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今月のワンポイントアドバイス


 眠れないと不眠を訴える人は多く、100人の人によく眠っているかどうか聞けば殆どの人が充分眠っていないと答えることでしょう。しかし午後の眠気に関して言えば、これは人間にとって自然な現象で、実は必ずしも睡眠不足とは限らないのです。さらにまた、一般に眠ることは脳を休ませることだと思っている方が大半ですが、最近の研究によれば、何と睡眠こそが脳を活性化させ、記憶を定着させる重要な身体の機能であることが分かってきました。
 睡眠と脳の活性化の問題も含め、今回は、昼寝のメカニズムとその効用について取り上げ解説しました。とにかく従来考えられてきたこととはかなり違って、自然の欲求に従って昼寝することで様々な効用が期待されるのです。
規則正しい睡眠を


昼寝とその効果
【1】昼寝の重要性
【2】昼寝のススメ
【3】効率よく昼寝するために〜正しい昼寝の取り方〜


【1】昼寝の重要性

 本項では、人間の健康にとっての睡眠の重要性を踏まえ、昼寝の重要性について取り上げ、昼寝のメカニズム等について以下で簡単に解説しました。
なぜ人は眠るのか?〜睡眠は体と心の休息〜

 皆さんもご経験のことと思いますが、「あ〜良く眠れた」と思った時きにはすっきりと目覚めて爽快な朝を迎えられます。これは、睡眠中に体と心の疲れが完全に回復した証拠です。
 そこで本節では、昼寝の効用等について触れる前に、まずは睡眠が人間にとって如何に大事な営みであるかについて解説しておきます。

なお、睡眠の重要性については、多少重複もありますが、

 「ワンポイントアドバイス 克服しよう!睡眠障害」の、特に「睡眠と健康〜どうして眠らないといけないの?〜」の項をご参照下さい。


人は脳のために眠る〜脳が働き過ぎると睡眠物質が溜まる

睡眠 睡眠は身体の休息はもちろん、脳が休息するための大切な時間です。身体の疲れは横になって身体を休めるだけでもある程度回復できますが、意識や知能・記憶など知的活動を行なう大脳は、起きている限り休息することは不可能です。睡眠は脳を深く眠らせて精神的な疲労を回復する大切な営みなのです。

 脳が活動している時に脳細胞は様々なホルモンを分泌しますが、働き過ぎると、今度は却ってホルモンの使い滓のような物質が溜まってゆきます。このような物質は一般に疲労物質と呼ばれ、その中にはいわゆる睡眠物質も含まれていますが、それらは脳の働き過ぎにフィードバックをかけて休息させる役割を持っています。頭を使い過ぎて眠くなるのは、実はこのためなのです。これまでに20種類以上の睡眠物質が発見されています。さらに、人間が活動するためにはエネルギーが必要ですが、睡眠は無駄な動きを抑えて新陳代謝を減らし、エネルギーを節約する働きもあるのです。睡眠は、このように人間が心身共に健康な状態を保つために欠かせないものであるわけです。
居眠りは脳を活性化させる

 睡眠の質と言えば、約90分でワンセットになっている「レム睡眠(体の眠り)」と「ノンレム睡眠(脳の眠り)」とがあります。もっとも、そのリズムを気にする人もいますが、実際には個人の生活によって違いがあるので、余り神経質になることはないようです。従って、「ぐっすり眠れないから疲れも取れない」などと気にし過ぎるは、却って脳にプレッシャーをかけて疲労が増える原因にもなります。それよりも、脳は絶えず働いているので、居眠りで細切れの休息を与える方がよいと言われています。ちなみに、居眠りには右脳を活性化させる働きがあるというデータも一部では報告されています。
「寝る子は育つ」は本当!

 心身ともに成長著しい子どもは大人以上に睡眠が必要です。深い睡眠の時間帯に成長ホルモンがたくさん分泌されること分かっていますが、成長ホルモンは細胞の新陳代謝を促して皮膚や筋肉・骨などを成長させたり、日中の活動で傷ついた筋肉や内臓などを効率よく修復する働きがあります。昔から「寝る子は育つ」と言いますが、このことを表わしていたのでしょう。さらに明け方近くには、副腎皮質ホルモンの血中濃度が高まりますが、このホルモンはストレスを和らげげてくれる働きと体内でエネルギーを作り出す働きがあります。
 最近キレやすい子どもの増加が問題になっていますが、子どもの睡眠不足とキレやすさの間には、脳の神経のバランスを取るセロトニンという物質を介して深い関係があります。つまり、[夜更かし→朝寝坊→朝食抜き→日中の運動量の低下→セロトニン不足→攻撃性の増強→キレる]という図式です。子どもにとっても睡眠は、このように本当に大事なことなのです。
昼寝って何だろう? 

