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今月のワンポイントアドバイス


 喫煙はガンを始め呼吸器の病気や心臓病など様々な病気の重要な原因のひとつです。禁煙すると、これらの病気に罹るリスクが確実に減少すると言われています。それ以外にも禁煙には様々なメリットがあります。今月は、タバコのもたらす健康被害を解説した上で、禁煙成功の秘訣を紹介・解説しました。 タバコ

タバコの害と禁煙のコツ
【1】タバコとは?〜タバコと喫煙の基礎知識〜
【2】喫煙のリスク〜タバコと健康被害〜
【3】禁煙成功のコツ〜さあ、禁煙を始めよう!〜
【4】禁煙と医療〜医師による禁煙サポート〜


【1】タバコとは?〜タバコと喫煙の基礎知識〜

 タバコの害や禁煙のコツについて解説する前に、ここではタバコがどのようなものか、その由来や成分について簡単に解説し、併せて我が国における喫煙の実体等についても取り上げました。
タバコとは?

 タバコ(tabaco)は日本語ではなくポルトガル語なのですが、元来はアメリカ先住民の土語から来たもの、ないし一説には西インド諸島ハイチの土語から来たものと言われています。

 ちなみに、広辞苑第5版によれば、タバコとは、
《(1)ナス科の大形一年草。全草に毛があり、花は管状で赤または白色。全草有毒。タバコ属の野生種は数十種あるが、栽培種は数種。南アメリカ原産。スペイン人によりヨーロッパに伝えられ、始めは観賞用・薬用に栽培されたという。アメリカ・中国・インドその他に広く栽培される。葉はニコチンを含み、加工して喫煙用とする。日本には16世紀に九州へ渡来。関東北部・九州南部などが主産地。

(2)タバコを加工した嗜好品。葉を乾して発酵させ、葉巻・巻煙草・刻み煙草・嗅煙草・噛煙草などとしたもの。》
 とされています。


 今回扱うタバコは、(2)の意味のタバコの葉を乾かし発酵させて作った嗜好品を指しています。なお、タバコには紙巻タバコや刻みタバコ、嗅ぎタバコ、噛みタバコ、そして葉巻などの種類がありますが、ここでは紙巻きのタバコを一般的にイメージして下さって構いません。


タバコとその煙

タバコの成分〜3大成分:タール・一酸化炭素(CO)・ニコチン〜


■タバコの3大成文〜タール・一酸化炭素(CO)・ニコチン〜
タール〜タールには発癌物質などの毒性物質などが含まれる
 タールは、タバコに含まれる粒子分子のうちフィルターに茶色く付着するいわゆるヤニのようなべっとりしたものの総称です。ベンツピレンなどを初めとして100種類以上の発癌物質やニコチンを含む粒子で、煙中ではエアロゾル状になっています。
一酸化炭素(CO)〜一酸化炭素(CO)は動脈硬化を促進させる原因
 COは酸素に比べ200倍も強く酸素を運ぶ血液中の成分であるヘモグロビンに結合し、全身に酸素欠乏状態を惹き起こします。また、これ以外にも血管壁や血小板を傷つけたり肝臓でのコレステロールの代謝を阻害することにより動脈硬化を促進させると言われています。
ニコチン〜タバコ依存の主役はニコチン
 ニコチンは多幸感(ユーフォリア:Euforia、Euphoria)と言われる精神作用をも持っていますが、これはコカインなどの薬物と同様の作用で、人がタバコを吸うのはその作用を欲するためです。また、ニコチン毒性が強く非常に短時間に吸収されるため、たとえば初めてタバコを吸った時にフラッとしたり気分が悪くなったりするのはニコチンの急性毒性症状が出てそうなるのです。

まだまだ高い日本人の喫煙率

 近年、日本人の喫煙率は全体として見れば低下し続けています。しかし、欧米の水準からは程遠く、まだまだタバコを吸い続けている人が多いのが現状です。
 本節では、その弐本人の喫煙率について、参考までに下記で簡単に触れておくことにします。
日本と世界の喫煙率〜日本男子の禁煙率は欧米の約2倍〜


 我が国の成人男性の喫煙率は60年代には約80%でしたが、その後減り続け、05年には40%以下となりました。しかし、その一方で女性の喫煙率の低下は鈍く、特に若い女性における喫煙率増加は大きな問題となっています。
 また、先進国において日本の成人男性の喫煙率は最も高いと言われています。米国における男性の喫煙率は年々減少傾向にあり、現在では20数%まで低下しています。米国では、男性のガン死亡率(年齢調整)が90年代から減少を続けていますが、その理由のひとつは、喫煙率の低下による肺ガンなどの喫煙関連のガンの減少がその要因となっています。
喫煙男性の4人に1人、女性の3人に1人は禁煙を希望

 厚労省の調査によれば、現在習慣的に喫煙している男性の4人に1人、女性3人に1人が「タバコをやめたい」と考え、「本数を減らしたい」を含むと、「このままの喫煙習慣を続けたくない」と考えている人は6割を超えていると言います。また、喫煙者の半数以上が4〜5回禁煙を試みたことがあるそうです。

