| 【1】風邪とは違うインフルエンザ〜その特徴と予防〜 |
インフルエンザとは一体どのよう病気なのでしょうか? 風邪とはどこが違うのでしょうか? また、その治療法や予防法にはどのようなものがあるのでしょうか?
本節では、現在流行している新型インフルエンザについて触れる前に、まずは一般知識として通常のインフルエンザについて取り上げ解説しました。(※なお、インフルエンザについては以前にも特集しましたので、一般のインフルエンザについてはそちらもご参照下さい。⇒05年12月特集「インフルエンザ」)
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| 症状は風邪と似ていても、甘く見ていると死に至ることもある恐ろしい病気 |
インフルエンザとは、インフルエンザ・ウイルスの感染によって起こる病気で、主な症状として、高熱(38〜40度)や頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状と、喉の痛みや咳・痰などの呼吸器の急性炎症症状などが見られます。また、インフルエンザは通常の風邪と比べて症状が重く、全身症状も顕著に現われるため、高齢者がインフルエンザに罹ると、肺炎を併発したり、或は持病を悪化させたりして重篤になり、最悪の場合は死に至ることもあります。なお、潜伏期間が短く感染力が強いことも特徴で、流行期の12月下旬〜3月上旬にかけては毎年多くの方がインフルエンザに罹っています。
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| インフルエンザと通常の風邪の違い |
インフルエンザも通常の風邪と同じだと思っている人もいるかも知れません。しかし、それは飛んでもない勘違いです。インフルエンザは通常の風邪よりも症状が重く、死に至ることもあるのです。また、短期間で大流行を引き起こすのもインフルエンザの特徴です。
| ■インフルエンザと風邪の違い |
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通常の風邪 |
インフルエンザ |
| 原因 |
- ラノウイルスなどのウイルス
- クラミジア
- マイコプラズマ
- 細菌
- 寒冷刺激
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| 感染力 |
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- 感染力が強く、ウイルスが気管の粘膜で急激に増加する
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| 主な症状 |
- 喉の痛み
- 鼻がムズムズする
- 水のような鼻水
- 咳やくしゃみ
- 腰痛
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- 38度以上の発熱
- 頭痛・関節痛・筋肉痛などの全身症状
- 鼻水
- 喉や胸の痛み
- 下痢や腹痛
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| 流行 |
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| 死亡率 |
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| その他の特徴 |
- 発熱もあるがインフルエンザほど高くなく、重症化することは滅多にない
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- 肺炎などを併発し、重症化することが多い
- 小児から高齢者まで短期間で感染が広がる
- 65歳以上の高齢者での死亡率が高まる
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| インフルエンザの種類と特徴 |
インフルエンザ・ウイルスは大きく分けてA型・B型・C型の3種類があります。このうちヒトの世界で流行を起こし問題となるのはA型とB型です。また、A型ウイルスは表面構造の違いによりさらに何種類かに分類されます。なお、現在は一般にA/H1N1(ソ連)型ウイルスとA/H3N2(香港)型ウイルス、及びB型ウイルスの3種類が流行しています。
| ■インフルエンザの種類と特徴 |
| 種類 |
性質 |
流行の状況など |
| A型 |
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- 毎年流行する他、爆発的な大流行がある。また、細菌性の肺炎を高率に併発するため高齢者は死亡するケースも
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| B型 |
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- 散発的に小流行を繰り返す(※最近は2年に1度程度の流行)
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| C型 |
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- 症状は通常の風邪に似ているが、通常は余り大きな流行は起こさない
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| インフルエンザの症状の経過 |
 インフルエンザ・ウイルスに感染後1〜3日間の潜伏期間を経て、突然38〜40度の高熱が出て発病します。それと同時に、悪寒や頭痛、また背中や四肢の筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状が現われます。そして、これに続いて鼻水や喉や胸の痛みなどの症状も現われます。発熱は通常3〜7日間続きます。
なお、健康な成人であれば、インフルエンザに罹っても大体1週間ほどで治癒に向かいますが、インフルエンザ・ウイルスは熱が下がっても体内に残っているため、他人に移す恐れがあります。流行を最小限に抑えるためにも、1週間は安静にしておくことが肝要です。
| ◆ワンポイント1: |
高齢者は特に注意してほしい肺炎 |
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インフルエンザの合併症としては、高齢者や呼吸器系や心臓に持病を抱えている人が併発しやすい肺炎やアスピリンとの関連が指摘されているライ症候群などがあります。また、インフルエンザと関連があると考えられていて乳幼児がごく稀に併発する脳炎や脳症も挙げられます。これらの合併症はインフルエンザによる死亡の大きな原因にもなっています。
なお、乳幼児がインフルエンザに罹った場合、脳炎や脳症を併発すると、水分を摂った後直ぐに吐いてしまって元気がない、意識がはっきりせずウトウトしている、痙攣を起こすなどの症状が見られます。この場合はすぐに医療機関を受診して下さい。また、一部の解熱剤では脳炎などを引き起こしやすいと言われているので、熱が高いからといって自己判断で市販の解熱剤を服用させるのも控えましょう。
これらの合併症を併発しないための対応策としては、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けることで、そうすれば、インフルエンザに罹ったとしても症状が軽くてすみます。 |
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| インフルエンザの検査と診断 |
インフルエンザが流行する冬季にはインフルエンザ以外の感染症も流行します。そのため、正確な診断を下すためにインフルエンザ・ウイルスに感染しているかどうかの検査を行ないます。
最も確実な診断方法は、患者の咽頭を拭った液か うがい液を採取し、ウイルス分離を行なうことです。もうひとつは、血液検査でインフルエンザ・ウイルスの抗体価が上昇しているかどうかを確認する方法があります。これらの検査で、インフルエンザ・ウイルスが検出されて確定診断となります。ただし、これらの検査は結果が出るまでに数日がかかるため、現在では直ぐに(10分程度)結果が出る迅速診断キットを使用している医師も多くなっています。
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| インフルエンザの治療法 |
インフルエンザと言えども、充分な体力と免疫力があれば、通常の風邪よりも症状が激しいとしても自然に治ります。しかし、お年寄りや慢性の病気を持っている方は合併症を併発することが多いので、早いうちに医療機関を受診することが必要になります。また、早めに治療することは、自分の身体を守るためだけでなく、周りの人にインフルエンザを移さないという意味でも重要なことです。
インフルエンザの治療は大きく分けて、(1)一般療法、(2)対症療法、(3)化学療法の3つに分類されます。
| (1)一般療法 |
できるだけ安静にして充分な睡眠と栄養を摂り、体力をつけることが必要です。また、インフルエンザ・ウイルスの空気中での活動を抑えるためにも、室内の湿度を60〜70%に保つように心懸けましょう。
また、水分を充分に補って上げることで脱水症状を予防するよう心懸けましょう。
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| (2)対症療法 |
発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛などに解熱鎮痛剤、鼻水やくしゃみに抗ヒスタミン剤、咳や痰に鎮去痰剤が用いられます。しかし、これらの症状は身体からインフルエンザ・ウイルスを追い出し治そうとする身体の自然な反応なので、薬で無理に抑えてしまうと却って治りが遅くなってしまうこともあります。そのため、自己判断で薬を服用せず、医師の指示に従った方がよいでしょう。なお、小児の場合は解熱鎮痛剤を使用すると、稀にライ症候群という合併症を併発することもあるので、必ず医師の指示の下に服用するようにして下さい。