 昼寝と言うと、社会に出て働いている人には、昼寝をすることに対して多少引け目を感じたり、或はマイナスのイメージがあるかも知れません。しかし、タクシーやトラックの運転手が車を止めて昼寝をしているのをよく見かけるように、昼寝には脳をリラックスさせてくれる効果があります。その証拠に、スペインヤイタリア、南フランスといった国では、「シエスタ」と言って昼寝を当たり前にしている国々があります。彼らは、このシェスタの時間に家で昼ご飯を食べた後、2〜3時間ほど昼寝をして、その後夜遅くまで活動します。
 お昼ご飯を食べてお腹がいっぱいになると、睡眠を促すセロトニンという物質を作り出されますし、また、食事の中にはたくさんの睡眠を促す成分が含まれています。ですから、午後1時頃になると脳は自然と働きが鈍くなるのです。そのため、昼寝をして脳を休ませるのは身体にとってもとても理に適ったことなのです。従って、睡眠不足の人だけでなく、ちょっと昼寝をするだけで仕事上の失敗が少なくなりますし、とにかく脳が活性化する効果があって、仕事も捗るのです。


なぜ昼に意識は落ち込むのか?
 人が眠っているか目覚めているかは、ちょっと難しいことを言うと、「ホメオスタシス性睡眠衝動」と「時刻依存性覚醒作用」という2つの反作用のどちらがどれだけ強いかで決まります。そして、これが毎日の睡眠と覚醒のサイクルを生み出しているのです。
 昼間眠ろうとする衝動は、体内時計の起きていようとする作用で帳消しになるので、目を覚ましていることができます。ところが睡眠が不足すると、睡眠衝動が時刻依存性覚醒作用を抑えて、昼間でも眠くなります。たとえば午後の1時から3時頃のように決まった時間になると、時刻依存性覚醒作用の勢いが減ります。そのため、特に夜の間に充分に眠っていないと、強くなった睡眠衝動にあっさり身を任せてしまうことになりかねません。ちなみに意識が落ち込む時間帯は、主に前日眠った時刻と起きた時刻のちょうど中間の12時間後だと言われています。そのため、この時間帯に昼寝をしてしまうこと人がよくあるのではないかと思います。

よい昼寝と悪い昼寝
 昼寝をする人でよくあるのは、2時間以上に渡る長い昼寝をしてしまい、そのため夜に眠れなくなって睡眠時間が大きく減少し、次の日に結果的に寝不足でまた昼寝をしてしまう、といったパターンです。こういう悪循環に1度陥ってしまうと中々抜け出すことが出来ません。だからといって、昼寝をしなければよいかというとそうでもなく、ある条件を満たせば昼寝は立派な休息手段となるのです。
 そのためには、まずは毎日同じ時刻に決まった時間の昼寝をすることです。不規則に昼寝をしていると、起きてからスッキリしないばかりでなく、夜の眠りを台無しにしてしまうことがあります。時間的には、眠りが深くなり過ぎない15分から30分くらいの時間の昼寝が適当でしょう。また、昼寝をする時間帯は、意識が落ち込みやすい午後1時〜3時頃がよいでしょう。ちなみに、最近では昼寝を午後の仮眠として取り入れている企業も数多く存在します。昼寝をすると集中力や作業意欲が向上し、仕事の能率も上がったそうです。

夜型人間の更生法
 昼寝やうたた寝の時間が極端に長くなってしまい、夜はずっと起きているという夜型人間が最近増えています。これも悪循環のひとつで、これが1度でも習慣化してしまうと、通常の生活パターンに中々戻れなくなってしまいます。
 ここで参考までに、こういった症状の治療法を幾つか挙げておきましょう。(1)ひとつは朝になって目覚めた時に太陽の光を浴びることによってメラトニン(=睡眠を誘発する物質)の分泌を抑制し、体内時計を正常なリズムに戻すことです。この方法は時差ボケの防止にも使われます。(2)もうひとつは時間調節療法(=クロノセラピー)と言われるもので、人における本来の1日のリズムが24時間よりも25時間に近いことを利用して、その1日のリズムを26時間或は27時間にずらす、つまり、就寝時間と起床時間を毎日2〜3時間づつ遅らせることで、望ましい時間帯に睡眠-覚醒リズムが来た時にそれを固定する、という方法です。

昼寝の効用とそのメカニズム


健常人における昼寝の効果
 一般的に、午後3時前の30分以内の昼寝は夜間の睡眠に影響することもなく、日中の眠気に対して効果があると言われています。また、中南米や地中海沿岸諸国では昼寝が習慣化しているそうです。そして、それらの国では冠動脈疾患による死亡率が低いことでも知られています。もっとも冠動脈疾患のある人々にとっては昼寝をする方が身体にはよくないのではないかという指摘もあります。それというのも、心臓発作などは早朝に起こることが多く、それは目覚めた時のホルモンバランスの変化などが関係しているためだろうと考えられています。昼寝をすると、同じ変化が昼寝後にも起こるため、早朝と同様の危険に身体は曝されるというのがその理由のようです。
 ただし、ある論文によれば、冠動脈疾患のない人たちについて昼寝の効果が長期間に渡って検討されていて(昼寝の程度については、(1)全くしない人、(2)定期的にしている人〔週3回以上、1回30分以上〕、そして、(3)その中間の3段階に分けて検討)、その結果によると、昼寝をする人の場合、全くしない人の冠動脈疾患による死亡率を1とした場合、危険率は0.66、つまり、昼寝をすることによって冠動脈疾患の死亡率が37%減少することになります。特に働いている男性ではその傾向が強く、定期的に昼寝をする場合、全く昼寝をしない人に比べて冠動脈疾患による死亡率は0.36倍となったのでした。要するに、健康な(すなわちリスクファクターがない)働いている男性の場合、昼寝をする人ほど冠動脈疾患になりにくいという結果が示されましたわけです。しかし、既にリスクファクターを持っている人にとっては、前述したように、その昼寝においても早朝と同じホルモンバランスの変化や血圧の変動に身体が曝されることとなり、狭心症や心筋梗塞の発作が起こりやすい状況になるため、その人たちは、昼寝から目が覚めた時でも直ぐには起き上がらず、布団の中で伸びをしたりして身体を慣らしてから起きるようにすることがよいでしょう。