 なお、喫煙者の多くは喫煙を趣味ないしは嗜好と捉えているようですが、しかし、後で詳しく述べますが、止めることの出来ない喫煙は「ニコチン依存症」という“病気”であると言わなければなりません。
進むタバコ対策〜喫煙者を巡る包囲網〜

 「最近タバコを吸う場所がどんどん少なくなるなあ」と感じている人もいるかも知れません。あなたがタバコ嫌いの非喫煙者なら、タバコの煙に悩まされることが少なくなったと感じているかも分かりません。それは、近年それだけタバコの害が周知され、公共のタバコ対策が進んできた所以です。
 本節では、そのタバコ対策の実体について、参考までに以下で簡単に触れておくことにします。
受動喫煙防止が法制化

 先進諸国に比べて喫煙対策が遅れていた日本でも、03年5月に受動喫煙防止を掲げた健康増進法が施行されました。

 この法律では、受動喫煙の防止を図るために、学校・病院・百貨店・飲食店・事務所など多数の人が利用する施設では管理者が受動喫煙防止のための措置を行なうことを定めています。
 そして、この法律を契機に様々な公共施設で禁煙化が進んでいます。たとえば新幹線では07年3月以降禁煙化が一気に進み、東海道・山陽新幹線を除く全ての路線で全車禁煙車両となりました。また、タクシーの禁煙化も進み、08年1月現在、大分県・長野県・神奈川県・静岡県・富山県・山梨県・千葉県・岐阜県・愛知県・秋田県・茨城県・新潟県・埼玉県・東京都・福井県・群馬県の16都県で、都県レベルでの禁煙タクシーが実施されています。
禁煙化は世界的な傾向

 世界保健機関(WHO)では、70年以降タバコの有害性に注目し、タバコ規制の推進を健康政策の最重要課題としてきました。そして、タバコが健康に及ぼす悪影響から現在及び将来の世代を保護することを目的として、日本を含めた加盟国により「タバコ規制枠組条約(FCTC)」が採択され、05年2月に発効しました。そしてこの条約では、たとえば(1)タバコ税・価格の引き上げ、(2)受動喫煙の防止、(3)タバコ広告・販売促進の禁止、(4)タバコの包装の警告表示の強化、(5)禁煙治療の推進などが対策として盛り込まれています。
海外旅行先では注意を!

 現在では国の内外を問わず世界中の殆どの航空会社で全席禁煙となっているのはご承知の通りですが、アイルランドやフランス、イタリアなどでは国レベルで、また、アメリカやカナダ、オーストラリアでは多くの州で、職場・公共の場所における喫煙の法的規制が実施されています。たとえばハワイでは、レストランやショッピングセンター、空港など多くの人が集まる施設での喫煙が禁止され、違反して喫煙すると最大50ドルの罰金が徴収されます。また、英国でも07年7月から禁煙法が施行され、オフィスやレストラン、パブなどを含む公共の場での喫煙が全面的に禁止されました。

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【2】喫煙のリスク〜タバコと健康被害〜

 喫煙には様々なリスクが伴います。そして、そのリスクは非常に大きいものがありますが、その最大のものは何と言っても健康被害です。とにかくタバコは心身の健康に様々な影響を及ぼします。
 ここでは、タバコと健康との関わりについて心と身体の両面からご紹介・解説してゆきます。
タバコと健康被害

 以下の各節でも詳しく紹介しますが、タバコは殆ど全てのガンや各種疾患に関与しており、非喫煙者に比べ死亡リスクが非常に高いことが明らかになっています。
 その証拠に、全世界で年間500万人以上が喫煙に関連する病気で死亡していると言われます。事実、日本でもタバコが原因で死亡する人が11万人以上もいると推定されており、ここ20年でその数は約2倍にも増加しているのです。


■非喫煙者(1.0)と比較した場合の死亡率(男)
タバコによる健康被害(死亡率)

タバコとガン

 タバコを吸う量と発ガン率は正比例するということはご存知でしょうか? 

 喫煙は肺ガンに限らず全身のあらゆるガンを多くしますが、それは煙に含まれる発癌物質が身体に吸収され、様々な臓器に蓄積されるからです。たとえば肝臓ガンや膀胱ガンなどは、それぞれ非喫煙者の1.7倍、1.6倍の死亡率を示していると言われます。

タバコとガン
 我が国では、1950年当時は年間僅か千人であった肺ガン死亡者数が現在では5万人を超えていますが、これは約50年間に50倍も死亡者数が増加していることになります。この増加傾向は喫煙率が高い男性で顕著で、喫煙者は非喫煙者に比べて肺ガンで死亡するリスクが男性で4.5倍、女性で2.3倍にも高まります。また男性の場合、喉頭ガンで死亡するリスクは喫煙しない人に比べて32.5倍にもなります。

