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今月のワンポイントアドバイス


 ニュースでも取り上げられているように、関東地方を中心に猛威を振るうはしかの感染者数が、大流行した2001年のピーク時に迫る勢いとなっています。今回の流行の特徴は、15歳以上29歳以下のいわゆる「成人麻疹」の流行です。
 今月は、まずは今回のはしか大流行の原因を探り、その上で、予防接種や子どものはしかへの対処の仕方などを解説しました。
はしかの看病

大流行!はしかへの対処
10代を中心にはしかが大流行!〜その原因と実体〜
はしかの特徴〜はしかの症状と治療法〜
はしかに罹ったら〜家庭でのケアを中心に〜
はしかの予防法〜まずは予防接種〜


10代を中心にはしかが大流行!〜その原因と実体〜

 現在、10代を中心にはしかが大流行しています。まずは本項では、近年稀に見るはしかの大流行について、その実情と原因について簡単に解説しました。
今回の流行の中心は「成人麻疹」〜感染は関東から全国へ拡大〜


「成人麻疹」患者の8割は29歳以下
 はしかは元々子どもに多い病気ですが、今回の大流行で目立つのが成人麻疹(15歳以上)です。国立感染症研究所の資料によれば、15〜39歳が全体の殆どを占める中で、15〜29歳が8割近くを占めています。やはり高齢者ははしかに罹りにくいようです。
 なお、はしかの症状は典型的には発熱と発疹なのですが、10代になると症状が強く出るのが特徴で、発熱の期間が長くなり、倦怠感などがより強くなると言われています。


 現在はしかが猛威を振るっています。
 国立感染症研究所が2007年5月5日までにまとめたところによると、関東南部を中心に麻疹が流行していて、最も大きく流行した2001年に迫る勢いだそうです。患者の数は今年4月から増え続け、感染は関東中心から全国レベルへと拡大する様相を見せています。はしかの患者が発生すると全国の医療機関から報告されることになっているのですが、この患者報告が3月中旬以降急増しています。特に都内では過去5年間で最も多かった2003年を上回る流行規模に達し、しかも感染地域は他県へ拡大しつつあります。地域としては関東が多いのですが、長野県や宮城県でも発生が見られます。実際の患者数はこの報告の10倍にもなると見られているため、相当な数の患者さんが発生していると考えられます。全国レベルに広がるのも時間の問題かも知れません。
 なお、こうした事態に対して厚生労働省は、「はしかが大流行した2001年の同時期より患者報告数は少ないものの、今後全国での流行と感染者の増加が懸念される」として、全国の都道府県に対して最近注意を喚起しました。はしかの流行で同省がこのような通知を出すのは極めて異例のことだそうで、はしかの感染状況はかなり深刻だと言ってよいでしょう。

 特に今回の流行の特徴は10代、特に15歳以上に流行が多く見られることで、首都圏では10〜20代を中心とした「成人麻疹」(15歳以上)の集団感染が広がっています。ニュースでも触れられているように、都内では4月18日に創価大学が全授業の休講に踏み切ったのを皮切りに、5月に入ってからは早稲田大学を初め上智・日本・東京工科・成蹊など他の大学にも休講になる大学が続出しました。既に増加中の小中高校での臨時休校が大学にも急拡大しているのです。首都圏は人口密度が高い分、感染するスピードも速いのかも知れません。
「成人麻疹」大流行の原因

 今回成人麻疹が大流行している原因は何なのでしょうか? 


■原因1:  免疫の低下。近年はしかの発生が減り、ウイルスに接触する機会が少なくなったため、ワクチン接種による免疫が低下した人が多いのです。
■原因2:  10代後半ではワクチン接種をしていない人が多く、そのため若い学生の間で集団感染が続発しているのです。
 これを防ぐには、やはり予防接種を行なうしかないということで、今回の流行を受け、はしかの患者が発生した学校では生徒や学生にワクチンを接種したところもあるそうです。流行の情報に気をつけ、該当する地域や学校に通っている子どもたちは、ワクチン接種ではしか予防することをオススメします。