昼寝が発想の源になった偉人たち
 たとえば日本人初のノーベル賞受賞者・湯川秀樹博士にも、受賞対象となった中間子理論を考え付いたのはちょうど寝入り端だったという逸話があります。彼は就寝時に必ず枕元にメモ帳と鉛筆を置き、ウトウトしている時に閃いたアイデアを書き付ける習慣があったそうです。また、外国人では、シュールレアリスム(超現実主義)の画家として知られるサルバドール・ダリは、普段作品のヒントを得るために居眠りをしたと言われています。肘掛け椅子に座り、指にスプーンを挟み、すぐ下の床に錫の皿を置いて、居眠りをしてスプーンが落ちると、錫に当たって大きな音を立てまるが、その時に浮かんだインスピレーションを作品のヒントにしたらしいです。さらに、大発明家エジソンも居眠り名人説があるそうです。
 何れにせよ、昼寝などちょっとした居眠りは脳の疲労を取るのに効果的であると言われています。そして、ビジネスでよく使う論理的な思考に向いた左脳よりもインスピレーションや創造力の源となる右脳の働きが活発になるため、昼寝は独創的なアイデアが浮かびやすい環境にあると言えるのではないでしょうか。

文明社会が昼寝を無くした!?
 北アメリカや北ヨーロッパ、日本などでは昼寝は長くタブーとされてきました。しかし、昼間に眠気を感じるのは自然の摂理で、たとえば餌を食べる時は外敵に身を晒すため常に警戒していなければならない野生動物は、餌を食べ終わった後はより安全なところに行って身を隠し、消化を助けてエネルギーを蓄えようとします。そのため、眠気を起こすことは、一刻も早く危険な状況を逃げよというサインなのでもあるのです。人類が進化してきた今もなおこのプログラムが身体の中に生きているのだと考えることができるでしょう。
 また、生体リズムの影響が強い赤ちゃんは、1日に何回も起きたり眠ったりを繰り返しますが、これが成長して、昼間は起きて活動し、夜は眠るという社会に適応して生きてゆくためには、残念ながら1日に何回も寝ることが許されなくなります。要するに私たちが日中起きていられるのは訓練の賜物で、文明社会が要求する生活パターンに適応した結果でもあるわけです。

参考1:大惨事に繋がりかねない居眠りの恐怖

 無理に起きようとして居眠りすれば事故に繋がりかねないことを考えれば、工事現場などで昼寝が奨励されているのは理に適ったシステムと言えます。事実、居眠りが原因で大惨事に繋がった事件は過去にたくさん見ることができます。たとえばスペースシャトルのチャレンジャー号爆発事件や、スリーマイル島やチェルノブイリの原子力発電所の事故、また、アラスカ沖の巨大タンカーの座礁など幾つもの世界を揺るがす大事件ですが、これらも一説によれば作業員の寝不足によるミスが原因だと言われているのです。なお、寝不足ではなく睡眠障害による事故も後を絶ちません。特に睡眠不足でもないのに昼の眠気がひどいなど睡眠障害が疑われる場合は、医師に相談の上で適切な治療を受けることが必要になります。


睡眠時無呼吸症候群:
 睡眠中に気道が塞がって、ひと晩に10秒以上の呼吸停止が30回以上、または1時間に5回以上の無呼吸状態に陥る。鼾が大きくなり、寝返りの回数も増える。断続的に夜間何度も眠りを中断されているため、日中に静かで退屈な状況に置かれると、睡魔に襲われてつい眠り込んでしまったり、単純作業で何度も注意力低下が起こる場合がある。また、抑鬱気分が増すなどの性格の変化を引き起こすこともある。
ナルコレプシー:
 一般に「居眠り病」とも言われる。話の最中や車の運転中など通常ならば眠らない状況で急に眠ってしまう病気。遺伝病の1種で、10万人に数人の割合で発生すると言われている。現代の医学では治すことができないが、症状が現われる時間を予測したり、或は薬で眠気を抑える対処療法を施すことは可能。


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【2】昼寝のススメ

 前項を踏まえ、本項では昼寝の効用について解説し、併せて年齢別・時間帯別の昼寝の効用等についても取り上げ解説しました。
なぜ昼食後に眠くなるのか?


昼食後に眠くなるのは何故か? 
 どんなに充分睡眠を取っていても、誰でも昼食後には身体がだるく、頭はボンヤリしてしまうものですが、その原因は、人間の身体にある睡眠と覚醒のリズムを調節する「体内時計」にあります。人の眠気のリズムは、「朝目覚めて夜眠る」といった1日周期でリズムが動いているように思えますが、実は半日周期のリズムで起きていて、1日に2回眠気の山があるのです。その大きい山は午前2〜4時で、小さい山は午後1〜4時です。このリズムと昼食が重なるために、誰でも昼食後に眠くなってしまうのです。その上、消化のために体内の血液が胃などの消化器に集中し、脳への血液が少なくなると共に、食べたものが消化されると血糖値が上がり、満腹中枢が刺激を受けるため、睡眠物質が働いてしまうこともあって、昼食後に眠くなってしまうのです。