 このように、呼吸器系のガン(肺ガン・喉頭ガン)だけでなく、消化器系のガン(口腔&咽頭ガン・食道ガン・胃ガン・肝臓ガン・膵臓ガン)や泌尿器系のガン(腎盂ガン・尿管ガン・膀胱ガン)、また子宮頸部のガンなど、喫煙により全身に渡る様々なガンに罹るリスクが高まります。
 その一方で、禁煙するだけでこうしたガンのリスクを確実に低くすることが出来ます。たとえば肺ガンの場合、禁煙して4〜5年で死亡リスクは喫煙者の半分程度となり、禁煙後の年数が経つほど低くなってきます。さらに60歳代の人であっても、禁煙により肺ガンによる死亡リスクを減らすことができるのです。


■喫煙者のガンんによる死亡のリスク(※非喫煙者を1とした場合)
【男性】
●肝臓ガン 32.5倍
●肺ガン 4.45倍
●口腔・喉頭ガン 3.00倍
●食道ガン 2.24倍
●全部位のガン 2.24倍
●膀胱ガン 1.61倍
●膵臓ガン 1.65倍
●肝臓ガン 1.50倍
●胃ガン 1.45倍
【女性】
●咽頭ガン 3.29倍
●肺ガン 2.64倍
●膀胱ガン 2.29倍
●食道ガン 1.75倍
●肝臓ガン 1.66倍
●子宮頸ガン 1.57倍
●膵臓ガン 1.44倍

タバコと循環器疾患

 喫煙により虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)や脳卒中、血管病(閉塞性動脈硬化症やバージャー病、大動脈瘤)に罹りやすくなるだけでなく、症状が悪化しやすくなります。これは、タバコを吸うことで、血液をドロドロにする血中成分の増加や善玉(HDL)コレステロールが減少して動脈硬化が促進されるためだと考えられます。

 なお、男性では喫煙により虚血性心疾患のリスクは約3倍に高まり、喫煙本数が増えるほどそのリスクが増加します。ただし、禁煙すれば2年以内にそのリスクは減少し、禁煙は虚血性心疾患の予防に即効的な効果があることが分かっています。
 また、脳卒中も喫煙により男性では1.3倍、女性では約2倍起こりやすくなります。タバコを吸わなければ、男性では17%、女性では5%、合わせて16万人もの人において脳卒中の発症が予防できると考えられています。
タバコと呼吸器疾患

 喫煙はCOPD(慢性閉塞性肺疾患=肺気腫・慢性気管支炎など)や喘息などの呼吸器系の疾患を惹き起こします。COPDはその発症原因の90%以上が喫煙とされ、近年「タバコ病」としても注目されるようになってきました。どんな人でも加齢と共に肺の働きは低下しますが、喫煙者ではそれがより急速に起こるのです。

 具体的に言うと、長期間タバコを吸っている人の約20%が、定年の頃になると咳や痰の量が増え、階段を上ることも息苦しくなります。そして、それが進行すると、ひどい息切れによって生活が不自由になり、場合によっては酸素療法が必要にもなるのです。ただし、禁煙はそのCOPDの進行を遅らせることができると言われています。
タバコとその依存性〜やめられない喫煙は「ニコチン依存症」〜

 05年現在、日本の成人喫煙者は約2,600万人弱と推計されていますが、このうちの約7割がニコチン依存症と推定されています。
 本節では、喫煙と精神面の関係も含め「ニコチン依存症」について、以下で取り上げ解説しました。
喫煙と精神面との関係

 ストレスを解消するためにタバコを吸っているという人もよくいますが、確かに仕事など様々な理由により蓄積されたストレスがタバコを吸うことによって軽減されるということもあるでしょう。しかし、タバコが精神面にもたらす影響は全くその逆であるということは既に実証されている事実です。
 それというのも、タバコに含まれるニコチンは脳で神経伝達物質として働き、その覚醒作用や抑制作用が一時的に起きるだけなのです。タバコを吸うことで一時的なスッキリ感を味わうことが出来たとしても、本当のストレスの解消とはなってはいないのが現実なのです。
ニコチンとは? 

 ニコチンという名称は、1550年にタバコ種をパリに持ち帰ったフランスの駐ポルトガル大使ジャン・ニコに由来しています。

 それでは、そのニコチンが引き起こす症状としてはどのようなものがあるのでしょうか? 
 まずは毛細血管の収縮や血圧上昇、脈拍の増加、手足が冷たくなるなどの症状が挙げられます。また、気管支も収縮し、筋肉も緊張状態になります。やがて血液中に一定のニコチンがないと神経や脳が正常に働かなくなり、頭痛・心臓障害・不眠・苛立ちを感じるなどの症状をもたらすことになります。そして、それらを避けるためにさらにタバコを求めるようになるわけですが、これが「ニコチン依存症」です。
タバコが止めにくいのはタバコの依存性が原因


 タバコが止めにくいのはタバコの依存性に原因あります。そして、タバコ依存は、(A)「身体的依存(=ニコチン依存)」と、(B)「心理=行動的精神的依存(=習慣性)」の2つの側面からから成ると言われています。
タバコの心理的依存と身体的依存