マメ知識1:はしかと終生免疫〜予防接種の効果は一生続きません
 予防接種を受ければ、少なくとも幼児期の間はほぼはしかには罹らないと言われています。ただ予防接種を受けてから10数年全くはしかのウイルスに接触することがないと、身体がはしかのことを忘れてしまい、予防接種の効果が切れてしまうこともあります。しかも今の10代の子どもたちは、予防接種のお陰で幼少時にはしかの流行を殆ど経験していない世代です。そのため、予防接種をしていてもはしかに罹ってしまうこともあるのです。
 はしかの免疫は「終世免疫(=一度罹れば一生大丈夫)」だと昔は思われていましたが、免疫記憶細胞の推定寿命からするとこれは間違いだということが最近分かって来ました。はしかが終世免疫になるのは、一度感染した後に免疫記憶がある状態で再び症状が強く出ない状態で感染し、免疫記憶がしっかりと更新された場合のみなのです。この免疫記憶の更新機会がどの程度あるかは現在の日本では不明です。何れにせよ、強い空気感染力と終生免疫にならないという特徴からも、はしかの感染を防ぐのは難しいことだと分かるでしょう。

参考1:東京都のはしかの流行状況


■東京都の成人麻疹の患者数推移状況(※5/23現在)
◆成人麻疹(15歳以上)患者数推移グラフ
成人麻疹患者数推移グラフ(15歳以上)
◆成人麻疹(14歳以下)患者数推移グラフ
成人麻疹患者数推移グラフ(14歳以下)

参考2:はしかは日本の輸出病!?〜我が国におけるはしか対策について〜

 日本の医療で海外から真っ先に非難されるのは「はしかの輸出」だと言われています。我が国は近年「麻疹輸出国」という誠に不名誉なレッテルを欧米諸国より貼られているのです。経済的に予防注射が可能な国の中で、実は日本のはしかの予防接種の普及は最低なのです。確かに成人の発病率も上昇傾向を示し、乳幼児の死亡も今なお毎年2桁を下りませんが、その主因は何れもワクチン接種体制の不備によるもので、その改善こそ第一に取り組まなければならない施策だと言ってよいでしょう。
 ちなみに、予防接種が普及しているアメリカでは年間数十人の発症しかありません。その数十人も、いわゆる不法移民が殆どとされています。自由の国・アメリカでは予防接種の国からの強制は当然ありませんが、しかし、就学時の条件にはしかを含めた多くの予防接種の証明が要求されます。アメリカ留学や転勤の場合、小学校入学を控えた家族がいると予防接種が済むまでは就学出来ないのです。


 まず乳幼児対策としては、麻疹発病のピークが1歳児にあることから、現行法の下では1歳になったら出来るだけ早期にワクチン接種を実施し、しかもその接種率を95%以上に上げることが大切です。そのため、日本医師会でもポスターを作るなどしてその推進に積極的に取り組んでいます。
 現行法では麻疹ワクチンの接種は母体より移行する抗体保有期間として12ヶ月までを除外していますが、実際には0歳児の罹患率は10数%を超え、しかも重症例も少なくないのが実情です。その原因としては、母親自身が若くてワクチン未接種者であったり、或は接種していてもお子さんの抗体価の保有が12ヶ月持たずに急激に降下してしまうものがかなり多いことなどが考えられます。従って、これを放置するわけにはゆかない現状にあります。何れワクチンの早期接種と接種率の向上が進めば、1歳児の感染ピークが抑えられ、そこからうつされる機会も減り、0歳児の罹患も防げることになるでしょうが、ここ暫くは何らかの対策が必要だろうと考えられます。また、0歳児への麻疹ワクチン接種については、その確実性を考えれば、現状では2回接種が必要という厄介な面があるわけですが、出来れば9ヶ以降の1回接種のみで充分確実で安全なワクチンの開発が可能であれば理想的で、開発が期待されているところです。

 一方、成人対策としては、未接種者を中心とするはしか感受性者への対策がまず大切でしょう。特に現在海外で活躍することの多い10歳代後半より30歳前半の年代はワクチンの接種率も60〜70%前後と低く、成人麻疹の発生の大半を占めているもので、この中のはしか感受性者もおよそ80万人程度いると推計されています。しかし、問題はこのはしか感受性者の確認が簡単には出来ないことで、早急な方策としては、その年代で海外出張や長期の旅行を計画している者は、確実にはしかに罹った者以外はまずワクチン接種を受けてから海外にゆくことが推奨されます。
 何れにしても麻疹を早急に根絶し、「麻疹輸出国」の汚名を返上したいものですね。

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はしかの特徴〜はしかの症状と治療法〜

 はしかとはどのような病気なのでしょうか? 本項では、はしかの特徴について、その症状や治療法を中心に解説しました。
はしかとは?