おやつの本当の役割は昼寝防止?
 伝統的な作業・休憩計画では、8時始業、10時お茶、12時昼食、2〜3時おやつ、17時終業が基本ですが、これは実は眠気を紛らわせるために編み出された知恵でもあるのです。覚醒作用のあるカフェインが含まれるお茶を飲みながらお菓子類を食べ、人としゃべることで脳に刺激を与えれば、睡魔の襲撃を交わすことが出来る、というわけです。もっとも、工場で休憩時間を設けているところは幾つもありますが、残念ながら肉体労働以外の職場でこの休憩時間は廃れつつあるようです。それに対して、最近では積極的に昼寝をする職業も多少ながら増えてきています。たとえばちょっとした油断や不注意が大きな事故を引き起こしかねない建設業などの仕事に従事する人たちは、昼休みに食後ひと眠りすることが日常的になっています。考えてみれば、タクシーの運転手や車で移動する営業マンが路上に車を止め、昼寝をしている姿は、ひと昔前には当たり前に見られた光景でした。一見するとサボり行為に見える行動ですが、案外これが仕事上でプラスになっていたのかも知れません。

参考:都心部に増える昼寝スポット
 90年代後半、大阪市に誕生したその名も「昼寝屋」など東京・大阪などの都心部に昼寝の場所と時間を提供するサービスが登場し、話題を集めたことがあります。企業戦士らの人気を受けて成長したこのサービスは、最近さらに進化しているようです。たとえば専門のスタッフが昼寝をするうえで理想的な睡眠環境を研究し設計した所もあるようです。また、デスクで昼寝する人向けの枕、香りや炭入りのアイピローといった昼寝グッズの販売なども相俟って、最近は特に昼寝ビジネスの動きが活発になってきています。その証拠に、午後の一定の時間が来たらオフィスの電気を消し、全員が昼寝することを奨励している企業もあると聞きます。それまでは、昼寝と言えばサボりのイメージが強かったわけですが、実は仕事の効率を上げるなど効用が最近なって認められ、このように一部の企業では昼寝が活用され始めているのです。

昼寝の効果〜ズバリ昼寝の効用とは?〜


■昼寝の効用
事故の予防
 眠い時間帯は、当然ながら仕事のミスが増えやすい時間帯です。その証拠に、コンピュータなど機器操作のミスが夜中に続いて午後2〜4時に多発するというデータもあります。そして、交通事故も夜中に続いて午後が多いのです。しかし、少し眠れば頭がすっきりし、仕事の能率を上げて、仕事上のミスや事故やを減らすことも可能になります。
事故の予防
 眠い時間帯は、当然ながら仕事のミスが増えやすい時間帯です。その証拠に、コンピュータなど機器操作のミスが夜中に続いて午後2〜4時に多発するというデータもあります。そして、交通事故も夜中に続いて午後が多いのです。しかし、少し眠れば頭がすっきりし、仕事の能率を上げて、仕事上のミスや事故やを減らすことも可能になります。
ストレス発散・リフレッシュ
 大脳は、何かに集中している時ごく一部の脳細胞が猛烈に活動している状態になります。しかし、のべつまくなしに働き続けると当然オーバーヒート状態になってしまうので、いわば自己防衛のために眠気信号を発信するのです。その証拠に、ちょっと席を立って身体を動かしたりコーヒーを淹れる程度で眠気が消えることがあるのは、こういったちょっとした行為で脳の休憩が出来たからだと見ることも可能です。また、仕事中は誰しも様々なストレスに晒されています。眠りというのはこのような様々なストレス源を一時的に完全にシャットアウトするため、短時間でも休むとリフレッシュすることが出来るわけです。

参考1:年齢によって昼寝の効用は違う

 職業にもよりますが、大人は基本的に睡眠を取るのは夜で、日中は起きている人が多いわけですが、赤ちゃんは1日何回も寝るし、小学校に上がる前は幼稚園や保育園でお昼寝タイムを設けています。このように、年齢によって睡眠サイクルは違っているのです。


赤ちゃん:
 まだ脳が未発達の赤ちゃんは、昼も夜も関係なく短い周期で睡眠と覚醒を繰り返す生体リズムの影響を受けているため、1日中寝たり起きたりしています。1回当たりの睡眠時間は45分くらいと短い。
働き盛りの大人:
 大人は、職業にもよるが、長年の習慣で夜眠り昼起きて働くというパターンを身につけた人が多くいます。昼間は眠気を抑えてでも働かないといけないので、そのため夜に長くて深い眠りができるわけです。とは言え、日中でも眠気に襲われることはしばしばあるわけで、短時間でも眠れば、頭がすっきりし、より集中力を高めることが可能です。
お年寄り:
 年をとると脳の機能が衰えて来るため、覚醒させる力も眠らせる力も弱まって来ます。そのため、起きていても眠い、眠っていても寝つきが悪かったりして直ぐに目が覚めるなどといった具合で、メリハリのない状態になってゆくのです。なお、少し前までは昼寝は夜の安眠を妨げるという考え方が主流だったため、高齢者の昼寝もよくないとされていましたが、近年の研究では高齢者の昼寝は健康のためにはむしろ奨励すべきことが分かって来ているのです。

参考2:時間別の昼寝の効用


■時間別の昼寝の効用
ナノ昼寝(10〜20秒):
 電車などでちょっと居眠りをした時などのこと。ただし、これがどの程度の効果を持っているのかについてはまだ余りハッキリしたことは分かっていない。
マイクロ昼寝(2〜5分):
 たったこの程度の睡眠でも、強い眠気を和らげる効果があることが分かっている。
ミニ昼寝(5〜20分):
 注意力の向上や、スタミナを増やしたり能率を上げる効果がある。
パワー昼寝(20分〜30分):
 マイクロとミニの両方の効果があるが、さらに筋肉を和らげてリラックスさせたり、脳に蓄積した無用な情報が消えて記憶力が向上するといった効果がある。
のび太くんの昼寝(50〜90分):
 ここまで来るとレム睡眠の波形が脳波に出て来て、脳がゆっくりリラックスし始める。認識能力などの回復、身体の疲れが癒され始める。


