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今月のワンポイントアドバイス


 虫歯以上に日本人が歯を失う原因であると言われる歯周病。日本人の8割が罹って言われるほどで、まさに国民病と言ってもよい感のある歯周病ですが、歯周病とは実際にどのような病気で、どのような症状が出るのかを知っている人は意外と少ないのが実情です。、さらに、歯周病は自覚症状が出にくい病気なので、実は既に歯周病に罹っているにも拘わらずそれに気づいてていないという人もかなりいると予想されます。そしてその結果、症状が悪化して初めて歯医者に行った時は既にもう手遅れで、結局歯を失ってしまうといプラークコントロールう人がかなりいるのが現実です。

 そこで今月は、手遅れにならないためにも、どのような症状が出れば歯周病の疑いがあるのか、予防するためにはどうすればよいのか、また、歯周病にはどのような治療法や手術法があるのか、などといったことを中心に、正しい歯磨きの仕方や、歯医者の選び方、歯周病と他の病気との関係などについて詳しく解説しました。


気をつけよう!冬場の食中毒
【1】虫歯と歯周病〜歯周病のどこが・そんなに怖いのか?〜 
【2】歯周病の予防対策〜あなたの歯はあなたが守ろう!〜
【3】歯周病の様々な治療法〜予防治療法から手術まで〜
【4】上手な歯医者さんのかかり方〜歯医者さんとどう付き合うか?〜


【1】虫歯と歯周病〜歯周病のどこが・そんなに怖いのか?〜

 本項では、日本人の8割が罹患しているとも言われる歯周病について、その原因や特徴などを詳しく取り上げ、何故歯周病がそんなに怖いのかを解説しました。また、併せて虫歯についても参考までに冒頭で取り上げました。
どうして虫歯になっちゃうの? 

 皆さんの中にもかつて虫歯になったことのある人は多いと思います。今現在まさに虫歯で苦しんでいる人もいるかも知れません。
 歯周病について取り上げる前に、本節では、まずは虫歯について以下でなるべく詳しく取り上げ解説しました。
痛い虫歯
歯の仕組み


■歯の仕組み
エナメル質:
 身体の中で最も硬い組織で、水晶よりもやや硬い。
象牙質:
 歯の中心部にあり、骨とほぼ同じ硬さ。
歯髄:
 象牙質の内側にある部分で、いわゆる神経と呼ばれる部分。多数の血管や神経を含んでいる。
セメント質:
 歯根の象牙質の一部を被っている薄くて硬い組織。歯を顎骨に固定するのに役立っている。
歯槽骨:
 顎骨の中で歯が植わっている部分。歯のないところには存在しない。そのため、歯が抜けた後に顎の骨が痩せてくる原因となる。
歯根膜:
 歯根の表面にあるセメント質と歯槽骨を結ぶ結合組織。歯が納まっている穴(=歯槽)の中で歯を囲むようにして支えている。また、歯応えなどの感覚を認識し、脳に信号として送る働きも持っている。
 虫歯になると、まず1番外側のエナメル質に穴が開き、次に象牙質、歯髄と順々に侵されてしまいます。ズキズキする痛みとともに、最終的には歯肉から上の部分が殆ど無くなり、2次的に腐敗菌の感染を惹き起こして悪臭がすることもあります。
歯の構造

虫歯と歯周病の大きな原因〜ネバネバ細菌の正体はプラーク〜


◆ポイント:  プラークの性質をちゃんと理解できれば、
 そうすれば正しい歯のケアのポイントが掴める

 歯磨き粉や歯ブラシの宣伝でも「プラークコントロール」と盛んに謳っていることからも分かるように、虫歯も歯周病も、このプラークすなわち歯垢が直接の原因になっています。しかし、プラークとは何か正確にその正体を知っている人は少ないかも知れません。その正体が見えると、どうすればよいのかも見えてくるというものです。


プラークとは?
 歯の表面についた白っぽいネバネバのことで、専門的には歯牙細菌苔とも言い、生きた細菌の大集団が苔のようにへばりついているものです。従って、よく誤解されるように、それは決して単なる食べ滓ではありません。
 なお、このプラークを取り除くのが歯磨きの最大の目的なのですが、一般に歯磨きと言うと「食べ滓を取るもの」と思っているのが一般で、その結果、食べ滓だけ取っても、ネバネバと引っついているプラークが取り切れていないことも多く、そのため、「折角毎日歯を磨いているのに虫歯や歯周病になってしまった」ということになるわけです。

歯石とは?
 プラークに唾液中のカルシウムやリン酸が沈着して石灰化したもので、石という字の通り硬くなり、歯ブラシだけでは取り切れなくなったものです。さらに、表面がザラザラしているので、その上にもまたプラークが付きやすくなり、炎症がひどくなる結果を生みます。

プラークは何故磨きにくい箇所に溜まるのか?
 細菌は酸性(pH5.5以下)が大好きなので、唾液が循環しやすい場所に最近がいると、最近が作る酸が拡散してくれます。ところが、いわゆる磨きにくい場所――たとえば奥歯の溝や周り、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、治療で詰めた物や被せた物の周り、差し歯や義歯の継ぎ目などといった場所は、要するに唾液の循環しにくい場所なので、強いネバネバの力で安心して集まってくっついていられるわけです。そして、細菌が密集することで作り出す酸の濃度は高くなり、歯が溶け虫歯になるのです。


■プラーク(歯垢)の特徴
■ 1: くっつく力が強く溜まりやすい
■ 2: 白血球の食菌・殺菌作用を低下させる
■ 3: 組織を破壊する酵素を持っている
■ 4: 毒素で骨を溶かす破骨細胞を活性化させ、それによって歯や歯槽骨が溶ける

虫歯はこうして忍び寄る〜虫歯発生の4因子〜

 虫歯は紀元前からあった病気で、たとえば医学の父ヒポクラテスは、歯の中に悪液が溜まると虫歯ができると主張していたと言われています。このように長い間に渡って人間を悩ませ続けてきた虫歯ですが、医学の進歩とともに、現在では虫歯はミュータンス菌などによる感染症の一種であることや、他にも幾つかの要因が重なって発生することが分かってきています。さらに新たに注目されているのは、「脱灰」と「再石灰化」のバランス関係で、「再石灰化(=歯にミネラルを補給して結晶化させる状態)」よりも「脱灰(=酸などによって歯からミネラルが溶かし出されてしまう状態)」の方に傾いた場合に虫歯は発生しやすいと考えられています。

 さて、一般に「甘いものを食べるから虫歯になる」と多くの人が信じていますが、実は虫歯の発生にもちゃんとメカニズムがあるのです。すなわち、下の4つの重要因子が揃った時に虫歯が発生すると言われているのです。


■虫歯発生の4因子
■ 1: 細菌(歯垢):
 口の中に砂糖が長時間滞在していると、ミュータンス菌などの細菌がこれを食べてネバネバした不溶性グルカンを形成しますが、このグルカンは歯にこびりつくと同時に様々な細菌を抱き込んで歯垢(プラーク)をつくります。そして、歯垢の中で糖分やデンプンが分解されると酸が発生し、歯の表面を溶かし始めます。
■ 2: 食べ物(糖類、特に砂糖):
 ミュータンス菌などの細菌は糖分を食べて乳酸を排泄します。その結果、プラーク(歯垢)内に溜まった乳酸は歯のミネラル(カルシウムなど)を溶かしてしまいます。
■ 3: 歯質:
 1人ひとり顔が違うように、歯の性質も千差万別です。人によって歯の質が弱いとか歯並びが悪いなど虫歯に罹るリスクが高い場合もあります。
■ 4: 時間:
 歯に歯垢が付いている時間が長いほど虫歯になりやすくなります。食べたり飲んだりする度に歯の表面は酸性に傾いてしまうので、いつも何か口に入れている人はかなり危険だと言ってよいでしょう。そのため、食事や間食は規則正しく摂ることが大切です。

あなたは虫歯になりやすい?

 虫歯になりやすい人・なりにくい人がいるのは事実で、以下の点に多く該当する人は虫歯になりやすいと言われています。


■虫歯になりやすい人の特徴
ミュータンス菌の数が多い
 強固な歯垢を作る虫歯の主な原因菌。これが多い人は虫歯になりやすいと考えられています。親(特に母親)から子に感染(伝播)すると言われています。
ラクトバチス菌の数が多い
 砂糖を与えると強い酸を作る菌。これが多い人は虫歯になりやすいと考えられています。
飲食の回数が多い
 食べたり飲んだりする回数の多い人は歯垢(プラーク)が酸性に傾きやすく、そのため虫歯になりやすいと考えられています。
歯垢の蓄積量が多い
 歯の表面にたまった歯垢(プラーク)が多いほど虫歯になりやすいと考えられています。
唾液の緩衝能が弱い
 唾液の緩衝能が弱い人は、砂糖類を食べて酸性になった歯垢を中性に戻す働きが弱く、そのため虫歯になりやすいと考えられています。
唾液の量が少ない
 唾液の量が少ない人は歯から菌を洗い流しにくく、そのため虫歯になりやすいと考えられています。
フッ素洗口、フッ素入り歯磨き剤を使用していない
 フッ素を活用しない人は虫歯になりやすいと考えらています。
虫歯の経験がある
 過去に虫歯になった人は今後も虫歯になりやすい。

参考:唾液〜虫歯を防ぐ魔法の液体〜

 実はどんな人でも毎食後に歯が少しだけ溶けてしまっています。そんな歯を修復してくれる便利な味方があります。それは唾液です。唾液の成分が歯の溶けてしまった表面を修復「再石灰化」してくれるのです。さらに唾液には、歯を溶かす元になる虫歯が出す酸も中和する働きもあります。少し汚い感じがするかも知れませんが、食後に唾液を口の中で少し溜め、口の中に行き渡るようにしてあげると、虫歯予防や口臭予防に大きな効果が期待できるでしょう。
歯周病とはどんな病気なのか?〜歯周病は国民病!〜

 歯周病とは一体どのような病気なのでしょうか? 
 本節では、歯周病とは何か、どんな病気なのか、以下でなるべく詳しく取り上げ解説しました。
歯周病とは何か?


 歯周病とは、歯周組織が歯垢(プラーク)に含まれている歯周病菌(細菌)に感染し、歯肉(=歯茎)が腫れたり出血したり、最終的には歯が抜けてしまうといった、日本人が歯を失う最も大きな原因となっている歯の周りの病気の総称です。歯周病の初期では自覚症状が殆ど無いので気づいていない人が多いだけで、実際には日本人の成人の何と約80%が歯周病(歯肉炎ないしは歯周炎)に罹っていると言われています。
歯周病罹患率
歯槽膿漏とどこが違うのか?

 歯周病と同じ意味で「歯槽膿漏(しそうのうろう)」という言葉もあります。歯槽膿漏とは、字の如く“歯周組織から膿が出る”症状のことなので、厳密に言えば歯槽膿漏は歯周病の一症状のことなのですが、最近では「歯槽膿漏=歯周病」として歯槽膿漏という言葉は余り使われなくなって、歯槽膿漏を含めて歯周病という言葉を使うことが多くなっています。
歯周病、気づいた時にはもう遅い!?