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| (3)化学療法 |
今まで化学療法と言うと合併症の治療が主でしたが、しかし、98年にインフルエンザの治療薬として抗ウイルス薬のアマンタジンが保険の適用となりました。この薬は発病初期(48時間以内)に服用すると治りが早くなります(※ただし、A型ウイルスにだけ効果があり、B型ウイルスには無効です)。また、耐性(=薬が効きにくくなること)が知られているので、症状が軽い場合や発病後時間が経っている場合は使う必要はないでしょう。
なお、インフルエンザ・ウイルスに抗生物質は無効です。合併症の肺炎を引き起こしている方や高齢者で肺炎を引き起こす可能性の高い方に予防的に使用する以外には、インフルエンザの治療では抗生物質は使用しません。
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| 参考:抗ウイルス薬一覧 |
| ■抗ウイルス薬一覧 |
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塩酸アマンタジン
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ノイラミダーゼ阻害剤
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| 特徴 |
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| 短所 |
- 発病後48時間以降の服用では効果がない
- 耐性が起こりやすい
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| インフルエンザの予防法 |
上で述べたように、インフルエンザは冬場に流行します。それは、(1)インフルエンザが空気感染すること、(2)冬場は空気が乾燥すること、また、(3)寒くて乾燥した空気は気道粘膜の抵抗力を弱めることなど、冬季は全ての面でインフルエンザウイルスにとって好条件が整っているからです。そのため、インフルエンザの予防は流行前に予防接種を受けることに尽きますが、その他に日常生活で気をつけることもあるので、それらについて以下で取り上げ解説しました。
| (1)予防接種 |
インフルエンザの予防接種を受けたら絶対にインフルエンザに罹らないというわけではありませんが、成人の場合、インフルエンザの発病阻止率は70%〜90%ぐらい、小児の場合はさらに低くなります。なお、中には「なんだ、そんなものなのか」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、予防接種とは、病気に罹りにくくしたり、罹っても重くならないようにすることが目的なのだと理解しましょう。
| ■予防接種 |
| 接種時期 |
流行期を迎える前の11月頃 |
| 接種回数 |
原則として1〜4週間の間隔をおいて2回接種する方式ですが、下記の方は年1回の予防接種でも充分な免疫力が得られると言われています。ただし、接種回数についての最終的な判断は医師の決定に従うようにしましょう。
- 65歳以上の人
- 昨年予防接種を受けている人
- 近年インフルエンザに罹患した人
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| 費用 |
インフルエンザの予防接種は任意のため、接種費用は自己負担となります。1回の接種費用は3千円〜5千円程度です。 |
| 接種した方がよい人 |
65歳以上の高齢者や養護施設などに入居している慢性の病気を持つ人、気管支喘息をもつ小児などは、重症化を防ぐために予防接種をした方がよいと思われます。また、上記の方と同居している人やお世話している方も予防接種をオススメします。 |
| 接種してはいけない人 |
卵を食べるとひどい蕁麻疹や発疹が出たり、口の中が痺れたり等の卵アレルギーのある人は、予防接種を避けるか、医師と相談してから行なう必要があります。また、出産直後で体力が回復していない女性もも予防接種は控えた方がよいでしょう。 |
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| (2)日常生活 |
| ■(1): |
流行期には人混みを避ける |
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人混みを避けると言っても、冬場外出せずにずっと家の中にいることはできません。そこで、外出時はなるべくマスクをつけるようにしましょう。マスクを着用することによって他人からの感染を防ぎ、また他人に感染させることも防ぐ効果があります。 |
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| ■(2): |
外出後はうがいや手洗い、洗顔をする |
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うがいや手洗いはしている方も結構いるのではないでしょうか。しかし、それだけでは完璧ではありません。実は顔などにもインフルエンザウイルスが付着している場合もあるからです。そこで万全を期すためにも、洗える部位は洗うよう心懸けましょう。 |
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| ■(3): |
室内の湿度を保つ |
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インフルエンザ・ウイルスは乾燥した状態で活発に活動します。そのため、インフルエンザ・ウイルスの活動を抑えるためにも、加湿器などを使って部屋の湿度を保つように心懸けましょう。なおその際、定期的に室内の換気も必ず行ないましょう。 |
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| ■(4): |
体力を保つ |
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体力が低下していると、当然ながらインフルエンザ・ウイルスに感染しやすくなります。バランスの取れた食事と充分な睡眠、そして、余り厚着をし過ぎないように心懸けましょう。 |
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| 【2】新型インフルエンザとは?〜2009年新型インフルエンザについいて〜 |
新型インフルエンザとは一体どのような病気なのでしょうか?
本項では、当初は「豚インフルエンザ」と呼ばれた新型インフルエンザが各国及び日本国内でどのような経緯で発生していったか、以下で詳しく取り上げ解説しました。
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| 新型インフルエンザ(H1N1)とは? |
新型インフルエンザ(H1N1)とは、一体どんな病気なのでしょうか?
今回感染が広がっているインフルエンザはH1N1型と呼ばれる新型インフルエンザのウイルスです。しかし、感染した患者から見つかった情報によると、単なるインフルエンザとは違うようです。
新型インフルエンザは、いわゆるA型インフルエンザによって起こる豚の病気で、従来は「豚インフルエンザ」という名称で呼ばれていました。豚の間では定期的に流行していましたが、人には通常感染せず、これまでの感染例は3年余の間にアメリカなどで12件でした。ちなみに、これまで日本で確認されたことはありませんでした。消費者として気になるのが豚肉や豚肉の加工食品の安全性ですが、政府によればインフルエンザが食品を介して感染することはないということです。万が一、食品にインフルエンザ・ウィルスが付いていても、ウィルスは熱や酸に弱いため、加熱調理や胃酸によって死滅する可能性が高いと見られています。(※既に豚肉業者の間では風評被害を心配する声が上がっており、政府には正確な情報の速やかな公表を、消費者にあっては冷静かつ賢明な行動が求められると言えそうです。)
ところが、その豚のインフルエンザが人間に感染して、現在世界中に広まりつつあるのです。
動物の同じ細胞に2種類以上の異なるインフルエンザ・ウイルスが感染すると、それらのウイルスが遺伝子交換を行なって全く新しいウイルスが誕生することが知られています。今回メキシコから広がった新型インフルエンザは、これまで人類に知られているどのウイルスとも違う全く別のタイプのインフルエンザ・ウィルスである可能性が高いと考えられています。そのため、有効なワクチンがまだ世界に存在せず、弱毒性とは言われますが、どの程度の感染力があるのかハッキリ分かっていないのが実情です。
また、本来のインフルエンザは、抵抗力の弱いお年寄りや子どもが感染者の中心でしたが、しかし今回の新型インフルエンザは、メキシコにおいて20〜40歳の青年層、すなわち一番抵抗力の強い年齢層を中心に感染しています。何れにせよ、新型であるとすれば、それに対抗するためのワクチンの開発には最低でも半年かかることになり、その間は有効な対策が取れないのが難点です。
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| 各国政府の対応とその状況 |
| 日本 |