麻疹ウィルス はしかは「麻疹」と書き(※元の用字は「痲疹」ですが、漢字制限によって「麻疹」と書かれるようになりました)、ウイルス感染症(伝染病)の一種です。麻疹(ましん)ウイルスによる発疹の出る病気で、「一生に一度は罹る」と言われているように伝染力が強く、はしかに罹ると高熱が出てぐったりします。また、中耳炎や肺炎、脳炎などの合併症を起こしやすく、昔は「命定め」と呼ばれていました。なお、はしかは現在でも年間50人前後の死者を出す病気で、気をつけなければ行けない病気に変わりはありません。

 ちなみに、はしかとよく似た病名に「3日はしか」がありますが、これは風疹(ふうしん)のことです。風疹と区別するためにはしかのことを「七日はしか」と言うこともあります。一般に風疹よりもはしかの方が症状は重くなります。
 はしかに罹っていない人、予防接種をしていない人は速やかに予防接種することをオススメします。
エレベーターも盲点!〜感染者から一気に拡大! 空気感染力の強い麻疹〜

 はしかは空気感染力の強いウイルス病で、同じに部屋にいるだけで麻疹ウイルスに感染する危険性が高いのです。そのため、たとえばはしかに感染した人が降りた直後にエレベーターに乗り込んで呼吸しただけでもはしかに感染する可能性があります。

 さらに厄介なことに、発疹が出る前の時期(カタル期)の方が感染力が強いのです。発疹が出る前は発熱とか腹痛などが主な症状なので、他のウイルス感染と区別が出来ません。少なくとも発疹が出てはしかと確認された場合は、欠席または欠勤して、他人へのそれ以上の感染拡大を防ぎましょう。
はしかの特徴


原因と感染経路:
 はしかは麻疹ウイルスの感染による病気で、(1)空気中のウイルスを吸い込むことによる「空気感染」や、(2)咳やクシャミのしぶきによる「飛沫感染」で感染します。

罹りやすい月齢&年齢:
 最近は大人での感染も増えていますが、一般にはしかに罹りやすいのは生まれてから6か月以後(多くは幼稚園くらいまで)の時期です。

罹りやすい季節:
 春、特に5月がピークです。

潜伏期間:
 10〜14日(多くは11日)。

症状:
 はしかの症状の詳細については、下の項目で解説します。

治療法:
 はしかの治療法についても、下の項目で解説します。

はしかの症状


初めは風邪のような症状から
高熱が続き、子どもはぐったりします。重症になることも
発熱が収まると徐々に回復


 はしかの症状は、1〜2週間程度の潜伏期間の後、以下で説明するように、(1)カタル期、(2)発疹期、(3)回復期の3期に分類されます。一般に症状が出てから10日〜2週間で治癒します。
 なお、下で詳しく説明するようにはしかの症状は典型的には発熱と発疹なのですが、10代になると症状が強く出るのが特徴です。発熱の期間が長くなり、倦怠感などがより強くなります。


カタル期:
コプリック斑 発症すると、まずは風邪のような症状から始まり、発熱(39℃程度の高熱となることが多い)に加えて、咳や鼻汁、結膜充血、目やにといったカタル症状を伴います。なお、この時にはしかと診断するのは難しいようです。
 発熱2〜3日目で頬の内側の粘膜にコプリック斑と呼ばれる周りが赤く小さな白い斑点が数個現われ、この段階ではしかの診断がつきます。
 カタル期は3〜4日間続いた後いったん解熱します。

※なお、他者への感染力はカタル期に最も強いとされます。

発疹期:
発疹期 カタル期の後にいったん解熱し、一度熱は37℃台に下がりますが、半日ほどで再び39〜40℃の高熱が出現し(二峰性発熱)、発疹が出現するという独特の発熱パターンがあります。
 なお、発疹期は発疹出現後72時間程度持続しますが、これ以上長い発熱が続く場合には細菌による二次感染の疑いがあります。また、重症になると、肺炎や脳炎になることがあります。また、中耳炎になることもあります。

 再発熱とともに赤い発疹がまず耳の後ろ、首や顔に現われます。その後身体から手足に出て、2〜3日で全身に広がってゆきます。発疹は鮮紅色で、やや隆起しています。発疹は段々大きくなって盛り上がり、やがて発疹同士がくっついてまだらになります。
 この頃が子どもとって一番つらい時期で、発熱・発疹の他、咳・鼻汁もいっそう強くなり、下痢を伴うことも多くあります。また、口腔粘膜が荒れて痛みを伴います。これらの症状と高熱に伴う全身倦怠感のため経口摂取は不良となり、特に乳幼児では脱水になりやすいので注意が必要です。

回復期:
 解熱後も咳は強く残りますが、徐々に改善して来ます。発疹は退色後、色素沈着を残すものの、5〜6日程で皮が剥けるように取れるとも報告されています。
 なお、回復期2日目頃までは感染力が残っているため、学校保健法により解熱後3日を経過するまでは出席停止の措置が取られています。

