が必要です。また、リュックのような背負うバッグは、左右均等に重さがかかるようであればよいです。ただ、このような場合どうしても前傾に強まった姿勢になったり、猫背になるので気をつけましょう。

生活環境の総チェック


家庭内の環境チェック
 家庭内には、首・肩・腕に負担をかけ、痛みの原因となる動作や環境が多数あります。特に注意したいことは次の通りです。

 まずはキッチンで家事をこなすときの注意です。手首に大きな負担をかける状況が多いようです。たとえば調理台の高さが自分に合ってない場合は負担が増しますが、この状況を改善するには、踏み台やイスを用意して適度な高さで作業します。道具も身体に合った負担をかけずに使えるものを選ぶようにしましょう。また、作業時に手許が暗いと前かがみの姿勢になりがちなので、明るさにも配慮が大切です。
 次に、凝りの大敵の冷えを防ぐには、温度調節の設備がない時は、首筋や肩、腕、足先が冷えないように、保湿性があって動きやすい服を着たり、身体を動かして血行を促進するようにしましょう。また、寛ぐ時も注意が必要です。いつも左右どちらかに大きく首を回してテレビを見ていると、背骨が歪んだり特定の筋肉ばかり緊張させてしまうため、肩こりになりやすいのです。また、腹這いになって腕で上体を支え起こす姿勢は、首や肩へ想像以上に大きな負担をかけるので止めるべきです。


■オフィスの環境チェック
OA作業で疲れないイス選び
  • キーボードに手を置いた時90度よりやや広めの角度になる肘かけ
  • 膝は90度
  • 膝裏と座面の縁に拳1つ分の隙間
  • 座面の縁に丸みがある
  • 安定性のある5本足
  • 高さが調節できる
  • 背もたれに背をつけた時90度以上
  • 後方に5〜10度傾く背もたれ
  • 背中の中ほどより高めの背もたれ
  • 背中のカーブに合ったクッション
※注意:上記の項目が全部クリアしたベストのイスを用意しても座る姿勢が悪ければ効果は水の泡です。座る姿勢にも気をつけましょう。
OA作業に適したデスク選び
  • 腕を圧迫しないような丸みのある縁
  • キーボードの手前に腕を置けるだけのスペースがある
  • 脚を字自由に組み替えられるゆとり
  • 天板の高さは床から65〜70p
ディスプレーの調節
 目に対する負担が小さいのは、文字の表示サイズが大きい、ディスプレーへの映り込みによるちらつきがない、目からディスプレー間の距離と目から資料間の距離がほぼ等しいという条件が揃っている時です。
ディスプレーの高さ
 目に対する負担が小さいのは、文字の表示サイズが大きい、ディスプレーへの映り込みによるちらつきがない、目からディスプレー間の距離と目から資料間の距離がほぼ等しいという条件が揃っている時です。
キーボードの調節
 首や肩、目の筋肉に疲労をためないためには、ディスプレーの高さも必要です。負担を少なくするために、ディスプレーを見る視線が水平から上に5度以内の範囲に収まるように設置します。
オフィス内の温度・湿度
 オフィス内の快・不快を決定づける温度や湿度も肩こりの発生と関係しています。たくさんの人が同じスペースで作業する場合も多いと思いますが、温度の感じ方は人によって違うので、クーラーが苦手な人や冷え性の人は直ぐ羽織れるような膝掛けなど用意して対処します。

肩こり解消に効果ある食生活


生活習慣病予防の食生活
 筋肉疲労性の肩こりを改善するには、老化を遅らせて肉体的年齢の若さを保つということも忘れてはいけません。生活習慣病を予防する食事には、肉体の若さを保つだけでなく、肥満を防ぐ効果がりあり、肩こり解消にも有効です。また、体重が増えれば背骨にかかる負担が増し、首や肩周辺の筋肉に疲労が溜まりやすくなります。そこで、少しでも改善してゆくためには、肥満度を把握することが大切です。適正値を超えている場合には、食生活の見直しを行ない、日常生活の中に運動を取り入れてカロリーを消費するようにしましょう。日々の努力は肩こりだけでなく血圧やコレステロール値、血糖値などの正常値に近づけることにも繋がります。
参考:肥満度を知る
  1. BMIによる判定
    • BMI指数=体重÷身長÷身長
    • 18.5未満:痩せ、18.5〜25未満:普通、25以上:肥満
  2. 体脂肪率による判定
    • 男性:20〜29%:軽度肥満、30〜34%:肥満、35%以:上極度の肥満
    • 女性:30〜34%:軽度肥満、35〜39%:肥満、40%以上:極度の肥満

肩こりサイクルを断ち切る栄養素
 筋肉疲労性の肩こりを引き起こす最大の要因は血行障害です。首や肩周辺の筋肉の血行が悪くなると、筋肉中の老廃物質が蓄積して痛みを引き起こすサイクルがあります。このサイクルを断ち切るのに有効な栄養素はビタミンE、DHA、クエン酸です。これらの栄養素が不足していないか食生活を見直しましょう。
  • ビタミンE:血行を良好に保つのに役立つ
     血液の循環を促進する栄養素で、動脈硬化の進行を抑える働きもあります。これが不足すると、筋力が低下したり傷みやすくなります。鰻やカボチャ、大豆製品や植物油、ナッツ類に多く含まれています。
  • DHA:血行を促進する作用がある
     筋肉細胞膜の材料となります。鰯や鰺、鯖などの青魚に多く含まれています。
  • クエン酸:老廃物質の1つである乳酸を分解の促進をする
     梅干やレモン、スダチ、カボスなどに多く含まれています。

筋肉と骨を良好な状態に保つ栄養素
 筋肉と骨を健康に保つのに役立つ栄養素を上手に摂ることも肩こりの解消に繋がります。筋肉と骨を良好な状態に保つ栄養素はカリウム、マグネシウム、カルシウムです。
  • カリウム:筋肉の収縮運動に関係する
     不足すると、筋力が低下し、疲れやすくなります。豆やジャガイモ、緑黄色野菜、果物に多く含まれています。
  • マグネシウム:筋肉の弛緩運動を助ける
     不足すると筋肉の質の低下を招きます。大豆製品や緑黄色野菜、果物に多く含まれています。
  • カルシウム:骨の材料となる他、筋肉の収縮や神経細胞の働きにも深く関係する
    乳製品や魚介類、海草類に多く含まれます。

自分のストレスと上手に付き合おう

 筋肉疲労性の肩こりは、多かれ少なかれストレスが関係しています。しかし、人間関係を煩わしく感じたり、仕事が重荷に感じてもすっぱり辞めることはできません。従って、自分からストレスと上手く付き合おうという気持ちを持つことが大切になります。そのために必要なことは、自分自身の性格の傾向を掴むことです。自分自身の物事の考え方や取り組み方の中にストレスを助長させている原因を見つけることができれば、ストレスとの付き合い方の第一歩となります。
 次に気分転換の取り方です。気分転換といっても遠出するとかではなく、気持ちの切り替えのことです。せめて1日の終わりはオフにして自分を労ることも大切です。


参考:ストレスを遠ざける心構え
 四六時中、心を緊張させるのは止めて、気持ちの切り替え方を身に付けることも肩こりの解消法です。
  • いつも謙虚でいよう
  • セカセカ、イライラせず、どっしりかまえよう
  • なるべく人を会話しよう
  • 常に感謝の気持ちをもとう