 歯周病の怖いところは、初期の段階では殆ど自覚症状がないことで、以下のような自覚症状が出た時には既に歯周病がかなり進行していることが多いのです。大体、歯周病に限らずどのような病気でも症状が進行すればするほど治療が難しくなって、長期間の治療が必要になるものですが、歯周病は最悪の場合、抜歯しなければならないこともあるのです。

 なお、歯周病だと自覚して歯医者にゆく人実は少なく、虫歯や口の中の異常を感じて歯医者に行ったところ歯周病と診断される方が多いで、次の「歯周病の症状チェックポイント」の中で1つでも当てはまる症状がある人は早めに歯医者で診察してもらうことをオススメします。
やってみよう!歯周病の症状チェック


■歯周病の症状チェックポイント
□ 1: 歯磨きなどで歯茎(歯肉)から出血する
 歯周病の典型的な症状が歯茎(歯肉)から出血することです。歯磨きした時に歯ブラシに血が付いていたり、或は硬いものを噛んだ時などに食べ物に血が付いた、または歯茎から出血していたら要注意です。
 歯肉(歯茎)には多くの毛細血管が通っており、歯周病菌に侵されて歯肉が炎症を起こして、炎症部分に歯磨きや硬い物を噛むなどの強い力が加わると炎症部分から出血してしまうのです。なお、健康な歯茎(歯肉)であれば普通の歯磨きなどで出血することはなく、歯茎(歯肉)から出血するということは炎症が起こっている可能性が高いので、歯周病を疑った方がよいでしょう。以上のことから、歯茎(歯肉)からの出血はまさに「歯周病のサイン」なので、極力見逃さないようにし、出血があった11日も早く歯医者で診察してもらう陽にしましょう。
□ 2: 口臭がするようになった
 口臭があるからと言って必ずしも歯周病とは限りませんが、ある日から突然口臭がきつくなったような場合は、歯周病または他の病気の可能性があるので注意が必要です。特に歯周病の場合、その口臭は歯周病菌(細菌)の繁殖によって起こる臭いなので、かなり強烈な臭いがすることが大きな特徴です。なお、歯周病が原因で口臭がしている場合は、歯磨きや洗口液(マウスウオッシュ)、ガムなどで一時的に臭いが無くなっても、それは一時的な対処法でしかありませんので、歯周病を治さない限り根本的な解決にはなりません。
 ただ厄介なのが、口臭に限らず臭いというものは自分では気がつきにくく、また他人も指摘しづらいもので、そのため、口臭がきつくなっても中々分からず、歯周病が原因で口臭がしている場合でも気づかないまま歯周病が進行してしまうことがあります。従って、口臭がするようになった場合はもちろん、口臭以外の歯周病の症状が出た場合は早めに歯医者で診察を受けるようにしましょう。
□ 3: 口の中がネバネバする
 歯周病菌が唾液の中に多く含まれているとネバネバとしますので、特に朝起床時に口の中がネバネバしたり何か気持ち悪い場合は、やはり歯周病の可能性があるので注意が必要です。
□ 4: 歯茎(歯肉)が腫れている
 歯茎(歯肉)が腫れたりぶよぶよ柔らかくなっているのも歯周病の典型的な症状です。
□ 5: 歯茎(歯肉)が赤、ないしは紫色になった
 健康的な人の歯茎(歯肉)はピンク色をしていますが、歯周病になると、まずは歯茎(歯肉)が赤色になり、さらに症状が進行すると赤紫といった具合に、徐々に歯茎(歯肉)の色が濃くなってくるのが特徴です。
□ 6: 歯茎などから膿が出る
 歯茎(歯肉)から出血すると、これは歯周病の大きなサインですが、さらに症状が進行すると膿が溜まり、痛みを伴うようになります。もちろん歯医者で膿を出してもらえば一時的に痛みは治まりますが、歯周病を治さない限り膿は溜まり続けますので、やはり歯周病を完治させるしかないのです。
□ 7: 硬いものを噛むと痛い
 歯周病になると、歯を支えている周辺組織が侵されるので、お煎餅やリンゴなど硬い物を噛んだ場合、歯周組織が歯を支えることができなくなって、そのため痛みを生じることがあります。
□ 8: 歯がグラグラする
 歯自体は歯周病でなくても多少は動くもので、多少動く程度であれば気づかないのが普通ですが、歯周病になると歯周組織が侵され、骨や歯根膜などが溶かされてゆくので、より歯がグラグラしてくるのです。
 1本の歯を人差し指と親指で軽く掴んで上下左右に軽く揺さぶってみて、明らかに歯がグラグラしていたり、指で掴まなくても舌で歯を動かす事ができるような状態は歯周病の危険信号です。なお、歯周病の初期段階では、まだ骨や歯根膜などがそれほど溶けていないので歯がそれほどグラグラしませんが、指で触ってグラグラするようであれば、歯周病がかなり進行している可能性がありますので、一刻も早く歯医者にゆきましょう。
□ 9: 歯茎が下がって歯が長く見える(出っ歯になった)
 歯周病になると歯周組織が侵され、歯肉が後退してゆくので、歯が長くなったり、以前よりも出っ歯になった気がすることがあります。
 自分の姿は毎日鏡で見ている人が多いと思いますが、歯、特に歯茎を毎日鏡で見る方は少ないと思いますので、歯周病を疑うような症状があった場合は、自分の歯茎(歯肉)を鏡で1度見てみましょう。以前に比べて歯が長く出っ歯になった気がし多場合は歯周病の危険信号です。
□10: 歯と歯の間の隙間が大きくなり、物が挟まりやすくなった
 歯周病になると歯周組織が侵されるので、歯と歯の隙間が大きくなって、そのため、物が挟まりやすくなったり、歯並びが悪くなってきたり、歯が浮いた感じがしたり、噛み合わせが悪くなることがあります。
□11: 歯茎(歯肉)がムズ痒い
 歯周病になると、常に歯茎(歯肉)がむず痒かったり、或は痛みが生じることがあります。
□12: 糖尿病に罹っている
 糖尿病になると様々な合併症が起こり、糖尿病は合併症が怖い病気だと言われていますが、糖尿病の人の多くは歯周病になっているというデータもあるので、糖尿病の人は歯周病も疑った方がよいかも知れません。
◇   ひと口に歯周病と言っても、上記のように様々な症状があり、歯周病の方の多くが1つだけではなく複数の症状を抱えていることが多いので、上記の中で複数の症状が出ている方はもちろん、1つだけでも思い当たる症状がある場合は、かなりの確立で歯周病の可能性が高いと思われます。従って、1日も早く歯医者で診察を受けることをオススメします。
 もちろん歯周病と診断するのは歯医者さんで、上記のような症状があったからと言って必ずしも歯周病とは限りませんが、その可能性は非常に高いので、何れにしても歯医者さんにゆき、歯周病であれば早めに治療をしてゆくことが何よりも大切です。

歯肉炎と歯周炎

 歯周病は自覚症状がないまま少しずつ、そして確実に症状が進行してゆく病気で、ひと口に歯周病といっても様々な症状がありますが、大きく分けると、〔歯肉炎→歯周炎〕と、徐々に症状が進行してゆきます。
 それでは、歯肉炎と歯周炎は一体どのような症状なのでしょうか? 


歯肉炎
 歯周病の初期段階では、まず歯周病菌(=プラーク中に含まれる細菌)の付着によって歯肉(歯茎)が赤く腫れて炎症を起こしたり、或は歯磨きで出血したりする「歯肉炎」になります。

 歯肉炎の段階では、歯周組織のうちのセメント質や歯根膜、歯槽骨は溶かされていないので、歯がグラグラするなどの症状はまだありませんが、歯肉炎の初期段階ではまずは歯と歯の間の歯肉(歯茎)が炎症を起こすため自覚症状がないことが多く、仮に自覚症状があっても、「歯肉(歯茎)が腫れることなんて大したことじゃない」などと思い放っておくと、歯周組織が侵される「歯周炎」へと発展してしまいます。従って、歯肉炎の段階で早めに治療を行なうことがとても大切になります。そして、この歯肉炎の段階で歯医者で治療を行なえば確実に歯周病を完治することができるので、口の中の異常を感じたら早めに歯医者で診察を受けるように日頃から心懸けましょう。
歯周炎
 歯肉(歯茎)が腫れたり出血するだけでなく、歯周病菌(プラーク)によって歯周組織のうちのセメント質や歯根膜、歯槽骨などが溶かされるために、歯がグラグラしたり、歯が長く出っ歯に見えるようになる症状が「歯周炎(=慢性歯周炎)」です。
 なお、歯肉炎の段階ではまだ歯周病ではないという見解もあるようですが、歯周炎は歯肉炎が悪化した状態なので、ここでは歯肉炎も歯周病として説明しています。


歯周炎を細かく分ければ・・・
  • 成人性歯周炎
  • 早期発症型歯周炎
  • 思春期前歯周炎
  • 若年性歯周炎
  • 急速進行性歯周炎
  • 難治性歯周炎


◆ワンポイント1: 怖い慢性歯周炎
 歯周病は上記のように分けることができますが、歯周炎のうち最も多くの方が当てはまるのが「成人性歯周炎=慢性歯周炎」です。

 歯周炎(慢性歯周炎)になると、歯周組織が侵され、溶かされてしまうので、いわゆる歯周ポケットが深くなり、歯周病の原因である歯垢(プラーク)がより溜まりやすくなって、普通の歯磨きでは歯垢(プラーク)を取り除くことが出来なくなります。そのため、歯医者で治療を行なわなければどんどん症状が悪化し、最終的には歯が抜けてしまいますので、とにかく注意が必要です。
 そして、この歯周炎まで歯周病が進行してしまうと治療がとても大変で、最悪の場合は手遅れの場合もありますので、定期的に歯医者で健診を受けたり、少しでも口の中の異常を感じたら早めに歯医者にゆくことがとても大切になるのです。

歯周ポケットとは?

 歯周ポケットとは歯(歯根)と歯肉(歯茎)の間に出来る溝のことで、健康な歯肉(歯茎)の場合は歯と歯肉がピッタリとくっついているので歯周ポケット(=歯肉溝)の深さはとても浅いのですが、歯周病になって歯肉(歯茎)が腫れると、歯肉が歯から離れてゆくために歯周ポケットが深くなるのが大きな特徴です。
 なお、歯周ポケットには歯垢(プラーク)が溜まりやすくなり、溜まった歯垢(プラーク)は歯磨きだけでは取り除くことが難しくなるため、歯垢(プラーク)によって慢性的に歯肉が腫れ、歯周病がより進行してしまうという悪循環となってしまうのです。


歯周ポケットが深くなると・・・
  • 歯周ポケットに歯垢(プラーク)や歯石、食べ滓等が溜まりやすくなる。そのため口臭がきつくなる。
  • 歯に水などが直接触れるようになるため、冷たい水や温かい物などを食べると歯が滲みる。
  • 歯と歯肉の間が大きくなるため歯がグラグラ動くようになる。

歯周ポケットの深さと歯周病の症状

 歯周ポケットの深さは歯医者でポケット探針と呼ばれる専用の器具を使えば諮ることができ、歯周ポケットの深さによって歯周病がどれほど進行しているのかの大きな目安にすることができますなります(歯周ポケットの深さは1本1本異なるので、数ヶ所の歯の歯周ポケットの深さを測ります)。


健康な歯茎(歯肉)⇒〜2mm
 健康な歯肉(歯茎)の場合でも1〜2mmほど歯肉と歯の間に溝があり、この溝は歯周ポケットではなく、歯肉溝と呼ばれることもあります。
歯肉炎(=軽度歯周病)⇒2〜5mm
 歯周病の初期段階の歯肉炎では歯肉(歯茎)が腫れてきて、歯周ポケットが健康な歯茎に比べて多少深くなってきますが、この状態で治療を行なえば完治する事も充分可能です。
歯周炎(=重度歯周病)⇒5mm〜
 歯周病が進行して歯周炎になると、歯肉(歯茎)の腫れも大きくなるため、より歯周ポケットが深くなり、そして、歯周ポケットが深くなれば、当然歯がグラグラしてきたり歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるため、歯垢(プラーク)によって歯肉が慢性的に腫れたり膿が溜まったりと、歯周病の進行が早くなってしまいます。そして、この状態で歯医者に行っても治療がとても困難で、最悪の場合は手遅れとなって歯が抜けてしまうこともありますので、くれぐれも注意が必要です。
 以上のように、歯周ポケットの深さによって歯周病の状態をある程度知ることができますが、歯周ポケットの深さはあくまでも目安でしかありません。歯周ポケットが浅くても重度の歯周病の場合もありますので、歯茎(歯肉)からの出血程度などその他の診察を総合して歯周病の状態を判断し、治療してゆくことになります。

参考(1):歯周病は染るの?〜歯周病は感染症です〜

 意外に思われるかも知れませんが、歯周病は感染症なので、他人に感染する可能性があります。

 歯周病は歯垢(プラーク)の中に含まれている歯周病菌が歯周組織に感染することによって発症する病気なので、もしも歯周病の人とキスをしたりすれば歯周病菌に感染する可能性は否定できません。ただ、歯周病菌の感染力はそれほど強くなく、また抵抗力があれば、たとえ歯周病の人とキスをしたとしても、歯周病菌に感染する恐れは殆どありません。従って、夫婦間や恋人同士などで一方が歯周病だったとしても、その人の身体に抵抗力があればそう簡単に歯周病菌に感染することはないのですが、もしも病気やストレス、睡眠不足などによって身体の抵抗力が低下しているような場合は歯周病菌に感染する可能性も充分にありまするので、くれぐれも注意が必要です。


歯周病菌(イメージ画像) 歯周病菌(写真)

参考(2):歯周病は遺伝するの?