はしかの治療法

 はしかはウィルスで起こる病気なので、はしかに直接効く薬はありません。従って、麻疹ウイルスそのものに対する治療ではなく、症状に応じた治療方法が採られることにになります。すなわち、特効薬がないので、風邪などと同じ自然治癒させるための対症療法で、自然に治っていくのを待つことになるわけです。また、緊急度は症状によって異なります。


 具体的には、一般的な療法として、まずは安静にして、ひどい症状を和らげる対症療法を行ないます。また、有熱期間中は充分な水分と栄養を補給出来るように注意をします。薬物療法としては、イ)解熱薬、ロ)去痰薬、ハ)抗菌薬、ニ)輸液療法、ホ)ビタミンA療法などがあります。
 なお、合併症の可能性がある場合にはその合併症に対する薬を使います。また、症状が重い時や合併症を起こした場合入院がすることがあります。

なお病院で見てもらう場合、他の人へうつす可能性があるので、他の患者さんと別の部屋で待つことになります。その場合は、予め電話などで連絡し指示をもらうとよいでしょう。
怖いはしかの合併症

 体力を消耗し抵抗力も弱まっているので、はしかは合併症を起こすことがあります。はしかに感染・発症すると、ウイルスがリンパ球などで繁殖して一時的な免疫力低下が起こるため感染症に罹りやすくなるのです。また、発熱時に下手に解熱剤などを投与した場合、細菌による二次感染の危険性も高まります。
 合併症が原因で入院したり、治っても後遺症が残ったり、ひどい場合には死亡することもあるので注意が必要です。


 はしかの主な合併症として、気管支炎や肺炎、中耳炎、脳炎があります。患者100人中、中耳炎は7〜9人、肺炎は1〜6人に合併します。脳炎は1000人に2人の割合で発生が見られます。また、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という慢性に経過する脳炎は約5万例に1例発生します。


■はしかの合併症の種類
脳・神経系の合併症
  • 亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis:SSPE)
     この病気は麻疹に感染後数年してから発症し、ゆっくりと進行する予後不良の脳炎です。はしかに罹った人の数万人に1人が発症すると言われています。稀に予防接種でも発症することもあります。

  • ウイルス性脳炎:
     1000人に1人くらいの割合で発症します。熱発の程度と脳炎の発症率に相関はありません。発症すると、6分の1が死亡、3分の1に神経系の障害が残ります。

咽頭〜気道系の合併症
  • 麻疹ウイルスによるもの(中耳炎、肺炎、細気管支炎、仮性クループ)
  • 細菌の二次感染によるもの(中耳炎、肺炎、気管支炎、結核の悪化)
その他の合併症
  • 下痢
  • 口内炎
  • カンジダ症

参考:感染症について

 感染症(Infectious disease)とは、寄生虫や細菌・真菌などの病原性微生物や、ウイルスや異常プリオンなどの病原体が体内に侵入し、感染して増殖し発症する疾患の総称です。なお、感染していても全く症状が出ない場合もあり、その場合には「無症候感染」と呼ばれることもあります。


 世界での感染症による死亡者は全死亡者数の4分の1程度を占めると言われており、現在でも、新興感染症と呼ばれるエボラ出血熱やSARSのような新たな感染症の出現が大きな話題となっています。日本でも結核患者数の再増加やMRSAに代表される院内感染など現在でも様々な問題が存在しています。
 また、一部の感染症は悪性疾患の原因として関与していることが知られています。たとえば子宮頚癌や外陰部癌の原因となるヒトパピローマウイルスや、肝細胞癌の原因となるB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス、また、バーキットリンパ腫の原因となるEBウイルスなどが挙げられます。

 なお、日本では感染症に対応するための法律として、従来の「伝染病予防法」と「性病予防法」、「エイズ予防法」が廃止・統合され、1999年4月1日から「感染症法」が施行されています。