生活環境での肩こり対処法


■身につけるものに対する注意
 肩こりの原因には、身体の歪みや血行不良があります。それは普段身につけているアクセサリーや衣類によって引き起こす場合があります。まずはこの際、身につけているものを一度見直して肩こりの解消と予防に努めましょう。
メガネ&コンタクトレンズに気をつけよう
 肩こりの原因のひとつである目の疲れですが、実は視力に合っていないメガネやコンタクトレンズを使っていると、その疲れはどんどん蓄積されてしまいます。ドライアイなどの目の疾患も同様に、そのままにしておくと肩や首のこりの原因に繋がります。気づかないうちに視力が変化していることもありますので、定期的に視力のチェックをして、自分の目に合ったメガネやコンタクトの使用を心懸け、肩こりを予防しましょう。
腕時計に気をつけよう
 普段何気なく身に付けている腕時計ですが、利き手とは逆の手に着けるのが一般的です。重くないので1日中同じ手首につけっぱなしという人も多いと思いますが、重さがなくても手首には負担となっています。そして、当然ながら手首へ長時間負担をかけることが時に肩こりの原因となることもあります。そこで、日や時間によって腕時計を装着する手首を交互にしてみてはどうでしょうか。或は懐中時計を使ってみるのもよいかも知れません。何れにせよ、手首や腕に負担をかけ続けないように意識をすることで肩こりが予防できます。
靴に気をつけよう
 足の指が曲がっている、タコができやすいという人は、靴のサイズが足に合っていない可能性もあります。合わない靴を履いていると、歩行の際に支障が出て、骨盤や上半身が歪んでしまいます。当然ながら身体の歪みは首や肩、背中に影響を及ぼし、凝りを誘発します。自分に合ったサイズの靴を選び、背筋を伸ばし、格好良く颯爽とした歩き方をイメージしながら歩くように日頃から心懸けましょう。
アクセサリーに気をつけよう
 腕時計と同様にネックレスやイヤリング、ピアスなども、着け方によっては身体の均衡を崩してしまい、肩こりの原因になってしまうことがあります。重量のあるネックレスやイヤリング、ピアス等を身に着ける際は、左右のバランスに気をつけ、同じ箇所に長時間負担がかかることのないように、時々装着する場所を変えてみる、日や時間によって軽めのアクセサリーに変えてみるなどの工夫をしましょう。
洋服のサイズに気をつけよう
 身体を締め付ける洋服や下着を装着していると血行が悪くなります。血行不良になると、肩こりになりやすい身体になってしまいます。洋服やベルト、下着のサイズは身体に合っているでしょうか? 少しでもキツイなと感じるものを身に着けていると、それだけ血の流れが悪くなってしまいます。女性は特に下着のサイズに注意が必要です。購入の際にはサイズをよく確かめて買うことを心懸けましょう。

■寝る時に注意すべきこと
 寝る時の睡眠姿勢や血行不良などによって肩こりの原因になることがあります。自分の身体に合った正しい枕を使ったり、軽い運動をするなど睡眠前の工夫をして肩こりの解消&予防に努めましょう。
自分に合った枕を使おう
 夜ぐっすり眠れずに悩んでいるという人はいませんか? もしかするとその原因は首の凝りにあるかも知れません。首を休めるためには、睡眠中に自分の体に合った正しい高さやサイズの枕を使い、負担を少なくする時間を作ることが大切です。首が凝ってくると、それまで使用していた枕が合わなくなってくることがあります。その場合は枕を変える、タオルなどを使い高さを調節するなどといった工夫をし、自分の身体に合った枕を探してみましょう。
睡眠中は大丈夫?
 ストレスや疲労により睡眠中など無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしてしまう場合がありますが、それらは歯が削れてしまうだけではなく、首の凝りや偏頭痛の原因ともなります。あなたの凝りも睡眠中や無意識時の歯ぎしりや食いしばりが原因かも知れせん。自覚がある方は、起きている時間は口に力が入らないよう意識をして過ごすことが重要です。なお、首や頭の凝りや不快感は指圧や鍼灸により緩和ができますが、歯ぎしりや食いしばりについては専門のお医者さんに相談するようにした方がよいでしょう。
寝る前の工夫:安眠環境を整えよう
 肩こりを防ぐ・症状を和らげるためには1日の疲れを充分な睡眠でしっかりと取ることが重要です。よく眠るための体勢を寝る前に整えましょう。
  • 夕方の軽い運動で体温を上げる
     就寝3〜5時間前の夕方の時間帯がオススメです。
  • 就寝前に手足をお湯で温める
     末端刺激により副交感神経が活発化しリラックスできます。
  • 38℃前後のぬるま湯で半身浴をする
     肩まで浸かると、水圧で心臓が圧迫されてしまうので気をつけましょう。
寝室での工夫:安眠環境を整えよう
 肩こりを防ぐ・症状を和らげるためには1日の疲れを充分な睡眠によりってしっかりと取ることが肝要ですが、より快適な睡眠を得るためには睡眠環境の工夫も重要です。そのため、たとえば室温は冷房の場合25〜28℃に、暖房の場合は18〜22℃に設定します。環境音楽(波の音など)のBGMも効果的です。また、携帯電話の電磁波は、熟睡状態までに時間がかかる、熟睡状態の時間が短くなってしまう等の影響を及ぼしますので、就寝前の携帯電話の利用は避け、置き場所にも注意しましょう。

■オフィスで気をつけるべき点
 オフィスや家など身近な環境は首や肩を普段から心掛けることが大切です。首枕や腰枕で座っている時間の肩や腰への負担を減らし、乾燥や冷房などにも注意して肩こりの解消&予防に努めましょう。
オフィスや家でできる対策をしよう
 1日中パソコンと向き合って俯くような姿勢で座っていると、首や肩がとても凝りやすくなってしまいます。首が凝ると、手や腕がむくみ、また、自律神経の不調など身体の様々な部分に影響を及ぼしかねません。そこで首の凝りを解消するためには、大元というツボを刺激することが効果的です。首や脇の下にツボがありますので、力を入れすぎないように注意しながら指圧をします。最後に、むくんでしまった手や腕をマッサージし、よくほぐしてあげましょう。さらに、仕事中や車の運転などで座っていることが多いという人は、肩や首も凝りますが、腰痛にもなりがちです。腰痛に効くツボは人それぞれですが、座っていることが多いという人は、骨盤内の腸腰筋という筋肉が疲労しやすいので、腸腰筋を鍛えることが大切です。また、日常生活の中で正しい姿勢(背筋を伸ばしさっ爽としたイメージ)で歩いたり、或はエレベーターやエスカレーターではなくできるだけ階段を使うなどを意識して身近な工夫で腸腰筋を鍛えるようにしましょう。
室内の乾燥に気をつけよう
 目の疲労と肩こりは密接に関係しています。目の疾患の1つであるドライアイも肩こりの原因となっている場合があると言います。ドライアイの治療は専門の病院にゆくことをオススメしますが、日常生活では加湿器や濡れタオルを部屋に置くなどすることで部屋の乾燥を防ぎましょう。目の疲れを感じた時は濡らしたタオルを暖め、目に当ててゆっくり休むと疲れが取れやすくなります。特にパソコンを使用する時間が長い人は気をつけるようにしましょう。
冷房に気をつけよう
 冷房の冷たい風により身体を冷やしてしまうと、それが原因で血行不良となり、結果的に肩こりを招いてしまうことがあります。スーパーや映画館など自分の判断で温度調節ができない場所に長時間滞在する場合はストールなどを持参しましょう。「少し冷えるなあ」と感じたら、それを巻くようにするだけで身体の冷えを抑えることができます。また、日中オフィス内で仕事をしている方も注意が必要です。冷房が効いている部屋では真夏でもかなり身体を冷やしてしまいます。ストールや膝掛けを常備し、身体を冷やさない工夫をしましょう。