09年4月26日、麻生太郎首相が検疫体制の強化や在外邦人への情報提供などの体制を指示、厚生労働省や自治体に電話相談窓口が開設され、翌4月27日には、厚生労働省が感染の疑いのある帰国者・入国者を留め置く「停留」のための医療施設を既に成田周辺で約500室を確保しました。また4月28日からは、メキシコ・米国・カナダから成田国際空港や中部国際空港、関西国際空港、そして、福岡空港の国内4空港に到着した国際便について、降機前に乗客に機内で「機内検疫」(※機内検疫では健康質問表へ記入してもらい、サーモグラフィーなどによって体温を計測して問診を行なうとされる)の実施を始めています。さらに4月29日からは「臨船検疫」も開始され、横浜港及び神戸港、関門港の各港についても上記3ヶ国からの乗員乗客への検疫体制が強化されています。検疫官不足(※全国の検疫官は358人=2009年度=で、充分な「水際対策」を行なうには人手不足だったと言われます)解消のため、防衛医科大学校の職員と陸上自衛隊の医官の応援派遣が為されています。また、4月30日より品種改良の目的で輸入された生きた豚の全頭検査も開始されたとのことです。
また国内各地では、保健所での「発熱相談センター」や医療機関での「発熱外来」が順次設けられることになっており、早いものは4月28日から開設されています。同日、政府は「新型インフルエンザ対策本部」を設置して「基本的対処方針」を決定しました。さらに地方自治体の動きとしては、5月17日に兵庫県が緊急事態宣言を発表しています。
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| メキシコ |
ご存知の通り最も感染が広がっているのはメキシコで、感染者は見つかっているだけでも1000人以上、死者も152人に上っています。メキシコでは感染防止のために政府が市民にマスクを配布し、また、幼稚園から大学まで3万校以上の学校が休校となり、美術館や劇場などの公共施設も閉鎖されました。
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| アメリカ |
アメリカではカリフォルニアやテキサスなどメキシコに近い州を中心に、これまで64人の感染が見つかっています。アメリカはメキシコと陸続きにあるので、今後感染が拡大することが心配されています。そのため、アメリカ合衆国(米国)は09年4月26日、ジャネット・ナポリターノ国土安全保障長官が緊急記者会見において「公衆衛生に関する緊急事態」を宣言しています。
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| イスラム圏 |
エジプト政府は09年4月29日、人民議会の勧告を飲む形で、同国内で飼育されている豚の処分に着手しました。ちなみに、イスラム教では豚は不浄の動物とされる一方で飼い主たちはキリスト教系でしたが、あるイスラム原理主義系議員は「宗教上の理由で豚の飼育に反対しているわけではない」と語っているそうです。
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| 感染の状況〜感染確認事例数と最近の状況〜 |
WHOが発表した09年5月29日現在の感染確認事例数は、世界53か国(※)で合計15510人(うち死亡99人)で、その内訳は米国7927人(同11人)、メキシコ4910人(85人)、カナダ1118人(2人)、日本364人(0人)、英国203人、チリ165人、オーストラリア147人、スペイン143人などとなっています。(※なお、この事例数は感染確認分の累計値で、感染確認後に治癒した分が含まれる一方、感染しても感染確認が報告されていなければ数に含まれていません。また、発表では香港は中国に合算してありるのに対して、台湾は国数に数えないが、事例数には合計に合算してあるそうです。)
| ■2月の状況 |
| ●2月下旬: |
- メキシコ東部ベラクルス州ラグロリア村(ラグロリア村にはアメリカ資本の大規模な養豚場がある)で、インフルエンザのような呼吸器障害・高熱の症状を示す村人が相次ぎ、死亡する事例も現われ、翌3月には村の人口の6割である約1800人が発症。
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| ■3月の状況 |
| ●3月30日: |
- カリフォルニア州サンディエゴ郡の少年に咳や発熱・嘔吐などの症状(※これが米国での最初の症例)。
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| ■4月の状況 |
| ●4月2日: |
- メキシコ政府は、東部のベラクルス州ラグロリア村での4歳男児の感染(※3月下旬から発熱、後に回復)を確認。
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| ●4月13日: |
- メキシコ南部のオアハカ州で女性の感染(※後に死亡)を確認。なお、メキシコでは解明できず、カナダの保健当局にウイルスの検査を依頼(※これは当初メキシコでの最初の症例とされる)。
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| ●4月14日: |
- 米国の疾病対策センター(CDC)がサンディエゴの少年について豚インフルエンザの感染例と初めて断定。
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| ●4月22日: |
- メキシコシティでインフルエンザが流行しているとの報道。
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| ●4月23日: |
- 16時頃にカナダの保健当局からメキシコ政府にウイルスの分析結果の報告が届き、ウイルスが新型であると判明。
- 23時にメキシコ政府が新型インフルエンザの流行を緊急発表(※初めての発表)。メキシコシティとメキシコ州の教育施設全校の休校を決定。
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| ●4月24日: |
- メキシコの一部事例とアメリカの事例でH1N1型ウイルスが共通する遺伝子を持っているとするカナダの研究所の調査結果をWHOが公表。
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| ●4月25日: |
- 状況がWHOの国際保健規則(IHR)が定める「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するとの決定を事務局長が発表。
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| ●4月26日: |
- アメリカ合衆国が「公衆衛生に関する緊急事態」を宣言(※ナポリターノ国土安全保障長官の緊急記者会見)。
- カナダで感染例の確認を発表。
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| ●4月27日: |
- スペインが感染確認を発表(※欧州初)。
- 感染が4か国(=メキシコ・米国・カナダ・スペイン)に広がった情勢を踏まえ、WHO の緊急委員会の会合で警戒水準をフェーズ3からフェーズ4以上に引き上げるか協議を開始。
- WHOが世界的流行の警戒水準をフェーズ3からフェーズ4に引き上げ、国境の閉鎖や国際的な渡航に制限を行なわないよう勧告。
- 日本政府は日本時間28日、フェーズ4を受けて「新型インフルエンザの発生」を宣言、内閣総理大臣を本部長とする全閣僚参加の「新型インフルエンザ対策本部」を設置。また、メキシコを対象に不要不急の渡航延期を求める感染症危険情報を出す。
- スコットランドで感染例の報告。
- 大韓民国でメキシコからの帰国者に感染の疑いが報告される。
- ニュージーランドでメキシコでの語学研修から帰国した高校生10人に感染の疑い。
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| ●4月28日: |
- ベルギーでの26日以降の感染疑い(※7人)がこの日までに陰性と判明。
- キューバとアルゼンチンがメキシコとの航空便の一時的停止を発表。
- 日本では、成田国際空港及び[[中部国際空港、関西国際空港でメキシコ・米国・カナダから到着した旅客機の機内検疫を開始。
- また、日本で発信者を国立感染症研究所と詐称し、「ブタインフルエンザに関する知識」などと題するファイルを添付した不審メールが出回わっているとして、国立感染症研究所が注意喚起。
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| ●4月29日: |
- 新たにイスラエル・オーストリア・ドイツとコスタリカで感染が確認される。
- 米国でも1歳11ヶ月の幼児の感染者が初めて死亡(※メキシコ以外で初の死亡症例)。
- WHOが世界的流行の警戒水準をフェーズ4からフェーズ5に引き上げたと事務局長が発表。
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| ●4月30日: |
- ペルーでいったん発表されたアルゼンチン女性の感染確認が別のインフルエンザだったとして取り消される。
- スイスで感染者が確認され、ポルトガル及びオランダで感染疑い。
- WHOが新型の豚インフルエンザを「インフルエンザA」と呼称変更。
- ロサンゼルス空港発で成田空港に到着した旅客機内で検疫所が行なった簡易検査で、日本人女性がA型インフルエンザ陽性と出るが、同日のウイルス検査でH3N2亜型(A香港型)と判明、成田空港で検査の女性は新型インフルではないと発表される。
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| ■5月の状況 |
| ●5月1日: |
- 横浜市内の高校の男子生徒(17歳)、名古屋市内で受診した男性(33歳)、横田基地の米国人男子乳児が相次いで「感染の疑い」となったが、それぞれ従来型のインフルエンザと判明したことが3日までに発表される。