◆参考図書案内:昼寝と快適睡眠についての参考書
ブルーノ・コンビ『仕事も勉強もはかどる 15分間昼寝術』草思社
ブルーノ・コンビ 著/藤田 真利子 訳
(ブルーノ・コンビ:1960年フランス生。作家)
『仕事も勉強もはかどる 15分間昼寝術』
草思社・08年2月刊、¥1,400
たった15分の昼寝で集中力も判断力もアップ、仕事の効率は2割増し!最新睡眠研究の成果をもとに、脳と身体を活性化するための最も簡単な方法を伝授する書。
人はいつの頃からか眠気と闘うようになった。しかし、睡眠に関する研究が進み、驚くべき事実が明らかになった。人間は、夜の長時間と昼の短時間、1日に2回眠るように遺伝子にプログラムされていたのだ。そればかりか次々と昼寝の効用が明らかになってきた。日中15~20分の睡眠で、集中力も判断力も増し、生産性は20%アップする。ひらめきの源でもあり、発明・発見が昼寝中に行なわれたという事例も数多くある。また、ストレスが減り、夜はかえって快眠が得られるともいう。怠惰と思われていた「昼寝」の概念をくつがえし、より創造的で健康な人生を手にするための画期的な方法論。
堀 忠雄『快適睡眠のすすめ』岩波新書
堀 忠雄・著
(1944年北海道生。広島大学総合科学部教授。精神生理学)
『快適睡眠のすすめ』
岩波新書(新赤版)、岩波書店・00年7月刊、¥780
快い眠りは健康で充実した生活の必要条件だ。しかし今日、睡眠不満を訴える人はひじょうに多い。なぜ不十分になるのか、快適睡眠のために何をすべきなのか。眠気のリズムを知り、それにうまく合わせることはもちろん、昼間の過ごし方も大切だ。リズムを乱しておこる障害や、効果抜群の昼寝とおやつ、サバイバル睡眠法も紹介。

昼寝がボケを防ぐ?〜睡眠は脳を活性化させる〜


寝ることで記憶の定着が起きる
 睡眠は前日の記憶の整理をし、重要なものだけを忘れないようにしっかりした記憶に変化させることが分かって来ました。たとえば練習によって運動のプログラムが脳の中に作られるわけですが、練習をするだけではなく、間に睡眠が入ることで、その運動プログラムがよりよいものになるのです。英単語の勉強などでもそうですが、それ以外にも、たとえばゴルフのスイングが睡眠の後でよくなったりすることでもそれが分かります。これは、睡眠を取ることで最も能力が発揮できる運動プログラムだけが残され、翌日になると運動能力が上がってくるという仕組みです。つまり、睡眠中に余分な記憶を整理して大切な運動プログラムだけを残すことで能力アップが起こるのです。

睡眠が脳を活性化させる
 睡眠中は脳へゆく血液が増えるので、脳が活性化して来ます。実際に神経成長因子が睡眠中に増えて、神経細胞同士のネットワークが出来やすくなるのです。これを言うならば、日中に得た情報を整理して脳のバージョンアップを図っているようなものです。従って、不眠が続くと次第に頭がボンヤリして来て、充分に能力を発揮することが出来なくなってしまうのです。要するに、眠ることで脳を休ませるのではなく、却って脳を元気にしているのです。

昼寝が認知症予防になる
 ある調査によって、昼寝をする人に認知症が少ないことが分かって来ました。医学的な理由は必ずしもハッキリしていませんが、1時間以内の昼寝を取っている人の方が認知症の発症が少ないことが分かっています(※ただし、1時間以上昼寝をすると、却って認知症になりやすくなるので、その辺はくれぐれも注意が必要です)。会社では昼寝は中々難しいかも知れませんが、30分くらいのちょっとした昼寝を取ることを是非試してみては如何でしょうか? 

不眠を気にし過ぎない
 加齢につれて次第に深い睡眠を取ることが出来なくなります。また、早朝に覚醒したり深夜に目が覚めてしまうことも多くなります。一般的には6〜7時間の長さの睡眠が理想的なのですが、歳を取ると次第に睡眠時間が短くなって来るのです。しかし、それは年齢的な変化でもあり、病気ではありません。夜9時に寝て午前3時に目が覚めても、それは大して問題はありません。むしろ問題なのは、たくさん寝た方が身体によいと思ってしまいがちなことです。これは仕方のないことですが、実は10時間以上の睡眠は寿命が短くなることが分かっているのです。
 なお、睡眠薬を使うと脳がダメになると思っている人も一部にはいるようですが、そんなデータはどこにもありません。不眠で悩み過ぎるのは問題ですが、不眠であれば、むしろ睡眠薬を使ってでもぐっすりと眠た方がよいと思います。