 歯周病自体が遺伝することはありませんが、歯周病になりやすい要因は遺伝する可能性は充分にあります。

 上でも説明したように、歯周病は立派な感染症です。歯周病は歯周病の原因である歯垢(プラーク)や歯石の中に含まれている歯周病菌に感染することによって発症する病気なので、歯周病の親から産まれたからといって、その子どもが歯周病になるとは限りません。しかし、(1)歯周病菌に感染しやすいなどの抵抗力の遺伝や、或は(2)歯垢(プラーク)が付着しやすいといった歯の構造(=歯並び)の遺伝、などは子どもに遺伝する可能性があります。従ってその結果、歯周病の親から産まれた子どもが歯周病に罹るリスクは高いと言ってよいかも知れません。何れにしても、歯周病菌に感染しなければ歯周病が発症することはありませんので、毎日の正しい歯磨きで確実に歯垢(プラーク)を除去し、定期的に歯医者さんで検診を受けて予防することが何よりも大切なことになります。
参考(3):歯を抜かなければならない場合もあるの?

 歯周病がかなり進行している場合は、残念ながら抜歯が最善の治療法だということもあります。

 幸い歯周病初期の段階であれば、治療をすることによって症状が改善して完治することも充分に可能なのですが、歯周病菌(歯垢=プラーク)によって歯槽骨の大部分が溶かされているような状態にまで症状が進行してしまい、どのような治療を行なっても症状の改善が期待できないと歯医者さんが判断した場合は、残念ながら歯を抜く治療が行なわれることになります。


 それでは、何故歯を抜かなければならないのでしょうか? 
 症状の改善が期待できないだけであれば、重度歯周病周辺の歯を残しておくという選択肢もあるのですが、実際問題としてこれらの歯を残しておくと、他の歯や歯周組織に悪影響を与えてしまうこともあるために歯を抜くことになるのです。しかし、歯を抜くかどうかを判断するのは歯医者さんで、歯医者さんによっては歯を抜かなくても治療することによってまだまだ症状が改善できると診断されることもありますので、残念ながら歯を抜かなければならないと診断された場合でも、場合によっては他の歯医者さん(歯科医師)の診察を受けてみることも必要かも知れません。

 もちろん歯を抜いた場合は、親知らずや奥歯などを除き、インプラントなどによって歯を補わなければならなくなり、治療費も当然かかりますので、歯医者さんとよく相談し、自分にとって最善の治療法を考える必要があります。
歯周病の原因

 それでは、歯周病の原因とは何でしょうか? どうして歯周病になってしまうのでしょうか? 
 本節では、その怖い歯周病の原因について、以下でなるべく詳しく取り上げ解説しました。
歯垢(プラーク)

 テレビCMなどでも最近よく聞かれる「歯周病菌」というこの言葉、聞いたことがある方も多いと思いますが、この歯周病菌の正体は数10種類の細菌の塊=プラーク(歯垢)です。

 口の中には数百種類以上、数億個以上の細菌が棲息しており、実は細菌の数は肛門よりも多く、口の中は人間の体の中で最も多くの細菌が棲息しているのです。もちろんこれらの細菌が棲息していること自体は何も問題ではないのですが、これらの細菌が何らかの原因によって増えすぎたり、或は食べ滓(特に糖分を含んだ食べ滓)が細菌に付着することによって歯垢(プラーク)すなわち細菌の塊が出来上がり、これが歯だけでなく歯の周りに強力に付着してゆくことで、この歯垢が歯肉(歯茎)を炎症させたり、或は歯槽骨や歯根膜を溶かしてゆくのです。これがまさに歯周病の原因菌なのです。(※なお、上でも解説したように、歯垢(プラーク)は歯周病だけではなく虫歯の原因にもなっています。) 


◆ワンポイント2: 除去できない歯垢(プラーク)が怖い
 「歯垢(プラーク)が付着している=磨き残しがある」ということで、毎日丁寧に歯磨きをしていれば、たとえ歯垢(プラーク)が歯に付着していても取り除くことができるのですが、歯並びが悪かったり歯磨きの仕方に問題がある場合は、残念ながら付着した歯垢(プラーク)を取り除くことができません。そして、歯の周りに付着した歯垢(プラーク)を放置していると、まずは歯肉(歯茎)が炎症を起こして出血したり膿が溜まり、さらにそのままにしておくと、歯肉(歯茎)だけではなく歯槽骨や歯根膜が侵されて溶かされてゆき、最終的には歯が抜けてしまうのです。
 なお、歯垢(プラーク)の段階であれば丁寧に、そして正しい歯磨きをすれば除去することが可能なのですが、歯垢(プラーク)を放置すると、歯磨きでは取り除くことができない「歯石」になってしまいます。そして、歯石は歯垢(プラーク)が付着しやすいという特徴があるので、歯周病の症状がどんどん進行してゆくという悪循環となってしまうのです。確かに物を食べれば歯垢(プラーク)が歯に付着することは仕方のないことなのですが、歯垢(プラーク)は歯磨きなどで除去することが可能なので、歯周病を予防するには日頃からの歯磨きが非常に大切となり、また、定期的に歯医者で健診を受ける事が歯周病予防に繋がるのです。

歯石〜歯石は歯周病の原因か?〜


口の中の細菌に食べ滓などが付着⇒歯垢(プラーク)
歯垢(プラーク)に唾液中に含まれるカルシウムが混じる⇒歯石


 歯石とは、歯周病の原因である歯垢(プラーク)と唾液中に含まれるカルシウムが混ざって出来た物質です。上でも述べたように、歯垢(プラーク)は歯磨きで除去することができるのに対して、歯石は非常に強固に歯または歯の周りに付着するため、歯磨きでは除去することができず、歯医者でスケーラーと呼ばれる専用の器具を使って除去してもらうしかないのです。

 では、どれくらいで歯垢(プラーク)は歯石になるのかと言うと、これは個人差がありますので一概には言えないのですが、大体2日もあれば歯垢(プラーク)は歯石になると言われています。そのため、毎日の歯磨きで歯垢(プラーク)を確実に除去し、歯石にならないようにすることが大切になるのです。
歯石の状態


◆ワンポイント3: 歯石は歯周病の原因か?
 歯垢(プラーク)は歯周病の最も大きな原因ですが、それでは歯石も歯周病の原因なのでしょうか? 

 実は歯石自体は歯周病の原因ではないのです。歯石自体は唾液中に含まれるカルシウムが歯垢(プラーク)と混ざることによって細菌が死滅し石灰化した物質なので、直接歯周病の原因とはならないのです。しかし、歯石の表面は非常に凸凹しているため歯垢(プラーク)が付着しやすく、付着した歯垢(プラーク)を除去しにくいという特徴があり、歯石を除去せずに放置していると、歯石の周りに歯周病の原因菌である歯垢(プラーク)がどんどん付着してゆくので、そのため、歯垢(プラーク)は歯周病の直接の原因とはならないかも知れませんが、間接的に歯周病に大きく関わっていることになるわけです。従って、最低でも半年に1回、できれば2〜3ヶ月に1回は歯医者で定期健診を受けて歯石が付着していないかどうか、付着している場合は歯石を除去してもらうことが歯周病予防には非常に大切になります。

タバコ(喫煙)〜歯周病とタバコ(喫煙)の関係〜

 歯周病は歯垢(プラーク)が原因で発症し、症状が悪化してゆくのですが、歯垢(プラーク)だけでなく、タバコ(喫煙)が原因で歯周病の症状が悪化してしまいます。さらにタバコを吸っている人は歯周病の治療を行なっても治りにくいと言われています。


 それでは、何故タバコが歯周病の症状を悪化させ、治りづらくしてしまうのでしょうか? 

 人間の身体には自然治癒力があるので、ある程度の病気や怪我であれば自然に治ってゆくことも多いのですが、タバコに含まれるニコチンという物質は血液の流れを悪くし、身体の抵抗力を下げると言われています。そのため、〔病気に罹りやすい⇒歯周病になりやすい〕ということになり、さらに病気(歯周病)になっているにも拘わらずタバコを吸い続けていると、〔病気が治りにくい=歯周病も治りにくい〕ということになってしまうわけです。また、タバコにはニコチン以外にも多くの有害物質が含まれていて、それらの有害物質が唾液の分泌量を減少させたり歯垢(プラーク)を付着させやすくするので、従って、タバコを吸う人は歯周病になりやすく、また、歯周病が治りづらく、たとえ完治しても再発しやすい、ということになるのです。
 そして、「タバコをやめない限り歯周病は治らない」とさえ言われていますので、歯周病を完治させ、再発を防ぎたい場合は、タバコを止めることが歯周病予防・治療の近道になることは間違いありません。あるデータによると、タバコ喫煙者は吸わない人に比べて2〜6倍も歯周病になりやすいとされていますので(喫煙歴が長く1日の本数が多ければ多いほど倍率は高くなる)、たとえ現在歯周病になっていなくても、タバコを吸っていると歯周病へのリスクが当然高くなり、逆に禁煙すると歯周病へのリスクが下がりますので、歯周病を予防するためにも禁煙することをオススメします。
歯並びの悪さ

 歯垢(プラーク)が歯や歯の周りに付着し、それを放置していると歯肉(歯茎)が炎症を起こして歯周病になりますので、毎日の歯磨きなどによって付着した歯垢(プラーク)を確実に除去すれば、確かに歯周病になるリスクはかなり低くなるのですが、しかし、〔歯並びが悪い人は磨き残しが多くなる可能性が高い⇒付着した歯垢(プラーク)を除去できていない〕ということになりますので、従って、そういう人は歯周病になるリスクが高いと言えるのです。

 何れにせよ、歯並びがよい人はそれほど神経質に歯磨きをしなくても磨き残しが少なく、また付着した歯垢(プラーク)も除去できているのですが、しかし、一方で歯並びが悪い人、特に歯と歯が重なり合っているような場合は、いくら丁寧に歯磨きをしても、その歯が重なり合っている部分はどうしても磨き残しが多くなり、従って〔歯垢(プラーク)も付着しやすい⇒付着した歯垢(プラーク)を除去しにくい〕ということになりますので、必然的に歯周病へのリスクが高くなってしまうのです。また、歯並びが悪いということは歯周病へのリスクが高くなるだけでなく、虫歯へのリスクも当然高くなり、その他、見た目が悪かったり、また、歯並びの悪さから噛み合わせが悪くなると、一部の歯への負担が大きくなるために歯が欠けたり、頭痛や肩こり、目眩、食欲不振などの全身疾患へ繋がってしまうこともありますので、可能であれば歯列矯正なども検討した方がよいかも知れません。
詰め物や被せ物の不適合

 虫歯になれば詰め物(充填)や被せ物(銀歯)をしますが、これらの詰め物や被せ物が合っていないと、隣の歯と段差ができてしまい、段差部分に歯垢(プラーク)が付着しやすくなりますので、そのため歯周病になりやすくなります。また、被せ物(銀歯)の大きさが合っていない場合、特に被せ物(銀歯)が大きい場合は、歯と被せ物(銀歯)の間に食べ滓や歯垢(プラーク)が溜まりやすくなります。そして、歯磨きでは付着した歯垢(プラーク)を除去することが困難になるため、これまた歯周病へのリスクが高くなってしまうのです。(※なお、高齢者になれば入れ歯を使用することも多くなるでしょうが、入れ歯にも同じことが言えます。) 

 従って、詰め物や被せ物をしている歯はもちろん、詰め物や被せ物の付近の歯が虫歯になりやすかったり、また、歯周病になっている場合は詰め物や被せ物が適合していない、または時間の経過と共に合わなくなった可能性も考えられますので、まずは詰め物や被せ物を適合するような治療を優先して行なわなければなりません。(※なお、日本には非常に多くの歯医者があり、歯科医師がいますが、残念ながら全ての歯科医の技術が同じわけではなく、中には技術に乏しい歯科医がいることも確かです。虫歯や歯周病の治療は歯科医の技術に左右される事もありますので、言わずもがなですが、出来る限り信頼できる歯医者、歯科医を探す事も非常に大切になってきます。) 
糖尿病