■タバコとその依存性
◆身体的依存(=ニコチンへの渇望)
  • イライラ
  • 朝の目覚めの1本の欲求
  • 不眠
 急速に肺から吸収され数秒で脳内に達するニコチンは、脳内で本来働く神経伝達物質の代わりに刺激を与え、快感や報酬感を与えますが、これを繰り返すうちに、ニコチンがないとイライラや落ち着かないなどのニコチン切れ症状(=禁断症状)が現われるようになります。これを「身体的依存」と呼びます。
 喫煙者はタバコを吸うと頭がすっきりするとか気分が落ち着く、リラックスするなどと感じ、タバコを吸うことで一時的に禁断症状が解消されますが、吸い終わって暫くすると、ニコチン切れに伴う禁断症状が出現し、再びタバコが欲しくなるのです。
◆心理=行動的依存(=習慣性)
  • 食後の1服
  • 仕事の休息
  • 手持ち無沙汰
 煙草を吸い続けることで、身体的依存の他にも心理的な依存が生じてきます。タバコを吸ってよかったというような記憶や身についた癖、習慣などをここでは「心理的依存」と呼びます。

参考:ニコチンの依存度を判定する簡単な方法


◆ワンポイント1: ニコチン依存度簡易判定
 長い間タバコを吸っている人は、多くの場合、身体的にも心理的にもニコチン依存になっていると言われています。では、どれくらい身体的にニコチン依存になっているかの規準を以下で簡単に解説しておきましょう。

 (A)毎日の喫煙が25本以下で、(1)「朝目覚めてから最初の喫煙までの時間」が30分以上の人はニコチン依存度は「低」、(2)30分未満の人はニコチン依存度は「中」、また、(B)毎日の喫煙が26本以上で、(1)「朝目覚めてから最初の喫煙までの時間」が30分以上の人はニコチン依存度は「中」、(2)30分未満の人はニコチン依存度は「高」だと考えてよいでしょう。

タバコはもう個人の問題ではありません!〜受動喫煙の脅威〜
受動喫煙
 他人が吸ったタバコの煙を自分の意思とは無関係に吸わされてしまうことを一般に「受動喫煙」と呼びます(タバコを吸わない非喫煙者が自分の意志と関わりなくタバコの害を受けることになるため「不本意喫煙」などとも言われます)。

 もっとも喫煙による健康被害のリスクは分かるが、受動喫煙によるリスクには今ひとつピンと来ないものを感じるという方もいらっしゃることでしょう。でも、受動喫煙によって病気に罹るリスクが上がることが近年の研究で明らかになってきています。このように、受動喫煙は非喫煙者の健康も損ねるため、これを防ぐための取り組みが近年課題となっています。
慢性受動喫煙の脅威

 家庭の中にタバコを吸う人がいると、それが3歳児の幼児が喘息様気管支炎に罹患する率が非常に高くなると言われています。また、夫が1日20本以上喫煙する時の妻の肺ガン死亡率も1.91倍と効率を示しています。日本禁煙学会によると、日本では受動喫煙による死亡者は年間2万人を超えると推定されているのですが、これは交通事故死の何と2.5倍に相当する数字です。
 このように、喫煙は喫煙者自身の健康影響だけの問題ではなく、非喫煙者に対しても健康被害を与えるものです。最近は、受動喫煙による健康被害に対して賠償を命じる判決も出ております。
主流煙より副流煙に問題が!〜副流煙に含まれる有害物質(※主流煙との比較)〜

 タバコの煙は、その性質により2種類に分けられます。(1)ひとつは、タバコを吸う人が吸い込む「主流煙」で、(2)もうひとつは、火の点いたタバコの先から出る「副流煙」です。このようにタバコの煙には、本人が吸う「主流煙」とタバコの先から立ち昇る「副流煙」とがあるのです。

 また、タバコの煙には多くの有害物質が含まれますが、その量は、実は主流煙よりも副流煙の方が数倍から数10倍も多いことが分かっています。これは、主流煙が燃焼温度の高い部分で発生し、タバコの内部やフィルターを通過するのに対して、一方の副流煙は燃焼温度が低いため、主流煙に比べて有害物質が高い濃度で含まれているためです。たとえば灰皿に置いたタバコから立ち上る煙(=副流煙)は、量は大したことはないのにツンとする刺激臭がして目が痛んだり咳き込んだりした経験をお持ちの方もあると思いますが、これは主流煙よりも刺激物質が多く含まれているために起こる現象で、これはそれだけ副流煙には有害物質が含まれている証拠なのです。
受動喫煙による被害

 喫煙男性の妻の肺ガン死亡率は非喫煙男性の妻より明らかに高く、夫の喫煙量と共に高くなることが知られています。40〜69歳のタバコを吸わない日本の女性約2万8千人を調査した結果、夫からの受動喫煙によりタバコを吸わない妻が肺ガンに罹るリスクは約30%高まることが分かりました。特に女性に多い肺腺ガンに限ると、約2倍高くなっていることが分かっています。
参考:タバコの煙に含まれる有害物質

 それでは、タバコの煙にはどのような有害成分が含まれているのでしょうか? 