■感染症の感染経路
 感染症の感染経路は、(1)「空気感染」(2)「飛沫感染」(3)「接触感染」の3つに大別されます。なお、これ以外にも、(4)「母子感染=垂直感染」や(5)「血液感染」などの細かい感染経路が認められます。
■1 空気感染:
 患者の咳やクシャミによって病原体が空気中に散布され、直径5μm以下の微粒子(飛沫核)となって長時間に渡りそのまま空中を浮遊し、長い距離を移動して広がり、それを呼吸と共に吸い込むことで感染します。「飛沫核感染」とも言います。結核やはしか・水疱瘡・天然痘がこの感染経路で感染します。
■2 飛沫感染:
 患者の咳やクシャミによって唾液や鼻汁に付着した病原体が、唾液・鼻汁が人にかかることによって感染します。通常の風邪ウイルスやインフルエンザ、通常の細菌性肺炎などがこの感染経路で感染します。
■3 接触感染:
 皮膚や眼などを介して水や土壌などから直接感染するもので、疥癬などがこれに当たります。また、その接触感染のひとつの形態として「性行為感染症」があります。これは精液や膣分泌液等を介して性行為を行なうことで感染します。
■4 母子感染=垂直感染:
 これは、赤ちゃんが体内で母親の子宮や胎盤から栄養をもらっている時に感染する「経胎盤感染」や、分娩の際の皮膚の擦り傷から感染する「経腟感染」、産後の母乳の授乳で感染する「母乳感染」などがあります。
■5 血液感染:
 主に輸血、また傷口や不潔な医療行為によって感染します。これを防ぐため、献血受付時の問診や献血後のウイルスのチェック、種々の医療器具(たとえば注射器)の使い捨て化などのあらゆる努力がなされています。


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はしかに罹ったら〜家庭でのケアを中心に〜

 はしかに罹ったらどうしたらよいのでしょうか? 本項では、子どものはしかを中心に、家庭でのケアのポイントについて解説しました。
はしかに罹ったら〜家庭でのケアのポイント〜
はしかの看病

 お子さんが病気になって、つらそうにしている姿を見るのは誰でも心配なものです。しかし、何日かすると、またいつもの元気なお子さんに戻りますので、暖かく見守って安心させてあげて下さい。

 本節では、詳しくはしかのお子さんの看病のポイントについて、以下になるべく解説しました。
1)観察が大切

 熱を測り、その他の全身の症状を正確に記録しましょう。熱がある時は朝・昼・夕方と1日3回測り、熱だけでなく、前回測定した時からの熱の上がり方にも注意をしましょう。


体温の測り方:
 脇の下は汗がたまりやすいのでよく拭き、斜め前下の方から脇の下の中央に体温計の先端が来るようにはさみましょう。なお、体調のよい時に熱を測り、お子さんの平熱を知っておくとよいでしょう。

 観察ポイントは体温・顔色・機嫌・おしっこの量・色、食欲などです。また、発疹の状態もよく見ましょう。おしっこの量が少なく、色が濃い時には水分を多めにあげましょう。


まめ知識2:家にある体温計は何ですか?
  • 水銀体温計:脇の下の正しい位置で測定すれば体温は正確に測れますが、測定時間が長くかかります。

  • 電子体温計:測定時間が比較的短く扱いやすい体温計です。水銀体温計に比べて熱が少し高めに出る傾向があります。

  • 耳式体温計:耳の中に挿入して簡単に数秒で測定できます。しかし、外気温の影響を受けやすかったり、耳に差し込む角度によって誤差が出ることがあります。

  • それぞれの特徴を知って、体調のよい時に何回か測り、お子さんの平熱を知っておきましょう。


2)水分補給に気をつける


 熱が高い時は脱水症状にならないよう、マメに水分を与えましょう。
 例)湯ざましや麦茶、乳幼児用イオン飲料、薄めたた果汁、野菜スープなど。

 熱が高くて食欲がない時は、消化がよく喉ごしのよい軟らかいものにしましょう。また、お子さんの食べられるものを少しずつ与えます。
 例)お粥ゆやうどん、市販の離乳食の利用など。アイスクリームやプリン、ゼリーなどを与えても大丈夫です。


まめ知識3:お粥の作り方
●レトルトを使うと簡単
●小さな土鍋を使うと簡単
●5分粥は米1に対して水5〜6の割合

3)安静を保ちましょう

 なるべく室内で静かに過ごすことが大切ですが、無理に寝かせなくても大丈夫です。身体が楽になるまで抱っこしたり添い寝をしたりして、お子さんが静かに休めるようにしてあげましょう。また、身体の抵抗力が下がっているので、症状がある時は外で遊ばせることは避けましょう。
4)部屋の環境に気をつけよう

 室温は暑すぎたり寒すぎたりしないようにします。室温は秋から冬にかけては20度前後、夏は26度〜28度位が適温と言われていますが、基本的には大人が快適と感じる室温でよいのです。また、眩しがる時は部屋を暗くします。

熱があるからといって部屋を暖めすぎると室内が乾燥し、余計に辛くなることもあります。時々窓を開けて換気したり、濡れたタオルや洗濯物を部屋にかけて湿度を保つなど注意しましょう。なお加湿器を使う場合は、水をこまめに換えて清潔にしないと雑菌を部屋中にばらまいてしまうことになります。
5)衣類も厚着/薄着に気をつけましょう