 歯周病になる根本的な原因は歯垢(プラーク)なので、歯磨きなどで磨き残しを無くし、口の中を清潔に保っていれば歯周病になるリスクはかなり低いのですが、口の中だけでなく身体の病気が原因で歯周病になりやすくなったり、歯周病が治りづらくなる可能性もあるのです。
 たとえば風邪を引いたり疲労が溜まっていたりストレスが溜まっていると、身体の抵抗力が落ちるので、当然ながら口の中の細菌に対する抵抗力も落ちるため、従って歯周病菌(細菌の塊)に侵されやすくなってしまうのです。疲れが溜まっている時に風邪を引きやすかったり、疲労していたり風邪を引いていると歯肉が炎症を起こしやすいのは抵抗力が落ちているためなのです。要するに、歯周病になる、すなわち歯周病菌に侵されるということは、それだけ身体の抵抗力が落ちている、何らかの病気になっている可能性もあるのです。なお、病気になってなくても人間は歳を取れば取るほど誰でも身体の抵抗力が低下してゆくので、高齢者ほど歯周病になりやすく、歯周病を治すことが難しくなるのです。


 このように、身体が何らかの病気に罹れば歯周病になりやすくなることは分かったけれども、その中でも歯周病に最も関わりがある病気が糖尿病なのです。そのため、歯医者で歯周病と診断されたのをキッカケに糖尿病が見つかるということも珍しくはないのです。逆に糖尿病と診断されたのをキッカケに歯周病が見つかることも多いわけです。

 それでは、何故糖尿病と歯周病はそれほど深くリンクしているのでしょうか? 
 糖尿病になると身体の抵抗力が下がって様々な合併症が起こるため、糖尿病は合併症が怖い病気とも言われていますが、抵抗力が下がるということは、〔細菌に感染しやすい⇒歯周組織が歯周病菌(歯垢)に侵されやすい〕ということになるので、従って、糖尿病になると歯周病になりやすく、歯周病が治りにくくなってしまうのです。さらに、糖尿病になると唾液の分泌量が減少し、唾液が少なくなるということは口の中の細菌を洗い流す作用が弱くなり、そのうえ糖尿病になると白血球の機能が低下するため細菌の数が増加するので歯周病になりやすく、歯周病が治りづらくなってしまうわけです。なお、歯周病を治療し症状が改善されてゆくと、糖尿病の症状も改善されたという報告もありますが、これはまだハッキリとはしていません。ただ、何れにせよ糖尿病を同時に治療していかなくては歯周病を完治させることが難しいことだけは確かです。
 もちろん糖尿病だけでなく、〔身体が病気になる⇒抵抗力が落ちる⇒歯周病になりやすくなる〕という図式が成り立ちます。人間の身体には細菌に感染することを防ぐ力がありますが、糖尿病などの病気に罹ったり、老化やストレス(疲労)、喫煙などによって抵抗力が低下すると細菌に感染しやすくなり、そのため歯周病にも罹りやすくなってしまうのです。従って、病気を治さない限りいくら歯周病の治療を行なっても治りづらく、また、仮に治っても再発してしまう可能性が高いということになるのです。そのため、歯周病の人は糖尿病などの疾患が無いかをどうか1度詳しく検査してもらい、病気がある場合はその病気を同時に治療してゆくことが歯周病治療にも繋がるのです。


その他、歯周病の原因となると言われている病気
  • 高血圧
  • 精神疾患(ストレス)
  • ホルモンバランスの崩れ
  • ビタミン欠乏症
  • 薬の副作用 など

歯ぎしり

 歯周病の直接の原因ではありませんが、歯ぎしりをする人は歯周病の進行が早くなり、より症状が重症化すると言われています。歯ぎしりをするということは、歯だけでなく歯肉(歯茎)などの歯周組織に強い力が加わるということで、歯周病で炎症を起こしている歯肉(歯茎)に強い力が加わればより炎症が激しくなり、さらに歯肉(歯茎)だけでなく歯槽骨へ強い力が加わることによって歯槽骨が破壊され、歯を失う大きな原因となってしまうのです。


◆ワンポイント4: 歯ぎしりの予防&治療法
 このように、歯ぎしりが歯周病の進行を早め、歯を失う原因となっているのであれば、歯ぎしりを止めればよいのですが、歯ぎしりは睡眠時に無意識の家にすることが多いので、いくら歯ぎしりを止めたいと思っても簡単にやめる事は出来ません。そもそも自分が歯ぎしりをしていることに気づいていない人さえいるのが現実なのです。

 では、どのようにして歯ぎしりを予防&治療すればよいでしょうか? 
 とにかく歯ぎしりはストレスを感じている時や疲れが溜まっている時にすることが多いので、難しいかも知れませんが、ストレスを解消し、疲れている時はしっかり休むことが非常に大切となってきます。それでも歯ぎしりが解消されない時はマウスピースなどの器具を使用して物理的に歯ぎしりをしないような治療が行なわれます。何れにしても歯ぎしりさえ無くなれば、歯周病の進行を抑え、歯を失うリスクが下がりますので、歯ぎしりを指摘された人、または自覚している人は早めに歯医者で治療を行なうことを考えましょう。

歯周病と全身の関係
歯周病の原因菌は大人から子どもに感染する!?

 比較的若い人たちに歯周病をもたらす細菌は、大人から子どもに感染するという研究報告もあります。永久歯が生えそろう少し前の10歳くらいの時期に親から子へ感染するというのです。このように、まだ子どもだから歯周病のリスクが全くないという思い込みは誤りで、実際15歳〜24歳で歯肉に何らかの異変を持つ割合は60%を超えていると言われているのです。
歯周病に罹りやすい因子

 普段余り認識することはないでしょうが、歯も内臓と同様に私たちの身体にとってなくてはならない臓器のひとつです。上でも述べたように、歯周病に罹りやすいかどうかは、食習慣などに限らず、内科的疾患やストレス、喫煙など多岐に及んでいます。従って、少しでもこれらの因子をコントロールするよう心懸けましょう。


歯周病に罹りやすい因子
食生活:
内科的疾患:
糖尿病、リウマチなど
薬物の副作用:
ホルモン製剤(更年期障害の治療など)、抗てんかん剤、狭心症の予防薬、免疫抑制剤、カルシウム拮抗薬、抗ヒスタミン剤
女性ホルモンの影響:
妊娠、更年期、思春期
精神的ストレス:
喫煙:
遺伝的な要因:
 この他にも、歯の形態や噛み合わせ、不良な歯科治療などが因子として挙げられます。また、糖尿病など内科的疾患や薬物の副作用が因子として挙がっているのを見て不安になった人もいるかも知れなません。先にも述べたように、糖尿病は歯周病を起こす直接の原因ではありませんが、歯周病を悪化させてしまう因子と考えられています。糖尿病に罹っている人の場合、歯周ポケットの中の細菌を食べてくれる白血球の働きが弱くなってしまうので、短期間のうちに重度の歯周病に進んでしまう可能性が高いからです。糖尿病の人は健康な人よりも歯周病予防に気を配る必要があります。

女性ホルモンの変化と歯周病

 「子どもを1人産む度に歯を1本失う」と言われるように、妊娠・出産は女性の口の中を悪化させる傾向があります。そして、歯周病に罹りやすい女性特有の因子として女性ホルモンの影響がありそうです。従って妊娠・出産の時期には、とりわけ日常のケアが必要になります。


妊娠による女性ホルモンであるエストロゲンの増加
 歯と歯茎の隙間から染み出るエストロゲンが増加することで、歯肉炎の細菌が異常増殖してしまいます。この菌は元々口の中の粘膜などにいる害のない細菌なのですが、余りにこれが増え過ぎると悪い働きを及ぼすようになるのです。また、出産と歯周病との関係で言えば、歯周病菌を撃退する免疫反応として分泌されるサイトカインが羊膜を破壊し、そのため、早産の原因になったり低体重児の出産につながるとの報告もあるようです。

閉経後、骨粗鬆症に罹りやすくなる
 閉経後、女性ホルモンの分泌が減少することで骨粗鬆症に罹りやすくなります。そのため、歯を支える歯周組織の破壊を加速させてしまうことも考えられます。

更年期障害や骨粗鬆症の治療に用いられるエストロゲンの影響
 更年期障害や骨粗鬆症の治療にはエストロゲンなどが用いられていますが、その副作用で歯肉の健康が損なわれるケースもあるのです。

歯周病が原因で他の病気になることはあるの?

 歯周病菌が感染することによって他の病気になる可能性はあります。
 歯周病は感染症なので、歯周病菌が歯周組織に感染すれば歯周病となるわけですが、一方でその歯周病菌が血液や唾液などに混じって全身に流れてゆけば、それが原因して歯周病以外の病気になる可能性は当然ながら否定できないのです。


歯周病と肺炎
 歯周病になると肺炎に罹りやすくなると言われています。
 歯周病菌の中に含まれる細菌には肺炎の原因になる細菌が含まれているため、何らかの病気に罹っている場合や高齢者など抵抗力が落ちている状態で、歯周病菌が含まれた唾液を間違って吸引してしまい、それが肺に入ってしまうと、肺炎になる可能性が高くなると言われているのです。
歯周病と心臓病
 病気などで感染症に対する抵抗力が落ちている人や高齢者が歯周病に罹り、歯周病治療の過程などで歯周病菌が混じった血液が歯肉の血管から入って、それが全身を巡って心臓に流れてしまうと、それが原因で心臓の血管壁に炎症を起こし、心臓病(感染性心内膜炎・狭心症・心筋梗塞)になってしまう可能性があります。
歯周病と妊娠&出産
 歯周病患者が妊娠している場合、歯周病によって作り出された物質によって早産する可能性が高くなります。また、歯周病菌が羊水内に入ってしまうと、これが胎児の成長に影響を与えて低出生体重児が産まれる確率が、健康な妊婦の方に比べて約7倍以上高くなると言われています。従って、可能であれば歯周病を治療してから妊娠をするようにしたいものです。また、先にも触れたように、妊娠して女性ホルモン(エストロゲン)が増加すると、同時に口の中の細菌の数も増加するため、歯周病になりやすくなるとも言われています。そのため、女性が妊娠・出産すると、歯周病や虫歯など口の中の健康に大きく影響するのです。

参考1:歯ぎしりが怖い理由



 歯ぎしりは自分では中々気づきにくいものですが、しかし、歯ぎしりは放っておくと様々な2次障害に発展する場合もあるのです。たとえばひと晩の歯ぎしりは何と一生分の咀嚼に匹敵するくらい歯やあごにダメージを与えるとも言われているくらいなのです。

 本節では、そんな本当は危険な歯ぎしりについて以下で取り上げ解説しておきました。
歯ぎしり
歯ぎしりの原因は噛み合わせとストレス

 歯ぎしりは何故起こるのでしょうか? 
 第一に考えられるのが、顎の筋肉の緊張がアンバランスとなっているということです。たとえば虫歯があって歯が痛い時や高さが不適合な金属冠がある時、或は歯の抜きっぱなしなどにより噛み合わせが狂っている場合などはこうした現象が起こりやすいと言われています。そして、もうひとつの理由は、精神的または肉体的なストレスです。歯ぎしりをする人は、歯ぎしりすることによって不安や憂鬱を発散させているわけです。
歯ぎしりの与えるダメージ〜虫歯、耳鳴り、自律神経失調症etc〜

 歯ぎしりは歯や顎に大きな負担をかけます。ぐっと歯を食いしばっただけでも、自分の体重程度の負荷がかかるのに、前後左右にぎりぎりと歯を動かせば、そのダメージは計り知れないものがあります。冒頭でも述べた通り、ひと晩の歯ぎしりは何と一生分の咀嚼に匹敵すると言われているほどなのです。もちろん一晩中歯ぎしりをする人はいませんが、歯ぎしりが30分以上続くようならば、その悪影響が身体の様々な面に及んでいる可能性が高いと考えてよいでしょう。


■歯ぎしりによる主な2次障害
歯のダメージ
  • 歯が擦り減る
  • 歯周組織が損傷される
  • 外骨腫(歯の周りの骨が異常に突出する病気)が起こる
顎のダメージ
  • 顎関節症(顎を動かすと音がしたり痛んだりする病気)が起こる
その他のダメージ
  • 耳鳴りがする
  • 熟睡できない
  • 自律神経失調症による身体の諸症状が現われる
 怖いのは睡眠時無呼吸症候群と関連が深いことです。両者の関係ははっきりとは分かっていないものの、歯ぎしりの直後には睡眠時無呼吸症が起こることがよくあるのです。睡眠時無呼吸症候群とは眠っている間に呼吸が停止してしまう症状で、睡眠不足から翌日の生活に差し支えるばかりではなく、脳が酸欠状態となり、突然死を引き起こすこともある怖い病気なのです。