- 香港特別行政区政府が1日夜、感染者確認を発表(※香港初)。感染者は、4月29日にAM098便でメキシコを出発、30日に上海に到着、MU505便で30日に香港に到着した25歳のメキシコ人男性で、そのため、宿泊先だった香港の湾仔地区にあるホテルが封鎖され、宿泊者200人、従業員100人余りが隔離された。
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| ●5月5日: |
- WHO 発表による2009年5月5日6時の感染確認事例数。内訳は、メキシコ590人(うち死亡例25人)、米国286人(うち死亡例1人)など、中南米及び北米・欧州・中東・東アジア・オセアニアの計21か国及び地域で1124人(うち死亡例26人)。
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| ●5月6日: |
- WHO 発表による2009年5月5日16時の感染確認事例数。内訳は、メキシコ822人(うち死亡例29人)、米国403人(うち死亡例1人)など、中南米及び北米・欧州・中東・東アジア・オセアニアの計21か国及び地域で1490人(うち死亡例30人)。
- テキサス州の慢性病を抱える女性が新型インフルエンザで死亡(※米国内居住者初の死者)。
- 産経新聞が「東京都は感染が疑われる症例を国に届け出ていない」と報道。東京都は同日、都の独自検査で把握した9例を公表した上で、国の「疑い例」よりも都の検査が幅広く行なわれていることを理由に国に届け出る基準に該当しなかったと説明。これに対して厚生労働省インフルエンザ対策推進本部は、「感染症法の趣旨から判断して、国が定める疑い例に該当する場合には直ちに報告してほしい」と述べる。
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| ●5月7日: |
- 舛添厚生労働大臣が7日の衆議院予算委員会で、新型インフルエンザ対策に関し、「毒性の高い鳥インフルエンザを想定したもので、経済活動や学校に問題があれば緩和する」と発表する。続く8日の会見では、「フェーズ(警戒水準)が6に上がったら緊急対策本部を開き、学校の臨時休業
措置など行動計画の弾力的運用を検討したい」とした。
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| ●5月8日: |
- 日本人の感染が初めて判明(※シカゴ在住の6歳男児)したことが外務大臣会見で発表される。
- 北九州市教育委員会は、新型インフルエンザがまん延している国や地域から帰国した児童・生徒に対して、潜伏期間を考慮して症状の有無に関わらず帰国翌日から10日間出席を停止させると発表。
- 英国とスペインなどの反対があって、WHOがフェーズ6への引き上げの見送りを決定。
- 香港特別行政区政府が8日夜、1週間ぶりに感染者滞在先ホテルの封鎖を解き、宿泊客と従業員約280人の隔離を解除。
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| ●5月9日: |
- 日本の厚生労働省が9日午前、3人について感染確認を発表(※日本初)。同省や大阪府教委などによると、大阪府立高校の16歳の男子生徒2人と40歳代の男性教諭1人がカナダでの約2週間の国際交流事業に参加後、米国発の航空機で8日夕に成田国際空港に到着したとのこと。一行は府立高校3校の生徒計30人と教諭計6人で、カナダでホームステイし、現地の高校の授業に参加した他、国会議事堂見学や大リーグ観戦などをした後、米国デトロイト経由で成田に帰国したもので、彼ら感染者の交流事業参加者はカナダよりデトロイト国際空港を経由後、ノースウエスト航空NW25便とコンチネンタル航空CO6348便の共同運航便に搭乗した。そして成田到着後、計49人(※交流事業に同行した生徒28人と引率教諭5人、機内で症状を訴えた2人の近隣座席にいた乗客14人、乗員2人)について検疫法に基づき「濃厚接触者」として、成田空港近くの宿泊施設に5月17日までの10日間留め置く「停留措置」が取られ、また、感染が確認された3人に対しては千葉県成田市の感染症指定医療機関へ隔離入院した。ちなみに、訪問先のオークビル市があるオンタリオ州で8日までに確認された感染者数は同国最多とのこと。
- カナダ西部アルバータ州保健当局は現地時間8日、先月28日に死亡した30代の女性が新型インフルエンザに感染していたと発表(※カナダで初の死亡例)。
・WHOの対策部長代理は封じ込めは特定の小集落で発生した場合のシナリオで、各国に広がった後に水際作戦をしても潜伏期の感染者を見逃す恐れがある上、長期に渡って体制を維持するのは難しいとの見解を示す。
- WHO発表による2009年5月9日の感染確認事例数。内訳は、メキシコ1364人(うち死亡例45人)、米国1639人(うち死亡例2人)、中南米・北米・欧州・中東・東アジア・オセアニアの計29か国及び地域で3440人(うち死亡例3カ国48人)。なお、日本は感染確認3人で、注目のスペイン88人、英国は34人。
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| ●5月10日: |
- 厚生労働省は10日朝、8日夕方の成田国際空港到着機に乗っていた別の1人(※男子高校生)について感染が確認されたとを発表。これは既に判明した3人と共にカナダに滞在後、検疫で停留された1人で、千葉県衛生研究所による遺伝子検査で新型の陽性反応、国立感染症研究所による確認検査の結果、感染が確定した。
- コスタリカの保健相は現地時間9日、新型インフルエンザで53歳の男性が死亡したと発表。
- ワシントン州保健当局は現地時間9日、先週死亡した30代の男性が新型インフルエンザの合併症による米国で、3人目の死者となったことを発表。
- WHO発表による2009年5月10日7時30分現在発表の感染確認事例数。内訳は、メキシコ1626人(うち死亡例45人)、米国2254人(うち死亡例2人)、カナダ280人(うち死亡例1人)、中南米・北米・欧州・中東・東アジア・オセアニアの計29か国及び地域で4379人(うち死亡例3カ国49人)。なお、日本は感染確認4人で、注目のスペインは93人、英国39人。
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| ●5月11日: |
- 米国から成田国際空港経由で台湾の台北に帰国した母子について、いったんは台湾当局が「新型インフルエンザへの感染の疑いが濃厚」と発表するが、約1時間半後に「季節性のインフルエンザと判明した」として取り消し。
- 中国・新華社通信は、香港特別行政区を除く中華人民共和国国内で初めて新型インフルエンザの感染疑い例があったと発表。感染が疑われているのは、米国に留学していた30歳中国人男性で、男性はミズーリ州セントルイスからミネアポリス国際空港を経由してノースウエスト航空NW19便に搭乗、さらに成田国際空港を経由後、ノースウエスト航空NW29便で8日に北京首都国際空港、翌9日に四川航空8882便で四川省の成都国際空港へ到着した。この男性は11日に感染が確認された。なお、ノースウエスト航空NW19便で男性の周囲に乗り合わせていた乗客や乗員の感染が疑われており、厚生労働省は一部の濃厚接触者がそのまま日本国内に入国していると発表した。
- キューバが、同国の大学で学ぶメキシコ人男性の感染確認事例を発表(※同国初)。
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| ●5月12日: |
- フィンランドが2人の感染が確認されたと発表。
- タイ王国のアピシット・ウェーチャチーワ首相が同国初の感染確認を発表(※東南アジア初)。保健省によると、当事者は5月初旬にメキシコから帰国したタイ人2人。
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| ●5月16日: |
- 日本国内でこの日、感染が確認されたのは8人(※何れも兵庫県神戸市内)、また、国立感染症研究所外での遺伝子検査で陽性反応が出たのは8人(※大阪府内)。神戸市内の高校生3人が相次いで体調不良を訴え、市内で遺伝子検査を行なったところ、そのうちの1人から新型インフルエンザの陽性反応が出、その後、国立感染症研究所での遺伝子検査でも陽性反応が出たため、感染が確定された(※水際対策ではなく、国内から感染者が出たのはこれが初めての例)。なお、その高校生の通学する学校周辺の教育機関でも相次いで体調不良を訴える学生が発生し、市内での集団感染発生も疑われている他、大阪府内の学生1人が大阪府の遺伝子検査を受けたところ新型インフルエンザ陽性反応が出ており、今後最終的な感染確認を行なうことにしている。そして同日夜、当初から感染疑いが出ていた高校生2人の新型感染を確認、また、その1時間後には別の高校に通う兵庫の高校5人の新型感染を確認された。さらに同日夜12時前、大阪府茨木市内の高校の高校生に対して遺伝子検査で9人の陽性反応が出た。かくして大阪・兵庫では既に感染者100人以上の疑いがあるという。ちなみに、感染が確認された高校生には海外への渡航歴がないことが分かっており、政府などは「国内での二次感染が発生している恐れがある」とした。また国内の警戒レベルも、これによって「第一段階(海外発生期)」から「第二段階(国内発生早期)」に引き上げられることになった。
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| ●5月17日: |