 タバコの煙の中には約40種類の発ガン物質を含む数千種類の化学物質があります。タバコの主な有害物質として、習慣性がある他、血管を収縮させて血流を悪くしたり血管の老化を早めるニコチンや、全身への酸素の運搬を妨げる一酸化炭素、発ガン物質のベンツピレンやニトロソアミン、そしてダイオキシンまでが含まれているのです。


■タバコの煙に含まれる有害物質
物質名 性質 主流煙に対する
副流煙の含有量
ニコチン 有害物質 2.8倍
ナフチルアミン 膀胱発ガン性物質 39.0倍
カドミウム 発ガン性物質・肺気腫 3.6倍
ベンツピレン 発ガン性物質 3.9倍
一酸化炭素 有害物質 4.7倍
ニ卜ロソアミン 強力な発ガン性物質 52.0倍
チッ素素酸化物(NOX) 毒性 3.6倍
アンモニア 粘膜刺激・毒性 46.0倍
ホルムアルデヒド 粘膜刺激・繊毛障害・咳反射 50倍

女性と喫煙


 男性の喫煙者は年々減って一方で、女性の喫煙者数は変わらずというよりも、却ってまだ増えているのが現状です。しかし、女性にとってタバコは健康を害するだけでなく、美容の大敵でもあります。

 そこで本節では、タバコが女性の身体に与える影響についてご紹介・開設します。


スモーカーズ・フェイス
 喫煙により皮膚の弾力が低下して深いシワが増え、肌のキメが粗くなります。頭髪の変化(白髪や脱毛)や唇の乾燥、歯または歯肉の着色、口臭、声の変化などが起こり、実際の年齢よりも老けた、いわゆる「スモーカーズ・フェイス(=喫煙者の顔つき)」になることが知られています。
卵巣機能の低下
 喫煙は月経時痛や月経周期不整、早期閉経に関係しています。 
胎児への影響・妊娠合併症
 胎児発育遅延と早産、胎盤に関する合併症、前期または破水、周産期死亡、流産、子宮外妊娠の増加、母乳分泌の減少などが起こりやすくなります。また、胎児への影響は妊娠している母親だけでなく周りの人の喫煙によっても起こります(※前述の「受動喫煙」の項を参照)。
子宮頸ガン
 喫煙は子宮頸ガンが発症する原因のひとつに挙げられています。
経口避妊薬使用への影響
 経口避妊薬を服用している時に喫煙していると、副作用である血栓症を起こす危険性が高まります。


◆参考1: 喫煙が及ぼす妊娠・出産への影響
 喫煙は流産や早産が起こりやすくなることはご存知でしょうか? 
 たとえばタバコを吸う妊婦は、吸わない妊婦よりも1.5倍ほど自然流産しやすくなり、1.4〜1.5倍ほど早産しやすくなり、また、1.2〜1.4倍ほど周産期死亡(※妊娠28週以降の死産と生後1週間未満の早期新生児死亡)が高くなるというデータが出ています。また、海外の調査によると、喫煙により不妊の危険性が高まるとのことです。そして、経口避妊薬(ピル)を服用している場合、喫煙によって虚血性心疾患に罹る危険性が高くなるという諸外国の報告もあります。このように、子どもを作り出す働きに喫煙は非常な害を及ぼすことを忘れないでいてほしいものです。

タバコと子ども〜子どものいるところでは喫煙はダメ〜

 子どもをタバコから守りましょう! 
 受動喫煙のところでも触れましたが、タバコが子どもに与える影響、また、本人が吸わなくても周りの人間の喫煙も子どもに影響があるのです。これは真剣に考えておきたい事柄です。

 あなたにはお子さんはいらっしゃいますか? 子どもがいるとしたら、上でも触れた副流煙に注意をする必要があります。たとえば3歳時の喘息様気管支炎の発症率は喫煙者のいない家庭と比べて1.5倍から2倍は高くなるというデータが出ています。また、妊娠中の喫煙は胎児の発育に影響を与え、出生時の体重が平均で200グラム少なくなり、低体重児が生まれる率を2.4倍高くするというデータも出ています。
 従って、子どものいるところではくれぐれも喫煙は控えましょう。


■親の喫煙による子どもの健康への影響
病気・状態 親の喫煙による影響
自然流産 1.1〜2.2倍
乳幼児突然死 4.7倍
低体重出生 1.2〜1.6倍
虫歯 2倍
肺炎・気管支炎 1.5〜2.5倍
気管支喘息 1.5倍
咳・痰・喘鳴 1.4倍
中耳炎 1.2〜1.6倍
呼吸機能低下 1秒量低下
全身麻酔トラブル 1.8倍
知能低下・多動症 IQ 5%低下