 熱が高い時は、布団をかけすぎたり厚着にしないように気をつけましょう。背中に手を入れて汗をかいていたら着せすぎです。家の中で厚着をさせる必要はありません。機嫌がよければ、普段着ている枚数の衣服で大丈夫です。

 なお、熱が出始める時は寒気から始まることが多いので、顔色も悪く手足も冷たい時は衣服を多めに着せてあげるか、毛布かタオルケットを1枚増やしてあげましょう。熱が下がって来たら1枚ずつ少なくしてゆきます。
6)お風呂は様子を見ながらにし、清潔にしてあげましょう

 熱がある時はお風呂は控えましょう。入れる場合は、疲れないように短時間ですませます。或はシャワーで体を清潔にするのもよいでしょう。

 お風呂に入れない時は暖かいタオルで身体を拭いてあげたり、足やお尻など汚れやすいところを洗ってあげます。汗をかいたら身体を拭いたり、こまめに着替えさせたりして、気持ちよく寝かせてあげましょう。また、目やにはガーゼでやさしくとってあげましょう。


まめ知識4:電子レンジを使った蒸しタオルのつくり方
 水で硬く絞ったタオルを耐熱用のジッパー付ビニール袋に入れ、1本1〜2分加熱すると出来上がりです。

7)熱がある時でも無理に冷やすことはありません

 熱がある時でも無理に冷やすことはありませんが、お子さんが熱で辛そうなら、気持ちがよいように冷やしてあげましょう。

なお、保冷材の小さいものや氷を2〜3個ビニール袋に入れてしっかりと口を結び、お子さんの靴下などに入れて首すじや腋の下、足の付け根などに当ててあげると、熱が下がることもありますし、何より気持ちがよいです。


◆注意:  貼る冷却シートや氷枕は熱を下げる効果は期待できません。お子さんが嫌がらなければ額などに貼り付けて、冷たい感触で気持ちよくしてあげても構いません。

8)外出は充分休養を取ってからにしましょう


はしかは学校伝染病なので、解熱してから3日経つまで登校(登園)出来ません。


 熱が下がったからといっても、まだ身体の抵抗力は弱まっているので、外出するのは避けましょう。かなり体力を消耗しますので、なるべく室内で静かに過ごすことが大切です。

はしかが完治するまで10日〜2週間ほどかかることが多いようです。登園・登校は熱が下がって3以上経ってからですが、かかりつけのお医者さんとよく相談して決めましょう。
9)参考:外来受診時の観察ポイント

 以下の点に注意をしてお医者さんに伝えましょう。メモをしてゆくとよいでしょう。
 母子健康手帳も忘れずに。


いつからの発熱か、その後の熱の経過は?
他の症状は?[機嫌、咳、鼻水、便の状態、嘔吐]
何か薬を使ったか?[いつ・何を]
水分・食事は?
ご近所やお友達で流行している病気はないか?

◆注意:  はしかはとても感染力が強い病気で、周りのお子さんにうつる可能性がありますので、受診の際は、受付で「はしか(麻疹)かも知れない」などと伝えて下さい。

10)注意:こんな時は直ちに再受診しましょう! 


全身状態が悪くなった時
尿が濃くなったり量が減った時
呼吸が苦しそうな時
発疹が出て4日後も熱が下がらない時
発疹が出た後熱が下がったが、再び熱が上がってしまった時
眠気が強い時
呼びかけても反応が弱いなど異常にぼんやりしている時
首が硬直して曲げにくい時
泣き止まない時
耳を痛がる時
その他、上記の「家庭でのケア」を参考にしながら、お子さんの状態をよく観察しましょう。

参考1:はしかに解熱剤は危険!〜「はしかかも?」と思ったら解熱剤は使わないように〜


解熱剤は病気を長びかせる
解熱剤は引きつけを予防しない
解熱剤が病気を悪化させる


 高熱で苦しんでいるお子さんを見ると、ついつい解熱剤を使いたくなるのが親心というものですが、解熱剤は重大な副作用を起こすので使わないようにしましょう。小児への強い解熱剤の投与は、病気を長引かせ、ウイルス感染症の重症化とも関係します。引きつけの予防効果もないので、小児の発熱時の強い解熱剤の投与は止めましょう。
 何れにせよ、「原因を問わず、発熱時に原則として解熱剤を使わない」というのが現代の定説です。ただし、氷嚢などで物理的に体温を下げることは問題ありません。