参考:高齢者における短い昼寝の効果
 ある実験によると、65歳以上の高齢者に30分の昼寝を取ってもらったところ、午後の眠気が改善し、覚醒度や作業成績も上昇したと言います。また、毎日30分の昼寝をすると、夜間睡眠も良好になるとも言われています。その一方で昼寝の最中には血圧が低下するので、中高年が昼寝をすれば高血圧や虚血性心疾患の予防に役立つという報告もあります。しかしその反面、睡眠から起床する際には交感神経系の活動が急激に亢進するので、午前中に多発する脳梗塞や心筋梗塞が昼寝から目覚めた時にも発生する可能性があることも一部では指摘されています。実際、高齢者における昼寝の習慣と死亡危険率との関係をみた報告によると、昼寝の習慣を持たない高齢者と比較した場合、1時間以上の昼寝を習慣的に取っている高齢者では、死亡の危険率は3倍、2時間以上の昼寝を取っている場合ではこれが何と14倍にも達しているのです。また、昼寝の時間とアルツハイマー型痴呆発生の危険率を調べた報告によると、昼寝の習慣のない高齢者と比較して1時間以上の昼寝を習慣的に取っている高齢者では、アルツハイマー型痴呆発生の危険率が何と2倍以上にも増加したそうです。
 そうは言っても、たとえ昼寝の習慣があった場合でも、その昼寝が1時間以内の高齢者の場合には、死亡危険率は昼寝を取らない高齢者と差はなく、さらに昼寝の時間が30分以内であれば、アルツハイマー型痴呆発生の危険率もなんと5分の1まで低下することが分かっています。このように30分間以内の短い昼寝であれば、午後の眠気予防と夜間睡眠の改善に役立つだけでなく、種々の疾患の予防効果を持つ可能性があるわけです。(※ただし女性高齢者の死亡危険率は、昼寝を取らない場合と比較して1時間以内の昼寝でも死亡率は5倍になるとする報告もあります。このように、昼寝の時間が30分間以内であれば死亡危険率は低下するのか、或は短い昼寝の効果に性差が存在するのかは、残念ながら今のところ


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【3】効率よく昼寝するために〜正しい昼寝の取り方〜

 上記の解説を踏まえ、最後に本項では効果的な昼寝の取り方について取り上げ、併せて効果的な覚醒法についてもアドバイスしました。なお最後に、参考までに現代の日本における昼寝の実態についても取り上げ解説しておきました。
上手に昼寝を取る方法

 昼食後の眠気の原因は大きく分けて2つあります。(1)そのひとつは、食後の消化活動が始まると、脳に「食べることは終了した」という情報が伝えられると同時に、それが「眠ってもよい」という情報に切り替わることです。ちなみに、朝は寝て起きたばかりなので眠気は生じにくいですが、昼や夜は食後に眠くなりやすいのです。(2)もうひとつは、食事に関係ない生体リズムによる影響で、午後は2時ぐらいに眠気のピークが来ます。ただし当然ながら個人差もあるので、2時に眠気が来る人もいれば、3時や5時頃が一番眠いという人もいます。


昼寝に適した時間帯
 その人が午後に眠くなる時間に眠るのが理想的なのですが、一応の目安としては午後1〜3時頃が昼寝に適した時間だと言ってよいでしょう。なお、そのことに関して言えば、午後早い時間帯の仮眠が効果的だという研究結果も出ているそうです。

昼寝の時間の長さ
 軽い眠気を追い払う仮眠を取るなら、15〜30分程度で充分です。脳が仕事の緊張から一時でも解き放たれることでリフレッシュし、元気になれるからです。
 ちなみに、人間の睡眠は浅い眠りの「ノンレム睡眠」と深い眠りの「レム睡眠」が交互に繰り返される周期があるのですが、1回の周期は約90〜120分です。睡眠不足を補う場合は、この時間を目安に昼寝を取ればスッキリすることが出来るでしょう。それに対して、中途半端に1時間ぐらい眠ったところで目を覚ますと、これは脳がかなり深い休息をしている時に目覚めることになるので、却って頭がぼんやりしたり、或は不愉快になってしまうのです。

正しい昼寝のポイント

 昼寝をしたはよいけど、起き抜けはぼんやりしてしまうのが心配な人もいるでしょう。そのためにはどうしたらよいでしょうか? 


■ポイント1: 昼寝の時間は15〜20分
 昼寝をし始めて深い眠りに入る直前の15〜20分で目覚めると、最もリフレッシュ効果が高いと言われています。この15〜20分という昼寝の時間の長さは眠りの質と関係があります。睡眠には、(1)脳を休ませる深い眠りの「ノンレム睡眠」と、(2)身体は休止状態で脳は浅い睡眠状態の「レム睡眠」があります。夢を見ているのは一般にレム睡眠の時で、人は就寝後3時間で最も深いノンレム睡眠状態に到達します。

 当然ながら、昼寝はノンレム睡眠の初期の浅い眠りです。従って、目覚めをスッキリさせるには、脳の活動レベルが深く下がる前に目覚め、覚醒への移行がスムーズに行なわれる15〜20分程度が適当だと言えるでしょう。これに対して30分以上眠ってしまうと深い睡眠に入ってしまうので、睡眠から覚醒への切り替えが困難になると共に、昼寝後の活動が却って鈍くなり、夜眠れなくなってしまうので注意が必要です。また、いくら眠気が襲って来たとしても、就寝4時間前に眠ってしまうと、今度は夜の睡眠に影響が出るので、昼寝はやはり午後の早い時間が適しています。