歯ぎしりの治療法

 歯ぎしりを治すには専門医に相談するのが一番なので、歯科医か口腔外科を受診しましょう。治療でよく行なわれるのが、上下の歯が接触しないよう口の中にマウスピースを入れるスプリント療法です。また、筋弛緩剤などによる薬物療法が行なわれることもあります。その他、噛み合わせを治すことにより症状を改善する場合もあります。なお、ストレスから歯ぎしりが起こっている場合は心療内科などを訪ね、心のケアを中心に治療した方がよいこともあるでしょう。
 何れにせよ、歯ぎしりを放置すると思わぬ病気に見舞われることもあるので要注意です。とにかく、家族の深刻な歯ぎしりに気づいたら早めに治療するよう奨めましょう。

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【2】歯周病の予防対策〜あなたの歯はあなたが守ろう!〜

 本項では、正しい歯磨きの仕方や生活習慣の見直し方など、歯周病の予防法について取り上げ解説しました。
大切なプラークコントロール〜歯磨きとプラークコントロール〜

 プラークコントロールとは、歯垢(プラーク)を調節・管理すること、すなわち、歯周病の直接の原因である「歯垢(プラーク)=細菌の塊」の増殖を抑え、歯周病を予防しようということです。

 歯周病、特に歯槽骨が溶かされてしまうまで症状が進行してしまうと、治療が非常に難しく、残念ながら治療の甲斐なく歯を失ってしまう可能性が高くなりますので、歯周病にならないように予防することが非常に重要になってきます。そこで、歯周病を予防するには直接の原因である歯垢(プラーク)が歯周組織に付着しても直ぐに除去する事が大切なのですが、口の中は細菌にとって格好の棲家で、歯垢(プラーク)を完全に除去する事は不可能なため、「歯垢(プラーク)=細菌の塊」の増殖を抑えることに重点を置くこと、これがプラークコントロールなのです。


 歯垢(プラーク)は食事する度に歯に付着しますので、毎日または毎食後に自分で歯磨き、歯間ブラシやデンタルフロスなどで丁寧に、そして確実に歯垢(プラーク)を除去することでプラークコントロールすることが可能ですが、既に歯周病に罹っている人は歯周ポケットが深くなっていて、歯周ポケットに入り込んだ歯垢(プラーク)を自分で除去することは難しいので、歯医者で歯垢(プラーク)を除去してもらわなければなりません。また、「歯磨き=プラークコントロール」と思っている人も多いかも知れませんが、歯磨きだけで完璧なプラークコントロールはできないのが現実で、場合によっては薬によるプラークコントロールが必要になる場合もあります。

 何れにせよ、プラークコントロールが確実にできているかどうかによって歯周病になるリスクが決まると言っても決して過言ではありません。そのため、プラークコントロールをすることによって歯周病をある程度予防することが可能で、また歯周病治療は「プラークコントロール&歯医者での治療」が基本となり、プラークコントロールだけで歯周病を完治させることはできませんが、歯周病治療を行なってゆく上でもプラークコントロールは欠かせないのです。
正しい歯磨きの仕方


 古代から人間の歯には虫歯がつきものでした。虫歯が1本も無い人はごく稀で、どんな人でも1度は虫歯の治療をしていることでしょう。また、最初にも触れたように成人の80%以上の人が何らかの歯周病を罹っているといった話もあります。

 歯周病予防の基本は「正しい歯磨き(ブラッシング)」です。上で取り上げたプラークコントロールが歯磨きによってある程度可能となりますので、1にも2にも正しい歯磨きは何よりも大切です。そして、歯磨きの最も大きな目的は、歯周病の原因である歯や歯の周りに付着した細菌、歯垢(プラーク)を取り除くことです。歯垢(プラーク)が歯や歯の周りに付着することは仕方ないことなのですが、正しい歯磨きで歯垢(プラーク)を取り除くことは可能なので、歯周病を予防するためにも正しい歯磨きの仕方をマスターしましょう。
 そのため本節では、虫歯や歯周病の予防の大原則である正しい歯の磨き方について、参考までに以下で詳しく解説しました。
歯磨き
敵=プラークの居場所を知るべし

 歯磨きで大切なのは、「どの場所を磨くことが大事か?」ということです。敵=プラークの無いところをいくら攻撃=ブラッシングしても効率が余りよくありません。まずは相手の居場所を知りましょう。


■プラークが残りやすいポイント
□ 1: 歯と歯の間
 しっかり磨いたつもりでも、歯ブラシの毛先が歯と歯の間に届かないために虫歯になることがあります。
□ 2: 歯と歯肉の境目
 口の中をよく見ると、歯と歯肉は少し段差がついているのが分かりますが、この段差が原因で磨き残しになることがあります。
□ 3: 奥歯の咬む部分の溝
 溝の形は複雑で、細かい部分にまで毛先が中々届かないために虫歯になりやすい部分です。
   磨きやすい部分にはプラークは殆どいません。磨きにくい場所にこそ敵=プラークが潜んでいると思いましょう。

効率的な歯磨きの仕方〜歯ブラシは縦横両方動かすべし〜

 次に大事なのは、歯ブラシの当て方と動かし方です。
 よく「歯ブラシを歯に対して45度に当てて・・・」など説明を受けることがあると思いますが、そういった細かい角度よりは、磨き残しやすい場所の形に焦点を当てた歯ブラシの動かし方をする方が効率的です。

 なお、虫歯予防には縦磨きとフロスが効果的で、歯周病予防には横磨きが効果的です。また、歯並びをイメージして磨くことも大切です。注意することは、歯の表側だけでなく、裏側(舌がある側)からも同じように汚れを落とすように歯ブラシすることです。


■効率的な歯磨きの仕方
□ 1: 縦磨き:
 まずは歯と歯の間の虫歯予防の歯磨きをします。ピアノの鍵盤の間に入った汚れを取るイメージと言ったらよいでしょうか。歯と歯の隙間に沿って縦に動かして、できるだけ毛先で歯の間の汚れを取るようにします。さらに仕上げにデンタルフロスや歯間ブラシを使用すれば完璧です。
□ 2: 横磨き:
 次に歯と歯肉の間の歯周病予防の歯磨きをします。そして、毛先を差し込む時は歯ブラシの角の部分を少し押し込むようにするとよいでしょう。角度はともかく、歯ブラシを横に当てて、毛先を歯と歯の間、歯と歯肉の間に差し込み、細かく動かし磨きます。
□ 3: 水平磨き:
 奥歯のかみ合わせ面のミゾは歯ブラシが中々届きません。歯の咬む面の溝は細かいので、色々な方向から動かすようにするとよいでしょう。適度な圧力で、できるだけ細かいストロークで歯ブラシを動かすことで、小さな溝の間に残っている汚れを取り除きます。
□ 4: 歯磨きが終わったら:
 歯を磨き終わったら、今度は口を充分にゆすぐようにしましょう。口をすすぐと、残っていた汚れや食べ滓が出て来てビックリすることがあります。少なくとも4〜6回程度はしっかり口をゆすぎましょう。
   なお、歯ブラシのストロークは常に細かく動かすようにしましょう。大きく動かすと、歯の周りの狭い部分に毛先が当たらないだけでなく、歯肉や歯の根元を傷つけることがあるので注意が必要です。

歯磨きはいつするのが効果的?

 可能であれば毎食後に歯磨きをすることが理想ですが、実際問題としてそれは難しいので、最低でも朝食後と夜寝る前の2回は時間をかけて歯磨きをしたいものです。
 また、食後は唾液が多く分泌され、唾液が多く分泌されている時は細菌を洗い流してくれますので、食後直ぐに歯磨きを 行なうのではなく、できれば食後1時間ほど経過してから歯磨きを行なうのが理想かも知れません。
電動歯ブラシについて

 普通の歯ブラシで歯を磨くだけでも充分に歯垢(プラーク)を除去することはできるのですが、どうしても手で磨くと磨き残しが多くなる場合がありますので、そのような場合は電動歯ブラシを利用するのも1つの方法です。特に最近の電動歯ブラシの性能は素晴らしく、多くの場合、手で磨くよりも歯垢(プラーク)を除去できる確率が高いと言われています。そのため、積極的に電動歯ブラシを使用してみることもよいかも知れません。

 なお、特に最近人気があるのが、歯垢(プラーク)除去性能が高いと言われている「音波電動(振動)歯ブラシ」です。手では不可能なほどの高速振動で、手の歯磨きでは届かないような歯と歯の間の歯垢(プラーク)までも高速振動で除去できると言われていますので、虫歯になりやすい人、歯周病になってしまった人は試してみるのもよいと思います。
電動歯ブラシ
歯磨き粉について

 正しい歯磨きの仕方をすれば歯垢(プラーク)を充分に除去することができるので、特に磨き粉は必要ありません。でも、やはり歯磨き粉を使用すればスッキリすると思いますし、最近では歯周病菌の殺菌作用があるような成分を配合した歯磨き粉も販売されていますので、自分好みの歯磨き粉、または歯医者さんに奨められた歯磨き粉を使用するのもよいと思います。
歯間ブラシ・デンタルフロス

 歯磨きだけで歯垢(プラーク)を完全に除去することは実は結構大変で、どうしても歯磨きだけでは歯と歯の間などに付着した歯垢(プラーク)を完全に除去できていない場合が多いのです。そのため、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助用具を使用することも必要かも知れません。ただ、歯間ブラシやデンタルフロスを間違った方法で使用すると、歯や歯肉(歯茎)を傷つけてしまうこともありますので、まずは歯医者さんなどで適切な使用法を指導してもらうことが大事です。

歯間ブラシ1 歯間ブラシ2

最後に〜歯科医で定期検診を受けよう!

 以上のように、正しい歯磨きや歯間ブラシ、デンタルフロスを使用すれば歯垢(プラーク)を除去することは充分可能なのですが、それでも実際には歯や歯の周りに付着した歯垢(プラーク)を完全に除去できていない場合が多く、歯垢(プラーク)を除去できずに時間が経過すると、何れ歯磨きでは除去できない歯石となってしまいます。そして、歯石は細菌の格好の棲家になってしまいますので、できれば2〜3か月に1回、最低でも半年に1度は歯医者で定期健診を受けて、正しい歯磨きができているかどうか、歯石は付着していないかどうか、をチャックしてもらうことが非常に大切にまります。
参考2:フッ素による虫歯予防


フッ素とは?
 フッ素(元素記号はF)は約100種ある元素のうちのひとつです。自然界では単体としては存在せず、一般には微量元素と言われていますが、たくさんの量が地球に存在していて、海水中(濃度は約1.3ppm)や土壌中にも必ず含まれています。そして、フッ素は食品にももちろん含まれていて、私たちは日頃フッ素を普通に食べたり飲んだりして吸収しているのです。たとえば芝エビなどには10〜40ppm、また、お茶や紅茶の葉には100〜500ppmほどフッ素が含まれていて、実際にお茶としてお湯を入れて飲む場合はフッ素は0.2〜1.0ppmくらいの濃度になっていると言われています。

フッ素は虫歯予防にどう効くのか? 
 酸などによる歯からミネラルを溶かし出す力(=脱灰力)の方が、歯にミネラルを補給して結晶化する力(=再石灰化力)よりも優勢関係にあるほど虫歯は発生しやすくなると言われています。実は虫歯で歯に穴が開く一歩手前の状態(=初期虫歯)を元に戻そうとする力がフッ素にはあるのです。

 それでは、その「初期虫歯」とは一体どういうものなのでしょうか? 
 一見健康そうな歯でも、よく見てみると歯と歯ぐきの境目の部分に白濁があったりします。これは、歯の表面の歯垢(プラーク)から出る酸によって、歯の内部からカルシウムなどのミネラルが抜け出して密度が低くなった状態で、要するに虫歯で歯に穴が開く一歩手前の状態なのです。そして、穴の開いた虫歯を放置しておいても元に戻ることはありませんが、まだ歯の表面が残っている場合には再石灰化作用により修復されることもあるのです。従って、フッ素の色々な効果のうち、ミネラルを取り込んで再結晶化する作用(=再石灰化)の速度を高め、さらにミネラルが溶け出すのを防止したりする作用が期待できるわけで、これらの作用はフッ素イオンが0.1から1ppmの低い濃度でも効果のあることが知られています。

毎日の積み重ねで歯周病対策〜生活習慣の改善〜

 歯周病は生活習慣病なので、日頃の生活習慣によって歯周病になりやすくなったり、歯周病を治療しても治りづらくなることがあり、いくら正しい歯磨きを行なったり歯医者で治療を行なっても、生活習慣を見直さない限り歯周病を予防し完治することは難しいと言わざるを得ないのです。
生活習慣が歯周病をつくる


◆ポイント:  口の中だけでなく全身を健康に保ち、抵抗力をつけると、歯周病予防に効果が上がります。まずは生活習慣病を引き起こす生活を改めるよう心懸けましょう。


 歯周病は歯周ポケットに歯垢(プラーク)が溜まることによるよって起こることは既に何度も説明してきましたが、それ以上に毎日の様々な生活習慣が歯周病の原因となっているのも事実です。
 それでは、私たちは日頃一体どのようなことに気をつければよいのでしょうか? 