参考:肩こりとPCの関係
パソコンの利用と疲労

 近年多くの人が家庭や職場、学校でパソコンを使うようになりました。パソコンを使うことで便利にはなったものの、精神的ないし身体的に疲れている人が多いという指摘もあります。たとえば厚労省の調査によれば、パソコンを使って仕事をしている人のうち精神的疲労を感じていると答えた人が35%弱、身体的疲労を感じている人が78%もいるそうですが、このような疲労は、パソコンを使う時の姿勢や、照明及び空調を始めとする周辺環境も原因になっているものと考えらます。パソコンを健康的に使い続けるためには、適切な姿勢や周辺環境について知っておくことが必要です。


パソコン使用に伴う疲労の原因
 パソコンを使って起きる疲労の原因には次のようなものが考えられます。
  • 長い時間、椅子に座ったままで姿勢が拘束されることによる首や肩、腕、背中、腰などの疲労
  • 高度な判断を連続的に行なうことや続けて単調な入力作業を行なうことによる精神的な疲労
  • キーボード作業を中心に頻繁に手指や腕を使うことによる手や腕の疲労
  • ディスプレイに表示された文字を見続けたり不適切な明るさやディスプレイへの映り込み、極端に明るいものが見えることによる目の疲労

■パソコン作業による疲労を軽くするために
 疲労は、パソコンの作業継続時間や置く場所自体の工夫により軽減することができます。
適度な休憩
 同じ姿勢を長く続けないため、また、ディスプレイの文字を長時間見続けないようにするため、適度な休息を取るようにしましょう。休憩の目安として、1連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業時間までの間に10分〜15分の作業休止時間を設けます。具体的には、たとえばリラックスして遠くの景色を眺める、作業中に使用しなかった身体の各部を動かすなどの運動を行なうとよいでしょう。また、1連続作業時間内において1〜2回程度の小休止(※1〜2分程度の作業休止)を、時間を定めないで、作業する人が自由に取れるようにします。さらに、パソコンを使った作業で連続してディスプレイからの読み取りやキー操作を行なう人は、できるだけディスプレイを見つめる時間やキー操作をする時間が短くなるようにします。具体的には、たとえばパソコンの操作以外の作業を組み込む、他の作業とのローテーションを行なうなどの工夫をするとよいでしょう。このように、疲れを溜めないため、個々の特性に合わせて無理のない作業量となるよう配慮しましょう。
ストレッチ
 長時間パソコンを使う前や使った後には、体操やストレッチなど軽い運動等を行ないます。具体的には、たとえば休憩中は椅子から離れ、背筋や腕を伸ばす、首を回すなどのストレッチを行ないます。ストレッチ運動では、勢いをつけずにゆっくり動かすようにし、痛みを伴うほどの動きはしないようにします。また、不自然な姿勢でのストレッチ運動は、行なわないようにします。なお、短時間しか休めない時は、キーボードやマウスから手を離し、身体の両脇に垂らして手を休めます。
パソコンの手入れや周囲の整頓
 パソコンやその周辺が手垢や埃などで汚れていると、マウスが動きにくくなったり、ディスプレイが見にくくなるなど疲れる原因になります。疲れにくい作業姿勢が取れるようにパソコンや机の周りを整理整頓しておくことを心懸けましょう。そのためにも、日頃から作業場所やパソコンの清掃を行ない、常に清潔を心懸けましょう。特にディスプレイは静電気で埃が付着しやすいので、きれいに拭きましょう。また、定期的にマウスの清掃を行ない、トラックボールが動きやすいようにしておきます。さらに、パソコンの周辺や机の下を整理整頓して適切な作業姿勢が取れるようにします。

疲労や痛みが取れない時には
 休憩しても疲労が取れない時、激しい痛みを感じる時などは、直ぐにパソコンを使うのを止めて、速やかに医師に相談して下さい。症状が軽いうちなら直ぐに回復するものでも、進行すると回復に長い時間を要することもありますので注意が必要です。

パソコンを使う時の姿勢



 パソコンを使う時は適切な姿勢で作業できるように机や椅子を調整し、ディスプレイやキーボードの置き方を工夫することがポイントです。
パソコンと姿勢


■机や椅子と姿勢
 机や椅子は身体に合ったものを選びましょう。また、身体に合わせて調節できるものを選ぶようにしましょう。
机や椅子の選び方
 椅子は座面の高さを自分の体格に合わせて容易に調節でき(※通常床から37〜43cmの範囲)、背もたれを持つものが望ましいです。なお、机に腕を乗せることができない場合は適当な長さの肘掛けを持つ椅子を使います。また、机は書類やキーボード、マウス、書見台、その他パソコンを使って作業をする時に必要なものが適切に配置できる広さを持ち、床からの高さが概ね65〜70cmが望ましいです。高さを調整できる机を選ぶ場合は60〜72cmの範囲で調節できるものが望ましいでしょう。
机や椅子を調節する際の順番
 机の高さが調節できる場合は、まず椅子を身体に合わせて調節し、次に机を適切な高さに調節します。机の高さが調節できない場合は、まず机が適切な高さになるように椅子を調節し、必要に応じて足台などで椅子の高さが身体に合うように調節します。
机や椅子の調節方法
 椅子に深く腰をかけて、足の裏側全体が床または足台に接するようにします。また、椅子と大腿部との間には手指が押し入る程度のゆとりがあるようにします。机の高さは作業する姿勢で上腕を垂直にし、肘を90度程度に曲げた時キーボードに自然に手指が届くようにします。

ディスプレイと姿勢
 ディスプレイは、作業する人にとって使いやすい位置と角度、明るさに調整します。
 まずディスプレイの上端が目の位置より下になるように高さを調節し、ディスプレイと目の距離を40cm以上確保します。また、ディスプレイとキーボード、書類と目までの距離(視距離)が同じ程度で、適切な視野範囲に収まるようにします。そして、表示する文字は余り小さくならないよう、文字の高さがほぼ3mm以上を目安にします。なお、見え方には個人差があるので、無理なく見える大きさで表示するのがよいでしょう。

キーボードと姿勢
 キーボードを使う入力作業は大きな力を必要としませんが、細かくて素早い動きが続きます。細かい動きを行なう筋肉は疲労しやすいと言われています。また、肘から先に集中した動きが多く、他の部分の運動をほとんど伴わないため、長い時間同じ姿勢でいることになります。その結果、部分的に血行が悪くなり、首や肩、腰などに疲労や痛みを感じることがあります。
 そのため具体的には、手首は前腕(※肘から手首までの部分)に対して真っ直ぐ伸ばすようにします。そして、キーボードは身体の正面に置き、身体が捻れないようにします。なお、書類を見ながらキーボード操作をする時は書見台を使うようにしましょう。また、キーボードを打つ時は手のひらを机やパームレスト(※手首を水平に保つために手のひらや手首を乗せるためのパッドやクッションなどのこと)に強く押しつけないようにして、パームレストが手首を圧迫しないようにします。そして、キーボードのキーは力を入れて叩くのでなく、押す感じで入力します。たとえば「ctrlや「shift」キーと他のキーを片手で同時に押すような時、指を無理に広げると負担になる場合があるので、特に手が小さい人は両手の指を使うような習慣をつけるとよいでしょう。