◆参考2: 受動喫煙による子どもの尿中コチニン
 子どもの尿中コチニン量を親の喫煙状況で比べると、たとえ換気扇の近くや屋外で吸っていても、両親ともに喫煙しない子どもに比べて3倍以上になり、受動喫煙の程度が高まっていることが分かります。このことからも分かるように、「目に見えるタバコの煙が家族にかからないから大丈夫」とは言えないのです。


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【3】禁煙成功のコツ〜さあ、禁煙を始めよう!〜
禁煙


 WHO(世界保健機関)によると、「タバコは病気の原因の中で予防できる最大の単一の原因」だそうですが、最近になって数多くの調査や研究によってこれが科学的に証明されつつあります。だからと言って、健康のためにもタバコを止めようと思っても、実際問題として中々タバコを止められないのも実情です。
 ここでは、禁煙を成功させるために有効と思われる禁煙のステップと禁煙成功のコツを紹介します。この機会に是非とも禁煙を成功させましょう。
はじめに〜禁煙のメリット〜

 今までかなりタバコを吸ってきたから、今さらタバコを止めても遅すぎると思う方もいらっしゃるかも知れません。でも、禁煙すれば、その日から肺ガンや虚血性心疾患で死亡する危険率が徐々に低下してゆくことが分かっているのです。
 本節では、具体的な禁煙方法を解説する前に、まずは禁煙のメリットについて参考までに取り上げます。
(A)禁煙と美容

 近年、男性の禁煙率に比べて女性の禁煙率がまだまだ低いままだと言われています。でも、美容に禁煙は不可欠です。その意味で、禁煙は女性の敵なのです。
 そこで、禁煙をすることによって美容面においてどのようなメリットがあるのか、以下で簡単に紹介・解説します。


眼球が奇麗になる!?
 タバコを止めると目が綺麗になります。その理由のひとつには、禁煙によって質のよい睡眠が摂れるようになるからです。それは、ニコチンには覚醒作用があるので、従って、たとえよく寝たとしても、その睡眠は決して質のよいものにはならないのです。
 要するに、禁煙によって質のよい睡眠を取り戻すことができ、そして、それはお肌に及ぼす影響だけでなく、目の輝きにも現われるのです。とにかく、美しい目は美人に不可欠ですし、また、白目の部分は透き通るように白くありたいものですが、これだけでもずいぶんと印象は変わるものです。

喫煙とシミ・ソバカス
 タバコを吸うと、血管が収縮して血行も悪くなります。また、メラニン色素の代謝に関係するビタミンCを体内で消費させる働きもあります。これは肌にとっては非常に悪い状態です。そのため、肌が荒れたりシミやソバカスができすくなるのです。
 上で「女性と喫煙」として「スモーカーズ・フェイス」に触れましたが、このように喫煙者で肌が荒れている方がいれば禁煙をしてみて下さい。きっと美しい肌になると思います。

美人と白い歯
 タバコによるヤニや歯の黄ばみ、口臭、歯周病は気になりませんか? タバコを吸うと、歯や歯茎へのメラニン色素の沈着や、歯へのタールの沈着を起こしやすくなります。また、喫煙者はタバコを吸わない人に比べて歯肉炎などの歯周疾患に罹りやすくなります。
 とにかく歯のホワイトニングなどに注目の集まる昨今、禁煙によって、いつでも美しい白い歯を保っていたいものです。

(B)禁煙と節約〜喫煙にかかる費用〜

 喫煙者は日頃タバコに幾らぐらいのお金をかけているのでしょうか? 
 計算してみるとちょっとビックリされると思います。実は禁煙はとても効果的な節約法でもあるのです。

 それでは、肝心の喫煙にかかる金額は幾らかと言えば、たとえば280円の煙草を吸ったとして、
  • 1日1箱の場合、280円×365=102,200円
  • 1日2箱の場合、5600円×365=204,400円
 では、10年間タバコを吸い続ければどうなるかというと、
  • 1日1箱で、1,022,000円
  • 1日2箱で、2,044,000円
 という計算になります! 

 今まで10年間タバコを吸い続けている方は、これが20年30年と一体なるとどうなるでしょうか? 計算してみるまでもないでしょう。


◆参考3: タバコと税金
 タバコの金額の殆どは税金です。その税金が近くまた上げられるそうですが、とにかく政府にとって喫煙者は多くの税金納めてくれてるお得意様だということになります。なお、タバコは税負担率が6割にも上る我が国でも最も税負担率の重い商品のひとつになっています。健康被害を撒き散らすタバコに販売許可を与えている政府にあなたは自分のお金で今後もこれ以上協力し続けますか? 