- 朝から夜にかけて大阪府及び兵庫県で次々と感染者が確認される。大阪市は17日朝、大阪府茨木市の高校に通う同市在住の別の男子生徒1人が市の検査で新型陽性を示したと発表、続いて午前中に大阪府茨木市の高校生9人の感染を確認。また、厚生労働省が兵庫県の男子高校生4人、女子高校生1人、男性教諭1人、男子大学生1人の計7人の感染を確認した。さらに午後7時過ぎに新たに神戸市内の高校生と保護者の計12人の感染を確認し、この時点で日本国内感染者は計40人となる。なお、WHOの幹部は日本国内での感染に対して「注視」していると話した(※渡航歴なしの高校生に対して感染が流行している点)。また、フェーズの引き上げ基準は北米以外での2次感染が正式に確認された場合としており、日本次第によってはフェーズの引き上げも検討していると話す。
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| ●5月18日: |
- 18日未明(17日深夜)までに日本国内感染者は計96人となる。
- 銀行員やコンビニエンスストア店員まで感染が確認されるようになり、18日午後1時現在、新型インフル日本国内感染者は累計130人になる。
- 厚労省は同日未明、大阪府や兵庫県に全中学及び高等学校の臨時休校を要請。これを受けて、大阪府内の全ての公立中学及び高等学校などで臨時休校措置を取ることになる。大阪府は同日、政令市を除く市町村教育委員会や私立を含む中学及び高校に臨時休校の措置(7日間)を取るように通知、政令市の堺市は中学及び高校の休校を、大阪市は中学及び高校、そして市立の全小学校や幼稚園、特別支援学校、市立大の休校及び休園を決定。
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| ●5月20日: |
- 滋賀県が感染確認を発表(※同県初、大津市の23歳の男性)。また、兵庫県と大阪府でも感染確認事例が増え、日本の感染確認事例は累計238人(※検疫判明分を含む)となる。
- 東京都が、18日まで米国に滞在した神奈川県川崎市内の高校に通う16歳の女子生徒の感染確認を発表(※首都圏初)。なお、首都圏での感染は5月20日が初めてではなく4月頃から広まっていたという説もある。なお、4月には東京及び神奈川で季節外れのA型インフルエンザ流行しており、それに伴う学級閉鎖が相次いでいた。
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| ●5月21日: |
- 京都府が感染確認を発表(※10歳の小学生男子)。また新たに兵庫県で9人、大阪府で14人の感染が発表され、国内感染者は累計で291人となる。
- 東京都はアメリカに渡航歴のある目黒区在住の30代の女性の感染が確認されたと発表。
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| ●5月25日: |
- 休校措置をとっていた兵庫県と大阪府の学校がこの日から再開。
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| ●5月26日: |
- 静岡県が、フィリピンから帰国した10歳男児と女児の感染確認を発表。(フィリピンから帰国した10歳男児と女児)。
- 和歌山県が28歳の男性会社員の感染確認を発表。これで日本国内の累計感染者数は364人となる。
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| 参考1:WHOによる新型インフルエンザの警報フェーズ |
パンデミックは人類にとって共通の世界的な脅威です。WHOはパンデミックへの取り組みとして、警戒すべき感染症の感染力や流行の状況に応じて警戒区分を作成し、幾つかのフェイズ(段階の意)に分類しています。その分類に応じて、WHO及び各国政府・自治体・産業は行動計画をそれぞれ作成することによってパンデミックへの対策を行なうことになります。なおこの警戒区分は、対象となる感染症の原因となる病原体の病原性の強さや流行の程度を考慮して総合的にWHOが判断して警戒を呼びかけるものです。
WHOではパンデミック・インフルエンザの各フェイズを、(1)前パンデミック期(フェイズ1〜2)、(2)パンデミック・アラート期(フェイズ3〜5)、(3)パンデミック期(フェイズ6)に大別して公衆衛生学的な対策を行なっています。
| ■WHOによる新型インフルエンザの警報フェーズ一覧表 |
| 区分 |
段階 |
説明 |
| 前パンデミック期 |
フェーズ1: |
動物のインフルエンザ・ウイルスでヒト感染を引き起こすものはまだ報告されていない |
| フェーズ2: |
動物(飼育または野生)のインフルエンザ・ウイルスのヒト感染が知られ、そのため、そのウイルスがパンデミックの潜在的脅威と考えられる |
| パンデミック・アラート期 |
フェーズ3: |
人々の間で散発的又は(幾つかの)小規模集団において疾患が発生するが、コミュニティ・レベルの大発生を支えるほどのヒト-ヒト感染には至っていない段階。限定的なヒト-ヒト感染がある環境(例:感染者と無防備な介護者との密な接触)で起こることはあったとしても、そのウイルスがパンデミック・レベルの伝染能力を得たわけではない |
| フェーズ4: |
コミュニティ・レベルの大発生の要因となるヒト-ヒト伝染が確認される段階。かかる事態が疑われるか確認された国は至急WHOと相談すべきで、状況を共同で評価し、早急なパンデミック封じ込め作戦を実行可能かどうか判断しなければならない。ただしこの段階は、パンデミックのリスクの増大は重要である一方、パンデミックが必ずしも起こるとは限らない段階でもある |
| フェーズ5: |
ヒト-ヒト感染がWHOの同一管区の複数の国で広まる段階。大半の国はまだその影響を受けていない段階ではあっても、フェーズ5の宣言は、パンデミックが差し迫り、鎮静手段の計画を策定・伝達・実行するための時間が短いことを強く示すものであることに充分留意しなければならない |
| パンデミック期 |
フェーズ6: |
フェーズ5以外のWHOの管区の一国以上でコミュニティ・レベルの大発生に至る段階で、フェーズ6の指定は当然ながら地球すなわち全世界規模のパンデミックが起きていることを示すものである |
| 後パンデミック期 |
フェーズ - : |
パンデミックが終息し、発生前の状態へ急速に回復する段階で、「インフルエンザ・パンデミックの推移」(※後述)で示した「流行の消退」と「流行後」の時期当たる |
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| 【3】鳥インフルエンザとパンデミック〜新型インフルエンザの本当の脅威〜 |
今回のいわゆる「豚インフルエンザ」は幸いにして弱毒性だと言われます。それに対して以前より懸念されていた鳥インフルエンザには一体どのような脅威が存在するのでしょうか?
本節では、有名なスペイン風邪にも触れながら、鳥起源の強毒性の新型インフルエンザによるパンデミックの脅威について参考までに以下で取り上げ解説しました。
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| 鳥インフルエンザはどこが脅威なのか? |
1年ほど前になりますが、韓国で鳥インフルエンザの感染が拡大しました。その渦中、我が国内でも相次いで渡り鳥から強毒性のウイルスが検出されたことは余り記憶しておられない人も多いかも知れませんが、しかしながら、アジア地域では強毒性の鳥インフルエンザに対する警戒感が日増しに高まっている状況です。
そこで本節では、鳥インフルエンザとはどんな病気なのか、一体どこが脅威なのかについて、参考までに以下で取り上げ解説しました。
| 韓国で処分された鳥の数は636万羽 |
アジアを中心に猛威を振るう鳥インフルエンザですが、特に最近被害が急拡大していると言われるのがお隣の韓国で、たとえば昨年の4月に大量死した鶏などからH5N1型ウイルスが検出され、その後も全国各地の養鶏場などで次々に同型の感染が確認されたと言います。その被害は、過去2回発生した被害よりも遙かに拡散が速く、処分された鶏や家鴨の数は、過去最高の530万羽を大きく上回わる636万羽にも上ったとのことです。ちなみに、初めて感染が確認された首都ソウルでは、保健当局が非常警戒令を発令する事態に発展し、市民の不安は高まるばかりだったとも言います。
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| 国内でも白鳥の感染が続出 |
その一方で、日本国内でもビックリするようなニュースが相次ぎました。たとえば昨年の5月、北海道別海町で死んでいた大白鳥からH5N1型が検出された上に、さらに佐呂間町のサロマ湖畔で見つかった大白鳥の死骸にも同型感染が確認され、こうして4月に秋田県十和田湖で見つかった白鳥に続き、国内5件目の感染例となりました。これらは、大空を駆け巡る鳥が新型のインフルエンザ・ウイルスの運び屋となる危険性を思い知らされるニュースだと言ってよいでしょう。
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| 鳥インフルエンザとは一体どんな病気なのか? |
鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスが惹き起こす鳥の病気で、中でも深刻なのが高病原性鳥インフルエンザです。鶏などがこれに罹ると、その多くが死んでしまうか(強毒タイプ)、死に至らないまでも、咳が出たり産卵率が下がったりします(弱毒タイプ)。さらに高病原性鳥インフルエンザの中で特に恐れられているのが強毒性ウイルスのH5N1型で、鳥が感染すると、全身出血などの激しい症状が現われ、致死率はほぼ100%だと言われています。国内では04年に山口県や京都府などの養鶏場で、07年には宮崎県でも確認されています。
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| 恐るべきヒト感染 |
鳥インフルエンザは、このように元々は鳥が罹る病気だったわけですが、人間には感染しないのでしょうか?