参考:ノートパソコン使用時の留意点
 ノートパソコンは外付け周辺機器が多くなりがちです。また、ディスプレイとキーボードが一体化されているので姿勢が制限されやすく、視距離が短くなりがちです。このような特徴をよく理解し、次のような点に注意して使うように心がけましょう。
  • 作業する時には周辺機器を置くスペースを充分に確保する
  • 長時間同じ姿勢を続けないため、前後左右にノートパソコンを動かせる程度の余裕を持たせる
  • キーボードが好みの角度になるように調節し(脚がない場合は本などを使うとよい)、キーボードの手前に手首を休ませるパームレストやアームレストの空間を確保する
  • 姿勢を正し、ディスプレイと目の距離を40cm以上離すようにする
  • 必要に応じてマウスや外付けキーボードを接続して利用する

パソコンを使う時の周囲の明るさ


パソコン画面の適切な明るさ
 パソコンを使う時の周囲の明るさは、新聞の文字が無理なく読める程度の明るさを目安にしましょう。周囲に極端に明るい場所や暗い場所があると、知らず知らずのうちに目が疲れてくるので注意が必要です。特に窓面は明るくなることが多いので、ブラインドやカーテンなどで調節するようにします。また、手元を照らす補助照明を使う場合には、ディスプレイ面を照らすとディスプレイに表示されているものが見えにくくなるので注意が必要です。
  • 垂直面の照度は500ルクス以下(※新聞の文字が楽に読める程度で、明るくなりすぎないよう)にする
  • キーボードの照度は300ルクス以上(※新聞の文字が楽に読める程度で、暗くなりすぎないよう)にする
  • 視野に入る場所の明暗の差を小さくし、特に光っているものが視野に入らないようにする
  • 窓が周囲に比べてとても明るく感じる場合はブラインドやカーテンなどを設ける

眩しさやディスプレイへの映り込み
 視野の中に光って見えるもの(※天井照明や窓、光が反射しやすい機器や家具など周囲と比較して明るいもの)がある場合や、ディスプレイに強い光が映り込む場合には、知らず知らずのうちに疲労感や不快感が増加することがあります。そんな直接目に入る光やディスプレイへの映り込みを減少させるためには、パソコンを使う場所を工夫することが重要です。
  • 天井照明や窓、反射しやすい家具などがディスプレイに映り込まないようにパソコンを置く場所を工夫する
  • 窓にはカーテンやブラインドを付け、外光が直接目に入ったりディスプレイに映り込むのを防ぐ

パソコンと空調


空調とドライアイ
 最近の研究では、空調によるドライアイが作業時における疲労原因のひとつに指摘されています。ドライアイとは、涙の減少や質的な変化により目が炎症を起こすことです。空気が乾燥している時や空調の吹出口から出る風に晒されると、眼が乾いてドライアイや眼の疲れの原因になります。空気が埃やタバコの煙などで汚れていると、弱った目がさらに刺激され、症状が一層悪くなる恐れがあります。

空調と身体の痛みや凝り
 空調の吹出口から出てくる冷たい風が直接身体に当たると、血液の循環が悪くなり、首や肩、腰などの痛みや凝りが起こりやすくなります。

空調との付き合い方
 パソコンを使う場合は、空気の乾燥や空調機から吹いてくる風、部屋の冷やしすぎに注意が必要です。暑さや寒さは人によって感じ方が違います。適度に調節して健康を損なわないようにしましょう。
  • 相対湿度は40〜70パーセントになるようにし、乾燥している時には加湿器を使う
  • 空調機から吹いてくる冷たい風が身体に当たらないように、風の向きや強さをコントロールする(※身体に当たる気流は0.1m/s以下)
  • 夏は部屋の温度を下げすぎないようにする(※室内の温度は、夏は24〜27度、冬は20〜23度を目安とする)
  • 定期的に換気し、また、タバコを吸っている場合は分煙を徹底して空気が汚れないようにする

参考:パソコンを快適に使うグッズ


■便利なパソコン快適グッズ
 パソコンを使う環境を整えることも、疲れない方法のひとつです。パソコンデスクの周りに、以下のようなグッズを揃えておくのもオススメです。
液晶フィルター
 モニタの光が弱まるので長時間の作業には効果的。余り濃いと見えにくくて注視してしまうので、自分に合った濃度のものを選びましょう。
目薬
 ドライアイ対策に用意しましょう。刺激の強いものは逆効果なので、なるべく低刺激のものを選びます。また、使いすぎると涙を出す能力が却って下がってしまうので、マッサージと併用して使うとよいでしょう。
パームレスト
 キーボードの手前に置いて使う、手のひらや手首を乗せるためのパッドやクッション。本来は手首の疲労緩和が目的ですが、大きめのものを使うと手の重量を負担してくれるので肩への負担も減らすことができます。
猫背矯正ベルト
 姿勢が悪いと身体への負担は大きくなります。姿勢を矯正する椅子もありますが、これならどこでも使うことができます。


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【3】肩こりの治療〜肩こりの治療と自分でできる対処法〜

 実際に肩こりになってしまったらどうしたらよいでしょうか? 
 本節では、上手な病院の罹り方や自分で出来るストレッチ法など肩こりの治療法について解説しました。
肩こりが起こったらどうすればよいか?

 早めに専門医を受診した方がよいケースやセルフケアできるケース、OTC医薬品(市販薬)の選び方等を念のために理解しておくのもよいでしょう。肩こりは、マッサージや体操などのセルフケアである程度軽減することができます。また、薬で痛みを抑えてこりの繰り返しを防いだり、ビタミンBやEを摂ったりするのもよいでしょう。ただし、症状が中々改善しない時や、或は頭痛や胸の痛みなど別の症状を伴う場合は直ぐに専門医を受診するようにしましょう。
病院に行くべき症状とセルフケアできる症状


病院に行くべき症状
  •  痛みが強い、左右どちらかに広範囲に起こる、他に頭痛や目眩、吐き気、手足の痺れなどがあるという場合は、他の疾患が隠れていることもあるので、直ぐに医師の診察を受けましょう。
  •  眼鏡が合わない、歯の噛み合わせが悪いなどの原因が考えられる場合は、眼科や耳鼻咽喉科、歯科などを受診しましょう。
  •  頑固な肩こりがある時は、整形外科で首の骨や椎間板の異常の有無などを調べてもらいましょう。頸部脊椎症や五十肩など原因を見極めた治療を受けることができます。

セルフケアできる症状
  •  生活習慣などによる肩こりは、セルフケアでまずは症状の軽減・解消を図るのがよいでしょう。

薬で肩こりの痛みを抑える仕組み

 肩こりによる刺激でブラジキニンやヒスタミンという痛みを起こす物質(発痛物質)が作られ、感覚中枢に作用して痛みを起こしますが、この時プロスタグランジンという物質も作られており、これが炎症を起こしたりシナプス(神経終末)に作用して痛みを増強させたりします。痛みがあるとその部分が緊張してしまい、また、筋肉が硬くなって凝りを繰り返してしまいます。そのため、消炎鎮痛成分を配合した外用薬(シップ薬など)により痛みを初期の段階で抑え、痛みの悪循環を防げることがあります。
薬の選び方と注意点