タバコと税金

禁煙ステップ(1):禁煙の準備


禁煙を始める日を決めましょう
 タバコを止めようと思っても、直ぐに止められるほど禁煙は甘いものではありません。そのため、1〜2週間程度の準備期間を設け、まずはその上で禁煙を始める日を決めましょう。

禁煙理由を確認しましょう
 禁煙を成功させるためには、まずは禁煙への意欲を高めることが重要です。そこで、禁煙したいと思う理由について考え、書き出しておきましょう。

自分の喫煙のパターンを知りましょう
 自分の喫煙行動を観察し記録すると、自分の喫煙パターンがよく分かり、禁煙するのに大変参考になります。そうすることで、タバコが吸いたくなった時にどのように対処したらよいか予め考えておきましょう。

自分の喫煙タイプを把握しましょう
 禁煙を始める前に、何らかの方法で自分のタバコへの依存度や依存タイプを知っておくことも禁煙の参考になってよいでしょう。

禁煙ステップ(2):禁煙開始直後(開始〜3日後ぐらいまで)
           〜離脱症状(=禁断症状)とその対処法〜

 禁煙すると、人によって程度の差はありますが、様々な離脱症状(いわゆる禁断症状)が出てきます。しかしその症状は禁煙2〜3日間がピークで、徐々に消失してゆきます。色々な対処法を試みたりしながら、その期間だけでも必死で頑張ってみましょう。
禁煙ステップ(3):禁煙開始2週間後
           〜吸いたい気持ちのコントロール法〜

 離脱症状が治まっても、やはりタバコを吸いたいという欲求はかなりの期間続きます。
 下記で紹介する様々な禁煙テクニックやコツ等を参考にして今一歩の努力を続けましょう。
禁煙ステップ(4):禁煙の継続


肥満を予防する
 禁煙すると体重が増える場合があります。食事の量を減らすことや運動するなどして体重をうまくコントロールしましょう。

喫煙再開のキッカケ
 いったん禁煙に成功しても、ちょっとしたキッカケで喫煙を再開してしまうことがよくあるものです。そのためにも、自分の喫煙再開のキッカケを知っておきましょう。そして、禁煙を失敗しないよう心懸けましょう。


■参考4:禁煙継続のための6箇条
 いったん禁煙に成功したからといって、それで安心してはいけません。出来れば医師とも相談し、ここで紹介する6つのコツを参考に、完全な禁煙を目指しましょう。
◆1: タバコの害について自分なりのイメージを持つ
◆2: 禁煙しようと思った理由や禁煙中の努力を思い浮かべる
◆3: 禁煙してよかったことを考える
◆4: 気楽な気持ちで禁煙を続ける
◆5: 禁煙出来たことに自信を持つ
◆6: 周囲の人に禁煙を奨める

禁煙ステップ(5):喫煙を再開してしまったら?
           〜究極の秘訣はネバーギブアップ〜

 上でも書いたように、ちょっとしたキッカケでタバコを吸い始めることは誰でもよくあることです。しかし、禁煙に成功した人の多くは3〜4回の禁煙チャレンジを経験して成功に至るものです。たとえ喫煙を再開してしまったとしても、諦めずに禁煙に繰り返し挑戦して下さい。
参考:日常生活のちょっとした工夫が禁煙成功のコツ

 本節では、多少重複もありますが、本項のまとめとして、以下で禁煙を成功させるコツを紹介します。
 とにかく禁煙を成功させるにはちょっとしたコツがあるのです。それらを上手に利用して、タバコに縛られないよい暮らしを実現しましょう。


◆喫煙と結びついている行動を変えよう
食べ過ぎない
脂っこい食べ物を避ける
食後は直ぐに食卓を離れる
コーヒーや酒類を控える
宴会を避ける
過労や夜更し、ストレスを避ける
◆禁煙しやすい環境づくりをしよう
タバコやライター、灰皿などを処分する
タバコを吸いたくなる場所(パチンコ店や喫茶店など)を避ける
タバコが吸えない場所(映画館とか図書館など)を利用する
◆吸いたくなったら代わりの行動をしよう
深呼吸をする
砂糖不使用のガムや干し昆布を噛む
手の寂しさを紛らわすこと(趣味とか手仕事など)をする
水やフルーツジュース、牛乳などを飲む
果物をよく摂るようにする


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【4】禁煙と医療〜医師による禁煙サポート〜

 禁煙しようと思っても、自分一人では中々タバコを止められないのが現実です。そこで、最近ではどうしてもタバコを止められない人は、医療機関(=禁煙外来)で医師のカウンセリングによって効果的に禁煙が行なえるプログラムを用いた禁煙治療を受けることができるようになりました。
 ここでは、禁煙治療の実際などについて参考までに以下で紹介・解説しておきました。
禁煙治療を始めよう! 