■こんなことに注意しよう
糖尿病:
 糖尿病は免疫系の機能障害を起こしたり抹消の血流を悪くするため、歯周病を併発しやすいと言われています。まずは糖尿病に陥らないような食事や運動、禁煙を心懸けましょう。
血液疾患:
 血流などの障害により免疫力の低下などが起こり、細菌が原因である歯周病になりやすいと言われています。そのため、口の中は常に細菌を除去して積極的にきれいにしておきたいものです。
妊娠の時:
 妊娠が歯周病の直接の原因になるわけではありませんが、妊娠中はホルモンの変化など様々な生活環境が変化しやすく、そのため、二次的に歯周病になりやすいので注意が必要です。

食生活の改善

 歯周病に限らず何らかの病気に罹っている人は食生活を見直し、そして健康な身体を維持するためにも食生活は非常に重要となります。特に歯周病の原因菌である歯垢(プラーク)は糖分を餌に増殖してゆきますので、糖分の多い食生活を続けていると、確実に歯周病へのリスクが高くなってしまうのです。また、歯周病は糖尿病と深く関わっているので、糖尿病になりやすいような高カロリー・高脂肪・塩分・糖類が多く含まれている食事は極力避け、過度のアルコールや食べ過ぎ、偏食も控え、バランスの取れた食生活を心懸けることが何よりも大切になってきます。
 なお、「この食べ物を食べれば歯周病が治る、予防できる」といった食品ものはありません。大切なのは、ビタミンやカルシウム、タンパク質、炭水化物など栄養バランスの取れた食生活を心懸けることです。


◆ワンポイント よく噛んで食べる
 ものをよく噛むということは非常に大切で、噛めば噛むほど唾液が分泌され、唾液によって細菌を洗い流されるため、それが歯周病予防・虫歯予防・口臭予防に効果的となります。さらに、よく噛むことにで満腹中枢が刺激されて食べすぎを防いでくれるので、肥満や糖尿病予防にもつながるのです。

 現代人、特に日本など発展国の人は柔らかいものを好んで食べる傾向にあるため、歯周病や虫歯になる人が多いと言われ、一方で柔らかい食べ物を食べる機会が少ない国の人は歯周病や虫歯になる人が少ないと言われています。このようにものをよく噛んで食べるとiうことは、口の中の病気、虫歯や歯周病に大きく関わっているのです。また、よく噛んで食べれば歯周組織を鍛えることができるので、間接的にも歯周病予防につながっているのです。
 確かに柔らかい食べ物は食べやすく、美味しいものも多いのですが、おかきやスルメ、ガム(無糖)など硬いものを積極的に食べたり、また、同じご飯でもよく噛んで食べる習慣をつけるようにするだけでかなり効果的なので、1度食生活を見直し、柔らかい食べ物だけでなく硬い食べ物も食べるようにし、よく噛んで食べる習慣を心懸けるようにしましょう。

充分な睡眠とストレスの解消

 睡眠不足になると人間の身体は抵抗力が落ちるので、〔細菌に感染しやすくなる⇒歯周病菌に感染しやすくなる〕ということになり、歯周病へのリスクが高まってしまいます。また、睡眠不足になるとストレスも溜まり、ストレスは人間の身体に様々な悪影響を与えますので、歯周病にも当然大きく関係してきます。

 まずは、ストレスによって抵抗力が低下するために歯周病菌に侵されやすくなり、さらにストレスが溜まっていると、睡眠時などに気づかないうちに歯ぎしりをしたり歯を強く噛むことが多くなるため、歯周病の進行を早めてしまう恐れもあるのです。
 何れにせよ、忙しい毎日を送っている現代人は睡眠不足になりやすく、ストレスも溜まりやすいと思われますが、歯周病に限らず健康な身体を保つためにも充分な睡眠を摂り、ストレスを溜めない、溜まったストレスは早めに解消するよう心懸けることが非常に大切なことになります。
禁煙

 タバコを吸っている人は吸わない人に比べて2〜7倍も歯周病になるリスクが高いと言われています。さらにタバコは歯周病の症状を悪化させ、タバコを吸っている限り歯周病は治らないとさえ言われていますので、歯周病を予防し、完治させたいのであれば禁煙は避けて通れない道だと言ってよいでしょう。
適度な運動

 運動不足は歯周病と関わりの深い糖尿病の原因ともなるので、難しいかも知れませんが、適度な運動を心懸けることが歯周病予防にもつながるのです。そして、適度な運動は身体の抵抗力を高めてくれるので、間接的にも歯周病を予防することにつながるわけです。
最後に〜さあ、今こそ生活習慣を見直そう!〜

 以上のように生活習慣を改めなければ、歯周病を予防する事はもちろん、歯周病を治療しても治りづらく、たとえ歯周病が治った場合でも再発しやすいので、生活習慣を見直す事が非常に重要なことになるのです。
参考3:“甘い”は“旨い”〜甘いものは上手に食べよう〜
甘いもので歯を悪くする生活習慣

 「旨い」の語源が「甘い」であるように、人間にとって昔から甘みは魅惑の味です。しかし、甘み、特に砂糖は虫歯の大きな原因でもあります。そこで、その危険な食べ方や生活習慣について以下で紹介しておきました。


■甘いもので歯を悪くする生活習慣
□ 1: だらだら食べている
 常にアメやお菓子、ジュースなど何か口に入っている状態。これは恰も「ずっと働いてていいよ」と虫歯菌に言っているようなものです。
□ 2: 甘いものが好き
 当然ながら砂糖の絶対量が多いほど虫歯になりやすくなります。
□ 3: 甘い飲み物が好き
 「ジュースなどは液体だし、歯に付かないから虫歯にはならない」と思っていないでしょうか? しかし、その考えは残念ながら間違いと言わざるを得ません。
□ 4: 酔っ払って寝込んでしまう
 虫歯菌が1番頑張るのは夜寝ている時です。しかも、カクテルなど砂糖の含まれるものを飲んだり、肉じゃがなど一見甘くはないが、やはり砂糖を使ったツマミを食べていればとても危険です。

甘い飲み物が危険! 

 砂糖の含まれる飲み物は虫歯の原因となります。そして、殆どの炭酸清涼飲料には10%程度の砂糖が含まれています。そんな訳で、虫歯予防のためにも甘い飲み物にはくれぐれも注意するようにしましょう。
甘いものはこうして食べよう


□ 1: まずは量より回数を減らす
 時間を決めて、食べる時は一気に食べるようにしましょう。だらだら食べるよりもダイエットにもなります。そして、食べ終えたら必ず歯磨きをするようにしましょう。
□ 2: 砂糖に注意
 虫歯の原因となるのは砂糖なので、砂糖以外の甘味料を使用したものを食べるようにしましょう。たとえばキシリトールなどの糖アルコールの仲間は虫歯の原因になりにくいと言われています。とにかく、「シュガーレス」を目印にしましょう。
□ 3: 飲み物はお茶などにする
 お茶にはタンニンやフッ素など虫歯になりにくくしてくれる成分が入っています。しかも、お茶はダイエットにもよいと言われています。何れにせよ、砂糖の入った飲み物をできるだけ避け、もしも飲む場合は一気に飲んで歯を磨くことです。とにかく、甘い飲み物は1日に1〜2本以上は飲まないようにしましょう。
□ 4: 寝る前には必ず歯磨きを
 たとえばお酒を飲んだりして夜遅く疲れて帰ってきた時の歯磨きは中々辛いものです。そのため、「朝、磨けばいいや」とついつい思いがちですが、それでは遅すぎると肝に銘じてておきましょう。


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【3】歯周病の様々な治療法〜予防治療から手術まで〜

 如何に歯磨きをして日頃から予防していたとしても、残念ながら歯周病になってしまったという人も中にはいるでしょう。そして、歯周病になってしまった人は歯科医院で手術を含む治療を受ける必要があります。
 本項では、そんな不幸にして歯周病に罹ってしまった人は一体どんな治療を受けるのか、その治療法について取り上げ解説しました。また本項では、併せて歯列矯正についても取り上げました。
歯周病の治療法アラカルト

 歯周病を治療してゆくには、時間もかかりますし、また症状が進行していれば最悪の場合は治療の甲斐なく歯が抜けてしまうこともあります。そのため、上で何度も述べてきたように、歯周病にはとにかく予防が大切なのですが、それでも日本人の多くが歯周病になってしまうのが現状です。それでは、残念ながら歯周病になってしまった場合はどのような治療を行なってゆけばよいのでしょうか。

 もちろんひと口に歯周病と言っても、症状を悪化させている原因は1人ひとり異なっていますので、まずは歯周病を治療してゆく前に検査を行ない、当然ながら1人ひとり適した治療を行なってゆくことになります。本節では、歯周病の治療法について、以下でなるべく詳しく紹介・解説しました。
プラークコントロール

 歯周病予防&治療共に基本となるのがプラークコントロールです。
 プラークコントロールとは、歯周病の原因である「歯垢(プラーク)=歯周病菌」の増殖を抑えることに重点を置いた予防&治療法で、正しい歯磨きの仕方や歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使用してプラークコントロールをすることが歯周病予防&治療の基本なのです。
スケーリング&ルートプレーニング

 歯周病の根本的な原因は何度も書いているように歯垢(プラーク)で、歯垢(プラーク)は毎日の歯磨き等で取り除くことが可能なのですが、実際には歯磨きの仕方が間違っていたりして完全に取り除けていないことが多く、歯垢(プラーク)は時間が経てば歯磨きでは取り除くことができない歯石になってしまい、そして歯石は歯周病菌の格好の棲家となるため、早めに取り除かなければどんどん歯周病が進行してしまうのです。また、歯周病になってしまえば歯周ポケットが深くなり、歯周ポケットに溜まった歯垢(プラーク)や歯石は歯磨きでは取り除くことが難しくなるため、これまた歯周病の症状が進行していってしまうのです。

 そこでこれらの歯石や歯垢(プラーク)を歯医者で除去してもらい、再び歯に付着しづらくしてもらう治療法がスケーリング&ルートプレーニングなのです。歯磨きでは取り除けない歯石はもちろん、取り除けていない歯垢(プラーク)を歯医者で除去することによって炎症が収まってゆき、歯周ポケットの深さも浅くなりますので、スケーリング&ルートプレーニングには、歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できるのです。
 しかしながら、歯垢(プラーク)は食事をすれば歯や歯の周りに付着してゆきますので、スケーリング&ルートプレーニング後でも毎日の歯磨き等で除去していかなければ再び歯石となってしまいます。そのため、歯周病治療は歯医者に任せっ切りするのではなく、自分でも積極的に治療に参加することがとても大切になるのです。
PMTC

 歯周病治療ではなく、主に歯周病、虫歯を予防することに重点を置いた治療がPMTC(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング)です。
 歯周病の原因である歯垢(プラーク)は歯磨きで除去できると言っても、歯と歯の間に付着した歯垢(プラーク)など実際には多くの方が歯磨きだけでは、バイオフィルム(歯にへばりついた細菌の塊)などは特に全には取り除けていないのが現実です。そのため、歯医者さんで専用の器具を使って毎日の歯磨きでは除去できていない歯垢(プラーク)を除去してもらうのがPMTCなのです。ただ、PMTCでは歯石を除去できまないので、これは基本的に歯周病治療として行なうのではなく、虫歯や歯周病の予防、または歯周病の治療が終わった人を対象にした治療となります。