■ポイント2: よい目覚めにはカフェインと光
 ある実験によれば、大学生10人に対して、目覚めによい行為は何かについて、(1)15分の仮眠を取る、(2)仮眠前にカフェイン200mg入りのコーヒーを飲む、(3)仮眠直後に洗顔する、(4)仮眠直後に1分間2千ルクスの高照度光を浴びる、(5)「仮眠をとらない」といった5つの条件を比較し、脳派を測定しながら眠気がどれくらい残るかを実験を試みた結果、最も目覚めがよかったのは、「コーヒーを飲んでから昼寝をし、目覚めに太陽光など通常より明るい照明を浴びた」ことだったと言います。
 コーヒーやお茶に含まれるカフェインは眠気覚ましに効果があることで知られています。カフェインの効果が現われるのは、摂取してからおよそ30分後と言われています。直ぐに効果があるわけではないのです。これは、コーヒーに含まれる覚醒作用のあるカフェインが脳に届くのに30分程度かかるため、20分程度の昼寝後にちょうどカフェインが効き出すため、コーヒー等のカフェイン入り飲料を昼寝前に飲むことが結果的によい目覚めに繋がっているのだと考えられます。すなわち、このメカニズムを利用して、昼寝の前にコーヒーを飲んで眠りに就く、そして、ちょうど目が覚める頃にスッキリする、というわけです。ちなみに、カフェイン入り飲料については、コーヒーでも、インスタントや缶コーヒーに比べてドリップの方がカフェイン量は多いです。また、ココアや緑茶、ウーロン茶にもカフェインは約半分量含まれているので、コーヒーが苦手な人はこれらを少し多めに飲むとよいでしょう。

■ポイント3: 眠る時は俯せで
 「俯せ寝健康法」というのを聞いた人もいるかも知れません。俯せで眠ると、気道を確保出来、内臓や背骨に負担をかけません。特に睡眠時無呼吸症候群の人や鼾が気になる人、或は肺炎の人などに効果的だと言われています。普段仰向けに寝ている人も、昼寝の時は机に向かって俯せになって寝てみるのも意外とよいかも知れません。

■ポイント4: 昼寝の時間帯
 昼寝は一番眠い時間に取るのが一番効果的です。昼寝が習慣になっている人なら問題ないのですが、普通の人が昼寝を取ろうとするなら、必ず20分程度に収めるようにしましょう。先にも触れたように、30分睡眠を取ると深い睡眠まで入ってしまうからです。深い睡眠の状態からいきなり目を覚まそうとすると、ご存知の通りの不快な状態になってしまうのです。また、昼寝の時間が長くなると夜眠れなくなってしまうという問題もあります。

■ポイント5: 日光を浴びる
 昼寝から目覚めたら、まずは太陽の光を浴びましょう。日光を浴びるとメラトニンという物質が抑制され、昼と夜の区別がつきます。ちなみにその証拠として、起床後に強い高度の光を浴びさせる「光療法」が、特に昼夜逆転生活の人や時差ぼけの人など睡眠障害の人に効果があると言われていまることからも、健康人にとっても起きた直後に太陽の光を浴びることが効果的であることが分かるでしょう。

参考3:スッキリした目覚めのために〜睡眠慣性の低減法〜


■1) 覚醒刺激
 眠気覚ましには、覚醒作用のあるカフェインが日常的に用いられています。カフェインは経口投与しておよそ45分以内に胃腸から99%が吸収され、血漿中の濃度は服用してから15~120分で最大になると言われています。カフェインを服用してからその効果が現われるまでおよそ15~30分程度かかることを考慮すると、先にも述べたように、短い昼寝を取る直前にカフェインを服用しておけば、起床直後にカフェインの効果が現われて、睡眠慣性を低減することが出来ると考えられます。そこである実験で、(1)20分間の短い昼寝を取る前に200mgのカフェインを含有するコーヒー100mlを摂取した場合と、(2)目覚めた直後に覚醒を高める操作として2,000ルクスの眩しい光を1分間照らした場合、さらに、(3)起床直後に25℃の水で顔を洗ってもらった場合とで、その後の眠気がどのように変化したかを調べたところ、昼寝を取らなかった場合と比較して、単に昼寝を取っただけでも眠気は低減しましたが、カフェインを服用した直後に昼寝を取った場合が最も効果が高く、次いで起床直後に眩しい光を照らした場合も眠気覚ましに効果的だったと言います。ちなみに、洗顔は起床直後5分間の睡眠慣性を抑える効果はありましたが、残念ながらその効果は余り持続しなかったそうです。また、作業成績に関して言うと、昼寝前にカフェインを服用した場合と、起床直後に眩しい光を照らした場合で高い成績を維持しいたと言います。なお、この実験はカフェインと短い昼寝を組み合わせた効果を調べているのですが、別の実験結果によれば、短い昼寝を組み合わせた方が、カフェインだけの効果よりも眠気の予防効果が大きいことが明らかとなっているそうです。

■2) 自己覚醒法
 睡眠から覚醒する時には自律神経系の活動が急激に高まることが知られています。そして、昼寝から目覚める時にもこのような変化が起こるため、身体への負担を少なくするためには、起床する前から徐々に覚醒への準備を行なうよう睡眠をコントロールする方法が必要となります。
 このような方法に「自己覚醒法」がありますが、これは目覚し時計などを使わずに決められた時間に自分で目覚める方法です。この自己覚醒法による効果を調べる実験を行なって、(1)昼寝を開始してから15分経ったら自分で起きるよう求めた場合と、(2)15分経った時に実験者が呼びかけて起こした場合とを比較したところ、自己覚醒した方が起床後の眠気が抑えられていたそうです。さらに昼寝の最中の心拍数を測定したところ、自己覚醒した場合には、目覚める3分ほど前から心拍数が増加し、徐々に目覚めた時の水準まで高まっていったそうです。このことから、「自己覚醒法」を用いればスッキリと目覚めることが出来ることが分かりました。