鳥インフルエンザは、これに罹った鶏と接触して人体に大量のウイルスが入り込んだ場合、ごく稀にヒト感染が起こることがあるとされています。ただし、ここ10年を振り返ってみた場合、ヒトへの感染が拡大傾向にあると言えるようです。たとえば5N1型の場合、97年に香港で初めてヒト感染が確認された後、03年以降、東南アジアを中心に再び流行しています。ちなみに、昨年の3月までの約5年間でH5N1型の発症者数は合計373人に上り、そのうち236人、すなわち6割以上が死に至っているのです。ヒトへの感染は確かにごく稀とは言え、流行の脅威は侮れないものがあります。
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| 新型インフルエンザの大流行で最大1.5億人が死亡!? |
鳥インフルエンザのヒトへの感染拡大もさることながら、現在最も恐れられているのが鳥インフルエンザから新型インフルエンザへの変異です。そこで、このタイプの新型インフルエンザの発生が一体どんな被害をもたらすのか考えてみましょう。
鳥インフルエンザは通常は人間に感染することはありませんが、ところが、ウイルスが変異することによってヒトに感染し、さらにはヒトからヒトへ感染する可能性があるのです。このように変異したインフルエンザ・ウイルスによって惹き起こされるのが新型インフルエンザで、鳥インフルエンザの場合も、H5N1型のウィルス感染が拡大する中、こうした新型インフルエンザへの変異が心配されているのです。
なお、新型インフルエンザはヒトの殆どが免疫を持っていないため、いったん発生すると、それこそ世界的な大流行(=パンデミック)が惹き起こされる危険性があるわけです。ちなみに、世界保健機関(WHO)の予測によると、この手の新型インフルエンザが大流行した場合は、世界中で500万〜1.5億人の死者が発生する危険性もあるとのことです。
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| 国の新型インフルエンザ対策は大丈夫? |
それでは、国は恐怖の新型インフルエンザに対して一体どんな対策をとっているのでしょうか? 主な対策としては、抗インフルエンザウイルス薬や鳥インフルエンザ(H5N1型)に対するワクチンの備蓄で、それには、(1)タミフルなどの抗インフルエンザウイルス薬と、(2)プレパンデミックワクチンの2種類があります。
ちなみに国の推計によれば、新型インフルエンザが大流行した場合、国内では4人に1人(約3,200万人)が感染し、そのうち最大2,500万人が医療機関を受診、同64万人が死亡すると推定しています。現在2,000万人分しかないワクチンは今後3,000万人にまで増やす方向ですが、それでもまだ感染者の数に200万人ほど足りないのが現状です。また、備蓄されているプレパンデミックワクチンは現在流行している鳥インフルエンザに対するワクチンで、新型インフルエンザに対する有効性は確立していません。
国民の生命と健康を脅やかす危機に国はどう対処するのか。ワクチン等の備蓄拡大や、開発中の新しいワクチンの有効性確保など、国のリスク・マネジメント能力が改めて問わていると言ってよいでしょう。
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| “日本人200万人死亡説”も囁かれる鳥起源の新型インフルエンザの正体 |
昨今、鳥起源の強毒性の新型インフルエンザの世界中での大流行が懸念されていますが、いざ感染が拡大すれば、日本だけで3200万人が感染し、最悪の場合は64万人が死亡するとも言われています。感染者の急増によって交通や電力など社会機能すら麻痺するリスクがあると言います。
本節では、新型インフルエンザとは一体どのような病気なのか、鳥インフルエンザとの関連性はどんなものなのかなど、今後流行するであろう強毒性の新型インフルエンザに関して、参考までに以下で詳しく取り上げ解説しました。
| 最悪64万人が死亡!?〜強力な毒性を持つH5N1型〜 |
「新型インフルエンザ」の被害予測は、「ひとたび爆発的に感染すれば、日本国内の人口の4分の1に当たる3,200万人が感染し、最悪の場合64万人が死亡する(※国の新型インフルエンザ対策行動計画による試算)」と言われるほどで、何れにせよこれは首都圏直下型地震の想定を数倍も上回わる深刻さだと言わざるを得ません。感染者の爆発的な拡大(=パンデミック)によって、交通・輸送・電力などの社会機能すら麻痺するリスクもあると言われます。けれども、その実態を理解している人は多分少ないことでしょう。
それでは、これほど猛威を振るう可能性のある新型インフルエンザとは、一体どのような病気なのでしょうか? また、一般のインフルエンザとはどこが・どう違うのでしょうか?
毎年、冬になると流行する従来型のインフルエンザは、インフルエンザ・ウイルスによって惹き起こされる感染症で、上でも説明したように、高熱・頭痛・筋肉痛・全身倦怠などの症状は似ていても、風邪とは全く別物です。また、インフルエンザウイルスにはA型・B型とC型があって、毎年流行するソ連型や香港型などのインフルエンザ・ウイルスは、その殆どがA型に分類されます。そして、実はこのA型インフルエンザ・ウイルスも、元々は鳥インフルエンザ・ウイルスだったもので、突然変異を続け、その結果ヒトにも適合するようになったものなのです。いま懸念されている鳥インフルエンザがヒト同士で感染する新型インフルエンザに変異すること自体は元々過去から繰り返されてきたことで、遅かれ早かれ新型インフルエンザが発生することは避けようがないことなのです。
ちなみに、東南アジアで最近猛威を振るう鳥インフルエンザ・ウイルスは、元来は鴨などの野鳥が保有しているウイルスでした。野鳥はウイルスに感染していても発症することが殆どありませんが、このウイルスが変異して鶏や七面鳥などの家禽類に感染すると発症し、ひどい場合は死に至らしめるのです。問題なのは、現在インドネシアや中国、ベトナムなど広い地域で流行している高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)のヒトへの感染が相次いでいることです。H5N1型は今までの鳥インフルエンザと違って病原性(毒性)が特に強いウイルスで、たとえば家で飼っている鶏などと接触することで、既に世界で350人以上がH5N1型鳥インフルエンザに感染していると言われます。
| ■鳥インフルエンザの公式発表に基づく分布(※03年10月以降) |
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| 鳥インフルエンザの新型は必ず発生する |
人がH5N1型の鳥インフルエンザ・ウイルスに感染すると、摂氏38度以上の高熱や咳、その後急速に進展して呼吸困難や全身の臓器の機能不全などの症状を起こして感染した人の60%が死亡するという高い致死率なのが特徴だと言われます。たとえば97年に香港で18人が感染して、そのうち6人が死亡して以来、03年からはアジア地域で毎年のように人に感染しています。
なお、ヒトからヒトへの感染を繰り返すうちに、H5N1型がくしゃみや咳などでも容易に感染するように変異する懸念があります。そして、もしもヒト同士で簡単に感染するようになれば新型インフルエンザが新たに誕生したことになります。ちなみに、現在は人に感染したH5N1型が増殖しているのは肺なので、容易にはヒトからヒトには感染しないものの、これが喉の粘膜で増殖するようになれば容易に感染するようになるだろうと考えられています。
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| 被害はスペイン風邪どころではない!? |
過去にも新型インフルエンザは周期的に世界的な大流行を繰り返して来ました。その最も著名な例は、後で詳しく触れますが、1918年に発生したスペイン風邪です。「風邪」と名が付いていますが、これも要するに鳥インフルエンザから変異したH1N1型ウイルスという新型インフルエンザでした。スペイン風邪は人間が当時免疫を持たない新型であったため、瞬く間に世界中に広がり、全世界で2000万人から4000万人以上が死亡し、我が国内でも45万人が亡くなっていると言われます。その後も1957年のアジア風邪(H2N2型)では世界中で200万人以上が死亡、さらに1968年の香港風邪(H3N2型)では100万人以上が死亡していると言われます。けれども、スペイン風邪を始め過去に流行した新型インフルエンザは、何れもH1型、H2型、H3型とウイルスの毒性が現在主流の鳥インフルエンザH5N1型よりも弱いウイルスでした。これに対して、毒性の強いH5N1型から変異した新型ウイルスであれば、過去の流行よりもさらに感染被害が大きくなるのではないかと予測する研究家もいます。ちなみに、冒頭で触れた国内の死亡者数64万人という試算はスペイン風邪の時の致死率2%から算出したものですが、それに対して、その毒性の強さから日本での死亡者数を210万人と試算する海外のシンクタンクすらあるくらいです。
もっとも、こうした予測を基にして新型インフルエンザが発生した場合の最悪のシナリオが以前メディアでは報じられたこともありますが、しかし、実際は専門家の間でも悲観論ばかりが罷り通っているわけではありません。たとえばH5N1型鳥インフルエンザの毒性が強く、感染した人の致死率が約60%なのは事実ですが、強い毒性のまま新型に変異するとは考えにくいという説もあります。それはウイルスは、自分の仲間を広げるためにヒトに適応して毒性を弱める性格を持っているからです。また、通常のA型インフルエンザに対する抗体を既に多くの人が持っているため、新型インフルエンザが発生してみないと正確なことは分からないにしても、これまで獲得した抗体や人間本来の免疫力があるので新型インフルエンザに対してもある程度の防御力は期待できるという説もあります。
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| 感染者を発見したら、半径5kmを封鎖 |
新型インフルエンザが実際に発生してみないことには、どんな症状になるのか、どれほど感染が拡大するのか、致死率は何%なのか、正確なところは誰にも分かりません。ただし、国内に新型インフルエンザが侵入する経路についてはある程度の予測がついています。そもそも過去に鳥インフルエンザのヒトへの感染例が1件もない日本国内で、いきなり新型ウイルスが発生するとは考えにくいからです。そのため、日本で新型インフルエンザが蔓延するとしたら、海外で発生した新型ウイルスに感染した旅行者が知らぬ間に日本に入り込むケースで、たとえば鳥インフルエンザのヒトへの感染事例が多いインドネシアやベトナム、中国などのハイリスク地域にいる日本企業の現地駐在員や観光客などがウイルスを持ち込むことは充分に考えられるわけです。
ちなみに世界保健機関(WHO)では、新型インフルエンザを封じ込めるために、新型の感染者が発見されたら、その地域の半径5kmを封鎖する計画を立てています。仮にハイリスク地域で新型インフルエンザが発見された場合、その地域から旅行者が簡単に国内に入れなくするなどの規制を敷くことは可能でしょう。しかし、ウイルスに感染してから発症するまでの潜伏期間は通常1〜2日間、長い場合は10日間近くもあります。このため、新型ウイルスが発見される前に感染者がウイルスを持ち込む危険性は決して低くないのです。とにかく徒に新型インフルエンザを恐れる必要はありませんが、不幸にして日本に感染者が入って来ることを想定した対策は不可欠なわけです。
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| 実は余り役に立たないうがい!?〜最大の防御策は篭城&マスク〜 |
| 患者の隔離や就業制限などの強制的処置が取られる |
皆さんもご存知の通り、たとえば旅客機内に新型インフルエンザ感染を疑われる客がいた場合、機内で発熱などを確認し、機長が空港の検疫所に無線で通報、その後、空港に到着すると防護服で身を固めた検疫官が機内を調べて、発症した恐れのある客は感染症指定医療機関に隔離されることになっていました。そして、同乗者の中で席が近かった者や、同じツアーの客などは最大10日間の潜伏期間の間、病院などの停留施設で感染していないかどうか健康状態を観察する、といった具合です。しかし既にご存知の通り、現実には潜伏期間中の感染者が入国した場合は実はこれは防ぎようがないのです。すなわち、潜伏期間であれば感染者本人も自覚症状がなく、血液や粘膜を調べてもインフルエンザとは分からないし、また、体温も平熱なので、空港に設置されたサーモグラフィーも通過してしまのです。仮にたとえば成田空港での検疫を擦り抜けた感染者が地方の自宅に戻ってから発症したような場合、新型インフルエンザの情報を正しく把握しているのは感染症指定病院など大病院だけで、地方のクリニックなどが新型の感染者を通常のインフルエンザと間違えて処置しているうちに感染がどんどん広まることも充分に考えられるわけです。
ちなみに、政府は既に「新型インフルエンザ対策行動計画」を一昨年の10月に改定強化していますが、この行動計画によれば、国内で新型インフルエンザの感染が広がった場合、国民に外出や集会の自粛を呼びかけ、必要に応じて発生地域の学校や大規模施設の一時的閉鎖を求めることになっています。それは、感染を拡大しないためにはヒトとヒトとの接触を極力減らし感染リスクを下げる必要があるからです。
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| タミフルは2800万人分備蓄。でも、新型には効きにくい可能性も |
それでは、新型インフルエンザの脅威から身を守る術はあるのでしょうか?