PMTCの目的
  • 歯周病や虫歯の予防
  • 歯質の強化
  • 歯に付着した着色汚れを落とす
  • 口臭の予防

■PMTCの流れ
□ 1:  プラーク染色剤などを使用して磨き残しをチェックする
□ 2:  専用器具を使って、歯の表面はもちろん、歯と歯の間、歯肉(歯茎)に隠れた歯垢(プラーク)を除去する
□ 3:  歯の着色汚れなどを専用器具や薬剤を使用して磨き上げ、歯を綺麗にす
□ 4:  1本1本の歯の表面にフッ素を塗って丁寧に磨き、細菌を付着しづらくして虫歯や歯周病を予防する

PMTCの費用
 虫歯治療などと異なり、PMTCは基本的に保険が適用されない自由診療(自費診療)に当たりますので、1回3千円〜2万円くらいと、費用は各歯医者さんによって大きく異なります。そのため、事前に必ず確認して治療を受けるようにしましょう。

詰め物&被せ物の修正治療

 詰め物や被せ物の不適合があれば歯垢(プラーク)が付着しやすく、歯磨きで除去することが難しくなるため、詰め物や被せ物が合っているかどうかをチェックし、これらが合っていなければ修正する治療が行なわれます。そして、詰め物や被せ物が適合するようになるだけで歯垢(プラーク)が付着しづらくなり、また、付着した歯垢(プラーク)を取り除きやすくなるため、歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できるわけです。
薬(抗生物質)による歯周病治療

 歯周病は「歯垢(プラーク)=歯周病菌」に感染する病気なので、薬(抗生物質)を服用したり、或は歯垢(プラーク)が溜まっている歯周ポケット内に薬を直接挿入したりして、増殖した細菌を減少させてゆく治療も同時に行なわれます。
歯ぎしりの治療

 先にも取り上げましたが、歯ぎしりをしていると歯周病の症状が進行しやすいので、マウスピースなどを使用して歯ぎしりをなくす治療が行なわれます。
噛み合わせの治療

 噛み合わせが悪かったりして一部の歯に負担がかかっている場合、その歯(=歯槽骨)が破壊され、歯を失う原因となりますので、噛み合わせを調整する治療が行なわれます。
生活習慣や食生活の改善

 歯周病は感染症です。病気や睡眠不足、ストレスを感じている時など身体の抵抗力が落ちている場合は歯周病菌に感染しやすくなります。そのため、充分な睡眠や適度な運動、ストレス解消は歯周病を治療してゆく上でも欠かせないのです。さらに、歯周病と関係の深い糖尿病にならないような食事、また、よく噛んで食べるなど食生活を見直すことも必要になります。
歯周病治療後の定期的なメインテナンス

 歯周病を治療し、目出度く完治した場合でも、歯周病に1度でもなった人は残念ながら再び歯周病になってしまう可能性が高いと言われています。そのため、歯周病の再発を防ぐためにも歯周病治療後のメインテナンスが非常に重要となります。
 従って、何度も述べているように、正しい歯磨きの仕方はもちろん、健康的な生活習慣や食生活を送り、できれば2〜3か月に1回、最低でも半年に1回は歯医者で定期健診を受けて歯周病を予防することが何よりも大切になります。何れにせよ、歯周病は口の中の治療だけでなく生活習慣や食生活なども併せて見直し改善してゆかなければならず、また、歯医者で治療を行うことはもちろん、自分自身でも歯周病を治すための努力が非常に重要になるのです。
歯周病の手術法

 歯周病は何よりも予防が大切で、それでも歯周病になってしまった場合はスケーリング&ルートプレーニングなどの治療を行なうことによって症状の改善を図るのですが、中度または重度歯周病などの歯周病の場合は残念ながらこれらの治療法では症状が改善されない場合があり、そのような場合には以下で紹介するような外科的歯周病手術が行なわれることになります。


歯肉剥離掻爬術(フラップ手術):
 歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ)とは、フラップ手術とも呼ばれ、歯周ポケットが深いために歯石や歯垢(プラーク)を完全に除去できないような場合に、歯周ポケット自体を切除した後、歯肉を歯槽骨から剥がし、歯と歯肉の間に溜まっていた歯石や歯垢を除去(スケーリング&ルートプレーニング)し、そして、歯石や歯垢を除去した後に歯肉を元の位置に戻して縫合する手術法です。

歯周組織再生療法(エムドゲイン):
 歯周組織再生療法(エムドゲイン)とは、手術法自体は上記の歯肉剥離掻爬術とほぼ同じで、剥がした歯肉を縫合する前に歯槽骨にエムドゲイン(開発歯周組織再生誘導材)というタンパク質の一種を塗布することによって歯周組織の再生を図る治療&手術法です(※エムドゲインは日本でも認可され安全性が認められている薬品です)。

組織再生誘導法(GTR法):
 組織再生誘導法(GTR法)とは、上記2つと手術法自体は同じで、エムドゲイン(開発歯周組織再生誘導材)ではなく人口の特殊膜を歯槽骨に塗布することによって歯周組織の再生を図る手術法です。

歯の分割治療・手術:
 臼歯(奥歯)の根元は2本または3本になっていることが多いのですが、この状態だと根元の間に溜まった歯石や歯垢(プラーク)を除去することが困難なため、臼歯(奥歯)を2分割することによって溜まった歯石や歯垢』を除去し、歯石や歯垢を除去した後に被せ物をする治療&手術が行なわれます。

インプラント治療:
 重度歯周病などによって歯周病治療の甲斐なく残念ながら歯を失ってしまった場合、今までは入れ歯やブリッジという選択肢しかありませんでしたが、最近では、顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に歯を作ってゆくインプラント治療が行なわれることも多くなりました。なお、近年ではこのインプラント治療を行う歯医者さんも増えていますが、インプラント治療は健康保険などが適用されない自由診療のため、料金は各歯医者さんによって異なります。そのため、事前に歯科医に確認し、インプラント治療を行なうかどうかを決めるようにしましょう。

その他の手術法:
 歯周病は虫歯と異なり、まだ治療法が完全に確立されておらず、また、虫歯に比べて症状も複雑なため、上記以外にも1人ひとりの症状によって様々な手術が行なわれることがあります。そのため、如何なる歯周病手術を行なう場合も、事前に歯医者さんや歯科医師とよく話し合い、納得してから治療&手術を行なうようにしましょう。

大人の歯列矯正
何故歯並びが悪くなるのか?〜歯並びが悪くなる原因〜

 歯並びにはもちろん遺伝的な要因もありますが、その多くは生まれた後、子どもから大人にかけての生活習慣、また癖によって大きく変化します。特に成長期の骨格がつくられている時期に不自然な癖をつけてしまうと不正咬合を引き起こす可能性が非常に高くなります。逆にこの時期に両方の歯でしっかり噛むことで顎の大きさのアンバランスさを改善することも可能になるのです。


■歯並びが悪くなる原因
幼児
  • 遺伝的要因:生まれつき歯の大きさや形、顎が小さい、変形しているなど
  • 乳歯が抜ける時期:虫歯による抜歯、乳歯がいつまでも抜けないなど
  • 幼児期の癖:指しゃぶりや唇を噛む、一方向に向いて寝る、頬杖をつくなど
  • 顎の発達:柔らかい食事による顎の未発達
成人
  • 虫歯や歯周病などの治療:永久歯の抜歯後そのまま放置している、詰め物や被せ物が合ってない、骨折や外傷によるあごの変形、親知らずによって歯が押し出されたなど
  • 呼吸:口呼吸が多い
  • 食事の癖:一方向ばかりを使って食べるなど

歯列矯正の意義


 人間の歯は乳歯が20本、永久歯が32本となっています。生え変わりや成長の時期にきちんと噛む習慣がつかないままだと顎が小さくなりますが、そうすると、成長した歯が口腔内に収まり切らず、歯並びが悪くなってしまうわけです。歯並びが悪ければ噛み合わせも悪くなり、当然ながら歯の隅々まで磨けないといった弊害も起こってきます。
歯列矯正


歯並びが悪いまま放置しておくと・・・ 
  • 虫歯や歯周病になりやすい:歯ブラシが当たりにくく、磨き残しが出る
  • 笑顔に自信が持てない:人前で笑うことを避け、ストレスの原因になる
  • 食物がうまく噛めない:食物を余り噛まずに飲み込んでしまうため、胃腸に負担がかかったり、或は早食いとなることで肥満の原因にもなる
  • 発音が悪くなる:噛み合わせが悪くなると、うまく発音できない音(特に英語)ができる
  • 顎関節症になりやすい:噛み合わせが悪くなり、口が開かなくなることもある
 上記のように噛み合わせが悪いまま生活を続けていると様々な悪影響が出てきます。さらにそれが積み重なると、高血圧や肥満などの生活習慣病、不眠、便秘など全身に影響が及ぶこともあるので、くれぐれも注意が必要です。

主な歯列矯正装置の種類
  • 着脱式と固定式:固定式のマルチブランケットが一般的ですが、見た目の悪さが多少難点かも知れない。
  • マルチブランケット法の応用:舌側に装置をつけることで見た目を克服(フルリンガル法)している。
  • ハーフリンガル法:上の歯には裏側に装置をつけ、笑った時に見えにくい下の歯には表に装置をつける方法。
 矯正は長い時間がかかるため、近年はその間の見た目も重視されるようになってきました。最近ではセラミックの装置が登場するなど従来の歯列矯正装置のイメージの悪さを克服する工夫がなされています。


◆ワンポイント6: 欧米では歯並びがきれいなのは当たり前
 日本では歯並びが悪いからという理由で仕事やその人自身の評価が下がるということはまずありません。ところが、欧米の場合は違って、「歯並びが悪い=健康管理ができていない」と見なされ、評価が下がってしまうのです。ちなみに、日本では八重歯は可愛いというイメージがありますが、それとは対照的に、欧米では古くから八重歯はドラキュラの歯と言って嫌われていたのです。

歯列矯正にかかる費用

 歯列矯正は基本的に自由診療のため病院によって費用は異なりますが、大体70〜100万円程度(病院や歯の状態によって異なる)と言われています。


健康保険が使えるケース
  • 唇顎口蓋裂の人の歯列矯正:育成・更正医療機関の指定を受けている施設で治療すると、自己負担分に関しても自治体から補助を受けることができます。
  • 顎変形症と診断された人が外科手術を行う前に実施する矯正:顎変形症の術前矯正は、都道府県から顎口腔機能診断基準施設の指定を受けた施設で行なう場合に限り保険が適用となります。
  • その他:第1・第2さい弓症候群、鎖骨頭蓋異骨症、クルーゾン症候群、尖頭合指症、トリーチャーコリンズ症候群、ピエールロバン症候群、ダウン症候群、ラッセルシルバー症候群、ターナー症候群、ベックウィズ・ヴィードマン症候群
 なお、子どもの矯正の場合は申請すれば医療費控除を受けることができますが、大人の場合は、美容整形のための歯列矯正(自費)は医療費控除の対象にはならないなどケースバイケースなので、事前に矯正を受ける病院で確認するようにしましょう。

参考(1):大人の歯列矯正はいつまで受けられる?

 歯列矯正は成長期の方が短期間に行なえるため、子どもの頃に行なうのが理想的です。しかし、この時期の矯正は親の意思によるところが大きく、また、細かいケアが求められるため、子どもにも負担がかかる場合も考えられます。しかし、大人になってから行なう矯正は、「見た目の美しさや健康のため、また噛み合わせをよくしたい」という本人の希望によって行なわれるため、根気よくケアを行なうことができ、時間はかかっても、うまくいくケースが多いと言われています。

 それでは、歯列矯正はいくつになってもできるのでしょうか。答えは残念ながらそうとも言えないのです。
 いくら強い意思があったとしても、歯周病が非常に悪化しているケースなど、歯や歯肉といった周辺の支持組織が既に矯正に耐えられない状態になっているような場合名、歯列矯正を行なうこと自体が困難になります。また、閉経後の女性は、移動する歯根膜の牽引側の骨が新しくなりにくいため歯列矯正が難しいとも言われています。さらに、子どもの歯列矯正に比べて歯の移動スピードが遅いため時間もかかるのがネックです。
参考(2):歯列矯正と審美歯科はどこが・どう違うのか?