参考4:昼寝の実態
お昼寝する人は4人に1人、平均時間は40分

 睡眠に関するあるアンケート調査によると、2割強の人が日常的に昼寝の時間を取っていることが明らかになったそうで、また、昼寝をする人の時間は30分前後と60分強とに大きく分けられ、平均すると40分ほどだと言います。その調査では、10分ほどの仮眠も含めた昼寝を習慣的にするかどうかについて尋ねたところ、3割近い26.3%の人が昼寝をすると回答したそうで、その調査によると、4人に1人はある意味で昼寝を日課としている勘定になります。そして、実際にはどれだけの時間を昼寝に割いているのか、その平均時間について見ると、時間帯としては60〜90分と10〜40分の2系統に大きく分けられることが分かったそうです。ちなみに、60〜90分を昼寝に割くのは主婦など自宅にいる人たち、一方、10〜40分を昼寝に割くのは一般にサラリーマンなど職場にいる人たちの昼寝時間と想定されます。それは、職場で働く人たちの一般的な休憩時間を考えると、60〜90分の昼寝時間を取ることは難しいからです。

 なお、スペイン語圏を中心に広まっている昼寝の習慣であるシエスタ(=午後1時以降数時間に渡る昼寝時間も含めた長期の昼休み)が日本にはないので、会社勤めの人がまとまった時間の昼寝を取るのは今後も難しいでしょう。もっとも、シエスタは元々非常に暑い地域で活動しにくい時間帯の作業を避けるためのものなので、日本では導入の必要もありません。その一方で、昼食直後のアンニュイな時間帯における作業効率や仮眠の有効性が色々と認められるようになった昨今においては、昼寝の意義をもう少し高めてもよいのではないかとも思われます。


■昼寝の平均時間
昼寝の平均時間

効果を実感! 休憩時間の「昼寝」が定着傾向に?

昼寝スポット 近年、昼寝をするための「昼寝サロン」なるものが増えてきているそうです。上でも触れたように、20〜30分程度の昼寝には脳のリフレッシュ効果があることが最近になって分ってきて、休憩時間などを利用して昼寝をする人も増加傾向にあるようです。


 あるアンケートによると、在職中の人に、仕事中、昼間に眠くなったことがあるかどうかを尋ねたところ、「頻繁にある」が37.8%、「偶にある」が58.3%で、合わせて96.1%が「眠くなることがある」と回答したと言います。このうち、仕事中に気がついたら眠っていた経験が「ある」のは45.2%、20代では55.2%にも上っているそうで、また、仕事中に眠くなった経験が「頻繁にある」とした人では59.8%と「偶にある(35.8%)」を大きく上回わったそうです。そして、勤務中に昼休みなどを利用して昼寝をしているかとの問いには「頻繁にしている(13.8%)」「眠たい時だけしている(47.0%)」を合わせた60.8%が「昼寝をしている」とし、一方「したことがない」人は39.2%だったそうです。また、昼寝をしている人は、男性(69.8%)に多く、女性と20.6ポイントの差があったそうで、年代別では20代(69.1%)が特に多く、30代〜40代に10ポイント以上の差をつけているのが特徴的です。なお、どんな場所で昼寝をしたことがあるのかを尋ねたところ、「自分のデスク(75.0%)」が圧倒的に多く、以下、「会議室などの空き部屋(16.9%)」「仮眠室などの休憩用の部屋(15.1%)」の順となったそうです。またさらに、昼寝の効果を感じているか(頭がスッキリする、仕事がはかどるなど)についても尋ねたところ、「すごく効果がある(35.5%)」「少し効果がある(59.3%)」を合わせた「効果を実感」している人は実に94.8%に上ったそうで、このように昼寝は経験者の多くが効果を感じられるリフレッシュ手段であることが分かります。
 逆にその一方で、昼休みなどに昼寝を「したことがない」とした人に、出来るなら昼寝をしたいかを尋ねたところ、「したい」「どちらかというとしたい」の合計55.9%が「昼寝をしたい」と答えたそうで、その理由としては、「少し眠ったほうがすっきりしそう」といったリフレッシュ効果に加え、「眠い時は眠った方が効率が上がりそう」と仕事への好影響を挙げた人が大勢を占めており、そのプラス効果に関心を寄せている人が殆どだったと言います。

 このように、調査結果に見る限り昼寝のリフレッシュ効果を評価している人は少なくないわけですが、肝心の昼休み時間などの昼寝自体の賛否は一体どうなのかと言うと、「賛成」「どちらかというと賛成」を合わせた賛成派が85.9%と大多数で、「どちらかというと反対」「反対」とする反対派は14.1%だったそうです。そして、その賛成の理由は、「仕事の効率UP」「身体のリフレッシュに必要」など、やはりその効果を評価したものが多数であり、対する反対の理由は、「仕事場の風紀・規律が乱れる」など職場環境への悪影響を心配する声が大半だったと言います。とにかく昼寝に仕事効率アップの効果がありそうなことは調査結果からも読み取ることが出来ますが、実際に昼寝を試す場合は、やはり周囲への配慮も怠らないようにする必要がありそうです。


昼寝の効果


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