 はしかの診断は発疹が出てからなされることが多いのですが、はしかの発疹と発熱は麻疹ウィルスと免疫系の戦いの証拠です。この発疹の意味は、譬えて言えば潜伏期間中の麻疹ウイルスと免疫系の小勢り合い(具体的には発熱)を経て最後の決戦に及んでいる状況です。しかし、はしかの発熱に対して解熱剤を使用することは、その免疫の防御機能を下げて実は大変危険なのです。

 呼吸器系から侵入したウイルスが血液中に入り、ウイルス血症を起こしている時期は、自覚的には頭痛や腹痛・関節痛などが現われ、いっぽう他覚的には発熱が認められます。しかし、他のウイルス感染による症状と区別が出来ないので、はしかとは診断することが出来ません。この時期にうっかり解熱剤を使っては大変なことになります。
 周囲にはしかの人がいる時は解熱剤は服薬しないで、まずは経過観察するように心懸けましょう。


ちなみに、ウイルス性疾患に対して安全性が高い解熱剤はacetoaminophenだけです。これ以外は使用してはいけません。なお、acetoaminophenの安全性は高いのですが、解熱効果は弱く、下げるというよりも投与時の体温より上げない程度の効き目です。
参考2:はしかのアトピーや喘息への影響について

 上でも説明した通り、はしかは発疹と発熱を特徴とする病気です。発疹が出ると当然痒みを伴いますから、アトピーの湿疹が悪くなります。また、高熱が4〜5日続きますので、発熱のためアトピーの痒みが増します。中々入浴も出来ないと、当然ながらアトピーの湿疹も悪くなってしまいます。

 そればかりではありません。はしかに罹ると風邪のような症状が出てきますので、当然ながら喘息もひどくなります。麻疹ウイルスは喘息の悪化因子でもあるのです。
 特に、はしかの合併症に「間質性肺炎」があります。間質性肺炎は、肺は肺胞という小さな風船の集まりですが、その風船の間に麻疹ウイルスが増殖して炎症が強くなり、呼吸困難を起こします。この間質性肺炎がひどくなると命に関わるので注意が必要です。

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はしかに罹らないために〜まずは予防接種を〜

 はしかの有効な治療法はありません。はしかにならないようにするのが第一で、そのためには予防接種が何より大切です。本項では、予防接種を中心に、はしかにならないための予防法を解説しました。
結局は健康管理が大切!


■日頃の健康管理がポイント!
普段から免疫力を低下させないようにすること
手洗いやうがいなどで病気を予防すること


 上でも触れたように麻疹ウイルスを退治する薬はないので、はしかに罹ったら対処療法が中心になります。そこで、はしかに罹らないように予防することが必要になります。
 まず直ぐに出来ることは日頃の健康管理です。夜更かし、寝不足や食事の摂取の不規則な生活などが続く時は、出来るだけ人混みを避けましょう。花粉症の方でマスクの装着に慣れている方は、花粉症の時期以外でも、人混みにゆく時はマスクをすれば感染の機会を減らすことが出来ます。不織布マスクは、花粉症だけでなく、はしか予防にも有効です。
女性ははしかの検査を!

 はしかは特に女性にとって深刻な病気です。もしもはしかの免疫力がない女性が妊娠中に麻疹に感染した場合はどうなるでしょうか? 一般に胎児には大きな影響はないとされていますが、妊娠中の麻疹は流産や早産の可能性を高くする事が報告されています。


 妊娠した女性は定期検診で病院を受診することになります。既にお子さんがいる他の妊婦の方は子ども連れで受診しています。はしかの発疹が明らかならば子ども連れでは受診は当然控えるでしょうが、多少子どもが発熱していても、定期検診なので受診する可能性があります。定期検診で受診することがはしかに感染する機会を高めてしまう可能性があるわけです。

 出産を希望する女性には、はしかに対する抗体価(正確にはIgG抗体)を測定することをオススメします。それと同時に、風疹に対する抗体価とおたふく風邪に対する抗体価も測定しましょう。なお、測定結果が陰性、或は抗体価が低い時は医師と相談して下さい。
重要!まずは予防接種を


はしかの予防には予防接種が一番です。

 はしかは例年春から初夏にかけて流行の最盛期を迎えるため今後も注意が必要です。もしも発熱や咳・発疹などの疑わしい症状が出たら、早めに病院で診察を受けるのがオススメです。特に予防接種を未接種、或は過去の接種から10年以上経過した29歳以下の人はくれぐれもご用が必要です。
定期接種〜1歳の誕生日にまずは1回目の予防接種を〜