 凝った部分が痛くて辛い時は、フェルビナクやインドメタシンなどの消炎鎮痛成分を配合したシップ剤(パップ剤)や、ローションやゲル、スプレーなどのOTC医薬品を上手に活用します。フェルビナクやインドメタシンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる鎮痛作用を持つ成分で、痛みの原因物質であるプロスタグランジンを効果的に抑えてくれます。また、パップ及びテープには冷感タイプと温感タイプがあるものもあります。冷感タイプはメントールなどを配合し、清涼感を強く感じる処方になっています。一方、温感タイプはトウガラシエキスのような灼熱感を与える成分を配合しており、ぽかぽかした感じがして血行が促進されます。皮膚の弱い人や妊娠中の人、15歳未満の小児、喘息の発作がある人などは成分によって注意が必要なものもありますので、購入前に薬剤師に相談しましょう。


参考:ビタミン剤=ビタミンB1、B12、Eを補給する
 筋肉の疲労や血行不良、末梢神経の傷の回復にはビタミンを補給して内からケアすることが効果的です。
  • )筋肉疲労や緊張に効くビタミンB1
     ビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、食事で摂取した糖質を細胞に必要なエネルギーに変える働きをします。
  • 血行不良を改善するビタミンE
     トコフェロールとも呼ばれます。抗酸化作用があり、脂質の酸化を防ぎ、身体の各器官や細胞などの老化を防止します。
  • 末梢神経の傷を修復する活性型ビタミンB12
     肩こりの原因のひとつに末梢神経が傷つくことが挙げられます。ビタミンB12はシアノコバラミンとも呼ばれ、赤血球の生成に関与し、また、傷ついた末梢神経を修復する働きがあります。

その他肩こりのセルフケア


身体を温め、血行を促進する
 蒸しタオルなどを患部に当てて温めてみましょう。ゆっくりと入浴して身体全体を温め、リラックスして疲れをとるのも大切です。温めることで筋肉の血行が促進され、血流がよくなり、肩こりの軽減が期待できます。また、患部をマッサージしてもみほぐすことも、血流を改善し、硬直した筋肉を和らげる効果に繋がります。また、冷え性は血行が悪くなり、肩こりに繋がる可能性があります。従って、夏の冷房対策や栄養バランスの取れた食生活を心懸け、冷え性を改善するのも重要なポイントです。

体操で肩こりを軽減する
 肩こりを和らげるのには体操も効果的です。
  1. オフィスでできる体操
    • 力を抜いて肩を上げ下げする。腕の力を抜き、両肩を持ち上げ、力を抜いてストンと落とす
    • 息を大きく吸い込んで両肩を後ろに引き、息を吐きながら前に出す
    • 目を閉じて肩の前回しと後ろ回しを行なう
  2. 家庭でできる肩こり体操
    • 目を閉じて、リラックスして腕を前回し、後ろ回しと大きく回す
    • 肩の力を抜いて首を回す
    • 両腕を真上に上げて、前から後ろに振り下ろす
    • 両腕を大きく横に振り上げ、身体の前に振り下ろす

肩こりを自分で治す
温熱&運動療法は最善の改善策

 慢性的な肩こりと縁と切るためには、普段から積極的に身体を動かすことが一番です。適度な運動によって健康な筋肉をつけることができれば、正しい姿勢を保てるようになります。そうすることで組織の老化を遅らせることもできます。また、血行が促進されて、疲労の溜まりにくい身体になるというメリットもあります。こうして、肩こりに直結する筋力の低下や組織の老化、血行障害、疲労の蓄積の4点をクリアできれば、肩こりは改善されていきます。たとえば具体的に今日からでも実践できる手軽な方法として、マッサージや指圧、筋力アップ体操、ストレッチなどが挙げられます。筋肉の緊張をほぐすのに有効な入浴方法や精神的ストレスの発散をかねたスポーツを併せると効果がアップします。
温熱療法


温めることは効果絶大
 疲れを取り除いて慢性的な肩こりを解消するには、患部を温める方法が効果的です。温めることで血管が広がり、血流が増え血管内に停滞した老廃物質を流してくれます。
 そのために、家庭でできる方法があります。たとえば温感タイプの湿布や患部に使い捨てカイロや蒸しタオル、ドライヤーの温風を当てる方法で充分効果があります。ただ、熱ければ熱いほど効果があるわけではありません。患部の皮膚感覚が鈍っていて、高温になり過ぎているのに気づかず、低温やけどを起こすこともあるので、温度と時間を加減するように心懸けましょう。また、この他に毎日できる方法としては入浴があります。るま湯につかっているだけでも身体は温まりますが、温冷交代浴や温熱シャワーを取り入れるとさらに効果が高まります。家庭での温熱療法は、痛みが激しい時には却って炎症をひどくすることあるので、そういう場合はなるべく控えるようにしましょう。

温熱効果を高める入浴法
  1. 入浴の基本
    • 少しぬるめの湯に20〜30分ゆっくり浸かる
    • 毎日入浴する
    • 熱い湯でのカラスの行水は効果がない
  2. 入浴の注意点
    • 血圧の高い人や心臓に持病のある人は長湯を避ける
    • 入浴中は転倒事故などに気をつける
    • 入浴後は湯冷めしないよう保温に気をつける
  3. 温冷交代浴のやり方
    1. 40〜42℃のぬるめの湯に10分程度浸かり、身体を充分に温める
    2. 首と肩、背、腰に15〜20℃の冷水シャワーを当てる
    3. 5分ほど湯に浸かる
    4. 2〜3を5〜7回繰り返し、しめめくくりは1に戻る
  4. プラス効果
    • シャワーはできるだけ水圧を高くした方がマッサージ効果のアップになり、血行促進になる
    • 身体を充分に温め、ストレッチで緊張をほぐす
    • 保温効果を高め、リラックス効果も高まる好きな入浴剤を入れる

疲労解消と血行促進効果のあるマッサージ


適度な刺激が筋肉の硬直を取り去る
 疲れが溜まったり凝りが強まったりした時は、患部をマッサージして適度に刺激を与え、筋肉の緊張をほぐすとよいでしょう。マッサージには、押す・揉む・叩く・摘むなどやり方が様々ですが、痛みが強い時は手でさするだけでも血行促進効果が得られ、凝りをほぐすことができます。ただし、マッサージを行なう時は、気持ちいいからとやりすぎないように注意が必要です。また、指先ばかり使い患部をぐりぐりと揉みほぐすと、無理な力が加えすぎて逆効果になることもあります。それに、凝りを感じる場所を集中的にマッサージするよりは、肩こりは首筋や上腕、背中の筋肉疲労の影響があるので、周辺部含めた広い範囲のマッサージをすると効果を上げられます。

参考1:マッサージを行う時のポイント
  • 身体を充分にリラックスさせた状態で行なう
  • 症状に合わせてマッサージに強度を変えたり、痛みがひどい時はさするだけで充分
  • やりすぎは却って不快な痛みが出ることもあるので、ほどほどで止める
参考2:一人で出来るマッサージ
 一人で出来るマッサージは、いつでもどこでも気軽にできるのが魅力です。
  1. 首筋のマッサージのやり方
    • 揉む:手のひら全体で首筋の両側、上下を揉みほぐす
    • 押す:親指と残りの指で首筋を挟むようにして押す
    • 叩く:両手を拳か手刀にして適度な強さで叩く
  2. 首の付け根から肩と背中のマッサージのやり方
    • 揉む:肩を親指と残りの指で挟み、両側から揉みほぐす
    • 押す:肩の筋肉上を親指の腹で押し込む
  3. 上腕部のマッサージのやり方
    • 親指と残り指で上腕部を挟みこむようにして上下に揉みほぐす