まずは治療薬です。通常のインフルエンザにも使われる治療薬であるタミフルを現在国や都道府県は合計2800万人分を備蓄しています。けれども、現状ではH5N1型鳥インフルエンザの人の発症例にタミフル投与は余り効果を上げていないそうで、従って、新型インフルエンザになった段階でもタミフルに効果があるという保証は実は何もないのです。また、タミフルが効かない耐性ウイルスにも効果のある治療薬と言われるリレンザもありますが、こちらの備蓄は今のところ135万人分で、国が行動計画で想定する国内の患者数3200万人には遠く及ぶものではありません。もっとも朗報もあって、H5N1型鳥インフルエンザに対する効果が動物実験で確認された新薬T-705が臨床試験の最中で2009年中には発売されそうです。
もちろん新型発生に備えるという点ではワクチンも忘れてならない存在です。H5N1型鳥インフルエンザ感染者のウイルスから作られたプレパンデミックワクチンを国で1000万人分備蓄しており、さらに異なるウイルス株のワクチンを追加して備蓄する予定になっています。しかし、医療従事者などに優先的に投与する予定であるため、今のところ誰でもが医療機関でこのワクチンを投与してもらえるわけではありません。
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| 実はうがいは殆ど効果なし |
新型インフルエンザに対応したワクチン(パンデミック・ワクチン)が完成するのは、新型が発生してから最短でも6カ月程度かかると言われています。しかし、そのワクチンにしても全国民分が直ぐに用意できるわけではなく、現状では、全員にワクチンが行き届くのにかなりの時間がかかる恐れがあります。現在は新型インフルエンザに感染しないための方法を知ることが最大の防御策ということになります。
一般的にインフルエンザから身を守る身近な対策としてよく言われるのが、(1)うがい、(2)マスクの着用、(3)手洗いです。ところが、従来型も新型も含めてインフルエンザにうがいは殆ど効果がないと言うのです。その証拠に欧米ではインフルエンザ予防にうがいを奨励している国はないのだそうです。飛沫感染で喉の粘膜に付着したインフルエンザウイルスは10分ほどで粘膜細胞の中に侵入するのですが、そのため、外出して戻ってからうがいをしても遅過ぎるのです。
ただし、マスクと手洗いには一定の効果があると言われています。使い捨ての風邪用マスクでも、きちんと顔に密着させて着けていれば、感染者の咳などで飛んで来るウイルスを遮断することができます。また、服や髪の毛、肌などに感染者の咳でウイルスが付いたとしても、極端に恐れる必要はありません。個人が検疫用の防護服を着て出歩くようなことにもならないでしょう。新型も含めインフルエンザのウイルスは、衣服や肌に付いても1時間程度しか生きていられないので、そのため、ウイルスが付着した手を舐めたりしない限りまずはインフルエンザに感染したりしないのです。もっとも、ドアの取っ手などにウイルスが付着していて知らずに掴み、その手を無意識に口元に、といったようなケースはありうるわけで、そこで頻繁な手洗いが新型の予防にも効果ありというわけなのです。
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| 家庭に最低1カ月分の食糧の備蓄を |
新型インフルエンザの感染が拡大すれば、当然ながら社会機能も深刻なダメージを受けることになります。交通機関や流通、製造業など多くの業種が、たとえば社員の新型インフルエンザ感染によって通常業務を維持できなくなるかも知れないわけです。米国では、感染拡大の際には社員の在宅勤務や部門毎の時差出勤などを実施し、社内に人を密集させない対策を取る予定の企業が多いと言われています。それに対して、日本では企業の新型インフルエンザ対策は余り進んでいません。今は電気・ガスなどインフラ事業も含め各企業に新型インフルエンザに備えた対策マニュアルを作るよう国としてお願いしているという段階だそうです。さらに、たとえば宅配大手のヤマト運輸にしても、新型インフルエンザ対策のマニュアルは特に作成していないと言いますし、また、コンビニエンスストアのセブンイレブン・ジャパンにしても、地震など緊急時の行動基準はあるけれど、新型インフルエンザに特化した対策は今のところないのだそうです。このように、国内企業の多くが未知なる脅威に対しての認識は極めて薄いというのが実情だと言わざるを得ないようです。
当然のことながら、こうした状況の中では、新型対応のワクチンが完成するまで新型インフルエンザに如何に感染しないようにするかが重要になってきます。そのためには、まずは人の集まる場所に極力行かないようにすることが肝心だと言ってよいでしょう。そして、さらにその上で、なるべく一定の食糧や水、日用品を家庭に備蓄しておくことが必要です。また、宅配サービスなどを利用することはヒトとの接触をなるべく避けるという意味でも考慮すべきでしょう。感染が全国に広まった場合には、地震と違ってどこからも暫くは救援は来ない恐れがあります。感染の最初のピークは6〜8週間前後で終わると専門家は予測していますが、一般的には最低1カ月分の食糧の備蓄が必要と考えられています。
今回の新型インフルエンザは幸い弱毒性でしたが、是から起こる鳥起源の強毒性の新型インフルエンザに備えて、今回の経験を活かして、今から何を用意すべきかを真剣に考えておくべきでしょう。
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| 参考2:猛威を振るったスペイン風邪 |
1918年5月末、マルセイユで風邪が流行し始め、15日間で西部戦線の両軍兵士の間に蔓延しました。この風邪がインフルエンザであることは明らかですが、非常に症状が重かったことが特色で、全世界で2000万人とも4000万人とも、或は6000万人とも言われる人たちが死亡したと言われています。ちなみに、当時の世界総人口は12億人に過ぎず、その世界人口の約半数が罹患したとも言われています。そして、この風邪は一般にスペイン風邪と呼ばれますが、これは西部戦線にいた兵士がフランス南部から徐々に広がったため、そのように呼んだもので、実際は時期から判断するとインド=マルセイユ航路からもたらされたとみてよいものです。(※なお、別の意見として、中国のクーリーから米国内の米兵に感染し、それがヨーロッパに移動することにより西部戦線に広まったという説もあります。ただし、米兵の多くはマルセイユに上陸しているため判別は困難ですが、(1)マルセイユ以前にインドで発生していること、(2)アメリカの西海岸での流行は遅いこと、(3)アメリカ国内での流行は比較的遅くボストンが起点であることを考えれば、この説は成り立たないと思われます。また、スペイン王室の一員がこの風邪にかかり、それが新聞報道され広まったという説もありますが、これについても新聞報道の以前にこの呼び名が西部戦線の兵員の間で使われていたのであり得ないと考えられます。)
とにかく、インドから前はハッキリしないまでも、大方のところ中国南部に原因を求める説が有力で、原因となるインフルエンザ・ウィルスは初めは家禽に特別変異で発生し、次にブタのウィルスと交配し合い、結果として新種のウィルスとなったもので、このウィルスが人間に感染したと考えられています。そして、ウィルスの遺伝子は発生以来写像を繰り返し形を変えるため、ワクチンの製造が困難であると共に、以前のインフルエンザのワクチンは使えないのが難点でした。なお、両軍ともインフルエンザによる被害は甚大で、戦闘単位として不適切なまで兵員が減少した大隊が続出しました。また、それを理由として、アメリカを除く各国とも被害の情況を秘匿しました。そして、そのアメリカでは、約85万人がインフルエンザで死亡したと言われています。これは、世界人口が以後増大したにも拘わらず破られていない記録です。また、悪性のインフルエンザは以降2回、1957年と1968年に発生しており、その何れにおいても大量の死亡者を伴っています。
なお、このインフルエンザ発生と第1次大戦とは直接関係はありませんが、戦争により栄養状態が悪化していたヨーロッパの諸国民が一層厳しい被害を受けた公算は強いと言ってよいでしょう。ただ不思議なことに、これだけ猛威を振るったインフルンザは翌年11月までにアメリカではほぼ完全に消滅しています。
ちなみに、スペイン風邪のインフルエンザ・ウィルスは残存した遺体などから1997年に遺伝子分析に成功しており、A型H1/N1タイプとされています。A型は宿主がブタで、鳥からのB型と区別されます。天然のウィルスの突然変異(※突然変異するのがウィルス)は避け難い現象ですが、宿主や伝染の形態の研究が、この3回の大流行の後格段に進んでいます。従って、次回の流行時ワクチンが早期に利用できる公算が現在では強いと考えられており、そのため、現在では瞬時のワクチンの量産体制が課題かも知れません。