 タバコをどうしても止められない人でも、医者にかかることによって、医師から禁煙を成功させるコツやノウハウを教えてもらい、禁煙動機づけをしてもらうことができます。タバコを止めることができない人は医療機関で禁煙治療を受けることを考えてもよいのではないでしょうか。

 本節では、医師による禁煙治療の実際について、以下で簡単に紹介しました。
禁煙治療
ニコチン依存症と診断されると禁煙治療費の負担が軽くなります

 禁煙治療は06年4月から一定の要件を満たせば保険診療が受けられるようになりました。
 その条件として、以下の要件を全て満たした人が禁煙治療に保険が適用できる医療機関を受診した場合に保険により治療を受けることができます。これまで禁煙に成功しなかった人も医療機関を受診し、ニコチン依存症を治療しましょう。


●1: 「ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)」でニコチン依存症と診断されること
 下で紹介する「ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)」で、「はい」を1点として合計点数を計算し、その合計点数(TDSスコア:0〜10点)が5点以上の場合を「ニコチン依存症」として診断します。

●2: 「ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)」が200以上であること

●3: 直ちに禁煙することを希望し、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療プログラムについて説明を受け、治療を受けることを文書により同意していること


■参考5:ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)
自分が吸うつもりよりもずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか? 
禁煙やタバコの本数を減らそうと試みて出来なかったことがありましたか? 
禁煙したりタバコの本数を減らそうとした時に、タバコが欲しくて欲しくて堪らなくなることがありましたか? 
禁煙したりタバコ本数を減らした時に、次のどれかがありましたか? 
⇒イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、憂鬱、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手の震え、食欲または体重増加
上の症状を消すために再度タバコを吸い始めることがありましたか? 
重い病気に罹った時などに、タバコはよくないと分かっているのにタバコを吸うことがありましたか? 
タバコのために自分に健康問題が起きていると分かっていても、タバコを吸うことがありましたか? 
タバコのために自分に精神的問題(※注) が起きていると分かっていても、タバコを吸うことがありましたか? 
自分はタバコに依存していると感じることがありましたか? 
タバコが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かありましたか? 
※注:  禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなくて、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑鬱などの症状が出現している状態。

標準12週間の禁煙治療プログラム

 標準的な禁煙治療プログラムでは、12週間にわたり合計5回の禁煙治療を受けることになります。

 初回診察で、医師と相談して禁煙開始日を決定し、その後、初診から2週間後、4週間後、8週間後、12週間後に受診します。その間、禁煙を実行し継続するために薬の処方やアドバイスを医師から受けます。
 なお、この標準的禁煙治療を5回終了した人における禁煙/喫煙状況を調査したところ、5回の指導終了時に禁煙を継続(4週間)していた人は72.0%と高い成功率が認められたとのことです。もっとも指導終了後はやや継続禁煙率が下がっては来ているものの、6ヵ月後でも半数以上の人が禁煙を継続していたそうです。自分の意志だけで禁煙しようとする場合の禁煙率は5〜10%程度とされていることから比べると、この禁煙治療プログラムの成功率はかなり高いと言えそうです。
参考:保険適用外でも禁煙治療を受けることが出来ます

 喫煙本数の少ない人や喫煙を開始してから年数の少ない人は、禁煙治療を保険で受ける条件を満たしていませんが、自由診療による禁煙治療を受けることができます。たとえ1年間タバコを毎日20本吸うと約11万円の出費となりますが、禁煙治療を自由診療で受けても半額以下で済むことが殆どで、しかもタバコや喫煙関連疾患と無縁の生活を始めることが可能です。
薬を上手に利用しましょう

ニコチン代替療法(ニコチンパッチ、ニコチンガム)

 これは、少量のニコチンをパッチやガムの形でゆっくりと体内に入れてニコチン切れ症状を軽くする方法です(※保険診療でニコチンパッチを使用する場合は医師の処方箋が必要になります)。

なお、心筋梗塞や脳卒中を起こした直後、また重症の不整脈、出血している胃・十二指腸潰瘍、妊娠中や授乳中などの場合はニコチン代替療法が使えません。必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
ニコチンを含まない飲み薬

 ニコチン代替療法とは異なり、ニコチンを含まない禁煙のための飲み薬(バレニクリン)が日本でも新しく使えるようになりました。この薬はニコチン切れの症状を軽くするだけでなく、禁煙してから再びタバコを吸ってしまった時に「タバコがおいしい」という満足感を得られにくくする作用があります。禁煙を開始しようとする1週間前から飲み始め、1日2回(最初の3日間は1日1回)12週間に渡って服用します。
 なお、この薬はニコチンを含まないため、ニコチン代替療法が使えない患者さんも飲むことができます。ただし医師の処方箋が必要なので、使ってみたい場合は医師に相談しましょう。
最後に〜禁煙を始めるのに遅すぎることはありません

 「禁煙は難しい。これだけ長くタバコを吸ってきたし、今さら止めてもなぁ」と、そんな考えが浮かんでくるかも知れません。けれども、禁煙を始めるタイミングに遅すぎるということはありません。

 禁煙の具体的な効果を上げると、タバコを止めると、まず血圧値や呼気中の一酸化炭素濃度などが回復し始め、数ヵ月後には心臓や肺機能も改善してきます。そして、禁煙10年後には肺ガンによる死亡率が喫煙者の半分になり、15年後には冠動脈疾患のリスクが元々タバコを吸わなかった人のレベルまで近づくことが分かっています。
 このように、今から禁煙しても決して遅すぎることはありません。自分が重症だと思ったら、罹りつけの医師に相談して出来るだけ禁煙治療を受けるようにして下さい。

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