疲労しにくい筋肉をつける体操


毎日続ける
 身体を動かして筋肉の緊張を小まめにほぐしておかないと、肩こりの症状はますます重くなるばかりです。もっとも身体を動かすと言って、も何も特別な運動を行なう必要はありません。ごくシンプルな体操を幾つか組み合わせて、10〜15分のメニューを1日数回行なえばよいのです。週1〜2回スポーツジムなどに通って集中的に運動するよりは、毎日シンプルな体操を続ける方がより効果的です。
参考1:筋力体操の3つの効果
  1. 筋肉を収縮&弛緩させることでポンプ効果が高まり、血行促進される
  2. 筋肉疲労を解消する
  3. 筋力を高めることで正しい姿勢が保てる
参考2:筋力体操を行なうときのポイント
  • 無理せず、除々にできる範囲を広げる
  • 毎日の習慣にする
  • 食事の直前直後、入浴の直前直後の時間帯は避ける
  • 痛みが強くなった時や手足に痺れが出た時、或は目眩や胸部の痛みが現われたら体操は中止する

首の屈伸・回転・回旋と抵抗体操
 勢いをつけてぐるぐる回すと、筋肉を傷めるので逆効果になることにもなります。筋肉の動きを意識してゆっくりした動きで行ないます。首の屈伸は肩が上下しないように注意し、左右前後とも2〜3秒開けて10回ずつを目安に行ないます。また、首の回転・回旋はそれぞれ5秒ほどかけて5〜6回ずつを目安に行ないます。
首の抵抗体操のやり方
 手で抵抗を加えることで、さらに筋力アップの効果が得られます。なお、首の体操を行なう時は、背筋を真っ直ぐ伸ばし、両肩が水平になるように保てば、座位でも立位でも効果は望めます。
  • 額に両手の指先を押しあてて力を加え、頭部を押し出す。10回を目安に行なう
  • こめかみに手のひらを押し当てて力を加え、頭部が倒れないようにする。左右同様に10回ずつを目安に行なう

肩甲骨を大きく回す筋力体操
あお向け体操のやり方
 基本姿勢は、床にあお向けに寝て、両手を高い位置で組み、そのまま左右に倒します。支える側の腕は肩から肘をしっかり床につけ、伸ばす側の手首を握ります。この状態で伸ばす側の肩を浮かせて、その腕を指先に向かって突き出します。左右動同様に2〜3回ずつを目安に行ないます。
壁体操のやり方
  • 壁に脇を付けるように立ち、肘を直角に曲げて、手の甲を壁につけて力を入れて押す
  • 壁の角に立ち、肘を直角に曲げて、手のひらを壁につけて力を入れて押す
  • 左右それぞれ1セット10回を2〜3セット程度行なう

肩関節の体操
 肩関節を内と外に動かすことは頑固な肩こりの解消に効果があります。特に五十肩の場合は痛みに負けずに続けましょう。
肩関節の上下体操のやり方
 基本形は、床に横向きに寝て身体の側面上で腕を上下させます。痛みが強い時には、仰向けに寝て、腕を床面につけたまま動かします。左右同様に10回ずつを目安に行ないます。応用形は、指先をできる限り先に引っ張るような感じで、腕全体を伸ばしながら上体ごと横に倒します。手のひらは床の方に向けます。左右同様に10回ずつを目安に行ないます。
肩関節の内外旋体操のやり方
 背筋が伸びていれば座位でも立位でも構いません。
  1. .内旋
     親指を立てて拳を握り背中に上下に当てます。左右どちらが上下でも構いません。下位の手は背に当てたまま上位の手の親指を這わせるように上に徐々に持ってゆきます。左右同様に3回ずつを目安に行ないます。
  2. 外旋
     うなじ部分で肘を上げて両手を組みます。胸を開く・閉じる動きを繰り返します。10回を目安に行ないます。

リラックス効果を高めるストレッチ


筋肉の緊張取り去り、肩こり解消
 ストレッチとは、筋肉の緊張を解くための効果的な伸びのことで、元々はスポーツ選手などの怪我や故障を予防するために筋肉の柔軟性を高めることを目的に始まったものです。筋肉の緊張をほぐすことは慢性的な肩こりの解消にも大変効果的ですが、ただし、無理に筋肉を伸ばそうとしたり、無理やり力をかけて痛みを我慢しながらやったりするのは間違いです。そのため、無理のないところまでゆっくりと筋肉を伸ばしたら、伸びの姿勢で20〜30秒間姿勢を維持するというのが正しい方法です。
参考:ストレッチを行なう時のポイント
  • 身体を充分温めてから行なう
  • 無理せず、できる範囲で行なう
  • 動きに反動をつけない
  • 呼吸は複式で規則正しく行なう
  • 痛みが強くなった時や手足に痺れが出た、或は目眩や胸部に痛みが現われた時は中止する

首筋のストレッチ
 1〜6の動きを1セットとし、2〜3セット行なうと、凝りや疲れが軽くなります。ただし、呼吸を止めたり、痛むまで無理に伸ばしたりしないようにします。
  1. 後頭部を手のひらで押しながら前に倒してゆく
  2. 顎を指先で押しながら後ろに倒してゆく
  3. 右側頭部を左手で引っ張りながら左側に倒してゆく
  4. 左側頭部を右手で引っ張りながら右側に倒してゆく
  5. 頭を真っ直ぐ起こした姿勢で右頬を右手で押しながら左側に回してゆく
  6. 頭を真っ直ぐ起こした姿勢で左頬を左手で押しながら右側に回してゆく

肩・背中のストレッチ
壁を使ったストレッチ
  1. 壁に対し横向きに立ち、手のひらを壁に密着させて腕を20〜30秒間、思いきり伸ばす
  2. 壁に正面を向いて立ち、片方の手のひらを壁に密着させて、腕を20〜30秒間、思い切り伸ばす
台を使ったストレッチ
  1. 50p程度の高さのテーブルに両腕を乗せる
  2. 肩甲骨を前に押し出す感じで、両腕を20〜30秒間、真っ直ぐ水平に伸ばす
棒やタオルを使ったストレッチ
  1. .両手で棒の先端を握り、下から棒を突き上げて肩を2〜3秒間,充分に伸ばし、左右同様に10回ずつ行なう
  2. 後ろ手に棒を握り、背筋を曲げないで腕が上がるところまで上げ2〜3秒間保ち、10回を目安に行なう
  3. 2で腕が上がった状態から、肘を押し上げるような感じで曲げ2〜3秒間保ち、10回を目安に行なう

参考:五十肩に良く効く振り子運動
 振り子運度のコツは、“動かす”のではなく、“振る”という感覚です。始めは痛みのため前傾姿勢も深くできないかも知れませんが、徐々に深い前傾にし、回数を増やしてゆきます。
  1. 基本形
     ももの付け根くらいの高さのテーブルに、痛まない角度で手をついて支えにします。痛む側の手で重りを持ち、肩の力を抜いて腕をだらりと垂らします。
  2. 前後の振り子運動
     基本形から持ち手の甲を体の外側に向け、ゆっくり前後に左右同様に振ります。
  3. 左右の振り子運動
     基本形から持ち手の甲を体の外側に向け、肩と腕全体を使って左右に振ります。
  4. 円を描く振り子運動
     基本形から持ち手の甲を外側に向け、肩と腕全体を使ってゆっくりと回します。