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| 参考3:パンデミックとは何か? |
| パンデミックとは? |
パンデミック(pandemic または pandemia、汎発流行ないしは世界流行)とは、ある感染症(特に伝染病)が世界的に流行することを表わす用語で、語源はギリシア語のパンデミア(pandemia=pan[=全て]+demos[人々])です。
ヒト(或は他の生物)の感染症は、その原因となる病原体を含むもの(=感染源)と接触し、感染することによって発生します。多くのヒトが集団で生活する社会では、同じ地域や同じ時期に多くの人が同時にその感染源(水源や飲食物など)と接触することで同じ感染症が集団発生することがあります。それまでその地域で発生が見られなかった、或は低い頻度で発生していた感染症がある時急に集団で発生した場合、これを特にアウトブレイクと呼びます。また、ヒトからヒトに移る伝染病の場合、最初に感染した患者が感染源となって別のヒトに伝染するため、しばしば規模が大きく長期に亘る集団発生が起きる場合がありますが、このようなものを特に「流行」と呼びます。流行には、その規模に応じて、(1)エンデミック、(2)エピデミック、(3)パンデミックに分類されますが、このうち最も規模が大きいものがパンデミックです。そして、現在の世界は航空機などの輸送機関の発達によりパンデミックが起こりやすい状況になっているため、検疫を行なうなどして感染症の流入を防ぐ対策が取られています。
これまでヒトの世界でパンデミックを起こした感染症には天然痘やインフルエンザ、AIDSなどのウイルス感染症、ペストや梅毒、コレラ、結核、発疹チフスなどの細菌感染症、また原虫感染症であるマラリアなど様々な病原体によるものが存在しています。現在もAIDSや結核、マラリア、コレラなど複数の感染症において世界的な流行が見られるパンデミックの状態にあり、また、毎年見られる季節性インフルエンザ(Aソ連型、A香港型、B型)の流行もパンデミックの一種と言えます。ただし、これらの感染症の中でも特に新興感染症或は再興感染症が集団発生するケースでは、しばしば流行規模が大きく重篤度(死亡率など)が高くなるものが見られるため、医学的に重要視されています。そして、これらの新興(再興)感染症によるパンデミックはしばしば一般社会からも大きく注目されるため、一般に「パンデミック」と呼んだ場合はこれらのケースを指すことが多いと言ってよいでしょう。このような歴史的なパンデミックの例としては、14世紀にヨーロッパで流行した黒死病(ペスト)、19世紀から20世紀にかけて地域を変えながら7回の大流行を起こしたコレラ、1918年から1919年にかけて全世界で4000〜5000万人もの人がが死亡したスペイン風邪などが挙げられます。また一方、1997年からの高病原性トリインフルエンザや2002年のSARSについては、パンデミックには至らなかったものの、その一歩手前の状態になりました。
今回の新型インフルエンザばかりでなく、近年東南アジア諸国で発生している高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1型によるトリ・インフルエンザにより現在でもパンデミックが起こる恐れがあり、世界保健機関(WHO)が途上国を中心に対策を立てている状況です。日本では厚生労働省を中心に地方自治体が対策を取っていますが、患者が急増した際の医療機関の混乱や交通機関の麻痺、食料の供給不足などを懸念する専門家の指摘もあるのが実情です。
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エンデミック(地域流行): |
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地域的に狭い範囲に限定され、患者数も比較的少なく、拡大のスピードも比較的遅い状態。この段階ではいわゆる「流行」とはまだ見なされないこともあります。ちなみに、いわゆる風土病もエンデミックの一種に当たります。 |
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エピデミック(流行): |
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感染範囲や患者数の規模が拡大(アウトブレイク)したもので、比較的広い(国内及び数カ国を含む)一定の範囲で多くの患者が発生する段階。 |
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パンデミック(汎発流行): |
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さらに流行の規模が大きくなり、複数の国や地域に亘って(=世界的・汎発的に)さらに多くの患者が発生する段階です。 |
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| ◆ワンポイント2: |
アウトブレイク: |
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疫学においてアウトブレイク (outbreak) は、ある限定された領域の中で感染症に罹った人間又はその他の生物の小集団を指す分類語。そのような集団は村などの区域内に隔離されることが多い。また、アウトブレイクは、国家もしくは幾つかの国家を含んだ地域内で流行している伝染病、或は世界的な病気の流行を示すパンデミックのこと指すこともあります。 |
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| パンデミックの推移 |
H5N1亜型などの致死性が高くパンデミックを起こすとされているインフルエンザを例に、パンデミックの発生から消退までの予想される経過を以下に示しました。
| ■インフルエンザ・パンデミックの推移 |
| 経過 |
説明 |
| 亜型ウイルスの確認 |
- 亜型ウイルスの存在が確認されている(例:動物のインフルエンザウイルス)
- ヒト感染のリスクは低い、またはヒト感染は報告されていない
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| ヒトへの感染の確認 |
- 亜型ウイルスの存在が確認されている(例:動物のインフルエンザウイルス)
- ヒトへの感染が報告されている
- パンデミックの潜在的脅威
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| 限局したヒト−ヒト感染の確認 |
- ヒトからヒトへの感染はきわめて限定されている(※家族や身近な接触者等)
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| 小規模の流行 |
- ヒトからヒトへの小規模感染(※単独国家内での感染)を認めるだけの証拠が存在する
- パンデミックとなる可能性は中〜高程度
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| 大規模の流行 |
- ヒトからヒトへの相当数の感染(※単一のWHO管区内における複数の国家での感染)を認めるだけの証拠が存在する
- パンデミックへと発展する可能性が高く、早急に大流行への計画的な対策を講じる必要性がある
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| 世界的な大規模流行 |
- グローバル・パンデミック(=世界流行)の状態
- 上記の状態に加え、当初集団発生したWHO管区とは異なる管区で集団発生が確認される
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| 流行の消退 |
- 流行のピークは過ぎたものの、流行再燃の懸念が残る状態
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| 流行後 |
- パンデミックを起こしたウイルスが通常のインフルエンザ・ウイルスと同等の状況となった状態(※ただし、パンデミックに対する警戒と備えは維持する必要はある)
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