 予防接種を受ければ、少なくとも幼児期の間はほぼはしかには罹らないとされています。ただし最近では、予防接種を受けてから10数年間全くはしかのウイルスに接触することがないと、身体がはしかのことを忘れてしまい、はしかに罹ってしまうこともあると言われています。何れにせよ重症になると怖いのは幼児期なので、少なくともその間は予防しましょう、という視点から幼児期の接種が薦められているのです。1才で1度予防接種をすれば、少なくとも重症化しやすい幼児の間は免疫の効果があり、はしかを予防出来ます。


◆アドバイス: 過去に予防接種を受けた人でも、10年程経つと免疫(※伝染病などに1度罹ると2度目は軽い症状で済んだり、罹らなくなったりすること。ワクチン接種をすると人工的に免疫が与えられるのです)の低下で発症するケースもあるので、周囲に患者がいる場合などは再接種がオススメです。

予防接種の時期

 定期予防接種は、(1)生後12〜24ヶ月未満の1歳児の時(第1期)と、(2)小学校入学前の1年間の小児(入学前年度の4月1日〜3月31日)の時(第2期)の計2回、麻疹(ましん)・風疹混合ワクチン(MRワクチン)もしくは麻疹ワクチンを接種します。


◆注意1:  はしかまたは風疹に罹ったことのある子ども以外は麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)が推奨されています。
◆注意2:  第1期・第1期以外は任意接種となります。

1歳の誕生日にまずは1回目の予防接種を

 とにかく1回目の接種は出来る限り早めに受けさせましょう。 麻疹ワクチンは予防接種法による勧奨接種(公費負担)となっており、1才の誕生日が過ぎ、区市町村から予防接種の連絡が来たら、お子さんの健康状態を見て早めに予防接種を受けさせましょう。

 なお、生後6か月までの間はお母さんから抗体という麻疹ウイルスとたたかう物質を受け取っているので、はしかに罹ることは殆どありません。また、その後も暫くは免疫系が未熟なので、予防接種が出来るのは一般に1歳になってからとされています。ただし、生後7〜8ヶ月以降で、お母さんからの免疫が無くなった子どもの場合でも、はしかが流行している時や保育所に入園させる時は9ヶ月月過ぎると予防接種出来ます。なおその場合、免疫がしっかできていない可能性もあるので、1歳以降にもう一度接種しましょう(※その場合はお医者さんと相談して下さい)。



◆注意1:  一般に6ヶ月未満の赤ちゃんは、お母さんの免疫をもらってはしかにならないと言われています。しかし、お母さんが以前にはしかに罹っておらず、予防接種もしていない場合、お母さん自体がはしかに対する免疫を持っていないため、赤ちゃんもはしかの免疫をもらっておらず、はしかに感染する可能性があります。
◆注意2:  はしかに罹った人との接触後72時間以内に麻疹ワクチンを接種すれば、はしかの症状が出るのを押さえられる、発症しても軽くて済む効果が期待出来るとされていますが、しかし、はしかは潜伏期間が長く、また熱が出てから発疹が出るまでにも3〜4日かかり、はしかと診断された時には72時間を過ぎていることが多いようです。その上、保育園や幼稚園などでは、いつ麻疹ウィルスに接触したかはっきりしないことも多いはずです。まずはかかりつけのお医者さんと相談しましょう。

予防接種の副作用

 予防接種の副作用(副反応と言います)で多いものは発熱です。2〜3割の子どもに起こり、数日間で下がります。発疹が出ることもあります。ちなみに、一時問題になった脳の障害は百万人に1人以下という割合で起こりますが、はしかに罹った時の脳炎になる率(千人に1人)よりはずっと少ないものです。
参考:日本での麻疹のワクチン接種の問題点

 日本では1978年〜1993年までは麻疹のワクチン接種が義務化されていたため、それまでは100%の人が予防接種を受けていました。しかし、1993年に3種混合ワクチンによる副作用による死亡者が出たためl994年に法律が改正され、麻疹ワクチン接種の義務化が中止されました。つまり、それ以降、予防接種を受けるか受けないかを保護者の判断で決められるようになったため、麻疹ワクチン接種率が激減しました。
 それが原因となって、今回の「成人麻疹」の大流行を生んでいるのです。


 なお、2004年の麻疹ワクチン接種率は76%と低値になっていますが、麻疹ワクチン接種率は90〜95%でないと麻疹流行の予防効果はないと言われています。日本でも2006年より麻疹ワクチン接種を2回実施する方式に改めましたが、義務化されていないため効果は余り期待出来ません。

 上でも触れたように、子どもの場合は1歳時と小学校就学前1年間の2回、予防接種法による定期接種が受けられますが、それ以外は自分で接種を受ける必要があります。

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