全身機能を高めるスポーツ実践


やり慣れたスポーツを楽しむ
 慢性の肩こりに繋がる体の老化を防ぐには、趣味としてスポーツをすることもよいことです。
 老化防止によいとされるのは有酸素運動に分類されるスポーツです。有酸素運動とは、その代表的なものとしては水中ウォーキングや水泳、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどが挙げられますが、その何れにも共通していることはマイペースで行なえるという点です。呼吸によって取り入れた酸素を効率よくエネルギーに替える作用が期待できるので、老化を防ぐことに繋がります。もちろん他のスポーツでも構いません。たとえば五十肩が治ってきて、そろそろスポーツを再開できそうという人は、未経験のスポーツをするよりも、やり慣れたものを再開した方がよいでしょう。自分のコンディションも把握して、何事も安全に続けて行なうことが一番です。


参考1:スポーツ実践7か条
  1. 最低年1回は健康診断を受け、全身の健康状態を把握する
  2. スポーツ中の事故を防ぐために日頃からストレッチや体操を怠らない
  3. スポーツ開始時のウォーミングアップと終了時のクールダウンは手抜きをしない
  4. 体調が悪い時は無理に行なわない
  5. スポーツ中に何らかの異常が現われたら、直ちに中止する
  6. 勝負や結果にこだわりすぎない
  7. 昔取った杵づかを過信しない

参考2:ウォーミングアップ&クールダウンのやり方
  1. 手のひらを組んで腕をのばし20〜30秒キープ
  2. 片手で反対側の肘を掴んで引き寄せ、左右とも20〜30秒ずつキープ
  3. 前屈・後屈それぞれ20〜30秒間繰り返す
  4. 後ろに曲げた足の足首を掴み、踵をお尻に引き寄せ、左右とも20〜30秒ずつキープ
  5. 足を前後に30pほど開いて立ち、上体を真っ直ぐ起こしたまま腰を落とし、左右とも20〜30秒ずつ伸ばした姿勢をキープ

病気ではない肩こりの特徴と対処法


■病気未満の急性肩こりと慢性肩こり
 首や肩、腕などの組織に何の損傷もなく、痛みに直接的な原因とない肩こりには、(A)急性肩こりと、(B)慢性肩こりの2つのタイプがあります。
(A)急性肩こり:
 代表的なものは寝違えです。寝違えは、突然首筋や肩に激痛が走り、首を動かすことができなくなってしまう症状です。睡眠中は起きているときと比べて筋肉の緊張をほぐすような体の動きが少なく、枕の高さや敷布団の硬さが体に合っていないと頸椎に不自然な負担がかかり、外から力が加わると、頸椎の関節に周囲の組織が挟まって痛みが起こされます。
(B)慢性肩こり:
 筋肉や姿勢の問題、生活習慣の問題が複合的にからみ合って疲労が蓄積するために起こる筋肉疲労性の痛みです。痛みがあっても骨や筋肉自体に変形などの異常はないので、外科的治療はありませんが、原因となっている生活習慣を改善してゆくことが必要です。

痛みが強い時の対処法
 寝違えなどの突然の強い痛みの時は、まずは安静が第一です。急な痛みに対して、整形外科では首を安定させるためにソフトカラーを使いますが、家庭での応急処置も、硬めの紙などを巻いてカラー代わりにします。痛みが強い場合には市販の鎮痛剤を服用し、5〜6日経過をみて下さい。また、この時期に冷湿布を貼るのも効果があります。
 一方、慢性的な痛みの時は、身体を動かすようにして血行を促し、筋肉疲労を溜めないようにします。即効性のある対処法ではありませんが、肩こり対策には効果的です。慢性の肩こりは、日常生活に潜む肩こりの要因を取り除くと改善されます。痛みが気になるからといって鎮痛剤に頼りすぎることは進められません。なお、温湿布を貼るなど入浴法を工夫して血行促進することも効果的です。

注意!単なる肩こりではないケースもある
 肩こりといっても、特に心配のないものと重大な病気が原因となっているものとがあります。大したことはないと甘くみて、取り返しのつかない段階まで病気が進行してしまうこともあります。次に挙げるような症状が見られる時は病気の兆候であることもあるので、肩こりと共にこうした症状が現われたら病院の整形外科を受診しましょう。
  • 一般的な肩こりに対する応急処置をしても、痛みが軽くならなかったり、逆に痛みが増す
  • 首や肩の痛みと共に目眩やのぼせ、動悸、腕や手指・大腿部・足先の痺れが見られる
  • 首や肩周辺の痛む場所が一定せず漠然としている
  • 手指を使う作業がしづらくなったり、掴んだものを落としたりする
  • 胸部や腹部の内臓痛がある
  • 夜間や朝方など特定の時間に目立って痛む

■参考:肩こりや腰痛の様々な治療法
西洋医学
 椎間板ヘルニアや、手先が痺れるといったような骨や神経の異常に関わる病気であったり、或は痛みを直ぐに取り除きたい場合にオススメなのがいわゆる西洋医学です。筋弛緩剤を服用して凝り固まった筋肉をほぐしたり、或は痛みを取る注射を打つなど、患部を局所的に物理的な方法で治療してゆきます。パソコン仕事をするなど特に思い当たる原因もないのに肩がこる時や、痛みがスポット的に発生している場合は、何か病気が隠れていることもあるかも知れません。「いつもの慢性的な肩こりとはちょっと違うな」と気になるような時は、自己判断で放っておかず、まず整形外科などでチェックしてもらいましょう。いつ・何がキッカケで・どのように痛いかなどを問診し、腕を上げたり肩を回したりして動きや痛みの具合をチェックします。異常があれば、レントゲンやMRIによる精密検査で骨や神経などの様子を詳細に診ます。
東洋医学
 東洋医学の特徴は、トラブルのある部分だけを診るのではなく、トラブルの原因を取り除いて全身のバランスの失調をなくすというものです。病気とは言えないけど、身体の不調を感じるという場合に威力を発揮します。肩こりが慢性的で、姿勢の悪さや全身の代謝機能の低下が血行不良を引き起こしているなら、東洋医学による施術がピッタリです。具体的には、骨格や関節を整える整体や、緊張した筋肉をもみほぐすマッサージなどがあります。また、これらを複合的に取り入れているマッサージ院も多いようです。全身のバランスを整えてゆくので、できれば長期的に通うのが効果的です。

病院で肩こり治療!正しいのは何科の受診?