 矯正歯科は、自分の歯を正しい位置に動かすことできれいな口元にすることを目指したものです。それに対して審美歯科は、歯の色や詰め物の色をホワイトニングするなどして見栄えをよくするのが基本で、場合によっては一部の歯を削るなどして歯並びを修正する治療も行なっています。大きく分けると、口元全体のバランスを美しくするのが矯正歯科で、ひとつひとつの歯をきれいにすることで口元全体を美しく見せるのが審美歯科と言えるでしょう。

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【4】上手な歯医者さんのかかり方〜歯医者さんとどう付き合うか?〜

 虫歯や歯周病になれば私たちは歯医者にかかるわけですが、歯が悪くなる前に予防を兼ねては医者にかかっておくことも大事です。本項では、そんな上手な歯医者さんの利用法について取り上げ解説しました。
いつまで歯医者にゆかなくて平気?〜歯医者にゆくのをいつまでも渋っていると〜

 風邪を引いたら毎回必ず病院にゆくという人はいるでしょうか? 恐らくお家で安静にしてよく眠り、しっかり栄養を摂って、病院にゆかずに風邪が治ることもよくあるのは知られている通りです。けれども、風と違って虫歯の場合、罹ってしまうと自然に治ることはありません。歯の組織が蝕まれているの、蝕まれた部分を取り除いてきれいなものに詰め替えないと、虫歯がなくなることはありませんし、穴が開いた部分が自然に塞がるということも絶対にありません。

 普通の人は、身体の痛みに関しては敏感に反応して、具合が悪ければ病院に行って診てもらうことが多いでしょうが、事これが歯となると、「歯医者さんは痛いからゆかない」などという理由でギリギリまで我慢し、「もう我慢できない」という状況になってから初めて歯医者さんに駆け込むということも多いはずです。口の中の痛みは「痛い」と感じたら既に手遅れなので、こうなってから治療にゆくと、却って治療の痛みが増してしまい、また、治療が終わるまで長い時間と治療費がかかってしまうことになるのです。
 それに関しては、歯周病も虫歯と同じです。歯周病は歯の周囲の組織が歯周病菌の出す毒素によって破壊されてゆく病気です。歯周病の初期症状である歯肉からの出血、また歯茎から血が出ても、「別に痛くはないし、他の症状はないから」と言って放っておいてしまう人が殆どで、そして放っておいた結果、歯が揺れて噛めなくなったり膿が出てきたりしてやっと重い腰を上げ、歯医者さんにゆくという人が多いのです。でも、ここまで来てしまったら、当然治療には痛みが伴い、治療期間も長くなって、治療費もたくさんかかってしまうのです。


 とにかく虫歯も歯周病も、放っておけば放っておいただけ悪化してゆきます。そして、繰り返しになりますが、悪化すればするほど治療期間は長く、通院回数も多くなって、治療中の痛みも酷くなり、治療費だって高くなるのです。ですから、虫歯も歯周病も、悪くなる前に歯医者に行って徹底的に治療してもらうのが賢いやり方だと言えるでしょう。
歯医者さんのかかり時

 それでは、いつ・どんなタイミングで歯科を受診すればよいのでしょうか? 

 少しでも「何か変だな」とか「水が滲みる」などと感じた時に歯医者に行ってみるのが1番よいことです。虫歯も歯周病も初期のうちは自覚症状が余り無いので、少しでも「変だな」と思ったら直ぐに歯科医を受診してみるのがオススメです。
 また、自覚症状が余りない病気だからこそ定期的に専門家にチェックしてもらうのもよいでしょう。そして、チェックだけでなく予防のための処置もその時に一緒にしてもらうのです。予防のための処置で痛みを伴うものはありません。特に歯のクリーニング(PMTC)は気持ちよくって眠ってしまう人もいるくらいだと言います。数ヶ月に1回程度(※人によって虫歯や歯周病のリスクは違うので通院頻度は異なります)定期的に通う必要はありますが、1週間おきに何度も通うなどということはありません。当然費用もかかりますが、虫歯や歯周病になれば結局治療費がかかるのですから、同じお金をかけるなら病気にならないためにお金をかけた方がよいと言えるでしょう。
よい歯医者さんをどう選ぶ?〜よい歯医者さんを選ぶポイント〜

 よい歯医者さんの条件とは何でしょうか? 

 多くの人が求めている歯医者さんの条件はきっと“腕のよい歯医者さん”でしょう。しかし、実は只単にできてしまった虫歯を治療してくれるだけがよい歯医者さんではありません。なぜなら、できてしまった虫歯を治療するのは“対症療法”であって“原因療法(※症状の原因そのもののを治療すること)”ではないからです。「何故その人が虫歯になったのか?」を解決しないことには、折角虫歯を治療をしても、隣の歯がまた直ぐに虫歯になってしまうかも知れないからです。そうです。真のむし歯治療は、何故虫歯になってしまったのか、その原因を明らかにし、それに対してどのような処置をしてゆくのか、そして、それに対してしっかり患者さんに説明してくれる、治療後のアフターケアの方法をちゃんと教えてくれる、患者の口内の健康を守る方法を一緒に考えてくれる、患者さんとのコミュニケーションを大切にしている、そんな歯医者さんが本当のよい歯医者さんなのです。患者さん一人ひとりに合わせて口内の健康を回復し守るためのプラン(治療計画・予防計画・メインテナンス計画)を立てて治療を進めてくれる歯医者さんこそ、誰にとってもよい歯医者さんです。


■よい歯医者さん選びのチェックリスト
治療や処置に対してしっかりと説明してくれる
治療後のアフターケアの方法を教えてくれる
口内の健康を守るためのプランを立ててくれる
患者の話をよく聞いてくれる
痛くない治療を心懸けてくれる
待合室が清潔で、常に整理整頓がされている
受付の人の対応が丁寧で笑顔がある
治療器具や治療室が清潔である

よい患者になるために


■上手な歯医者さんのかかり方
予防のために受診する
悪化させないうちに受診する
患者としての最低限のマナーを守る


まずはよい患者になろう
 どんなに腕の良い歯科医でも、或は患者の健康を保つためにお手伝いをしたいと真剣に取り組んでいる歯科医院でも、良質な医療を提供するためには患者さんの協力が1番重要です。 患者さんの協力なくしてよい医療は提供できないのです。患者自身が「病気を治したい」「再発させたくない」「健康な口や歯をを保ちたい」と思わなければ治療は成功しないのは当然の話だからです。
 それだけではありません。歯科医を初めとした歯科医療スタッフとよい関係を築くことも大切です。もちろん歯科医療スタッフ側も良好なコミュニケーションのための努力をしなければなりませんが、患者側にだって最低限守って欲しいルールがあるのです。たとえば予約時間や無断キャンセルという問題があります。患者が遅れてくると、その時間を無駄に費やすことになり、治療時間の制約を受け、思い通りの結果が得られないこともあるでしょう。また、遅刻した患者のせいで、時間をきちんと守って来院する患者が待たされることになって、他の患者の迷惑になってしまいます。

■最低限守りたい患者のルール
受診前に歯磨きをしよう
 これは人に診てもらう時のエチケットです。
時間を守る
 遅れる時は必ず連絡をしましょう。
無断キャンセルをしない
 どうしても行けない時は連絡して予約を変更しましょう。
体調の悪い人や持病のある人は必ず申し出る
 歯の治療は全身に影響します。安全な診療のためにも必ず申し出ましょう。
治療を途中で勝手に止めない
 自分の都合で治療に行かなくなる人がいます。痛みが無くなったからと言って治療が終わったわけではありません。それを治療中で放置してしまうと、却って症状を悪化させてしまったり、他の歯に悪影響を及ぼすこともあります。完全に治療が終了するまで続けて通院しましょう。

参考4:歯周病治療に健康保険は使えるの?

 基本的な治療は健康保険の適用範囲内です。
 スケーリング&ルートプレーニングなど歯垢(プラーク)や歯石を除去し、歯周病の症状の改善を図る治療は健康保険や社会保険などの保険が適用されますが、一部の高度先進医療や歯周病手術などは基本的に健康保険の適用外となっています(※一部の大学病院を除く)。また、歯周病や虫歯予防のために行なわれるPMTCも健康保険などの適用外なの注意しましょう。

 何れにしても歯周病の治療を行なってゆく場合は、保険が適用されるのかどうか、適用されないような治療や手術の場合、当たり前の話ですが、具体的にどれほど治療費がかかるのか、必ず事前に確認するようにしましょう。
参考5:かかりつけ歯科医をご存知ですか?
この前歯医者に行ったのはいつ?

 歯が痛くならなければ歯医者に行かない。これが世間一般の歯医者に対する認識です。しかし、上でも触れたように、歯に関しては「痛くなってからではもう遅い」ということを心に留めておかなければなりません。毎年健康診断を受けるように、最低でも年に1度、できれば半年に1回くらいは歯科検診を受けて、歯と歯茎に異常はないかをチェックし、問題があれば早期治療に取りかかるべきなのです。虫歯や歯周病が進行してしまってからでは、治療費もかかる上に、最悪の場合は歯を無くしてしまうことにもなりかねないからです。
「かかりつけ歯科医」制度を利用しよう

 平成13年4月から「かかりつけ歯科医」という新規事項が医療保険に加わったことをご存知でしょうか。「かかりつけ歯科医」とは、病気(歯科疾患)の説明とその治療法の選択、治療日程の情報を、診察を受けた歯科医師本人から提供させることができるという制度のことで、患者側と歯科医師側とがお互いに信頼し合い、長く付き合ってゆくための合理的なコミュニケーションを図るために取り入れられた方法です。

 とにかく、かかりつけ歯科医がいると、虫歯・歯周病などの予防から治療まで幅広い対応をしてもらえたり、また、家族全体がかかりつけになることで、その人の歯についての生活環境も充分に理解され、予防や治療方針に生かすことができるなどメリットも多いと考えられます。次に歯医者に行った時は、その歯科医院が「かかりつけ歯科医」制度を実施しているかどうか是非確認してみましょう。
参考6:日本歯周病学会認定医について

 日本には本当に多くの歯医者(歯科医院)があり、私たちはその数多くの歯医者(歯科医院)の中から自由に自分がかかる歯医者を選ぶことができますが、全ての歯医者(歯科医師)の技術は決して同じではなく、歯周病に対する知識や考え方、治療法も異なるのが現状です。もちろん歯周病は歯医者(歯科医師)に任せっ切りにするのではなく、患者自身が積極的に治療に参加することがとても大切になります。しかし、特に歯周病は虫歯に比べて治療が多少複雑になるため、どうしても歯医者の技術に大きく左右される面があるので、できるだけ歯周病治療に精通した歯医者(歯科医師)で治療を受けたいものです。
 それでは、一体どのようにして歯医者(歯科医院)を選べばよいのでしょうか? 

 多くの歯医者(歯科医院)の中から何を基準にして選ぶかは人それぞれ違いと思いますが、ただ闇雲に「近いから」といった単純な理由だけで歯医者(歯科医院)を選ぶことは決して奨められることではありません。
 そこで、主に歯周病治療に焦点を当てた日本歯周病学会では、歯周病に対する専門的知識を有すると認められた歯科医師に対して「日本歯周病学会認定医」という資格を授与していますので、この資格を持っている歯科医師がいる歯医者さんで歯周病治療を受けることも考慮したらよいのではないかと思います。


■日本歯周病学会認定医になるための条件と受験資格
□ 1: 歯科医師免許を所有していること
□ 2: 日本歯周病学会指導医の元で5年以上の歯周治療の臨床経験を有すること
□ 3: 日本歯周病学会の会員になってから5年以上経過していること
□ 4: 申請時に50教育単位以上を取得していること(※学会発表や論文発表をしていること)
◇   上記の条件の全てを満たして始めて日本歯周病学会認定医試験の受験資格が得られ、そして、認定医試験に合格して晴れて「日本歯周病学会認定医」になることができるのです。そして、最新の歯周病に対する知識を確認するために5年毎に資格を更新しなければなりません。このように、日本歯周病学会認定医になるのは上記のように非常に難しく、日本歯周病学会認定医は現在、日本の歯科医師の1%にも満たないほど少ないと言われています。
歯周病専門医制度と認定専門医リスト(「日本歯周病学会」内):
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsp2/special/index.htm


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