肩こりで病院へ行くのは恥ずかしい?
 肩こりでの受診は決して恥ずかしいことではありません。上でも何回か触れてきたように、肩こりの程度やそれに伴う症状によっては病院で検査を受けた方がよい場合もあるため、肩こりの自覚症状が出始めたら、その変化についてメモを取っておくのもよいでしょう。
 肩こりになる原因は人により様々です。同じ姿勢が続くデスクワークや日々の運動不足などは、多くの人に当てはまるかも知れません。たとえば座って仕事を始め30分もすると、肩に重りを乗せたように鈍痛がし始めたり、頭が痛くなってきたり、腕を回さないと辛くて座っていられないなど、その症状は様々です。中にはパソコンの画面を見ていられなくなるという人もいます。こうした自覚症状が出てきたら要注意です。肩や首の付け根を触って「ちょっと硬くて凝り凝りしてるかな?」と感じただけだったものが、そのまま放っておいてひどくなる場合があるからです。


■どう違う? 病院・診療所・治療院
病院
 病院は、ベッド数が20床以上あり、入院が可能で、外来での診察も可能な施設を指します。病院では高度医療機器による検査や治療が行なわれます。まずは専門の科において詳しく検査を行ない、治療が必要な問題が見つかれば、ケースにより入院や加療、手術などが行なわれます。場合によっては高度な医療機器を用いることもあります。
診療所
 診療所は、ベッド数が19床以下であり、19人以下の患者さんなら入院させることができる施設、または入院の設備を有さない施設のことです。いわゆるクリニックもこの中に入ります。
治療院
 治療院では、マッサージや指圧、鍼灸、整骨、接骨、カイロプラクティック、整体などを施します。鍼や灸、物理療法、手技など手での施術など治療院により施術内容は異なります。また、国家資格があるものと無いものとがあります。

■病院&診療所の探し方&選び方
 仕事帰りのマッサージで肩こりを解消している人も多いでしょうが、いざ病院へ行きたいと思った場合、何科へ罹ればいいのかなど迷うこともあるかも知れません。
 長引く肩こり、悪化する肩こり、いつもと違う腰痛、他にも症状があるといった場合、何か内部の疾患が関係している恐れもあるため、かかりつけのお医者さんに相談するか、専門の診療所で診てもらいましょう。もしもさらに検査が必要な場合は、適した診療科を紹介してもらうことができます。診療所選びは、通院する必要が出ることも考えると、通いやすい場所がよいですが、それだけでなく、実際に診察を受けた方からの情報も診療所選びのひとつの要素になります。診療科目は症状により異なる場合がありますが、以下で紹介する病院では肩こりやそれに伴う症状について検査や治療が可能です。
整形外科
 筋肉・関節・神経系の異常を診てもらうことができるので、肩こりや腰痛での受診も可能です。骨や関節の異常を主に検査します。他の科での検査が必要であれば専門の科を紹介されることもあります。
神経内科
 肩こりのみ、腰痛のみというケースでは、受診する人は少ないのですが、それに加えて痺れや脱力感などを伴う場合に受診する人が多いようです。神経系の疾患や脊髄の障害などを検査し、腫瘍やヘルニア、血管障害などが見つかる場合があります。
脳神経外科
 慢性的に肩こりのある人が、いつもと違うひどい肩こりや目眩、痺れなどを感じた時に、脳の病気を心配して受診をするケースがあります。脳神経外科は脳や脊髄腫瘍や脳の血管系の疾患に対しての診断や手術などが主になります。
心療内科
 しつこく続く肩こりや慢性腰痛に対して、様々な検査や治療を受けても、変化が見られなかったり、ストレスを感じると強まる傾向があるなどといった場合は、心療内科で処方される薬で効果が得られることがあります。

参考:肩こりの薬について
肩こりの薬
 肩こりの原因の中で最も多いと言われているのが、全身を使わないで同じ筋肉だけを使い続けることで引き起こされている筋肉疲労です。これは自分自身の生活を振り返ると分かることですが、デスクワークや長距離運転などが代表的なものになるでしょう。また、肩こりはその原因の種類多いことも特徴と言え、体型が肩こりの原因となっていることもありますし、眼精疲労の他、女性特有の病気(婦人科系の病気)が肩こりの引き金となっていることもあります。肩こりの根本的な解決には、これらの原因を作りだしている環境や病気を改善していかなければならないわけですが、差し当たっていま生活や仕事に支障をきたすほどに肩こりがひどい場合は、薬の力を借りて少しでも症状を改善できるならこれに越したことはありません。本項では、そんな肩こりの解消に効果のある薬にはどんなものがあるか解説します。
効き目が穏やかなミオナール

 肩こりの薬と言うと湿布薬が直ぐ思い出されますが、飲み薬で肩こりの症状を緩和させることもできます。飲み薬で肩こりに効くものとしてはミオナールが有名です。ミオナールには筋肉を緊張させている神経を鎮める作用があり、服用によって筋肉の血流が改善されて凝りからくる痛みを解消するにも適している薬です。肩こりや腰痛の他にも痙攣性麻痺といった筋肉が強ばる病気にもミオナールは用いられています。
 ミオナールは気にするような副作用も殆どなく、人によって脱力感や眠気を感じることもあるようです、殆どの場合暫く服用を続けてゆくと治まる程度のものです。用法としては50r錠であれば3錠を1日3回に分けて食後に服用します。ミオナールの特徴は効き目も穏やかであり、誰でも安心して飲むことができる肩こり改善の飲み薬と言えますが、ただ穏やかな分、効果に物足りなさを感じる方がいるかも知れません。そのような場合は、鎮痛剤として高い効果を示すロキソニンなどを試してみるとよいかも知れません。
ロキソニンには外用薬もある

 ロキソニンは最近市販薬としても手に入るようになった様々な症状に幅広く用いることができる鎮痛剤です。基本的に腫れや痛みを和らげて熱を下げる効果もある薬であり、肩こりとはちょっと縁遠い感じがするかも知れませんが、ロキソニンは腰痛症や肩関節周囲炎、頸肩腕症候群などにも効果を示すことから、肩こりでも、痛みを伴うようなひどい症状を緩和することができます。ただし、ロキソニンはあくまで対症療法薬なので、肩こりの原因を解消する効果はありません。また、ロキソニンは通常鎮痛剤として馴染みがあるので、錠剤だけだと思っている方が殆どかも知れませんが、外用薬としてのロキソニンもあり、肩こりに関しては外用薬の方が適切な選択となるでしょう。種類はバップ100rとロキソニンテープ50r、100r、ロキソニンゲル1%が外用ロキソニンとしてあります。何れも腫れや痛みを和らげる薬で、関節痛や筋肉痛に用いられるので、肩こりにも効果を示してくれます。また、外用のロキソニンは、有効成分が皮膚から患部に浸透し抗炎症作用を発揮しますので、凝りがひどい場合に使用すると、飲み薬と同じように高い即効性を示します。ただし、ロキソニン自体がコリの原因を解消してくれるわけではないのは内服薬の場合と同じです。なお、内服薬・外用薬ともにロキソニンは鎮痛薬や解熱薬の服用で喘息発作を起こしたことのある人、アレルギー性の病気のある方には適しませんので、心配な方は医師に相談して使用するようにしましょう。
市販薬が多いく入手しやすいインドメタシン

 ロキソニンに似た薬にインドメタシンがありますが、筋肉痛などの痛みを和らげることから、筋肉系の鎮痛剤としてはロキソニンより耳覚えのある方も多いことでしょう。
 インドメタシンは、体内で痛みや炎症の元となる物質(プロスタグランジン)が作られるのを抑制します。インドメタシンの薬の特徴は、軟膏やクリームの他にもテープ系・バップ系・ゲル系など様々な製品形式が出ているところにあり、市販もされるようになったことから誰でも気軽に選んで購入することができます。ロキソニンも市販されるようになりましたが、ドラッグストアで購入できるのは錠剤のロキソニンです。医師の診断をせずに購入ができる効果の高い外用薬としては、現在のところインドメタシンが一番使いやすいかも知れません。なお、インドメタシンは、喘息のある方やアレルギーのある方は基本的に使わないようになっている薬ですので、これらの症状がある方は注意が必要です。また、同じ部位に長期間使用するのは避けるようにしましょう。基本的にインドメタシンもロキソニンも即効性の高い薬なので、使い続けても効果が認められない場合は使用を中止して下さい。また、インドメタシンは症状を和らげるための対処療法薬なので、肩こりそのものの原因を解消するものではないことを理解して使用して下さい。

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